JPH0672934A - ポリヒドロキシナフタレン系化合物の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシナフタレン系化合物の製造方法

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JPH0672934A
JPH0672934A JP25396792A JP25396792A JPH0672934A JP H0672934 A JPH0672934 A JP H0672934A JP 25396792 A JP25396792 A JP 25396792A JP 25396792 A JP25396792 A JP 25396792A JP H0672934 A JPH0672934 A JP H0672934A
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JP
Japan
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naphthol
paraformaldehyde
reaction
condensate
melting point
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JP25396792A
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English (en)
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Akihiro Naka
昭廣 中
Shuichi Ito
修一 伊藤
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−ナフトールとアルデヒド化合物の縮合反
応において、アルデヒド化合物にパラホルムアルデヒド
を用い、かつ反応における触媒を用いず、更にα−ナフ
トール1モルに対してパラホルムアルデヒドを0.50
〜0.75として反応させるポリヒドロキシナフタレン
系化合物の製造方法。 【効果】 作業性能の優れたエポキシ樹脂の硬化剤が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂の硬化剤
や、エポキシの前駆体として有用なポリヒドロキシナフ
タレン系化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子を外部環境から保護す
るため、エポキシ樹脂組成物で封止する方法が広く採用
されている。前記組成物は、通常、エポキシ樹脂,硬化
剤,硬化促進剤,充填剤,及びその他の添加剤で構成さ
れている。前記エポキシ樹脂としては、フェノール類と
ホルムアルデヒドとの反応により得られたノボラック樹
脂をエポキシ化した樹脂、特にオルトクレゾールノボラ
ックエポキシ樹脂が広く用いられ、硬化剤としては、フ
ェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂が採用されて
いる。また、高性能な硬化剤としてα−ナフトールとホ
ルマリン水とを酸触媒を用いて反応させたノボラック樹
脂が紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記硬
化剤のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂にお
いては、エポキシ樹脂との硬化後、耐熱性に劣り、かつ
吸湿性が高いためクラックが発生し、クレームが多発し
ている。又、α−ナフトールとホルマリン水とを酸触媒
を用いて反応させたノボラック樹脂においては、耐熱
性、吸湿性等の性能は満足できるものの、その融点と溶
融粘度が高く、成型等の作業性に劣るため実用化されて
いないのが現状である。
【0004】このように公知の縮合方法では前記縮合物
の融点及び溶融粘度は低くならず、所望する低い融点及
び溶融粘度を持った作業性能の優れた縮合物の製造方法
は確立されていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、縮合物のナフタレン核
体数4以上のものの含有量を特定値以下にすることによ
って、所望する低い融点及び溶融粘度をもった作業性能
の優れた縮合物が得られ、そのためには、特定の条件の
もとでの縮合反応が必要であることを見い出し本発明を
完成した。
【0006】すなわち本発明はα−ナフトールとアルデ
ヒド化合物の縮合反応において、アルデヒド化合物にパ
ラホルムアルデヒドを用い、かつ反応における触媒を用
いず、更にα−ナフトール1モルに対してパラホルムア
ルデヒドを0.50〜0.75モルとして反応させるポ
リヒドロキシナフタレン系化合物の製造方法を提供す
る。
【0007】さらに、前記製造方法において、沸点が8
0℃以上の水に不溶又は難溶性の溶剤を用い、反応温度
を80〜150℃とするポリヒドロキシナフタレン系化
合物の製造方法をも提供する。
【0008】(手段を構成する要件)作業性のよい低い
融点及び溶融粘度をもった縮合物を得るには、縮合物の
ナフタレン核体数4以上のものの含有量を50重量%以
下、好ましくは30%以下とすることが必要である。そ
して、ナフタレン核体数4以上のものの含有量を50重
量%以下好ましくは30重量%以下とするためには縮合
反応において以下の3つの条件が必須である。
【0009】(イ)アルデヒド化合物としてパラホルム
アルデヒドを使用する。 (ロ)縮合反応は無触媒で行う。 (ハ)α−ナフトール1モルに対してパラホルムアルデ
ヒドのモル数を0.50〜0.75モルとする。
【0010】前記(イ)〜(ハ)について説明する。 (イ)について 従来のアルデヒド化合物としては、ホルマリン水溶液
(30〜40%)が一般的である。しかしホルマリン水
では反応が均一に進行しないため、ナフタレン核体数4
以上のものの含有量が多くなり、しかも未反応のナフト
ールも多く残存し、目的とする縮合物がえられない。こ
のため作業性や硬化後の物性が劣り、不都合である。
【0011】(ロ)について 縮合反応は一般的には酸触媒や塩基性触媒が用いられ
る。しかしながら本発明ではこれを用いずに反応を行
う。触媒を用いない場合は用いる場合に比較し、反応が
マイルドとなり、ナフタレン核体数4以上のものの生成
を抑えることが可能である。触媒を用いた場合は、反応
が急激となり、ナフタレン核体数の高いものの生成が促
進され、分布が広くなり、融点や溶融粘度をコントロー
ルできない。
【0012】(ハ)について α−ナフトールの合計1モルに対してパラホルムアルデ
ヒドを0.50〜0.75モルとして縮合反応を行うと
ナフタレン核体数4以上のものの含有量を50重量%以
下とすることができる。パラホルムアルデヒドの仕込量
が0.50モル未満の場合は、縮合物の分子量が小さく
なるため、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性が低下
し、0.75モルをこえるとナフタレン核体数4以上の
ものの含有量が50重量%をこえ、縮合物の融点及び溶
融粘度が高くなりすぎ、作業性能が悪くなる。ナフタレ
ン核体数4以上のものの含有量を更に低減し30重量%
以下とすれば更に作業性能がよくなり、これにはパラホ
ルムアルデヒドの仕込量をα−ナフトール1モルに対し
0.60〜0.70モルとすればよい。
【0013】次に縮合反応の反応温度は80〜150℃
という範囲で行われるのがよく、更にこの反応温度を8
0℃〜130℃に維持することによって、マイルドな反
応が促進され、ナフタレン核体数4以上のものの含有量
を更に低くすることができ、硬化剤としての作業性能が
更によくなる。縮合反応の反応時間は通常2〜10時間
である。
【0014】縮合反応は、熱重合法によることもできる
が、80〜150℃の範囲で低温側のマイルド反応条件
が特に好ましく、この場合、溶剤を使用した溶剤混合熱
重合法が好ましい。使用する溶剤は、沸点が80℃以
上、好ましくは100℃以上で水に不溶又は、難溶性の
ものであり具体的には、トルエン,キシレン,メチルイ
ソブチルケトン等が挙げられる。沸点が低過ぎると反応
物が液状となりにくく、又水への溶解性が高いと縮合反
応が進みにくい。これらの溶剤の使用量は任意で良いが
通常ナフトールの10〜200重量%である。この溶剤
は縮合反応終了後、加熱常圧下や、加熱減圧下で除去さ
れる。
【0015】縮合物の求められる融点は120℃好まし
くは100℃以下がよく、かつ溶融粘度は150℃のも
ので、20ポイズ以下好ましくは10ポイズ以下がよ
い。ナフタレン核体数4以上のものの含有量を50重量
%以下好ましくは30重量%以下にすることによって前
記融点と溶融粘度を達成できる。
【0016】ナフタレン核体数4以上のものの含有量と
融点又は150℃での溶融粘度との関係を図1に示す。
【0017】このようにして製造された縮合物は、反応
終了後、必要により、不純物を水洗などにより除去した
り、溶剤洗浄や減圧脱気などの方法で未反応モノマーや
パラホルムアルデヒドを除去してもよい。
【0018】ナフタレン核体数の測定はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC法)により行い、測
定条件は下記に示す通りである。また核体数の確定は分
子量既知のポリスチレンによった。
【0019】溶媒:テトラヒドロフラン、流量:0.8
ml/min カラム:東洋曹達工業(株)製 G4000H、G30
00H、G2000H(直列)であって、排除限界分子
量がそれぞれ400,000、60,000、10,0
00である。 担体:スチレンジビニルベンゼン共重合体
【0020】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明の実施の態様
を具体的に例示して説明する。本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0021】実施例1 撹拌装置,還流冷却管,温度計,窒素吹込口を備えた反
応容器内に、α−ナフトール144g、パラホルムアル
デヒド20g(α−ナフトール:パラホルムアルデヒド
=1:0.67(モル比))を仕込み、110℃に加熱
して窒素気流下で8時間撹拌して反応させた。この後、
200℃に加熱し、5mmHgで未反応物と水を除去し
た。得られた縮合物のナフタレン核体数を測定した。そ
のGPCチャートを図2に示す。この時の4核体以上の
含有量は25.2重量%であった。また、融点は78
℃、150℃における溶融粘度は1.8ポイズ(以下P
と記す)と低く、作業性能がすぐれていた。なお、以下
の実施例においても、粘度の測定はすべて150℃にお
いて行った。
【0022】実施例2 撹拌装置,還流冷却管,温度計,窒素吹込口を備えた反
応容器内に、α−ナフトール144g、キシレン72
g、パラホルムアルデヒドを18.2g(α−ナフトー
ル:パラホルムアルデヒド=1:0.61(モル比))
を仕込み、110℃に加熱して窒素気流下で8時間撹拌
して反応させた。この後、140〜150℃に加熱し減
圧下でキシレンを除去した。次に200℃に加熱し、5
mmHgで未反応物を除去した。得られた縮合物のナフ
タレン核体数4以上のものの含有量は15重量%であっ
た。融点は69℃、粘度は0.4Pと低く、作業性能が
すぐれていた。
【0023】実施例3 α−ナフトール144g、トルエン144gを用い、パ
ラホルムアルデヒドを19g(α−ナフトール:パラホ
ルムアルデヒド=1:0.63(モル比))とする以
外、実施例2と同様にして、縮合物を製造した。得られ
た縮合物のナフタレン核体数4以上のものの含有量は2
1重量%であった。融点は71℃、粘度は0.7Pと低
く、作業性能がすぐれていた。
【0024】実施例4 α−ナフトール144g、メチルイソブチルケトン72
g、パラホルムアルデヒド21.9g(α−ナフトー
ル:パラホルムアルデヒド=1:0.73(モル比))
とする以外、実施例2と同様にして、縮合物を製造し
た。得られた縮合物のナフタレン核体数4以上のものの
含有量は48重量%であった。融点は86℃、粘度は1
8.2Pと低く、作業性能がすぐれていた。
【0025】比較例1 パラホルムアルデヒド20gを28g(α−ナフトー
ル:パラホルムアルデヒド=1:0.93(モル比))
とする以外、実施例1と同様にして、縮合物を製造し
た。得られた共縮合物のナフタレン核体数4以上の含有
量は65重量%であった。融点は131℃、粘度は80
Pと高く、きわめて流動性が劣るため作業性能が悪かっ
た。
【0026】比較例2 触媒としてパラトルエンスルホン酸を0.5g及びパラ
ホルムアルデヒドの代わりにホルマリン水(35%)を
60g用いる以外は実施例1と同様にして、縮合物を製
造した。得られた縮合物のナフタレン核体数4以上のも
のの含有量は57重量%であった。融点は125℃、粘
度は70Pと高く、きわめて流動性が劣ることで、作業
性能が悪かった。
【0027】
【発明の効果】本発明により低い融点及び溶融粘度をも
った作業性能の優れた縮合物の製造方法が確立された。
又この縮合物はエポキシ樹脂の硬化剤として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリヒドロキシナフタレン系化合物のナフタレ
ン核体数が4以上のものの含有量と融点又は150℃で
の溶融粘度との関係図である。
【図2】実施例1の縮合物のGPCチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−ナフトールとアルデヒド化合物の縮
    合反応において、アルデヒド化合物にパラホルムアルデ
    ヒドを用い、かつ反応における触媒を用いず、更にα−
    ナフトール1モルに対して、パラホルムアルデヒドを
    0.50〜0.75モルとして反応させることを特徴と
    するポリヒドロキシナフタレン系化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記縮合反応において、沸点が80℃以
    上の水に不溶又は難溶性の溶剤を用い、かつ反応温度を
    80〜150℃にすることを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
JP25396792A 1992-08-28 1992-08-28 ポリヒドロキシナフタレン系化合物の製造方法 Pending JPH0672934A (ja)

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