JP2004107341A - 易重合性物質の取扱い方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化させ、得
られたアミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質からアミン系重合防止剤を低減
することができる易重合性物質の取扱い方法を提供する。
【解決手段】 アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化させ
、得られたアミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質を酸と接触させる。特に、
易重合性物質含有物を蒸留または蒸発操作で精製する際に、アミン系重合防止剤を気相部
に存在させ、得られる易重合性物質とアミン系重合防止剤とを含む留出液を酸と接触させ
る。
【選択図】なし
【選択図】なし
【選択図】なし

Description

 本発明は、易重合性物質含有物を蒸留または蒸発操作等の気体状態の易重合性物質を液
体状態に変化させる際の易重合性物質の取扱い方法に関する。本発明は、特に(メタ)ア
クリル酸または(メタ)アクリル酸エステルの取扱い方法に関する。
 重合体の原料となる易重合性物質は石油原料から製造される。易重合性物質は、熱や光
等による重合することから、合成や精製プロセスにおいては、重合防止剤が通常添加され
ている。また、製造後の易重合性物質にも重合防止剤が通常添加されている。易重合性物
質に添加する重合防止剤としては多くのものが知られており、中でもアミン系重合防止剤
は一般的に広く用いられている。
 例えば、特許文献1には蒸留に際し、気相にN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
塩を添加するアクリル系モノマーの蒸留方法が開示されている。また、特許文献2にはグ
リコール類に溶解したクペロン類を系内に連続的または断続的に供給しつつ蒸留する不飽
和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの精製方法が開示されている。
 しかしながらこれらの方法では、精製した易重合性物質にアミン系重合防止剤が混入す
るという問題がある。易重合性物質に重合防止剤が含まれていると、重合させて重合体を
製造する際に多くの重合開始剤が必要となる。さらに、重合防止剤によっては易重合性物
質のモノマーやその重合体が不必要に着色するため製品価値が低下するという問題がある

特開昭63−126853号公報 特開昭64−42462号公報
 本発明の目的は、アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化
させ、得られたアミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質からアミン系重合防止
剤を低減することができる易重合性物質の取扱い方法を提供することにある。特に、易重
合性物質含有物を蒸留または蒸発操作で精製する際に、アミン系重合防止剤を気相部に存
在させ、得られる留出液からアミン系重合防止剤を低減することができる易重合性物質の
取扱い方法を提供することにある。
 本発明は、アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化させ、
得られたアミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質を酸と接触させる易重合性物
質の取扱い方法である。
 このような取扱い方法としては、易重合性物質含有物を蒸留または蒸発操作で精製する
際に、アミン系重合防止剤を気相部に存在させ、得られる易重合性物質とアミン系重合防
止剤とを含む留出液を酸と接触させる場合が代表的である。易重合性物質含有物を
蒸留操作で精製する際には、蒸留塔の塔頂部または還流部よりアミン系重合防止剤を供給
してアミン系重合防止剤を気相部に存在させることが好ましい。使用するアミン系重合防
止剤は蒸留または蒸発させようとする易重合性物質の蒸気圧より低い蒸気圧を持ったもの
が好ましい。アミン系重合防止剤としては式(1)で示される少なくとも1種のアミン化
合物が好ましい。
Figure 2004107341
(式中、Rはフェニル基、ナフチル基またはアルキル基であって直鎖状でも分岐状でも
よい。Rはフェニル基またはナフチル基を示す。)
 また本発明で使用する酸としては、固体酸が好ましく、特に活性白土、酸性イオン交換
樹脂、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の固体酸がより好ましく、洗浄した酸性
イオン交換樹脂が特に好ましい。
 本発明の取扱い方法は、易重合性物質が(メタ)アクリル酸エステルの場合に好適であ
る。
 本発明によれば、アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化
させ、得られたアミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質からアミン系重合防止
剤を低減することができる。特に、易重合性物質含有物を蒸留または蒸発操作で精製する
際に、アミン系重合防止剤を気相部に存在させ、得られる易重合性物質とアミン系重合防
止剤とを含む留出液からアミン系重合防止剤を低減することができる。
 本発明は、アミン系重合防止剤が式(1)で示される少なくとも1種のアミン系重合防
止剤の低減に特に効果的である。
 また本発明において、酸として固体酸、好ましくは活性白土、酸性イオン交換樹脂、ゼ
オライト、より好ましくは洗浄した酸性イオン交換樹脂を用いると易重合性物質の損失を
少なくすることができる。
 本発明は、易重合性物質が(メタ)アクリル酸エステルの場合に好適である。
 本発明において易重合性物質とは、ビニル基を含む重合性化合物であり、例えば、不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また不飽和カルボン酸エ
ステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸
ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等のアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の脂環式アルキルエ
ステル類、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族基含有エステル類、(メタ)アクリル
酸グリシジル等の複素環基含有エステル類、(メタ)アクリル酸アリル等の不飽和アルキ
ルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル等のヒドロキシアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(
メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等のアルコキシアルキルエステル類、ジ(メタ)ア
クリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ
)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチ
ロールプロパン等の多価アルコールのエステル類、フタル酸2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボン
酸含有アルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチルベンジルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等のジアルキル
アミノアルキルエステルおよびその塩類、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メ
タ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等のフルオロアルキルエステル類等が挙げられ
る。本発明は、易重合性物質が不飽和カルボン酸エステルの場合に好ましく適用でき、特
に(メタ)アクリル酸エステルの場合に好ましく適用できる。
 なお、本願明細書において、(メタ)アクリル酸とは慣用されるようにアクリル酸およ
びメタクリル酸の総称であり、(メタ)アクリル酸エステルとは各種のアクリル酸エステ
ルおよび各種のメタクリル酸エステルの総称である。
 工業的な易重合性物質の取扱いとして、易重合性物質含有物の蒸留または蒸発操作に代
表される気体状態の易重合性物質を液体状態に変化させる取扱いがある。蒸留または蒸発
操作では、例えば、易重合性物質を合成した反応液等の易重合性物質含有物から原料等の
低沸点物、あるいは触媒や重合防止剤等の高沸点物が分離され精製した易重合性物質が得
られる。
 蒸留操作を行う装置としては、例えば気液接触可能な蒸留塔等が挙げられる。また蒸発
操作を行う装置としては、例えば薄膜蒸発器やロータリーエバポレータ等が挙げられる。
 蒸留塔を用いた精製では、アミン系重合防止剤を気相部に存在させる方法としては、蒸
留塔の塔頂部または還流部に重合防止剤を供給することが好ましい。また、薄膜蒸発器等
の蒸発設備を用いた精製では、アミン系重合防止剤をベーパー管に供給することが好まし
い。これらの場所に添加することにより、加熱により発生した上昇蒸気と重合防止剤を含
む液が接触し、ミストにより留出液に混入しベーパー管、コンデンサ等で発生する重合を
防止することができる。アミン系重合防止剤は、後述する酸との接触により低減すること
ができるため、留出液に混入しても問題はない。
 蒸留または蒸発操作において、蒸留または蒸発させようとする易重合性物質の蒸気圧よ
りも低い蒸気圧を持った低沸点のアミン系重合防止剤を使用すると、易重合性物質ととも
にアミン系重合防止剤も留出し、気相部だけでなく留出液の重合も防止することができる
。この場合、アミン系重合防止剤は、蒸留または蒸発操作を行う前の易重合性物質含有液
に供給することもできる。
 アミン系重合防止剤はそのままの状態で供給することもできるが、工程液等の液で溶解
した溶液として供給することが好ましい。溶解する液は工程液が好ましく、なかでも留出
液に混入しても製品品質の純度を低下させないものがより好ましく、製品(精製対象の易
重合性物質)が特に好ましい。供給するアミン系重合防止剤溶液の濃度は特に限定されな
いが、通常0.01〜10質量%である。
 アミン系重合防止剤とは、易重合性物質の重合を阻害する性質を有する第1級アミン、
第2級アミン、第3級アミンおよび第4級アミン塩を意味する。アミン系重合防止剤とし
ては、前記式(1)で示される化合物が好ましい。前記式(1)で示される化合物として
は、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’
−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ
−o−トリル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。例えば、N−イソプロピル−N
’−フェニル−p−フェニレンジアミンの蒸気圧は140℃で6.7hPa程度、N−(
1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンの蒸気圧は190
℃で6.7hPa程度である。
 使用するアミン系重合防止剤の種類は1種類でも2種類以上であってもよい。また易重
合性物質にアミン系重合防止剤以外の重合防止剤が含まれていても本発明は適用できる。
 アミン系重合防止剤の使用量は特に限定されないが、一般に蒸留または蒸発前の易重合
性物質の質量に対して0.01〜5000ppmである。
 本発明では、易重合性物質とアミン系重合防止剤とを含む留出液に代表されるアミン系
重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質を酸と接触させる。使用する酸の種類は
特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸水溶液、スルホン酸
化合物等の有機酸等の水溶液、強酸性イオン交換樹脂等の酸性イオン交換樹脂や活性白土
等の固体酸等が挙げられる。
 酸としては、中でも易重合性物質との分離が容易な固体酸が好ましく、アミン系重合防
止剤の除去効率の高い活性白土、強酸性イオン交換樹脂等の酸性イオン交換樹脂、ゼオラ
イトから選ばれる少なくとも1種類の固体酸が好ましい。
 活性白土は一般に市販されているもの等を適宜活性化処理して使用する。ゼオライトも
任意の温度で焼成する等適宜活性化してから使用する。強酸性イオン交換樹脂等の酸性イ
オン交換樹脂も一般に市販品されているもの等が使用できる。しかし、水湿潤状態の酸性
イオン交換樹脂の場合は、易重合性物質へのコンタミネーションを防ぐ目的で例えばメタ
ノール等の溶媒で洗浄、置換した後、真空加熱乾燥する等の方法で、酸性イオン交換樹脂
から水をできるだけ除去しておくことが好ましい。また、酸性イオン交換樹脂がナトリウ
ムイオン等の対カチオン塩になっている場合には、例えば塩酸と接触させる等の方法で処
理することが好ましい。
 アミン系重合防止剤を含む易重合性物質と酸を接触させる方式は特に限定されない。例
えば酸として無機酸や有機酸の水溶液を用いる場合は、酸の水溶液からなる水相とアミン
系重合防止剤を含む易重合性物質の相とを攪拌等により接触させる方法を用いることがで
きる。この場合は、抽出操作等により易重合性物質を分離することができる。
 一方、酸として固体酸を用いる場合は、例えば、流動槽や固定床等を用いて連続式また
は回分式で易重合性物質と固体酸を一定時間接触させる方法を用いることができる。固定
床以外の方法では、ろ過やデカンテーション等の固液分離操作により固体酸を取り除くこ
とで易重合性物質を分離することができる。
 易重合性物質と酸との接触時間は、易重合性物質に含まれるアミン系重合防止剤の量や
目標とするアミン系重合防止剤の低減の程度等により適宜選定することができ、好ましく
は10〜120分である。た易重合性物質と酸との接触温度は特に限定されないが、好ま
しくは0〜200℃、より好ましくは40〜120℃である。接触の際の圧力も特に限定
されず、加圧、常圧、減圧いずれでも可能である。ただし、水を含む固体酸を用いる場合
は水を系外に除去するために減圧で行うことが好ましい。
 酸の使用量は、留出易重合性物質に含まれるアミン系重合防止剤の量や目標とするアミ
ン系重合防止剤の低減の程度等により適宜選定することができる。酸が固体酸の場合、酸
の使用量はアミン系重合防止剤1質量部に対して通常は1〜1000質量部、好ましくは
10〜500質量部、より好ましくは50〜300質量部である。酸が液体の場合、酸の
使用量はアミン系重合防止剤1質量部に対して通常は1〜1000質量部、好ましくは1
0〜500質量部、より好ましくは50〜300質量部である。酸の使用量は、多いほど
アミン系重合防止剤が十分除去でき、少ないほど易重合性物質の損失が少なくなる。
 以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。易重合性物質中のアミン系重合
防止剤は高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した。
 [実施例1]
 20段オールダショウ型蒸留塔を備えた3Lの4つ口フラスコにメタクリル酸2−エチ
ルヘキシル2500gと重合防止剤としてN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン0.25gを仕込み、6.7hPaの減圧下、蒸留を行った。このとき重
合防止剤であるN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを1質量%
溶解したメタクリル酸2−エチルヘキシル溶液を還流部より5ml/hにて供給した。蒸
留時の塔頂温度は101℃であった。留出液としてN−イソプロピル−N’−フェニル−
p−フェニレンジアミンを7.1質量ppm含むメタクリル酸2−エチルヘキシル245
5gを取得した。このメタクリル酸2−エチルヘキシルは黄色に着色しておりで品質の低
いものであった。そこで、この留出液に活性白土(水澤化学工業社製ガレオンアースGS
F)1.8gを仕込み、13.3hPaの減圧下、室温にて60分間攪拌した。メンブレ
ンフィルター(孔径0.5μm)で攪拌後の処理液から活性白土を濾別し、無色の精製メ
タクリル酸2−エチルヘキシル2433gを得た。この精製メタクリル酸2−エチルヘキ
シルに含まれるN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンは定量限界
(0.1質量ppm)以下であった。
 [実施例2]
 20cmのビグリュウ管を備えた1Lの4つ口フラスコにメタクリル酸トリデシル80
0gと重合防止剤としてN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン1
.6gを仕込み、6.7hPaの減圧下、蒸留を行った。このとき塔頂温度は141℃で
あった。留出液としてN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを2
36質量ppm含むメタクリル酸トリデシル760gを取得した。このメタクリル酸トリ
デシルは強い黒色で品質の低いものであった。そこで、この留出液に活性白土(水澤化学
工業社製ガレオンアースGSF)17.9gを仕込み、13.3hPaの減圧下、室温に
て60分間攪拌した。メンブレンフィルター(孔径0.5μm)で攪拌後の処理液から活
性白土を濾別し、無色の精製メタクリル酸トリデシル748gを得た。この精製メタクリ
ル酸トリデシルに含まれるN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
は定量限界(0.1質量ppm)以下であった。
 [実施例3]
 薄膜蒸発器に、重合防止剤としてN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−
p−フェニレンジアミンを20質量ppm含むメタクリル酸トリデシルを300ml/h
で供給し、留出量と缶出量の比を80%とし、6.7hPaの減圧下、蒸留を行った。留
出液としてN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
を17質量ppm含むメタクリル酸トリデシル760gを取得した。このメタクリル酸ト
リデシルは黄色に着色しておりで品質の低いものであった。そこで、この留出液に活性白
土(水澤化学工業社製ガレオンアースGSF)17.9gを仕込み、13.3hPaの減
圧下、室温にて60分間攪拌した。メンブレンフィルター(孔径0.5μm)で攪拌後の
処理液から活性白土を濾別し、無色の精製メタクリル酸トリデシル748gを得た。この
精製メタクリル酸トリデシルに含まれるN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニ
ル−p−フェニレンジアミンは定量限界(0.1質量ppm)以下であった。
 [実施例4]
 活性白土の代わりに50倍(容量)の水、メタノールで室温下洗浄し乾燥した強酸性イ
オン交換樹脂アンバーリスト15(ローム&ハース社製)を1.8g用いた以外は実施例
1と同様にしたところ、無色の精製メタクリル酸2−エチルヘキシル2433gを得た。
この精製メタクリル酸2−エチルヘキシルに含まれるN−イソプロピル−N’−フェニル
−p−フェニレンジアミンは定量限界(0.1質量ppm)以下であった。


Claims (9)

  1.  アミン系重合防止剤を含む気体状態の易重合性物質を液体状態に変化させ、得られたア
    ミン系重合防止剤を含む液体状態の易重合性物質を酸と接触させる易重合性物質の取扱い
    方法。
  2.  易重合性物質含有物を蒸留または蒸発操作で精製する際に、アミン系重合防止剤を気相
    部に存在させ、得られる易重合性物質とアミン系重合防止剤とを含む留出液を酸と接触さ
    せる請求項1記載の易重合性物質の取扱い方法。
  3.  易重合性物質含有物を蒸留操作で精製する際に、蒸留塔の塔頂部または還流部よりアミ
    ン系重合防止剤を供給してアミン系重合防止剤を気相部に存在させる請求項2記載の易重
    合性物質の取扱い方法。
  4.  アミン系重合防止剤が蒸留または蒸発させようとする易重合性物質の蒸気圧より低い蒸
    気圧を持ったアミン系重合防止剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の易重合性物
    質の取扱い方法。
  5.  アミン系重合防止剤が式(1)で示される少なくとも1種のアミン化合物である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の易重合性物質の取扱い方法。
    Figure 2004107341
    (式中、Rはフェニル基、ナフチル基またはアルキル基であって直鎖状でも分岐状でも
    よい。Rはフェニル基またはナフチル基を示す。)
  6.  酸が固体酸である請求項1〜5のいずれか1項に記載の易重合性物質の取扱い方法。
  7.  固体酸が活性白土、酸性イオン交換樹脂、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種の固
    体酸である請求項6記載の易重合性物質の取扱い方法。
  8.  固体酸が洗浄した酸性イオン交換樹脂である請求項7記載の易重合性物質の取扱い方法
  9.  易重合性物質が(メタ)アクリル酸エステルである請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の易重合性物質の取扱い方法。


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