JP2012007001A - 硬化性樹脂組成物の反射皮膜を有する反射シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、前記硬化性樹脂組成物が、(A‐1)一般式(I)の化合物と、一般式(II)及び/若しくは一般式(III)の化合物を反応させて得られる共重合樹脂、または、(A‐2)一般式(I)の化合物と、一般式(II)及び/若しくは一般式(III)の化合物を反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させた共重合樹脂、(B)硬化剤、(C)希釈剤並びに(D)無機白色顔料を含むことを特徴とする反射シート。
【選択図】なし
Description
(A−1)の共重合樹脂は、一般式(I)で表されるアクリル酸またはメタクリル酸と、一般式(II)で表される芳香環を有するエチレン性不飽和モノマー及び/または一般式(III)で表される芳香環を有する(メタ)アクリレートとを共重合させて得られる。また、(A−2)の共重合樹脂は、一般式(I)と一般式(II)及び/または一般式(III)を共重合させて得られた(A−1)の共重合体のカルボキシル基の一部に、さらにオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させて得られる。
硬化剤は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な反射皮膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、2,5‐ジ‐tert-ブチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、核水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、核水添ビフェニル型エポキシ樹脂等の核水添型エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、無水フタル酸ジグリシジルエステル、無水ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のエステル型エポキシ樹脂、メラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、イミダゾール、ジシアンジアミド等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。硬化剤の使用量は、硬化後に十分な塗膜を得る点から、共重合樹脂100質量部に対して、10〜100質量部であり、20〜50質量部が好ましい。
希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、硬化性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する反射皮膜を得るために使用する。光重合性モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールA型EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型PO変性ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、例えば(メタ)アクリル基とヒドロキシ基を一つ以上有する化合物とイソシアネート基を1つ以上有する化合物とを反応させることにより得られるウレタン系アクリル化合物等を挙げることができる。希釈剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して、2.0〜150質量部であり、10〜80質量部が好ましい。また、(メタ)アクリル基を2以上有する希釈剤の場合、その(メタ)アクリル当量は、柔軟性及び低反り性の点から200g/eq以上が好ましく、300g/eg以上が特に好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリル当量とは、(メタ)アクリロイル基1個当たりの分子量を意味する。
無機白色顔料は、硬化塗膜を白色化するためのものであり、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度は高いものの、光触媒活性を有するので、硬化性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対して、ルチル型酸化チタンは光触媒活性をほとんど有さず、反射皮膜の変色を防止できる点で好ましい。ルチル型酸化チタンの粒子の平均粒径は特に限定されないが、通常は、0.01〜1μmである。また、ルチル型酸化チタン粒子の表面処理剤も特に限定されない。ルチル型酸化チタンには、例えば、富士チタン工業(株)製「TR−600」、「TR−700」、「TR−750」、「TR−840」、石原産業(株)製「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−820」、「CR−50」、「CR−60」、「CR−90」、「CR−93」、チタン工業(株)製「KR−270」、「KR−310」、「KR−380」、テイカ(株)製「JR−1000 」等を使用することができる。ルチル型酸化チタンの使用量は、共重合樹脂100質量部に対して30〜800質量部であり、好ましくは50〜500質量部である。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン等がある。光重合開始剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
リン系の難燃剤は、硬化性樹脂組成物に難燃性を付与するためのものであり、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド(以下HCA)、HCAとアクリル酸エステルの付加反応生成物、HCAとエポキシ樹脂の付加反応生成物、HCAとハイドロキノンの付加反応生成物等のHCA変性型化合物、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、環境負荷を抑える点から、ノンハロゲン系のリン酸エステル、ホスフィン酸の金属塩、HCA変性型化合物、ホスフィンオキサイド系化合物が好ましく、少量にて、難燃性だけではなく、耐ブリードアウト性、耐変色性に優れる点からホスフィン酸の金属塩が特に好ましい。リン系の難燃剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して3〜20質量部であり、十分な難燃性を確保しつつ反射皮膜の機械的強度の低下を確実に抑える点から、4〜15質量部が好ましい。
合成例1
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、DPM)110gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸17.2g(0.2mol)、フェノキエチルメタクリレート(サートマー社製SR-340、以下、PEMA)92.8g(0.45mol)、ジメチル2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオネート)(和光純薬製V-601、以下、DMAMP)4.6g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、合成例1の共重合樹脂を約49質量%含むDPM溶液を生成し、合成例1の共重合樹脂を得た。この芳香環を有するカルボキシル基含有共重合樹脂の重量平均分子量は約25000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は98mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下DPM)125gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸34.4g(0.4mol)、PEMA82.5g(0.4mol)、DMAMP5.5g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、カルボキシル基を有する共重合体を得た。
合成例2のPEMA82.5g(0.4mol)を74.2g(0.36mol)に、GMA21.3g(0.15mol)を4‐ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成製4‐HBAGE、以下4‐HBAGE)30.0g(0.15mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例3の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例3の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約16000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は97mgKOH/gであった。
合成例2のDPM125gを160gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)を56.8g(0.66mol)に、PEMA 82.5g(0.4mol)を47.4g(0.23mol)に、DMAMP5.5gを6.5gに、更にGMA21.3g(0.15mol)を4‐HBAGE70.1g(0.35mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例4の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例4の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約19000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は96mgKOH/gであった。
合成例2のPEMA82.5g(0.4mol)を2(2‐フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート(日油製ブレンマーPAE-100、以下2PEEMA )85.1g(0.34mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例5の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例5の共重合樹脂得た。重量平均分子量は約18000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は96mgKOH/gであった。
合成例2のPEMA 82.5g(0.4mol)を2PEEMA75.1g(0.3mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例6の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例6の共重合樹脂得た。重量平均分子量は約20000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は97mgKOH/gであった。
合成例2のDPM125gを105gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)を25.8g(0.3mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)をスチレン42.7g(0.4mol)とノルマルブチルメタクリレート(三菱レイヨン製アクリエステルBMA、以下nBMA)15.6g(0.1mol)に、更にGMA21.3g(0.15mol)を4‐HBAGE22.0g(0.11mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例7の共重合樹脂を約47質量%含むDPM溶液を生成し、合成例7の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約14000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は95mgKOH/gであった。
合成例2のDPM125gを110gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)をアクリル酸25.2g(0.35mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)を59.8g(0.29mol)に、DMAMP5.5gを4gに変更した以外は合成例2と同様にして、合成例8の共重合樹脂を約48質量%含むDPM溶液を生成し、合成例8の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約16000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は101mgKOH/gであった。
合成例2のメタクリル酸34.4g(0.4mol)をアクリル酸23.8g(0.33mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)を2PEEMA57.6g(0.23mol)に、DMAMP5.5gを4.0gに変更した以外は合成例2と同様にして、合成例9の共重合樹脂を約48質量%含むDPM溶液を生成し、合成例9の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約15000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は94mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、プロピレングリコールジアセテート(以下PGDA)80gを投入し、窒素雰囲気下で90℃まで昇温後、GMA28.4g(0.2mol)、2-ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン付加物(平均1mol付加、ダイセル化学工業製プラクセルFM1D)49.9g(0.2mol)、DMAMP 1g、メルカプトプロピオン酸-2エチルヘキシル(堺化学工業製、EHMP)1g及びPGDA 80gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、8時間90℃で攪拌することで、エポキシ基を有する共重合体を得た。
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、DPM105gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸43.0g(0.5mol)、n-BMA21.3g(0.15mol)、DMAMP4.5g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、カルボキシル基を有する共重合体を得た。
比較合成例2のGMA14.2g(0.1mol)とm,p‐クレジルグリシジルエーテル32.8g(0.2mol)を、GMA42.6g(0.3mol)に換えた以外は比較製造例2と同様にして、カルボキシル基とメタクリル基を有するが芳香族炭化水素骨格は有さない共重合樹脂を約49質量%含むDPM溶液生成し、比較合成例3の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約15000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は100mgKOH/gであった。
下記表2、3、4に示す各成分を下記表2、3、4に示す配合割合にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜23、比較例1〜9にて使用する硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した硬化性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。下記表2、3、4に示す配合量は質量部を表す。
エピコート828:ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
DPHA:日本化薬(株)製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
DPM:協和発酵工業(株)製ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ルチル型酸化チタン:石原産業(株)製「CR-80」、
KS-66:信越シリコーン(株)製シリコンオイルである。
YX-8000:ジャパンエポキシレジン(株)製の核水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、
BAPO:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドである。
ACA-Z250:ダイセル化学工業(株)製樹脂溶液(脂環式骨格を有し、芳香族炭化水素骨格を有さず、カルボキシル基とアクリル基を持つ)、
エピコート1004F:ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
YDC-1312:東都化成(株)製ジターシャリーブチルハイドロキノン変性エポキシ樹脂、
BP4EA:共栄社化学製EO変性ビスフェノールA型アクリレート(EO=4)、
AH-600:共栄社化学製 2官能ウレタン変性エポキシアクリレート、
EBECRYL3708:ダイセルサイテック(株)製 2官能エポキシアクリレート、
UF-8001G:共栄社化学製 2官能ウレタンアクリレート、
SPEEDCURE TPO:日本シイベルヘグナー社製、
IRGACURE 819:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製である。
熱硬化させた塗膜の反射率と硬度を評価するための試験片作成工程である。硬度については、厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉内にて、70℃、20分間加熱して予備乾燥を行った。予備乾燥後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行って硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した硬度の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
光硬化させた塗膜の反射率と硬度を評価するための試験片作成工程である。硬度については、厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm2露光した後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行ってポリエチレンテレフタレートフィルム表面に硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した硬度の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
光硬化させた塗膜の反射率、柔軟性、反り性、難燃性を評価するための試験片作成工程である。硬度、柔軟性、反り性、難燃性については、希硫酸(3%)により表面処理をほどこした厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm2露光した後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行ってポリエチレンテレフタレートフィルム表面に硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した柔軟性等の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
(1)反射率(%)
初期:ポストキュア後の試験片について、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける反射率を測定した。
加熱後:反射シートの反射率について、耐熱性を評価するものであり、試験片を170℃で100時間加熱後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
照射後:反射シートの反射率について、耐光性を評価するものであり、50J/cm2のUV照射(2分間)後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
加湿加熱後:反射シートの反射率について、耐候性を評価するものであり、試験片を85℃、85%RHにて1000時間処放置後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
(2)硬度
硬化塗膜に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を約45°の角度で押しつけて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
(3)柔軟性
露光後の塗膜について、円筒形マンドレル法により、塗膜の柔軟性を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察から評価したものであり、○:直径2mm以下で異常なし、△:直径4mmで異常なしだが、直径2mm以下でクラック、剥離等の異常あり、×:直径4mm以上でクラック、剥離等の異常あり、の3段階で評価した。
(4)反り性
試験片を2cm×2.5cmに切り出した後、 水平な台上に上が凹になるように静かに試験片を置き、特に外力を加えないようにして、4か所の角と台との間の垂直な隔たりを直尺で1mmの単位まで測定し、その最大値を反り量とした。測定結果については、○:5mm未満の反り量、△:5〜8mmの反り量、×:8mm超の反り量、の3段階で評価した。
(5)難燃性
試験片について、UL94規格に準拠した垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0〜燃焼で表した。
Claims (12)
- 硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、
前記硬化性樹脂組成物が、
(A−1)一般式(I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、
一般式(II)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0または1〜3の整数である)で表される化合物及び/若しくは一般式(III)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、A1は直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合樹脂、
または、(A−2)一般式(I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、
一般式(II)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0または1〜3の整数である)で表される化合物及び/若しくは一般式(III)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、A1は直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させた共重合樹脂、
(B)硬化剤、
(C)希釈剤、並びに
(D)無機白色顔料を含むことを特徴とする反射シート。 - 前記(A−1)共重合樹脂及び前記(A−2)共重合樹脂が、5〜40質量%の芳香族炭化水素骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 前記(A−1)共重合樹脂の酸価及び前記(A−2)共重合樹脂の酸価が、30〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 前記(B)硬化剤が、1分子中にエポキシ基を二つ以上有する化合物、メラミン及びメラミン誘導体からなる群から選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 前記(C)希釈剤が、1分子中にエチレン性不飽和基を1つ以上有する化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 前記(C)希釈剤が、(メタ)アクリル基を2つ以上有し、かつ(メタ)アクリル当量が200g/eq以上である化合物であることを特徴とする請求項1または6に記載の反射シート。
- 前記(D)無機白色顔料が、ルチル型酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- さらに、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- さらに、(F) リン系の難燃剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- さらに、(G)金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の反射シートを備えた太陽電池モジュール。
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