JPH0672330B2 - 繊維俵をストリツプする方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は紡績工場における載置面に配置された繊維俵
を、前記俵の上面に沿ってストリッピング手段を往復さ
せ、通過ごとに降下させ、ストリッピングされた繊維材
料を貯蔵手段に充填し、この貯蔵手段から次の加工段階
へ供給し、ストリッピング手段の通過時間をキャリッジ
移動速度を変化させることによって調整しながらストリ
ッピングする方法に係わり、この方法を実施するための
装置にも係わる。

公知の方法では、送り調整（即ち、高さ方向のストリッ
ピング厚の調整）がストリッピング手段の動作時間及び
静止時間の配分との関連で行われる。貯蔵手段における
繊維材料の最大または最少充填量に応じて高さ方向の送
りを変化させる方式には技術的に欠点がある。即ち、こ
の調整を行うことができる範囲は極めて小さく、繊維材
料提供量が不均一になる。均一な繊維量をストリッピン
グするためには、静止時間を比較的長くした場合には送
り量を大きくしなければならず、その結果として繊維塊
が大きくなり、往復回数は少なくてすむ。逆に静止時間
を短くした場合には送り量を小さく設定しなければなら
ず、その結果として繊維塊は小さくなり、往復回数は多
くなる。この方式では繊維俵の上，中及び下部における
密度のばらつきを補正しなければならない。この方法で
は、貯蔵手段における繊維材料の最大または最少充填量
に依存することから、ストリッピング作業が硬直化し、
ストリッピング作業の最適効率は得られない。

従って、本発明の目的は最適効率のストリッピング作業
を可能にする冒頭記載の方法を提供することにある。

この目的は特許請求の範囲第１項に特徴として記載した
構成要件によって達成される。

水平方向の移動速度を変化させることのできる範囲は比
較的広い。この変化は比較的敏感に、かつほとんど遅延
を伴なわずに行われる。後続の加工機または貯蔵手段が
要求する繊維材料量に合わせて移動速度を調整するか
ら、極めて弾力的な作業態様が可能となる。直接的，即
応的な調整を行うことで、最適のストリッピング効率が
達成される。必要な繊維材料量（実需要）は例えば計算
値または貯蔵手段の充填状態から求めることができる。

好ましくは移動速度を、従って、ストリッピングすべき
紡績材料量を、検知された後続のクリーナまたはクリー
ナ群の紡績材料需要に対応する状態に維持する。カー
ド，オープナ，クリーナなどのような加工装置の処理量
または需要量をフィーダ手段の電流消費量に照らして判
断することが好ましく、この値または積分値はストリッ
ピング手段を含むキャリッジの移動速度を制御する調整
装置に対する制御量として作用する。貯蔵手段、例えば
クリーナやオープナの貯蔵手段の充填状態を、例えば貯
蔵手段の充填高を光障壁で、または充填量を秤量装置で
測定することによって検知し、目標値としての貯蔵手段
の1/2充填状態からずれるごとにストリッピング手段を
含むキャリッジの移動速度を連続的に制御することが好
ましい。クリーナの最適作動時間を例えば目標値の90〜
95％に設定した上で、所定の時間（ｂ）、例えば10また
は15分間内のクリーナ実働時間（ａ）を計測し、ストリ
ッピング手段を含むキャリッジの移動速度を商（a/b）
に応じて調整装置などで制御するのが好ましい。

本発明は入力が後続の加工装置において実際に加工され
る繊維量の測定部材と、出力が開俵機の走行駆動装置と
それぞれ接続している調整／制御装置を含む、上記方法
を実施するのに好適な装置にも係わる。速度ベースロー
ドはカード生産量に応じてコンピュータから与えられ
る。調整量は開俵機の下流側に続く加工装置に連携させ
た貯蔵手段の充填状態を測定することによって求めるこ
とができる。ストリッピング装置（開俵機）の下流に設
けた繊維材料貯蔵手段に測定部材を連携させることが好
ましい。測定部材としては、例えば圧力スイッチ，アナ
ログ圧力スイッチまたはフォトセル列を使用する。好ま
しくはアナログ（連続）式測定部材を採用する。２段ま
たは多段式測定部材を使用しても効果的である。貯蔵装
置をアナログ式で測定するか段階的に測定するかに応じ
て、ストリッピング手段の移動速度を連続的に、または
段階的に変化させる。

移動速度を連続的に調整すると、生産量が即応的に変化
する。

移動速度は種々の態様で変化させることができる。キャ
リッジは連続的に走行でき、従って、俵から連続的に繊
維材料をストリッピングできる。またgo段階においての
み移動速度の変化または調整が行われるいわゆるstop-a
nd-go動作態様も可能である。

調整／制御装置の入力をカードまたはカードフィーダの
駆動装置と接続し、カードまたはカードフィードの駆動
装置を調整／制御装置の目標値設定手段と接続するのが
好ましい。他の好ましい実施態様では、カードまたはカ
ードフィーダの駆動装置と調整／制御装置の間にコンピ
ュータを介在させる。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に
説明する。

第１図は各装置が導管を介して互いに接続されている浄
綿ラインを示す。互いに自由に設置されている１列の繊
維俵１（俵列）が開俵機２、例えばトリュッチュラー・
ブレンドマートによって荒ごなしされる。ストリッピン
グ手段2bによって掻取られた（図示しない）繊維材料は
搬送管３によってコンデンサ４に供給され、コンデンサ
は繊維を搬送空気から分離する。搬送空気は導管５及び
フィルタ６と通って外気（浄綿室）中に放出される。コ
ンデンサ４の下流側に段階式クリーナ８へのホッパ（フ
ィーダ）を含む装入装置７があり、クリーナ９、例えば
鋸歯式クリーナがこれに続く。装入装置７、段階式クリ
ーナ８及びクリーナ９の下端に見えるのが塵埃搬出管10
a〜10cである。クリーナ９は導管11を介して搬送用送風
機12の吸引側と連通し、これにミキサ、例えば複数チェ
ンバを有する多重ミキサが続く。ミキサ13の下流側には
搬送管14を介してコンデンサ15が続き、コンデンサ15が
搬送空気から繊維材料を分離する。搬送空気は導管16及
びフィルタ17を通って外気（浄綿室）中に放出される。
ホッパを含む装入装置18を介してコンデンサ15の下流側
に仕上げ開綿機19が続き、この仕上げ開綿機から搬送管
20を通って繊維材料が搬送用送風機21の吸引側に達す
る。搬送用送風機21には搬送管22を介して、複数の、ホ
ッパを含むカードフィーダ24、例えば、トリュッチュラ
ー・エグザクタフィードへの分配管23が接続している。
繊維材料はカードフィーダ24から圧縮されたフリースの
形でカード25に達し、カード25は並列繊維から（図示し
ない）スライバを形成し、これがケンスに達し、さら
に、紡績プロセスの次の装置、例えば、練条機に供給さ
れる。開俵機２の移動速度の制御は例えばカードフィー
ダ24における電流消費量によって決定されるカード25の
需要に合わせて行われる。このため、（図示しない）オ
ープナ・ローラ及び／またはフィーダ・ローラの駆動モ
ータに回転速度同期発電機24aを連携させる。求められ
た電気値または積分値が調整／制御装置26のための制御
量として作用し、前記装置26により、導線27を介し、駆
動モータ28によって開俵機２のキャリッジ2aの速度が制
御（調整）される。

第２図から明らかなように、必要装入量は中間貯蔵部、
例えば装入装置７、段階式クリーナ８の充填状態でも知
ることができる。好ましくは装入装置７の充填高を、複
数のセンサ29a、例えば光障壁など（フォトセル列）を
含む測定装置29で測定する。２個のセンサを含み、両セ
ンサ間で装入装置７の充填状態を検知し、移動によって
充填状態を、これとアナログに追跡する装置を利用する
こともできる。例えば装入装置７の中間充填状態を目標
値として設定することができる。この目標値からずれる
ごとに、駆動モータ28の回転速度、従って、キャリッジ
2aの移動速度が調整／制御装置26を介して制御される。
測定装置29と調整／制御装置26の間に、コンピュータ31
と接続する目標値設定装置26aを設ける。コンピュータ3
1はカード25（第１図）と接続し、例えば、カード25の
ローラまたは駆動装置と接続している（図示しないが）
回転速度同期発電機と接続する。他の好ましい実施例で
は、目標値設定装置を手動でも調整できる。これによっ
て所定のプログラムを実行する。

【図面の簡単な説明】

第１図は紡績材料、特に木綿及び化繊を本発明の装置で
加工する加工ラインを略示し、第２図は制御／調整複合
回路と共に本発明装置を略示する。 １……繊維俵、２……開俵機、３……搬送管、4,15……
コンデンサ、7,18……装入装置、８……段階式クリー
ナ、９……クリーナ、10a〜10c……塵埃搬出管、12,21
……送風機、13……ミキサ、25……カード、26……調整
／制御装置。

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紡績工場における載置面に配置された繊維
   俵を、前記俵の上面に沿ってストリッピング手段を往復
   させ、通過ごとに降下させ、ストリッピングされた繊維
   材料を貯蔵手段に充填し、この貯蔵手段から次の加工段
   階へ供給し、ストリッピング手段の通過時間をキャリッ
   ジ移動速度を変化させることによって調整しながらスト
   リッピングする方法において、移動速度を、後続の加工
   装置、例えば、貯蔵手段、カードフィーダ、カードなど
   が必要とする繊維材料量に応じて変化させることを特徴
   とする方法。
2. 【請求項２】移動速度、従って、ストリッピングすべき
   紡績材料量を、後続のクリーナまたはクリーナ群の紡績
   材料需要に応じて維持することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の方法。
3. 【請求項３】加工装置の加工量をフィーダ自体の電流消
   費量に基づいて求めることと、この値または積分値を、
   ストリッピング手段を含むキャリッジの移動速度を制御
   する調整装置に対する制御量として作用することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項に記載の方
   法。
4. 【請求項４】貯蔵手段、例えばクリーナ／オープナ装置
   の貯蔵手段の充填状態を、貯蔵手段の充填高を光障壁に
   よって、または充填量を秤量装置によって測定すること
   によって判断することと、目標値からずれるごとに、ス
   トリッピング手段を含むキャリッジの移動速度を連続的
   に制御することを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第３項までのいずれか１項に記載の方法。
5. 【請求項５】クリーナ装置の最適作動時間を目標値の例
   えば90〜95％とした上で所定の時間（ｂ）、例えば10ま
   たは15分間以内でのクリーナ装置の実働時間（ａ）を求
   めることと、ストリッピング手段を含むキャリッジの移
   動速度を商（a/b）に応じて調整装置などによって制御
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項から第４項
   までのいずれか１項に記載の方法。
6. 【請求項６】紡績工場における載置面に配置された繊維
   俵を、前記俵の上面に沿ってストリッピング手段を往復
   させ、通過ごとに降下させ、ストリッピングされた繊維
   材料を貯蔵手段に充填し、この貯蔵手段から次の加工段
   階へ供給し、ストリッピング手段の通過時間をキャリッ
   ジ移動速度を変化させることによって調整しながらスト
   リッピングする装置において、 調整及び制御装置（26）が設けられ、その入力が、後続
   の加工装置により実際に加工される繊維量の測定部材
   （24a;29,29a）と、出力が、開俵機（２）の走行駆動装
   置（28）とそれぞれ接続していることを特徴とする繊維
   俵をストリツプする装置。
7. 【請求項７】測定部材（29）を繊維材料貯蔵手段（７）
   に連携させたことを特徴とする特徴請求の範囲第６項に
   記載の装置。
8. 【請求項８】測定部材としてフォトセル（29a）を使用
   することを特徴とする特許請求の範囲第６項または第７
   項に記載の装置。
9. 【請求項９】アナログ式測定部材（24a;29,29a）を使用
   することを特徴とする特許請求の範囲第６項から第８項
   までのいずれか１項に記載の装置。
10. 【請求項１０】２段または多段式測定部材（24a;29,29
    a）を使用することを特徴とする特許請求の範囲第６項
    から第９項までのいずれか１項に記載の装置。
11. 【請求項１１】調整／制御装置（26）がカード（25）ま
    たはカードフィーダ（24）の駆動装置と接続することを
    特徴とする特許請求の範囲第６項から第10項までのいず
    れか１項に記載の装置。
12. 【請求項１２】測定部材として少なくとも１つの回転速
    度同期発電機（24a）を使用することを特徴とする特許
    請求の範囲第６項から第11項までのいずれか１項に記載
    の装置。
13. 【請求項１３】カード（25）またはカードフィーダ（2
    4）の駆動装置が調整／制御装置（26）の目標値設定手
    段（26a）と接続することを特徴とする特許請求の範囲
    第６項から第12項までのいずれか１項に記載の装置。
14. 【請求項１４】カード（25）またはカードフィーダ（2
    4）の駆動装置と調整／制御装置（26）の間にコンピュ
    ータ（31）を介在させたことを特徴とする特許請求の範
    囲第６項から第13項までのいずれか１項に記載の装置。