JPH0668105B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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JPH0668105B2
JPH0668105B2 JP63020178A JP2017888A JPH0668105B2 JP H0668105 B2 JPH0668105 B2 JP H0668105B2 JP 63020178 A JP63020178 A JP 63020178A JP 2017888 A JP2017888 A JP 2017888A JP H0668105 B2 JPH0668105 B2 JP H0668105B2
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JP
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carbon atoms
organic
meth
alkyl
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量磁郎 明石
孝 谷口
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Toray Industries Inc
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は重合可能なフォトクロミック材料に関する。
[従来の技術] フォトクロミズムを示す化合物として、スピロ系化合物
はその色変化の大きさから最も多く研究されている。従
来、溶液中や高分子媒体中に分散するか、または化学結
合で担持することによって用いられている。特に化学結
合によって高分子化したものは、媒体からフォトクロミ
ック化合物の溶出の抑制、さらには着色体の熱的安定性
の向上などを付与することが可能であることが知られて
いる(G.SMETS J.Polym. Sci.Polym.Chem.Ed.第12巻
2511頁〜2523頁(1974))。フォトクロミック化合物を
化学結合によって高分子に担持する方法は種々あるが、
最も実用的な方法としては重合性官能基をフォトクロミ
ック化合物に導入し、単独重合するかもしくは他の重合
性化合物と共重合する方法が知られている。
重合性官能基を有するものとして、スピロピラン化合物
があり、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.第12巻.2511頁〜2
523頁(1974)、特公昭54−307114号公報、特開昭61−7
6490号公報にその技術が開示されている。
一方、色変化が大きく、しかも着色〜消色のサイクルで
ある繰り返し耐久性の高いスピロ系フォトクロミック化
合物としてスピロナフトオキサジンが特公昭45−28892
号公報、特公昭49−48631号公報、特開昭62−145089号
公報などに、またスピロピリドベンゾオキサジンが特開
昭62−63587号公報に開示されている。これらのスピロ
オキサジン化合物は溶液中、あるいは高分子中へ分散す
ることによって用いられており、付加重合性官能基を有
するものは存在しなかった。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、スピロピラン化合物は着色〜消色のサイ
クルである繰り返し耐久性が低いという欠点を有してお
り、実用上大きな問題であった。
また、従来法による高分子中へ低分子化合物であるスピ
ロオキサジン化合物の分散には次のような大きな問題が
あった。
(1) スピロオキサジン化合物の溶解性に限界があ
り、高分子中への添加量が制限される。そのため発色濃
度の低下などの問題が発生する。
(2) コーティング組成物などに使用する際、溶媒の
揮発によってスピロオキサジン化合物が析出する。
(3) 熱、化学薬品さらには真空下にさらされた時、
蒸発、抽出、溶出などが起こる。
(4)高分子の可塑化による熱的、化学的な性能を低下
させる。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとするも
のであり、発色濃度を高くすることが可能で、熱、溶媒
に対して安定であり、かつ着色〜消色の繰り返し耐久性
が高いポリマーを与え得るフォトクロミック材料を提供
することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成しようとするものであり、下記
の構成を有する。
(1) 下記一般式(I)で示されるスピロオキサジン
化合物からなることを特徴とするフォトクロミック材
料。
(式中R1は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基およびエ
ポキシ基から選ばれる付加重合性有機官能基、R2、R5
R6はヒドロキシ基、アミノ基、有機置換アミノ基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、
ハロゲン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基
である。R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜8のスピロ炭素原子を含む脂環式、ノルボルニル基、
アダマチンル基からなる群から選ばれる官能基である。
mは1〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。) (2) 下記一般式(II)で示されるスピロオキサジン
化合物からなることを特徴とするフォトクロミック材
料。
(式中R7は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポキ
シ基およびアルリオキシ基から選ばれる付加重合性有機
官能基、R8、R9、R11は有機置換アミノ基、炭素数1〜
6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
ン、カルボキシ基からなる群から得らばれる有機基また
は水素である。R10は炭素数4〜30のアルキル基、炭素
数7〜12の置換アラルキル基、炭素数1〜30のヒドロキ
シアルキル基、およびアミノアルキル基、炭素数4〜30
のアクリル酸アルキルエステル基およびアクリル酸アル
キルアミド基、炭素数5〜30のメタクリル酸アルキルエ
ステル基およびメタクリル酸アルキルアミド基からなる
群から選ばれる有機基である。R12、R13は炭素数1〜10
のアルキル基、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂
環式環、ノルボニル基、アダマンチル基からなる群から
選ばれる有機基である。またXはNまたはCR8から選ば
れる一種である。mは0または1の整数であり、nは0
〜2の整数である。) (3) 下記一般式(III)によって示されるスピロオ
キサジン化合物からなることを特徴とするフォトクロミ
ック材料。
(式中R14は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
機官能基、R15、R16、R19は有機置換アミノ基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハ
ロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の
ヒドロキシアルキル基からなる群から選ばれる有機基ま
たは水素である。
R17、R18は独立の場合、炭素数1〜10のアルキル基、非
独立の場合は、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂
環式環、ノボルニル基、アダマンチル基からなる群から
選ばれる有機基である。Aは炭素数1〜30のアルキレン
基、アルキレン(ポリ)オキシアルキレン基または炭素
数8〜20のアルキレンアリールアルキレン基を表わす。
a、bは0また1であり、かつ(a+b)は1または2
である。また、mは0または1の整数であり、nは0〜
2の整数である。) (4) 下記一般式(IV)によって示されるスピロオキ
サジン化合物からなることを特徴とするフォトクロミッ
ク材料。
(式中R20は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
機官能基、R21、R22は有機置換アミノ基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
ン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基または
水素である。R23〜R32は炭素数1〜30のアルキル基、炭
素数7〜12のアラルキル基および置換アラルキル基から
なる群から選ばれる有機基または水素である。XはNま
たはC−R21から選ばれる1種である。mは0または1
の整数である。)における付加重合性有機官能基を有し
たスピロオキサジン化合物としては以下の化合物が挙げ
られる。
(a) 下記一般式(I)で示されるスピロオキサジン
化合物。
(式中R1は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基およびエ
ポキシ基から選ばれる付加重合性有機官能基、R2、R5
R6はヒドロキシ基、アミノ基、有機置換アミノ基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、
ハロゲン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基
である。R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜8のスピロ炭素原子を含む脂環式、ノルボルニル基、
アダマチンル基からなる群から選ばれる官能基である。
mは1〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。) 前記一般式中、R2のnが2の場合、それぞれのR2は、同
種であっても異種であってもよく、また、R5およびR6
いしR3、R4も、それぞれ同種であっても異種であっても
よい。
(b) 下記一般式(II)で示されるスピロオキサジン
化合物。
(式中R7は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポキ
シ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有機
官能基、R8、R9、R11は有機置換アミノ基、炭素数1〜
6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
ン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基または
水素である。R10は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数
7〜12の置換アラルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシ
アルキル基、およびアミノアルキル基、炭素数4〜30の
アクリル酸アルキルエステル基およびアクリル酸アルキ
ルアミド基、炭素数5〜30のメタクリル酸アルキルエス
テル基およびメタクリル酸アルキルアミド基からなる群
から選ばれる有機基である。R12、R13は炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂環
式環、ノルボニル基、アダマンチル基からなる群から選
ばれる有機基である。またXはNまたはCR8から選ばれ
る一種である。mは0または1の整数であり、nは0〜
2の整数である。) 前記一般式中、R11のnが2の場合、それぞれのR11は、
同種であっても異種であってもよく、またR8およびR3
いしR12、R13も、それぞれ同種であっても異種であって
もよい。
(c) 下記一般式(III)で示されるスピロオキサジ
ン化合物。
(式中R14は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
機官能基、R15、R16、R19は有機置換アミノ基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハ
ロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の
ヒドロキシアルキル基からなる群から選ばれる有機基ま
たは水素である。
R17、R18は独立の場合、炭素数1〜10のアルキル基、非
独立の場合は、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂
環式環、ノルボルニル基、アダマンチル基からなる群か
ら選ばれる有機基である。Aは炭素数1〜30のアルキレ
ン基、アルキレン(ポリ)オキシアルキレン基または炭
素数8〜20のアルキレンアリールアルキレン基を表わ
す。a、bは0また1であり、かつ(a+b)は1また
は2である。また、mは0または1の整数であり、nは
0〜2の整数である。) 前記一般式中、R19のnが2の場合、それぞれのR19は、
同種であっても異種であってもよく、また、R15およびR
16、ないしR17R18も、それぞれ同種であっても異種であ
ってもよい。
(d) 下記一般式(IV)で示されるスピロオキサジン
化合物。
(式中R20は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
機官能基、R21、R22は有機置換アミノ基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
ン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基または
水素である。R23〜R32は炭素数1〜30のアルキル基、炭
素数7〜12のアラルキル基および置換アラルキル基から
なる群から選ばれる有機基または水素である。XはNま
たはC−R21から選ばれる1種である。mは0または1
の整数である。) かかる一般式(I)〜(IV)の具体例としては、次のも
のが挙げられる。
[一般式(I)の具体例] 1−アクリロキシエチル−3,3−ジメチルスピロ[イン
ドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オ
キサジン]、1−メタクリロキシエチル−3,3−ジメチ
ルスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−
b](1,4)オキサジン]、1−メタクリロキシプロピ
ル−3,3−ジメチルスピロ[インドリン2,3′−[3H]−
ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]、1−メタクリ
ルアミドエチル−3,3−ジメチル−5−クロロスピロ
[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,
4)オキサジン]、1−メタクリロキシエチル−3,3−ジ
メチル−8′−メトキシ[インドリン−2,3′−[3H]
−ナフト[2,1−b(1,4)オキサジン]、1−(p−ビ
ニルベンゾイロキシエチル)−3,3−ジメチル−5,6−ジ
クロロスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト
[2,1−b](1,4)オキサジン]など。
[一般式(II)の具体例] 1,3,3−トリメチル−9′−メタクリロキシスピロ[イ
ンドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)
−オキサジン]、1,3,3−トリメチル−5′−メタクリ
ロキシメチルスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナ
フト[2,1−b](1,4)オキサジン]、1,3,3−トリメ
チル−10′−メタクリルアミドスピロ[インドリン−2,
3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オキサジ
ン]、1,3,3−トリメチル−5−クロロ−9′−アクリ
ロキシスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト
[2,1−b](1,4)オキサジン]、1−ベンジル−3,3
−ジメチル−9′−ビニルベンゾイロキシスピロ[イン
ドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オ
キサジン]、1,3,3−トリメチル−9′−メタクリロキ
シスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−[2,1−b]
(1,4)ピリドベンゾオキサジン]など。
[一般式(III)の具体例] 1,1″−(1,5−ペンタンジイル)ビス[3,3−ジメチル
−9′−メタクリロキシスピロ[インドリン−2,3′−
[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]]、1,
1″−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス[3,3
−ジメチル−5′−(メタ)アクリロキシメチルスピロ
[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,
4)オキサジン]]、1,1″−[1,4−ブタンジイル)ビ
ス[5,6−ジクロロ−3,3−ジメチル−8′−(メタ)ア
クリロキシスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフ
ト[2,1−b](1,4)オキサジン]]など。
[一般式(IV)の具体例] 1,3,3−トリメチル−9′−メタクリロキシピペリジノ
スピロナフトオキサジン 1−ベンジル−3,3−ジメチル−9′−メタクリロキシ
−5′−メトキシピペリジノスピロナフトオキシジン 1−ベンジル−3,3−ジメチル−5′−メタクリロキシ
メチルピペリジノスピロナフトオキサジン 1,3,3−トリメチル−8′−(p−ビニルベンゾイロキ
シ)ピペリジノスピロナフトオキサジン 1,3,3−トリメチル−9′−アクリロキシピペリジノス
ピロキノリオキサジン かかる(I)〜(IV)の化合物は、分子中に付加重合性
有機官能基有するため、単独重合もしくは他の重合性化
合物との共重合によってポリマー化することが可能であ
る。本発明のフォトクロミックモノマーと共重合可能な
重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸ヒロキシアルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ス
チレン、置換スチレン誘導体、N−置換マレイミド、無
水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、メチルビニ
ルケトン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、
グリシジル(メタ)アクリレート、クロロプレンなどの
単官能重合性化合物、さらにはジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、イソプロパン
ジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンやペンタエリスリトールのジ−,トリ−あるいはテ
トラ−(メタ)アクリレート、などの多官能重合性化合
物が挙げられる。かかる共重合成分を適宜選択すること
によって着色体の色や安定性および発消色のスピードを
かなりの範囲内で自由にコントロールすることが可能で
ある。
例えば、着色濃度の大幅の向上には、Tg(ガラス転移温
度)が50℃以下のポリマーにすることが効果的である。
このようなポリマーを得るには、本発明のフォトクロミ
ックモノマーと例えばエチルアクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オク
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テ
トラデシル(メタ)アクリレートのようなモノマーを1
成分として共重合することが好ましい。また、かかるポ
リマーの物理的な強度の向上を目的に架橋させることも
効果的である。
また、本発明のフォトクロミックモノマーはそれ自身で
も、溶液中やポリマー分散中で良好なフォトクロミズム
を示す。
本発明のスピロオキサジン化合物の製造方法として種々
の方法が可能であるが、もっとも一般的でかつ高収率で
得られる方法としては、下記一般式(A)〜(D)で与
えられる各種メチレンインドリン誘導体に下記一般式
(E)〜(F)で与えられるニトロソナフトール誘導体
を通常の方法で反応後、カラム精製法や再結晶精製法に
よって製造することができる。
(R1,R2,R3,R4の置換基は、前述一般式(I)と同様で
ある。) (R10,R11,R12,R13は、前述一般式(II)と同様であ
る。) (R17,R18,R19は、前述一般式(III)と同様である。) (R23〜R32は、前述の一般式(IV)と同様である。) (R5,R6は前記一般式(I)と同様である。) (R33は、R8、R15またはR21を示し、R34は、R9、R16
たR22を示す。R8,R9,R15、R16、R21、R22は前述の一般
式(II)、(III)、(IV)と同様である。またはYは
ヒドロキシ基やアミノ基などである。) ヒドロキシ基やアミノ基を有するスピロオキサジンへの
付加性重合有機官能基の導入は前の反応によって得られ
るヒドロキシ基やアミノ基を有するスピロオキサジン化
合物を(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリ
ル酸またはビニル安息香酸を用いてエステル化やアミド
化を行ない製造することができる。また、あらかじめ付
加重合性有機官能基をニトロソナフトール誘導体に導入
後、スピロオキサジン化合物を合成する方法も可能であ
る。
本発明フォトクロミック化合物の高分子への担持方法と
しては、あらかじめ単独、もしくは他成分と共重合させ
て高分子化する方法、さらには共重合性を有する高分子
と本発明フォトクロミック化合物を反応させる二段階重
合などの方法で担持させることも可能である。
さらには本発明フォトクロミック化合物は2種以上を組
合せ、あるいは他の重合性フォトクロミック化合物と組
合わせて混合着色可能とすることもできる。
本発明フォトクロミック化合物またはその重合体(共重
合体を含む)の使用方法は目的、用途によって種々の形
態が可能である。その具体的な例として、レンズ、玩具
などの場合には成形体、あるいは被覆物品として用いら
れる。また、窓ガラスやフロント、サイド、サンルーフ
などの自動車用ガラス物品においては合わせガラスのよ
うな積層体、フィルムラミネートのような複合体などと
して好ましく用いられる。その他化粧品や装飾品にも利
用可能である。また繊維状に加工し織布にすることも可
能であり、さらに耐薬品性の高さからドライクリーニン
グ可能であり、実用的なカメレオン繊維として使用でき
る。
[実施例] 実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
実施例1 1−メタクリロキシエチル−3,3−ジメチル−2−メチ
レンインドリン16g(0.06mol)と1−ニトロソ−2−ナ
フトール10.4g(0.06mol)をエタノール150mlに溶解し
5時間加熱還流させた。溶液を除いた後カラム精製によ
って下記式(V)に示される1−メタクリロキシエチル
−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−
ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]2.6g(収率10.3
%)が黄白色固体として得られた。
IRによる吸収スペクトル結果 1720 (cm-1)(C=O(エステル) 伸縮振動) 1460−1480(cm-1)(C=N−(オキサジン環) 〃
) 1080 (cm-1)(C=O(オキサジン環) 〃 ) 実施例2 実施例1によって合成した1−メタクリロキシエチル−
3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナ
フト[2,1−b](1,4)オキサジン]をアセトンに溶か
して無色溶液に低温(10℃)で紫外光を照射したところ
青色に着色した。着色〜消色は何度も繰り返し行えた。
実施例3 実施例1によって合成したスピロオキサジン化合物をポ
リメタクリル酸メチルのジクロルメタン溶液に溶かし、
スライドガラス上に塗布乾燥させ作成した無色フィルム
に室温で紫外光を照射したところ青色に着色した。着色
〜消色は何度も繰り返し行えた。
実施例4 実施例1で合成したスピロオキサジン化合物1当量とメ
タクリル酸メチル19当量とを通常のラジカル重合法によ
って重合させ、再沈殿法によって精製し共重合体を得
た。この共重合体をスライドガラス上に溶媒を用いて塗
布乾燥し得られた無色透明フィルムに紫外光を照射した
ところ青色に着色した。このことから高分子中にフォト
クロミック化合物が担持さていることが確認できた。ま
たこの高分子は着色〜消色が何度も繰り返し行えた。
実施例5 実施例1と同様の方法で合成した下記式(VI)に示され
る1−メタクリロキシエチル−3,3−ジメチル−8′−
メトキシスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト
[2,1−b](1,4)オキサジン]、1当量とスチレン19
当量を実施例4と同じ方法で重合して得た共重合体は紫
外線の照射によって無色から青色に着色した。着色〜消
色は何度も繰り返し行えた。
実施例6 実施例1と同様な方法で合成した下記式(VII)に示す
1−メタクリロキシエチル−3,3−ジメチル−5−クロ
ロスピロ[インドリン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−
b](1,4)オキサジン]、1当量とメタクリル酸メチ
ル19当量を実施例4と同様な方法でガラス板間にて共重
合体からなるキャスト板は紫外線の照射によって無色か
ら青色に着色した。着色〜消色は何度も繰り返し行え
た。
実施例7 実施例4で作成した高分子化合物のフィルムをメタノー
ル中に24時間浸漬した後紫外光を照射したところ浸漬前
後においても着色濃度の差はまったく認められなかっ
た。このことからフォトクロミック化合物を担持した高
分子は化学薬品によるスピロオキサジン化合物の溶出が
起こらず耐久性に優れていることが分った。
実施例8 1,1″−(1,5−ペンタンジイル)ビス[3,3−ジメチル
−9′−メタクリロキシスピロ[インドリン−2,3′−
[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]]の製
造 2,3,3−トリメチルインドレニン15.9g(0.1mol)と1.5
−ジブロモペンタン10.3g(0.045mol)をエタノール中
で加熱還流することによって、インドレニウム二量体20
gを得た。得られたインドレニウム二量体11g(20mmo
l)、1−ニトロソ−2,7−ジヒドロキシナフタレン8.4g
(44mmol)およびトリエチルアミン5mlをエタノール200
ml中に溶解し、20時間加熱還流を行なった。反応終了
後、溶媒を除き、ヘキサンおよびベンゼンを用いて再結
晶を行ない、スピロヒドロキシナフトオキサジン二量
体、約3.0gを得た。得られたスピロヒドロキシナフトオ
キサジン二量体1.0g(1.3mmol)を塩化メチレンに溶解
し、トリエチルアミン2mlを加えた後、メタクリル酸ク
ロライド0.31g(3.0mmol)を室温で滴下反応させた。反
応後カラム精製法およびメタノールを用いて再結晶を行
ない、目的物を白色固体(約1.0g)として得た。
IRによる吸収スペクトル結果 1730(cm-1)(C=O(エステル)伸縮振動) 1460−1480(cm-1)(C=N−(オキサジン環)伸縮振
動) 実施例15 1,1″−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス[5
−クロロ−3,3−ジメチル−8′−アクリロキシスピロ
[インドイン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1b](1,4)
オキサジン]]の製造 5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドレニン19.4g(0.
1mol)とα,α′−ジブロモ−p−キシレン12.0g(45m
mol)をメチルエチルケトン中で加熱還流してインドレ
ニウム二量体を得た。得られたインドレニウム二量体6.
5g(10mmol)、1−ニトロソ−2,6−ジヒドロキシナフ
タレン3.8g(20mmol)およびトリエチルアミン5mlをエ
タノール100mlに溶解し、20時間加熱還流を行なった。
反応終了後、溶媒を除き、ヘキサンおよびベンゼンを用
いて再結晶を行い、スピロヒドロキシナフトオキサジン
二量体を得た。得られたスピロヒドロキシナフトオキサ
ジン二量体1.0g(1.2mmol)を塩化メチレン50mlに溶解
し、トリエチルアミン2mlを加えた後、アクリル酸クロ
ライド0.27g(3mmol)を室温で滴下反応させた。反応後
カラム精製法およびメタノールを用いて再結晶を行な
い、目的物を白色固体として得た。
実施例10 実施例8で得たスピロオキサジン二量体をクロロホルム
に溶解し、紫外線を照射すると青色に着色した。紫外線
の照射を止めるとただちに消色した。着色〜消色は何度
も繰り返し行なえた。
実施例11 実施例8で得たスピロオキサジン二量体0.3g、メタクリ
ル酸メチル2.0gおよび重合開始剤をベンゼンに溶解し、
通常のラジカル重合を行ったところ高分子ゲルを生成し
た。この高分子ゲルを溶媒でよく洗浄後、紫外線を照射
すると青色に着色した。以上のことから本発明のスピロ
オキサジン二量体は架橋成分として高分子中に存在する
ことが分った。
実施例12 1,3,3−トリメチル−9′−メタクロキシピペリジノス
ピロナフトオキサジンの合成 1,3,3−トリメチル−2−メチレンピペリジン 6.0gと
1−ニトロソ−2,7−ジヒドロキシナフタレン8.1gをエ
タノール150mlに溶解し、5時間加熱還流させた。溶媒
を除いた後、ベンゼンを用いて再結晶精製を行ない、1,
3,3−トリメチル9′−ヒドロキシピペリジノスピロナ
フトオキサジン4.0gを得た。次にこれをメタクリル酸ク
ロライドを用いて、トリエチルアミンを添加してメタク
リル化を行なった後、カラム精製法および再結晶精製法
によって目的物(黄色白色固体)3.5gを得た。
IRによる吸収スペクトル結果 1730(cm-1)[C=O(エステル)伸縮振動] 1620(cm-1)[C=N−(オキサジン環)伸縮振動] 実施例13 1−ベンジル−3,3−ジメチル−5′−メタクリロキシ
メチルピペリジノスポロナフトキサジンの合成 1−ベンジル−3,3−ジメチル−2−メチレンピペリジ
ン5.0gと1−ニトロソ−3−ヒドロキシメチル−2−ナ
フトール7.0gをエタノール150mlに溶解し、5時間加熱
還流させた。溶媒を除いた後、石油エーテルを用いて再
結晶精製を行ない、1−ベンジル−3,3−ジメチル−
5′−ヒドロキシメチルピペリジノスピロナフトオキサ
ジン3.0gを得た。次にこれを実施例12と同様にメタクリ
ル化後、精製し、目的物(白色固体)2.5gを得た。
IRによる吸収スペクトル結果 1720(cm-1)[C=O(エステル)伸縮振動] 1610(cm-1)[C=N−(オキサジン環)伸縮振動] 実施例14 実施例12で合成した1,3,3−トリメチル−9′−メタク
リロキシピペリジノシスピロナフトオキサジン1.0gとメ
タルメタクリレート9.0gとを通常のラジカル重合を行な
い、再沈殿精製後ポリマー8.0gを得た。このポリマーを
トルエンに溶解し、スライドガラス上に塗布、乾燥して
フィルムとした。このフィルムに紫外光を照射すると、
紫色に着色した。着色〜消色は何度も繰り返し可能であ
った。
実施例15 実施例13で合成した1−ベンジル−3,3−ジメチル−
5′−メタクリロキシメチルピペリジノスピロナフトオ
キサジン1.0gとスチレン9.0gとを実施例20と同様な方法
で重合後、フィルムとした。このフィルムに紫外光を照
射すると紫色に着色した。着色〜消色は何度も繰り返し
行なえた。
実施例16 実施例14および15で合成したポリマーのフィルムをメタ
ノール、ヘキサンにそれぞれ24時間浸漬した後紫外光を
照射したところ、それぞれ浸漬前後において着色濃度の
差は全く認められなかった。このことから、スピロオキ
サジン化合物の溶出が起こらず、きわめて耐薬品性に優
れていることがわかった。
比較例1 スピロピラン系モノマーである1−メタクリロキシエチ
ル−3,3−ジメチル−6′−ニトロインドリノスピロベ
ンゾピラン1.0gとメチルメタクリレート9.0gとを通常の
ラジカル重合を行ない、再沈殿精製後ポリマー8.5gを得
た。このポリマーをトルエンに溶解しスライドガラス上
に塗布、乾燥してフィルムとした。このフィルムに紫外
光を照射すると、紫色に着色したが、着色〜消色は10回
程度しか行なえなかった。つまり耐久性が低いことが分
かった。
比較例2 比較例1で合成したポリマーおよび実施例4,11,12,17,2
0で合成した各ポリマーの耐久性フェードメーターテス
トによって試験をした。その結果を表1に示す。結果と
して、本発明のスピロオキサジンを含有するポリマーは
耐久性の高いことが分った。
比較例3 1,3,3−トリメチルインドリノスピロナフトオキサジン
1.0gとポリメチルメタクリレート9.0gをトルエンを用い
て溶解混合後、スライドガラス上に塗布乾燥して作成し
たフィルムを、メタノールおよびヘキサンに24時間浸漬
した後紫外光を照射したところ、それぞれ浸漬前後にお
いて着色濃度に大きな差が生じた。これは有機溶媒によ
ってフィルム中に分散されているスピロオキサジンが溶
出されたことを示している。つまり単にポリマー中にス
ピロオキサジンを分散したものは耐溶剤性が低いことが
分った。
実施例17 下記式(X)で表わされる化合物(5g)および下記
式(XI)で表わされる化合物(5g)をエタノール(50m
l)に溶解し、6時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去
した後、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を展開溶媒とし
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って精製
し、下記式(XII)の化合物を得た。
分析結果 式(XII)の化合物の元素分析結果を下記する。
元素分析値:(C32H34N2O5として) 理論値:C(73.0)、H(6.5)、N(5.3)(%) 実測値:C(73.0)、H(6.5)、N(5.3)(%) 式(XII)の化合物の赤外吸収スペクトル測定を日立260
−10型赤外分光光度計を用い、KBr錠剤法によって行な
った。その結果1730cm-1付近にエステルカルボニルの吸
収が、1700cm-1付近にメタクリル基のカルボニルの吸収
が、1600cm-1付近にメタクリル酸部位の二重結合の吸収
が見られた。
式(XII)化合物の1H核磁気共鳴スペクトル測定を90MHz
NMR測定装置を用いて、CDCl3溶媒中で行った。その結果
13ppm付近にカルボキシル基に基づく1H分のピーク、5.5
〜8.5ppm付近にインドリン環、オキサジン環、ナフタレ
ン環、メタクリル酸部位のCH2のプロトンに基づく11H分
のピーク、3.8ppm付近にメタクリル酸エステル部位のCH
2に基づく2H分のピーク、3.1ppm付近にNCH2に2H分のピ
ーク、2.7ppm付近にインドリン環に結合したエチル基の
CH2に基づく2H分のピーク、2.1ppmの付近にメタクリル
酸部位のCH3のプロトンに基づく3H分のピーク、0.8〜1.
3ppm付近にインドリン環に結合したエチル基のCH3とイ
ンドリン環に結合したジェミナルジメチルとテトラメチ
レンの中央のCH2CH2に基づく13H分のピークが観測され
た。
実施例18〜21 実施例17と同様にして、反応および分離精製を行った。
反応物と生成物を表2に示す。各生成物の同定は、元素
分析、1H核磁気共鳴スペクトルおよび赤外吸収スペクト
ルによって行った。
実施例22 下記式(XIII)で表わされる化合物10g)および2,7−
ジヒドロキシ−1−ニトロソナフタレン(10g)をエタ
ノール(100ml)に溶解し、6時間加熱還流した。溶媒
を減圧下留去した後、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を
展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
行って精製し、ヒドロキシル基を有するスピロオキサジ
ン化合物を得た。次に得られた化合物(1.5g)を塩化メ
チレン(50ml)に溶解し、トリエチルアミン(5ml)と
メタクリル酸クロリド(0.6g)を加えた。室温で3時間
攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。ヘキサン/酢酸エ
チル混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを行って精製し、下記式(XIV)の化合物
を得た。
分析結果 式(XIV)の化合物の元素分析結果を下記する。
元素分析値:(C43H54N2O5として) 理論値:C(76.1)、H(8.0)、N(4.1)(%) 実測値:C(76.1)、H(8.0)、N(4.1)(%) 式(XIV)の化合物の赤外吸収スペクトル測定を日立260
−10型赤外分光光度計を用い、KBr錠剤法によって行な
った。その結果1730cm-1付近にエステルカルボニルの吸
収が、1600cm-1付近にメタクリル酸部位の二重結合の吸
収が見られた。
式(XIV)化合物の1H核磁気共鳴スペクトル測定を90MHz
NMR測定装置を用いて、CDCl3溶媒中で行った。その結果
5.5〜8.5ppm付近にインドリン環、オキサジン環、ナフ
タレン環、メタクリル酸部位のCH2のプロトンに基づく1
2H分のピーク、3.8ppm付近にメタクリル酸エステル部位
のCH2に基づく2H分のピーク、3.1ppm付近にNCH2に2H分
のピーク、2.7ppm付近にインドリン環に結合したエチル
基に基づく6H分のピーク、2.1ppmの付近にメタクリル酸
部位のCH3のプロトンに基づく6H分のピーク、0.8〜1.3p
pm付近にインドリン環に結合したジェミナルジメチルと
ドデカメチレンの中央の(CH210に基づく26H分のピー
クが観測された。
実施例23〜29 実施例21と同様にして、反応および分離精製を行った。
反応物と生成物を表3に示す。各生成物の同定は、元素
分析、1H核磁気共鳴スペクトルおよび赤外吸収スペクト
ルによって行った。
実施例30 下記式(XV)で表わされる化合物(10g)および下記
式(XVI)で表わされる化合物(10g)をエタノール(10
0ml)に溶解し、6時間加熱還流した。溶媒を減圧下留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行っ
て精製し、ヒドロキシル基を有するスピロオキサジン化
合物を得た。
得られた化合物(0.15mol)およびエピブロモヒドリン
(0.15mol)を加え、80℃に加熱した。これに40%水酸
化ナトリウム水溶液(15g)を3時間掛けて滴下した。
滴下終了後、1時間加熱を続けた後、減圧下溶媒を留去
した。残ったものに水を加え、クロロホルムで抽出し
た。抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、
ろ過によって不溶物を除き溶媒を留去した。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーを行って精製し、下記式(XV
II)の化合物を得た。
分析結果 式(XIII)の化合物の元素分析結果を下記する。
元素分析値:(C36H44N2O4として) 理論値:C(76.0)、H(7.8)、N(4.9)(%) 実測値:C(76.0)、H(7.9)、N(4.9)(%) 式(XVII)化合物の1H核磁気共鳴スペクトル測定を90MH
zNMR測定装置を用いて、CDCl3溶媒中で行った。その結
果5.5〜8.5ppm付近にインドリン環、オキサジン環、ナ
フタレン環に基づく9H分のピーク、4.2ppm付近にエトキ
シ基のCH2に基づく2H分のピーク2.6〜3.5ppm付近にNC
H2、オキシラン環のCHCH2、ヘキシル基のφ−CH2、およ
びエーテル酸素の隣の2つのCH2に基づく11H分のピー
ク、0.8〜1.3ppm付近にインドリン環に結合したジェミ
ナルジメチル、エトキシ基のCH3、プロピレンの中央のC
H2、およびヘキシル基のうちのCH3(CH2に基づく22
H分のピークが観測された。
実施例31〜33 実施例30と同様にして、反応および分離精製を行った。
反応物と生成物を表4に示す。各生成物の同定は、元素
分析、1H核磁気共鳴スペクトルおよび赤外吸収スペクト
ルによって行った。
実施例34 実施例17で得た式(XII)の化合物(3重量部)、ブチ
ルメタクリレート(27重量部)、アゾビスイソブチロニ
トリル(0.5重量部)、およびトルエン(70重量部)を
ガラス製のアンプルに入れ、凍結脱気により溶存酸素を
除いた。アンプルを封管後、80℃に加熱して、7時間重
合させた。得られたフォトクロミックポリマーのトルエ
ン溶液にに紫外光を照射すると青色に着色し、照射を止
めると消色した。この変化は何度も繰返し行うことがで
きた。
実施例35〜49 実施例34と同様にして、フォトクロミックポリマーの重
合を行った。各ポリマーの着色時の色を表5に示す。
実施例50 実施例30で得た式(XVII)の化合物(2モル部)とビス
フェノールAのジグリシジルエテル(9モル部)のトル
エン(50モル部)溶液を攪拌しているところへ、ヘキサ
メチレンジアミン(10モル部)のトルエン(50モル部)
溶液を3時間かけて滴下した。その後、1時間攪拌を続
けてフォトクロミックポリマーのトルエン溶液を得た。
得られたフォトクロミックポリマーのトルエン溶液にに
紫外光を照射すると紫色に着色し、照射を止めると消色
した。この変化は何度も繰返し行うことができた。
実施例51〜56 実施例50と同様にして、フォトクロミックポリマーの重
合を行った。各ポリマーの着色時の色を表6に示す。
[発明の効果] 本発明のフォトクロミック材料およびこれを重合させた
ポリマーはそれぞれ以下のような効果を有していた。
(1) フォトクロミックモノマーを化学結合によって
高分子に担持させることが可能であり、高濃度に導入可
能である。
(2) 薬品によるポリマー中からのフォトクロミック
化合物の溶出が起こらない。
(3) 着色〜消色の繰り返し耐久性が高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるスピロオキサ
    ジン化合物からなることを特徴とするフォトクロミック
    材料。 (式中R1は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
    クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基およびエ
    ポキシ基から選ばれる付加重合性有機官能基、R2、R5
    R6はヒドロキシ基、アミノ基、有機置換アミノ基、炭素
    数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、
    ハロゲン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基
    である。R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜8のスピロ炭素原子を含む脂環式環、ノルボルニル
    基、アダマンチル基からなる群から選ばれる官能基であ
    る。mは1〜12の整数であり、nは0〜2の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で示されるスピロオキサ
    ジン化合物からなることを特徴とするフォトクロミック
    材料。 (式中R7は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)ア
    クリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポキ
    シ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有機
    官能基、R8、R9、R11は有機置換アミノ基、炭素数1〜
    6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
    ン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基または
    水素である。R10は炭素数4〜30のアルキル基、炭素数
    7〜12の置換アラルキル基、炭素数1〜30のヒドロキシ
    アルキル基、およびアミノアルキル基、炭素数4〜30の
    アクリル酸アルキルエステル基およびアクリル酸アルキ
    ルアミド基、炭素数5〜30のメタクリル酸アルキルエス
    テル基およびメタクリル酸アルキルアミド基からなる群
    から選ばれる有機基である。R12、R13は炭素数1〜10の
    アルキル基、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂環
    式環、ノルボルニル基、アダマンチル基からなる群から
    選ばれる有機基である。また、XはNまたはCR8から選
    ばれる一種である。mは0または1の整数であり、nは
    0〜2の整数である。)
  3. 【請求項3】下記一般式(III)によって示されるスピ
    ロオキサジン化合物からなることを特徴とするフォトク
    ロミック材料。 (式中R14は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
    アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
    キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
    機官能基、R15、R16、R19は有機置換アミノ基、炭素数
    1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハ
    ロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の
    ヒドロキシアルキル基からなる群から選ばれる有機基ま
    たは水素である。 R17、R18は独立の場合、炭素数1〜10のアルキル基、非
    独立の場合は、炭素数6〜8のスピロ炭素原子を含む脂
    環式環、ノルボルニル基、アダマンチル基からなる群か
    ら選ばれる有機基である。Aは炭素数1〜30のアルキレ
    ン基、アルキレン(ポリ)オキシアルキレン基または炭
    素数8〜20のアルキレンアリールアルキレン基を表わ
    す。a、bは0また1であり、かつ(a+b)は1また
    は2である。また、mは0または1の整数であり、nは
    0〜2の整数である。)
  4. 【請求項4】下記一般式(IV)によって示されるスピロ
    オキサジン化合物からなることを特徴とするフォトクロ
    ミック材料。 (式中R20は(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)
    アクリル酸アミド基、ビニル安息香酸エステル基、エポ
    キシ基およびアリルオキシ基から選ばれる付加重合性有
    機官能基、R21、R22は有機置換アミノ基、炭素数1〜6
    のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲ
    ン、カルボキシ基からなる群から選ばれる有機基または
    水素である。R23〜R32は炭素数1〜30のアルキル基、炭
    素数7〜12のアラルキル基および置換アラルキル基から
    なる群から選ばれる有機基または水素である。XはNま
    たはC−R21から選ばれる1種である。mは0または1
    の整数である。)
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