JPH0672289U - プリント基板の装着固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プリント基板を装着し、上部カバーと組み合わ
せることにより、確実に装着後の固定ができ、信頼性を
向上したプリント基板の装着固定構造を提供する。 【構成】合成樹脂を注型して箱状に形成した成形品１の
内部四隅に爪５を設ける。爪５は、上部を自由端とし成
形品１の上面より突出させ、この自由端にプリント基板
２側に向く固定部６を設ける。また、上部カバー３に
は、側縁９の内側に突出部10を設け、この突出部10の先
端11を爪５の固定部６の背面に当たるかまたは僅小の隙
間を形成するように位置させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、合成樹脂を注型した成形品にプリント基板を装着して固定したとき 、振動，衝撃に対して簡単にプリント基板が外れたり、脱落しないようにした構 造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばプログラマブルコントローラの１つのユニットにおけるプリント 基板の装着構造は、プリント基板を固定するための爪を設けた合成樹脂の注型品 より成る成形品にプリント基板を装着し、さらにカバーの作用をする他の合成樹 脂を注型して成る成形品を組み合わせるようにしていた。ところが、成形後にお ける爪の反り，強度およびばね性の計算が困難なため、成形金型製造時数回の試 作製造を行い、爪の反りや強度を決めているが、適切な対策をとることが困難で 、現物合わせ等により調整および目視による確認に頼っていた。また、より確実 に固定するため、ねじ止め構造を併用する場合もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のようなプリント基板の装着構造においては、爪の反り，強度およびばね 性等の選択が困難であるため、振動，衝撃でプリント基板が外れたり脱落する可 能性が有る。そこで、プリント基板の装着のため、成形品単品にて事前の確認等 ２次的工数を必要とし、信頼性においても必ずしも十分とは云えず、ねじ止め構 造の検討を行い、金型製作時ねじ止めも可能な構造となり、金型の構造が複雑に ５り、コストアップの要因にも成っていた。

【０００４】 そこで、本考案の目的は、プリント基板を装着し、上部カバーと組み合わせる ことにより、確実に装着後の固定ができ、信頼性を向上したプリント基板の装着 固定構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、箱体に自由端に爪状係止部を有する係止 体を設け、この係止体の爪状係止部を介して箱体に装着したプリント基板を固定 し、このプリント基板の上部に蓋体を配設して覆うようにしたプリント基板の装 着固定構造において、蓋体の内側に、蓋体を箱体に配設したときに係止体が反プ リント基板側に変位するのを阻止する突出部を設けるように構成したものである 。

【０００６】

【作用】

蓋体をプリント基板の装着後に上部に配設すると、蓋体に設けた突出部がプリ ント基板を固定している係止体の反プリント基板側へ変位するのを阻止するので 、爪状係止部によるプリント基板の固定は、振動，衝撃等の外力が作用しても外 れることはなく、確実にプリント基板を固定することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１は、本考案の一実施例 を示す断面図、図２は図１の“Ａ”部の拡大図である。 図１および図２において、１は合成樹脂を注型し箱状に形成した成形品、２は この成形品１に装着されるプリント基板、３は成形品に取付ける上部カバーを示 す。成形品１には、内側の隅部４箇所に底部から中空角状の突出部４を設け、こ の突出部４の上部にプリント基板２を固定するための爪５を設ける。

【０００８】 爪５は、突出部４の中空部内にばね性を出せるように設けられ、全体として内 側に僅かに傾斜して上方に伸び、上部を自由端とし成形品１の上面より突出させ る。この自由端にはプリント基板２側に向く固定部６を設ける。固定部６は、内 側面をテーパ面７とし、このテーパ面７より下方に水平状としたプリント基板２ との係合面８を設ける。

【０００９】 また、上部カバー３には側縁９の内側に突出部10を設ける。この突出部10の先 端部11は、その内側面を上部カバー３が成形品に取付けられたときに上記した固 定部６の背面に当たるかまたは僅小の隙間（突出部４の係合面８がプリント基板 ２から外れないようにする）を形成するように配置される。

【００１０】 一方、プリント基板２には、四隅に切欠部（図３に符号12で示す）を設け、成 形品１に装着したとき爪５がこの切欠部に位置するようにする。なお、プリント 基板２の端子部（外部電線との接続部）は、上部カバー３の側縁９より外側に配 置される。

【００１１】 以上のように構成された成形品１にプリント基板２を装着する場合には、図３ に示すようにプリント基板２を矢印で示すように上方から挿入すると、プリント 基板２の切欠部12が爪５のテーパ面７に当たる。さらに下方へ挿入していくと爪 ５が外側に広がるように変位するので、プリント基板２を成形品１の上面に当て て装着することができる。プリント基板２が成形品１の上面に装着されると、爪 ５は自身のばね性で元の状態に戻る。この後、上部カバー３を成形品１に取付け ると、突出部10の先端11が爪５の固定部６の背面に当たるかまたは僅小の隙間を 形成するように位置する。これにより、爪５がそれ以上外側へ変位するのを阻止 する。

【００１２】 したがって、振動，衝撃が作用してもプリント基板２の外れや脱落を防ぎ、爪 ５の外側への反り，強度およびばね性も標準設計で可能となり、調整や目視確認 等が不要になり、２次的工数のロスの削減ができ、ねじ止め構造の併用も不要と なり、工作性が向上し、金型の簡単化を図ることができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、箱体に自由端に爪状係止部を有する係止 体を設け、この係止体を介して箱体に装着したプリント基板を固定し、このプリ ント基板の上部に蓋体を配設して覆うようにしたプリント基板の装着固定構造に おいて、蓋体の内側に、蓋体を箱体に配設したときに係止体が反プリント基板側 に変位するのを阻止する突出部を設けるので、振動，衝撃等の外力が作用しても プリント基板が外れたり脱落することがなく、ねじ止め構造の併用も不要となり 、製作を容易にすると共に信頼性を向上したプリント基板の装着固定構造を提供 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図。

【図２】図１の“Ａ”部拡大図。

【図３】本考案の一実施例の分解斜視図。

【符号の説明】

１…成形品、２…プリント基板、３…上部カバー、５…
爪、６…固定部、８…係合面、10…突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱体に自由端に爪状係止部を有する係止
   体を設け、この係止体を介して前記箱体に装着したプリ
   ント基板を固定し、このプリント基板の上部に蓋体を配
   設して覆うようにしたプリント基板の装着固定構造にお
   いて、前記蓋体の内側に、前記蓋体を前記箱体に配設し
   たときに前記係止体が反プリント基板側に変位するのを
   阻止する突出部を設けたことを特徴とするプリント基板
   の装着固定構造。