JPH0671319U - トリムストリップ取り付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリムストリップとクリップとの間に、長手
方向のずれが生じるのを防止し、製造時に多少の寸法誤
差があってもそのずれ防止の効果が減少しないようにす
る。 【構成】 クリップは弾力性の指状部分を有し、トリム
ストリップには当接部分が設けられ、指状部分及び当接
部分のいずれかはトリムストリップの長手方向に間隔を
あけて設けられた複数の係合部分を有し、これによっ
て、トリムストリップがパネルに配置されたとき、その
係合部分のいずれかが、トリムストリップに係合する構
成になっている。

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パネルに取り付けられる頭付スタッドと、前記スタッドに取り付け られトリムストリップを保持するクリップとからなる、パネルにトリムストリッ プを取り付けるためのトリムストリップ取り付け装置に関する。

たとえば自動車の製造において、Ｔ字型断面をした頭付スタッドをパネルに一 列に溶接し、各スタッドにプラスチッククリップを取り付け、このクリップにト リムストリップを固定する構成の、パネルにトリムストリップを取り付けるトリ ムストリップ取り付け装置が広く採用されている。この形式の装置に使用するの に適したクリップが、たとえば西ドイツ国実用新案登録第７，８０５，８７０号 に開示されている。

この種の装置でしばしば生じる問題は、自動車の運転中に生じるような振動状 態のもとで、あるいはドアパネルに取り付けられたトリムストリップの場合には ドアを強く閉めたときに、トリムストリップがクリップ上を長手方向に滑る傾向 がある、ということである。

この問題を解決するために、種々の構造が従来提案さている。たとえば、トリ ムストリップの縁に沿って歯を設け、この歯をクリップの縁に形成した歯と係合 させて、トリムストリップの長手方向のずれに対して抵抗を与える構造が知られ ている。しかし、この公知の構造は、トリムストリップのずれに対する抵抗が十 分でなく、満足できるものではない。他の構造として、トリムストリップをボル トにより固定することが提案されている。しかし、この構造は、組み立てが面倒 で、組み立てに要する時間が長くなり、かつトリムストリップの取り外しが容易 でなく、パネルの塗装を傷付ける、という問題を有する。また、従来のトリムス トリップ取り付け装置におけるずれ防止構造は、製造時のトリムストリップおよ びクリップの寸法的な誤差により、ずれ防止の効果が減退する、という問題があ る。

そこで、本考案の目的は、組み立てられた状態で、トリムストリップと、これ を保持するクリップとの間に相対的に長手方向のずれを生じるのを防止でき、し かも製造ときの寸法誤差によってずれ防止の効果が減退しないようなトリムスト リップの取り付け装置を提供することである。

上記目的を達成するために、本考案によるトリムストリップ取り付け装置は、 クリップに弾力性の指状部を設け、該指状部に係合する当接部をトリムストリッ プに設けてトリムストリップがパネルに対して長手方向に移動するのを阻止する ように構成する。すなわち、クリップに設けた弾力性の指状部とトリムストリッ プに設けた当接部とが、トリムストリップがパネルに対して長手方向に移動する のを阻止する保持手段を構成する。また、指状部と当接部の少なくとも一方は、 トリムストリップの長手方向にある間隔で設けられた複数個の係合部を有してお り、該トリムストリップがパネル上に正確に配置されたときに、製造誤差に応じ て上記複数個の係合部のうちのいずれかの係合部が係合するように構成する。

このように、本考案においては、クリップの指状部とトリムストリップの当接 部とでトリムストリップがパネルに対して長手方向に移動するのを阻止する保持 手段を構成したので、自動車の振動やドアを強く閉じたときの衝撃でトリムスト リップが長手方向にずれるのを確実に防止できる。また、該保持手段において、 指状部と当接部の少なくとも一方に複数個の係合部を形成したので、クリップお よびトリムストリップの製造誤差に応じて最も適切な位置にある係合部が係合状 態となる。したがって、製造誤差の影響で保持手段の機能が低下する、というよ うな問題が解消できる。

以下、添付図面を参照し、パネルにトリムストリップを組立てる本考案よるト リム用クリップを実施例によつて詳細に説明する。

第２図には、トリムストリップ１０（又は装飾モールと称されることもある） と、自動車のサイドパネル例えば自動車のドアのサイドパネル１２とが断面図で 示されており、トリムストリップ１０は、シート状金属の基板１４の上に或る輪 郭形状のプラスチック外部カバー１６をモールドしたものより成る。基板１４は 、強度を得るために長手方向に溝が形成されており、内側から見ると、底の平ら な２つの浅い溝１８が平らなリブ２０で隔てられている。基板の下方の縁（第２ 図で見て）には内方に曲つたリップ２２があり、そして上方の縁にはリップ２４ がある。

第２図に示されたように、トリムストリップ１０は、パネル１２に溶接された 一対のＴ字型スタッド２６と、このスタッドに取り付けられたトリムクリップ３ ０とによつてパネル１２に保持される。一対のスタッドに取り付けられた１つの クリップしか図示されていないが、パネルには２列のスタッドが設けられていて 、各スタッド対に取り付けられた同様のクリップがストリップを間隔をおいて保 持している。

クリップ３０が第１図の斜視図に示されている。このクリップには、普通の形 状の２本のキー溝３２が互いに平行に配置されていて、スタッド２６の頭の下に クリップを滑り込ませることができるようにされており（第２図参照）、この組 立ての後に、クリップがスタッドから滑つて外れるのを防止するため、スタッド の頭を後方からラッチするようにツメ３４が配置されている。クリップ３０の一 端には、弾力性の耳状部３６が設けられていて、これはトリムストリップの基板 の上方リップ２４の後方に受け入れられ、そしてクリップ３０の他端には、下方 リップ２２がばね作用を及ぼす肩部３８が設けられている。フラップ４０は、ス トリップ１２の金属リップ２４によつてパネルの塗装がきずつくのを防止する。

第２図ではトリムクリップ３０がスタッド２６に取り付けられそしてトリムスト リップ１２かクリップ３０に取り付けられて示されている。

以上に述べた限りでは、クリップ３０は一般に使用されているものと同様であ るが、上記した特徴に加えて、クリップ３０は３個の同様の平らな可撓性弾力性 指状部４２を各側に有し、これらの指状部は、ストリップ１０の基板１４の溝１ ８の底まで達し得るように上方に（パネル１２に接触するクリップの底面に対し て）傾斜されている。

ストリップの基板の各溝１８及びリブ２０には、ストリップの一方の端付近で、 ３個の内方に変位した金属部片が型押しや押し抜きされて当接体４４（第３図） が形成されている。これら当接体４４は、ストリップ１０がクリップ３０に取り 付けられる時に指状部４２と長手方向に整列する。然し乍ら、これら３個の当接 体はストリップの長手方向に１．５ｍｍの間隔で互い違いにずらされていて、３ ｍｍの範囲内の相対的な位置においては、どれか一つ指状部の端の当接面４６が 肩部４４のどれか一つに当接し得るようにされている。３つの指状部４２の当接 面４６はストリップ１０の横断方向に整列され、指状部４２は可撓性があるので 、対応肩部との係合に使用されていない２つの指状部を肩部４４の上面にのせね ばならない場合でも（第３図の左側に見られる指状部のような場合）、このよう な状態を許容することができる。

パネルに対するトリムストリップの長手方向の位置を決定するように３個の互 い違いの肩部を設けることとは別に、１つの当接体を設け、そしてこれに係合す るようにクリップの片側のみに１つの指状部を設け、この指状部が肩部に係合す る当接面を所望の個数（例えば４個）もつようにしてもよい。このような構成が 第４図及び第５図に示されている。第４図では、指状部５０が階段形状の当接面 ５２を４個有していて、トリムストリップ５８のくぼみ５４の壁５６に係合され る。第５図では、指状部６４の歯で形成された当接面６２が、トリムストリップ ６８の内面の直立した歯６６で形成された当接体に係合される。

従つて、以上に述べた構成では、トリムストリップとクリップとの相対位置が その選択された範囲内にある場合は、ストリップとクリップとの当接体の相互係 合により、パネルに沿つてストリップが一方向にずれないようにされる。上記の 選択された範囲とは、自動車の車体にトリムストリップを組立てる──部品の製 造及びそれらの組立て例えばスタッドの溶接を含む──場合に通常許容される製 造裕度を受け容れるものである。

或る方向の相対的なずれを防止するために上記構成体のどれが選択されてもよ いが、反対方向の相対的なずれる防止するのにも同じ構成体が用いられ、そして 左側のクリップ及び右側のクリップを個々に成形するのを回避するため、使用す るしないに拘りなくクリップ本体の反対側にも前記形態の構成体が一体的に成形 される。従つて、第１図では、指状部４２に対してクリップ３０の反対側にも指 状部４２′が示されている。共働肩部は、最も端のクリップに係合するようにス トリップの両端の各々においてトリムストリップの基板４２に形成されてもよい し、中間のクリップと共働するようにされてもよいし、或いは好ましくは、１つ の同じクリップの両側の指状部と共働するようにされてもよい。

本考案のトリムストリップの当接体は、通常は、シートメタルを型抜きする時 に押抜き又は型押しするか、或いは部品全体がプラスチックの場合にはへこみ部 又は歯を一体成形するかのいずれかにより、別の製造操作を行なわずに、形成す ることができる。クリップの当接体をなす可撓性弾力性の指状部も同様にクリッ プの一部として一体成形することができる。従つて、これに伴なう経費の追加は 無視できる程度のものである。このように、長手方向のずれを防止するようにパ ネルにトリムストリップを組立てる場合に、何ら困難を招くこともないし、これ に要する時間も、このような効果を発揮しない一般の方法の場合より長くなるこ とはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、トリムクリップの指状部に係合する互い違い
の当接体を有したトリムストリップと共に使用される、
本考案を説明するための一形式のトリムクリップの斜視
図、第２図は、第１図に示されたトリムクリップ及び溶
接されたスタッドによつてパネルに組立てられたトリム
ストリップの横断面図、第３図は、第２図に示されたク
リップ及びトリムストリップの相互に係合する指状部及
び肩部を示した部分斜視図、第４図は、トリムストリッ
プに単一の共働当接体が設けられた場合に使用される別
の形式のクリップの指状部を示す部分図、そして第５図
は、第４図と同様のクリップを示す部分図である。 １０…トリムストリップ、１２…パネル、１４…シート
状金属の基板、１６…外部カバー、１８…溝、２０…リ
ブ、２２、２４…リップ、２６…スタッド、３０…トリ
ムクリップ、３２…キー溝、３６…耳状部、３８…肩
部、４０…フラップ、４２、４２′…指状部、４４…当
接体（肩部）、４６…当接面、５０…指状部、５２…当
接面、５６…壁、５４…くぼみ、５８…トリムストリッ
プ、６２…当接面、６４…指状部、６６…歯、６８…ト
リムストリップ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルに取り付けられる頭付スタッドと、
   前記スタッドに取り付けられトリムストリップを保持す
   るクリップとからなる、パネルにトリムストリップを取
   り付けるためのトリムストリップ取り付け装置におい
   て、前記クリップ（３０）に設けられた弾力性の指状部
   （４２、５４、６４）と、前記指状部に係合して前記ト
   リムストリップが前記パネルに対して長手方向に移動す
   るのを阻止するように前記トリムストリップ（１０、５
   ８、６８）に設けられた当接部（４４、５６、６６）と
   からなる保持手段を有し、前記指状部および前記当接部
   の少なくとも一方は、トリムストリップの長手方向にあ
   る間隔で設けられた複数個の係合部（４４、４６；５
   ２、５６；６２、６６）を有しており、前記トリムスト
   リップが前記パネル（１２）上に正確に配置されたとき
   に、製造誤差に応じて前記複数個の係合部のうちのいず
   れかの前記係合部が係合するようになったことを特徴と
   するトリムストリップ取り付け装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載したトリムストリップ取
   り付け装置において、前記指状部に複数個の前記当接部
   が形成されて、前記トリムストリップと係合するように
   なったトリムストリップの取り付け装置。