JP2001181348A - 熱若しくは光硬化性組成物 - Google Patents

熱若しくは光硬化性組成物

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JP2001181348A
JP2001181348A JP36888499A JP36888499A JP2001181348A JP 2001181348 A JP2001181348 A JP 2001181348A JP 36888499 A JP36888499 A JP 36888499A JP 36888499 A JP36888499 A JP 36888499A JP 2001181348 A JP2001181348 A JP 2001181348A
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meth
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acrylate
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JP36888499A
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Hiroyuki Sato
弘幸 佐藤
Takanori Fukumura
隆徳 福村
Fumitaka Ooizumi
史貴 大泉
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のアクリル酸エステルを使用した熱若し
くは光硬化性組成物は、人体に対し皮膚刺激性等の悪影
響を与える。これに代わり、より安全性の高い熱若しく
は光硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 下記(A)乃至(C)に記載の不飽和化
合物の1種以上を含有する熱若しくは光硬化性組成物に
よる: (A)下記一般式(1) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−}l{R2} (1) で示され、重量平均分子量が50万以下である不飽和化
合物。 (B)下記一般式(2) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−CH2−CH(OH)−CH2−}m{R3} (2) で示され、重量平均分子量が50万以下である不飽和化
合物。 (C)下記一般式(3) R1−CH=CH−CH=CH−COO−(R4−O−)n−R5 (3) で示される不飽和化合物。上記式中、R1は水素原子ま
たは炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R2はl価
の有機基を表わし、R3はm価の有機基を表わし、R4
水素原子若しくは−OC−CH=CH−CH=CH−R
1を表わし、l及びmは独立に1以上の整数であり、n
は1〜30の整数を表わす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の構造を有する
不飽和化合物を用いた熱若しくは光硬化性組成物であ
り、その用途としての塗料、接着剤、カラーフィルター
および液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸エステル類は、塗料、接着
剤、熱硬化性組成物、光硬化性組成物、あるいはカラー
液晶表示素子などにおいて用いられるカラーフィルター
を製造するための光硬化性着色組成物の成分として数多
くの使用実績があるのは言うまでもない。これは、アク
リル酸エステルの持つ不飽和二重結合の熱若しくは光に
対する高い反応性を利用したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクリ
ル酸エステル類には皮膚刺激性や、熱分解等で生成する
アクリル酸の有害性が問題になっていた。本発明の目的
は、アクリル酸エステル類に代わる、安全性の高く、か
つ熱若しくは光に対して高い反応性を有する不飽和化合
物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以下に示す各発
明より構成される。 (1)下記(A)乃至(C)に記載の不飽和化合物の1
種以上を含有する熱硬化性組成物: (A)下記一般式(1) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−}l{R2} (1) で示され、重量平均分子量が500,000以下である
不飽和化合物。 (B)下記一般式(2) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−CH2−CH(OH)−CH2−}m{R3} (2) で示され、重量平均分子量が500,000以下である
不飽和化合物。 (C)下記一般式(3) R1−CH=CH−CH=CH−COO−(R4−O−)n−R5 (3) で示される不飽和化合物。上記式中、R1は水素原子ま
たは炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R2はl価
の有機基を表わし、R3はm価の有機基を表わし、R4
炭素数2〜10のアルキレン基を表わし、R5は水素原
子若しくは−OC−CH=CH−CH=CH−R1を表
わし、l及びmは独立に1以上の整数であり、nは1〜
30の整数を表わす。
【0005】(2)前記(A)乃至(C)に記載の不飽
和化合物の1種以上を含有する塗料。 (3)前記(A)乃至(C)に記載の不飽和化合物の1
種以上を含有する接着剤。 (4)下記(A)乃至(C)に記載の不飽和化合物の1
種以上を含有する光硬化性組成物。 (5)一般式(1)で示される不飽和化合物がビスフェ
ノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビタン若しくはソル
ビトールのソルビン酸エステルである(4)項に記載の
光硬化性組成物。 (6)一般式(1)で示される不飽和化合物が2種の下
記構造単位からなる(メタ)アクリル系共重合体である
(4)項に記載の光硬化性組成物。
【0006】
【化3】 ここで、R6及びR7は独立に水素原子若しくはメチル基
を示し、R8は水素原子若しくは炭素原子1〜10の有
機基を示し、pは2〜4の整数を表わす。
【0007】(7)一般式(1)で示される不飽和化合
物がベンジル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロ
フルフリルオキシカルボニルペンジル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸4元共重合体のソルビン酸エステル
である(6)項に記載の光硬化性組成物。 (8)一般式(2)で示す不飽和化合物が下記2種の構
造単位からなる(メタ)アクリル系共重合体である
(4)項に記載の光硬化性組成物。
【0008】
【化4】 ここで、R6及びR7は独立に水素原子若しくはメチル基
を示し、R8は水素原子若しくは炭素原子1〜10の有
機基を示す。
【0009】(9)一般式(2)で示される不飽和化合
物がベンジル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロ
フルフリルオキシカルボニルペンジル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクルレート、(メタ)アク
リル酸4元共重合体のソルビン酸エステルである(8)
項に記載の光硬化性組成物。 (10)一般式(3)においてR4が−CH2−CH2−若
しくは−CH2−CH(CH3)−である(4)項に記載の
光硬化性組成物。 (11)(4)〜(10)項に記載の光硬化性組成物に光重
合開始剤を混合してなる光硬化性組成物。 (12)(11)項に記載の光硬化性組成物に色素を混合し
てなる光硬化性着色組成物。 (13)(1)、(4)〜(12)項に記載の熱若しくは光
硬化性組成物を硬化することによって得られた抗菌性塗
膜。 (14)(12)項に記載の光硬化性着色組成物を用いて製
造されるカラーフィルター。 (15)(14)項に記載のカラーフィルターを用いた液晶
表示素子。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施方法について以下に
詳細に説明する。本発明の一般式(1)若しくは(2)
で示される化合物は、例えば、一般式(4)で示される
カルボン酸クロリドとヒドロキシル化合物の脱塩化水素
反応により得ることができる。 R1−CH=CH−CH=CH−COCl (4) また、一般式(4)で示される化合物は、相当するカル
ボン酸である一般式(5)で示される化合物を塩化チオ
ニル、五塩化リン、ホスゲン等と反応させカルボン酸ク
ロリドにすることにより得られる。 R1−CH=CH−CH=CH−COOH (5)
【0011】酸クロリドとヒドロキシル化合物の反応
は、通常、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリ
ウム等の塩化水素捕獲剤が使用されるが、本発明で用い
るカルボン酸クロリド(特にソルビン酸クロリド(一般
式(4)においてR1がメチル基の場合)) は反応性が
高く、塩化水素捕獲剤を使用しなくても十分反応が進行
する。すなわち、塩化水素捕獲剤を添加することなく、
減圧下または加熱下でヒドロキシ化合物と混合すること
により反応を進行させることができる。このため、反応
終了液からの塩酸塩の除去が不要であり、製造工程が簡
略化されるメリットがある。
【0012】カルボン酸クロリドの合成は常法に従って
行うことができる。即ち、相当するカルボン酸に少量の
ピリジンとヒドロキノン等の重合禁止剤、さらにフェノ
チアジンに含硫黄酸性化合物を付加した化合物を加え
て、塩化チオニル等を滴下し、20℃〜80℃で2〜1
0時間程度反応させて得ることができる。反応終了液は
そのまま次の工程で使用するか、あるいは蒸留でカルボ
ン酸クロリドを単離してもよい。
【0013】一般式(4)で示されるカルボン酸クロリ
ド及びそれに相当するカルボン酸である一般式(5)で
示されるカルボン酸の二重結合は反応性が大であり、こ
れらの化合物を反応に使用する場合に副反応として重合
反応を起こす危険性がある。フェノチアジンに含硫黄酸
性化合物を付加した化合物は、強力な重合禁止剤であ
り、この合成反応時に添加することは特に有効である。
この様な重合禁止剤の添加なくしては一般式(4)で示
されるカルボン酸クロリドの安定的な製造は困難である
といっても過言ではない。添加量は反応液の0.000
5〜5重量%程度が好ましい。含硫黄酸性化合物として
は、硫酸あるいはパラトルエンスルホン酸が好ましい。
【0014】フェノチアジンは重合禁止剤として既知で
あるが、含硫黄酸性化合物を付加した化合物とすること
で、さらに強力な重合禁止効果を発揮する。フェノチア
ジンと含硫黄酸性化合物の混合モル比は、1:0.1〜
1:10程度がよい。この範囲よりも含硫黄酸性化合物
が少ないと、重合禁止剤としての効果はフェノチアジン
単独のときとあまり差がなく、効果は小さい。逆に含硫
黄酸性化合物がこの範囲よりも多いと、重合禁止剤とし
ての効果は頭打ちとなり、反応によっては過剰に存在す
る含硫黄酸性化合物が副生成物を増加させる等の悪影響
が出てくる。しかしながら、反応自体に含硫黄酸性化合
物が関与する場合には、この範囲より多くなることは差
し支えない。この化合物をあらかじめ調製しておけば、
各種の反応に添加するだけで強力な重合禁止効果が得ら
れ、非常に有用である。また、硫酸等を反応に使用する
場合は、フェノチアジンを加えておくだけで反応液の中
で重合禁止剤が合成されるので重合禁止効果がある。
【0015】あらかじめ調製する場合は、製造工程が簡
単であることから硫酸が特に好ましい。調製方法は、ト
ルエン中にフェノチアジンを懸濁しておき、これに硫酸
を滴下し、生成した黒色沈殿をろ過、乾燥して使用する
こともできるし、フェノチアジンを溶解する溶媒、例え
ばN,N−ジメチルアセトアミド中で硫酸と混合し、そ
の溶液をそのまま使用することもできる。しかし、前者
の方が硫酸を除いているために硫酸に基づく副反応を避
けることが出来、より好ましい。このように上記重合禁
止剤は、種々の添加、調製方法を選択することができ
る。この重合禁止剤を使用した反応液は着色するが、反
応終了後に水酸化ナトリウム等のアルカリで中和すると
無色にもどるので、着色が好ましくない合成反応におい
ても非常に有効である。
【0016】カルボン酸クロリドとヒドロキシ化合物と
の反応条件は特に限定されないが、通常カルボン酸クロ
リド、ヒドロキシ化合物及び重合禁止剤を混合し、−1
0〜80℃で1〜20時間反応させる。反応生成物が高
粘度になる場合は、酢酸エチル、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等の溶媒を加えてもよい。生成する塩化
水素を除去するために減圧するのもよい方法である。カ
ルボン酸クロリドはカルボン酸エステルの合成だけでな
く、ポリマーや繊維の改質等にも用いることができ、極
めて有用な試薬である。
【0017】カルボン酸クロリドと反応させるヒドロキ
シ化合物としては、メタノール、エタノール、2−プロ
パノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、tert−ブチルアルコール、iso−ブチ
ルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘ
キサノール、2−エチルヘキシルアルコール、オクタノ
ール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セ
チルアルコール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフ
ルフリルアルコール、ヒドロキシエチルソルベート、ヒ
ドロキシプロピルソルベート等の単官能ヒドロキシ化合
物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2
−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
を挙げることができる。これらの化合物は一般式(4)
で示されるカルボン酸クロリドと反応させることにより
一般式(3)で示される不飽和化合物を得ることができ
る。
【0018】更に、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールF、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビタン、ソルビトールや、これらのエチレンオ
キシドあるいはプロピレンオキシドあるいはブチレンオ
キシド等の付加物、イソシアヌール酸のエチレンオキシ
ドあるいはプロピレンオキシドあるいはブチレンオキシ
ド等の付加物等の多価ヒドロキシ化合物をあげることが
できる。これらの化合物は一般式(4)で示されるカル
ボン酸クロリドと反応させることにより一般式(1)で
示される不飽和化合物を得ることができる。
【0019】一般式(1)で示される不飽和化合物は、
ヒドロキシ基を持ったポリマーにカルボン酸クロリドを
反応させて得ることも可能である。反応条件は前述のカ
ルボン酸クロリドとヒドロキシ化合物との反応と同一で
あるが、ポリマーを溶解する溶媒を使用することが好ま
しい。ヒドロキシ基を持ったポリマーとしては、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブ
チラール、各種の合成繊維、各種の天然繊維等をあげる
ことができる。
【0020】また、ヒドロキシ基を持った(メタ)アク
リル酸エステル、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等
の重合体やこれら相互の共重合体、あるいはこれらモノ
マーと他の重合性モノマーとの共重合体と一般式(4)
で示されるカルボン酸クロリドとの反応生成物からなる
不飽和化合物は、多用な用途に対応することを可能にす
ることであり好ましい。
【0021】近年用途の拡大しているアルカリ現像可能
な光硬化性樹脂として、(メタ)アクリル酸、ベンジル
(メタ)アクリレートと上記ヒドロキシ基を持った(メ
タ)アクリル酸エステルとの共重合体を同様に使用する
ことは好ましい。特にカラーフィルター用の光硬化性着
色組成物には、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)
アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカル
ボニルベンジル(メタ)アクリレートと上記ヒドロキシ
基を持った(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を
一般式(4)で示されるカルボン酸クロリドと反応させ
ることにより得られる不飽和化合物は、パターン形状、
現像特性の面から特に好ましい。また、各種の繊維をソ
ルビン酸クロリドで処理することにより、繊維にカルボ
ン酸構造を化学的に結合させることができ、塗布型や練
り込み型の抗菌性繊維に比べ、効果の長続きする抗菌性
繊維を得ることができる。
【0022】一般式(2)で示される不飽和化合物は、
エポキシ化合物にカルボン酸鉄、ベンジルトリメチルア
ンモニウムクロリド等の触媒存在下、一般式(5)で示
されるカルボン酸を反応させて得ることができる。反応
条件は特に限定されないが、通常70〜150℃で2〜
20時間反応させる。触媒濃度は、反応液全体量の0.
02〜5重量%が適当である。重合禁止剤として、前述
のフェノチアジンと硫酸の混合物、ヒドロキノン、4−
メトキシフェノール等を0.0005〜1重量%添加し
ておく。トルエン等の溶媒を使用して、反応終了液の粘
度を低くして取り扱いを容易にすることも好ましいこと
である。
【0023】一般式(2)で示される不飽和化合物は、
エポキシ基を持った重合体にカルボン酸を反応させるこ
とによっても得ることができる。エポキシ基を持った重
合体としては各種エポキシ樹脂や、側鎖にエポキシ基を
持った重合体、例えばグリシジル(メタ)アクリレーと
他の重合性モノマーとの共重合体を挙げることができ
る。反応条件は前述のカルボン酸とエポキシ化合物の反
応と同一でよいが、やはりポリマーを溶解する溶媒を使
用することが好ましい。近年用途の拡大しているアルカ
リ現像可能な光硬化性樹脂には、(メタ)アクリル酸、
ベンジル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)ア
クリレートとの共重合体と一般式(4)で示されるカル
ボン酸クロリドの反応によって得られる不飽和化合物が
好ましい。特にカラーフィルター用の光硬化性着色組成
物には、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリ
レート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル
ベンジル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)ア
クリレートの共重合体と一般式(4)で示されるカルボ
ン酸クロリドの反応によって得られる不飽和化合物が、
パターン形状、現像特性の面から特に好ましい。
【0024】上述した方法で合成された一般式(1)〜
(3)で示される不飽和化合物のうち重量平均分子量が
500,000のものを本発明で使用することができ
る。分子量があまりに大になると溶媒に対する溶解性が
低下することと、溶液の粘度が大になり取り扱い難くな
る為である。分子量の測定はGPCを使用し、標準物質
としてプルラン、ポリエチレンオキシド若しくはポリス
チレンを使用する。ポリマーが多様に渡るためポリマー
によって溶解する溶媒が異なるためである。従って、上
記何れかの化合物を標準物質としてポリマーの分子量を
測定した場合に、その分子量が500,000以下の化
合物を本発明で用いることができる。
【0025】このようにして得られた一般式(1)、
(2)及び(3)で示される不飽和化合物は熱若しくは
光により二重結合が反応し三次元網目構造を形成するた
め、塗料、接着剤、熱硬化性組成物、光硬化性組成物の
原料として使用することができる。光硬化性組成物とし
て使用する場合には、通常、一般式(1)〜(3)で示
される化合物の1種または2種以上に、光重合開始剤を
溶媒中で混合溶解する。更に、硬化塗膜の物性をコント
ロールするためにバインダーポリマーを混合溶解するこ
ともできる。
【0026】光硬化性組成物で使用される光重合開始剤
の具体例として、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キ
サントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラ
キノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4′
−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエ
ーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、ベンジル、カンファーキノン、ベ
ンズアントロン、2−メチル−1− [4−(メチルチ
オ)フェニル ]−2−モルホリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホ
リノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安
息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、3,4,4′−トリ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−
テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ(メト
キシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキ
シカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,
6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メ
チルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェ
ニルフォスフィン酸エチルエステル、2,4−ジクロル
ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,
6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキ
サイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフ
ェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベン
ゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォス
フィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオ
キサイド、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニル
メチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−
(2′−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−
ビス(トリクロロメチル)−5−(4′−メトキシフェ
ニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノス
チリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミ
ノスチリル)ベンズチアゾール、3,3′−カルボニル
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)等をあげることが
できる。もちろん2種以上を混合して用いることも可能
である。
【0027】なかでも3,4,4′−トリ(t−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ
(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ
(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル ]−2−モルホリノプロ
パン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1が好ま
しい。
【0028】本発明の光硬化性組成物における光重合開
始剤の混合割合は、固形分量の2〜100重量%が好ま
しい。2重量%より少ないと実用的な感度が得られず、
100重量%を超えると感度は頭打ちになりコスト的に
割高になる。
【0029】本発明の光硬化性組成物に使用するバイン
ダーポリマーは特に限定されないが、(メタ)アクリル
樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、エポ
キシ樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブチラ
ール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルアルコール、ポリアミド、フ
ェノール樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリマー、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリエチレンイミン、メラミン
樹脂、グアナミン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を使用することができる。
【0030】近年は未露光部分をアルカリ液で除去し、
任意のパターンを得ることができる高機能光硬化性組成
物の需要が増加しているが、この用途には(メタ)アク
リル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルアルコール、フェノール樹脂、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルが好適である。特にカラーフィルター用の光硬化性着
色組成物には、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)
アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカル
ボニルペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートの共重合体が、パターン形
状、現像特性の面から特に好ましい。
【0031】バインダーポリマーの混合割合は、光硬化
性組成物全量に対し1〜70%が好ましいが、用途によ
ってはこの範囲以外の混合割合、たとえばバインダーポ
リマーを全く使用しないなどでもよい。本発明の光硬化
性樹脂組成物には、一般式(1)〜(3)に示された化
合物だけでなく従来から知られている光重合性モノマー
を混合して使用することもできる。例えば、本発明の趣
旨を損なわない程度の量の(メタ)アクリル系モノマーで
ある。
【0032】本発明の光硬化性組成物に使用する溶媒
は、一般式(1)〜(3)で示される化合物及び使用す
るバインダーポリマーを溶解するものであれば特に限定
されないが、例えば水、エタノール、2−プロパノー
ル、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチルカルビトール、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、
シクロペンタノン、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トルエ
ン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチル
アセトアミド等を使用することができる。
【0033】なかでもプロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、シクロヘキサノン、トルエンが塗布時の膜厚
の均一性を保ち易いという点からより一層好ましい。も
ちろん2種以上の混合溶媒として使用することもでき
る。または、溶媒を全く使用しない無溶剤型光硬化性組
成物とすることも、環境への影響の面から好ましい。
【0034】本発明の光硬化性組成物に、シランカップ
リング剤、レベリング剤、界面活性剤、接着剤等を添加
するのも、各種特性を向上させるのに有効である。特に
ビックケミー(株)製Byk−346、同Byk−300
は、レベリング性に優れている。
【0035】本発明の光硬化性性組成物に色素を混合す
ると、光硬化性着色組成物を得ることができる。色素の
具体例としては、アゾ染料、アントラキノン染料、トリ
フェニルメタン染料、ポリメチン染料、金属錯塩染料、
ビスアゾ染料、トリスアゾ染料、硫化染料、インジゴイ
ド染料等の合成染料や、C.I.ピグメントイエロー1
2、13、14、17、20、24、31、55、8
3、93、109、110、137、139、150、
153、154、166、168、173、C.I.ピ
グメントオレンジ36、43、51、C.I.ピグメント
レッド9、97、122、123、149、176、1
77、180、215、254、C.I.ピグメントバイ
オレット19、23、29、C.I.ピグメントブルー1
5、15:3、15:6、C.I.ピグメントグリーン
7、36、C.I.ピグメントブラウン28、C.I.ピグ
メントブラック1、7等の有機顔料をあげることができ
る。
【0036】近年需要の増加しているカラーフィルター
用の光硬化性着色組成物の用途では、耐熱性、耐光性の
面から有機顔料が好ましい。さらに、C.I.ピグメント
レッド177、254、C.I.ピグメントイエロー13
9、150、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピ
グメントブルー15、15:6が色純度と透過率の面か
ら特に好ましい。これらの色素の混合割合は特に限定し
ないが、通常、光硬化性着色組成物の全量に対し、1〜
50%である。以下実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0037】
【実施例】合成例1 ソルビン酸クロリドの合成 トルエン50gにフェノチアジン5gを懸濁させ、これ
に硫酸2.4gを滴下した。25℃で3hr攪拌後ろ液
をろ過し、40℃で減圧乾燥し、重合禁止剤6.1gを
得た。ソルビン酸50g、塩化チオニル66g、ヒドロ
キノン0.1g、上記重合禁止剤0.1g、ピリジン0.
05gを混合し、20℃で1hr、さらに40℃で3h
r攪拌した。引き続き200Paで減圧単蒸留を行い、
35℃〜40℃の留分54gを得た。ガスクロ分析およ
びNMR分析の結果から、純度99%のソルビン酸クロ
リドであることが確認された。
【0038】合成例2 トリメチロールプロパントリソルベートの合成 先に合成した重合禁止剤0.01g、ヒドロキノン0.0
1g、トリメチロールプロパン5.0g、先に合成した
ソルビン酸クロリド14.6gを混合攪拌し、発生する
塩化水素ガスを除去するためにアスピレーターで減圧し
ながら40℃で5hr反応した。反応液をトルエン10
0gに溶解して分液ロートに移し、1N水酸化ナトリウ
ム水溶液で洗浄し、さらに飽和食塩水で2回洗浄した。
トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、エバ
ポレーターでトルエンを除去、11.6gのトリメチロ
ールプロパントリソルベートを得た。
【0039】合成例3 ジペンタエリスリトールソルベートの合成 先に合成した重合禁止剤0.01g、ヒドロキノン0.0
1g、ジペンタエリスリトール5.0g、先に合成した
ソルビン酸クロリド18.5gを混合攪拌し、発生する
塩化水素ガスを除去するためにアスピレーターで減圧し
ながら40℃で3hr、さらに60℃で3hr反応し
た。反応液をトルエン100gに溶解して分液ロートに
移し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに飽
和食塩水で2回洗浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後ろ過し、エバポレーターでトルエンを除
去、14.6gのジペンタエリスリトールテトラソルベ
ート、ジペンタエリスリトールペンタソルベート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサソルベートの混合物を得た。
【0040】合成例4 トリエチレングリコールジソルベート 先に合成した重合禁止剤0.01g、ヒドロキノン0.0
1g、トリエチレングリコール8.0gを混合攪拌し、
先に合成したソルビン酸クロリド15.3gを40℃で
ゆっくり滴下した。滴下終了後、発生する塩化水素ガス
を除去するためにアスピレーターで減圧しながら40℃
で5hr反応した。反応液をトルエン100gに溶解し
て分液ロートに移し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗
浄し、さらに飽和食塩水で2回洗浄した。トルエン層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、エバポレーターで
トルエンを除去、15.3gのトリエチレングリコール
ジソルベートを得た。
【0041】合成例5 側鎖にソルビン酸残基を持つポリマー ベンジルメタクリレート、5−テトラヒドロフルフリル
オキシカルボニルペンチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、メタクリル酸4共重合体(モ
ル比56:8:13:23、GPCで求めたポリエチレ
ンオキシドを標準とする重量平均分子量7,000)2
0.0g、先に合成した重合禁止剤0.02g、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート21.6g
を混合攪拌して溶解し、40℃でソルビン酸クロリド
1.6gを滴下した。滴下終了後、アスピレーターで減
圧しながら40℃で5hr反応し、側鎖にソルビン酸残
基を持つポリマーの50%溶液を得た。
【0042】合成例6 グリセロールポリエポキシソルベート グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製デナコールEX314)20.0g、ソルビン酸
31.4g、トルエン100g、ソルビン酸鉄3.0g、
先に合成した重合禁止剤0.5gを混合攪拌し、110
℃で20hr反応した。反応液を分液ロートに移し、1
N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに飽和食塩水
で2回洗浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥後ろ過し、エバポレーターでトルエンを除去、29.
2gのグリセロールポリエポキシソルベートを得た。
【0043】実施例1 トルエン1.0g、合成例2で合成したトリメチロール
プロパントリソルベート0.5g、合成例4で合成した
トリエチレングリコールジソルベート0.5g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.02gを混合溶解し、熱硬化
性組成物とした。これを800rpm、5秒間5cm角のガ
ラス基板にスピンコートし、ホットプレート上で90℃
20分加熱したところ、硬化塗膜が得られた。塗膜の厚
さは3.3μmであった。この硬化塗膜に10000個/
ミリリットルの大腸菌溶液を1滴たらし、滅菌した脱脂
綿で基板全体に広げた。この基板を25℃湿度90%の
恒温恒湿器に1日放置した。滅菌した寒天培地にこの基
板を10秒間押し付けた後、寒天培地を40℃湿度90
%の恒温恒湿器に4日間放置したところ、菌のコロニー
が17個確認された。後述の比較例1と比べて抗菌効果
が高いことが確認された。
【0044】比較例1 トルエン1.0g、トリメチロールプロパントリアクリ
レート0.5g、ポリエチレングリコール200ジアク
リレート0.5g、アゾビスイソブチロニトリル0.02
gを混合溶解し、熱硬化性組成物とした。これを500
rpm、5秒間5cm角のガラス基板にスピンコートし、ホ
ットプレート上で90℃20分加熱したが硬化しなかっ
た。これを200℃のオーブンで10分加熱したとこ
ろ、硬化塗膜が得られた。塗膜の厚さは2.8μmであっ
た。この硬化塗膜に10000個/ミリリットルの大腸
菌溶液を1滴たらし、滅菌した脱脂綿で基板全体に広げ
た。この基板を25℃湿度90%の恒温恒湿器に1日放
置した。滅菌した寒天培地にこの基板を10秒間押し付
けた後、寒天培地を40℃湿度90%の恒温恒湿器に4
日間放置したところ、菌のコロニーが223個確認され
た。
【0045】実施例2 ベンジルメタクリレート、5−テトラヒドロフルフリル
オキシカルボニルペンチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、メタクリル酸共重合体(モル
比56:8:13:23、GPCで求めたポリエチレン
オキシドを標準とする重量平均分子量7,000)0.5
0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート2.00g、合成例2で合成したトリメチロールプ
ロパントリソルベート 0.40g、合成例4で合成した
トリエチレングリコールジソルベート 0.10g、4,
4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.05
g、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液0.
20g、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−300
0.002gを加えて混合攪拌し、光重合性組成物を得
た。この光重合性組成物をガラス基板上に1200rpm
で5秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で
1分間乾燥した。このときの膜厚は1.51μmであっ
た。この基板をウシオ(株)製UI−501C超高圧水銀
灯で20μmのストライプパターンのマスクを介して、
空気中、ギャップ100μmで露光した。露光量はウシ
オ(株)製積算光量計UIT−102、受光器UVD−3
65PDで測定した。露光後のガラス基板を、純水50
00gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナトリウム2.
5gを溶解した現像液でシャワー現像を行い、未露光部
を除去し、得られたパターンの膜厚を測定した。膜厚が
飽和する露光量は60mj、このときの膜厚は1.43μm
であった。
【0046】実施例3 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2
0gにゼネカ(株)製ソルスパーズ5gを溶解し、C.I.
ピグメントレッド254を12gとC.I.ピグメントイ
エロー139を3g加えて3本ロールミルで混練した
後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト60gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを
加えてサンドミルで20hr攪拌した。この液を孔径1
μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して赤色
分散液95gを得た。この赤色分散液2gに実施例2で
調製した光硬化性組成物の全量を攪拌しながらゆっくり
滴下して、赤色の光硬化性着色組成物を得た。これを実
施例2と同様の方法で評価した。露光前の膜厚は1.4
4μm、膜厚が飽和する露光量は85mj、このときの膜
厚は1.40μmであった。
【0047】実施例4 合成例5の50%ポリマー溶液1.00g、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、
合成例2で合成したトリメチロールプロパントリソルベ
ート 0.40g、合成例4で合成したトリエチレングリ
コールジソルベート 0.10g、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン0.05g、3,3′,4,
4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベン
ゾフェノンの25%トルエン溶液0.20g、ビックケ
ミー・ジャパン(株)製BYK−300 0.002gを加
えて混合攪拌し、光重合性組成物を得た。これを実施例
2と同様の方法で評価した。露光前の膜厚は1.58μ
m、膜厚が飽和する露光量は20mj、このときの膜厚は
1.51μmであった。実施例2よりも明らかに高感度で
あった。
【0048】実施例5 実施例3で使用した赤色分散液2gに実施例4で調製し
た光硬化性組成物の全量を攪拌しながらゆっくり滴下し
て、赤色の光硬化性着色組成物を得た。これを実施例2
と同様の方法で評価した。露光前の膜厚は1.48μm、
膜厚が飽和する露光量は50mj、このときの膜厚は1.
44μmであった。実施例3よりも明らかに高感度であ
った。
【0049】
【発明の効果】本発明の熱若しくは光硬化性組成物は、
アクリル酸エステルをそれらの組成物として用いた場合
に比較して毒性が少なく、且つ、アクリル酸エステルに
匹敵する熱硬化性若しくは光硬化性を有し、得られた塗
膜は抗菌性を有する。更に、この光硬化性組成物に、着
色剤を混合したものはカラーフィルター用光硬化性着色
組成物としても利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 4J038 G03F 7/027 G03F 7/027 4J040 7/40 521 7/40 521 4J100 (72)発明者 大泉 史貴 神奈川県横浜市金沢区大川5−1 チッソ 株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AB13 AB17 AC01 AD01 BC14 BC19 BC34 BC43 CA00 CC11 2H048 AA06 BA02 BA45 CA14 2H096 AA27 BA05 EA02 4J011 QA40 QA46 QB02 QC07 SA02 SA03 SA04 SA14 SA16 SA20 SA22 SA25 SA26 SA28 SA34 SA38 SA42 SA61 SA63 SA64 SA78 SA83 SA84 UA01 UA08 WA02 WA06 WA10 4J027 AA01 AC02 AC03 AC04 AC06 BA17 BA19 BA23 CC04 CD08 4J038 FA022 FA221 FA222 FA231 FA232 KA08 MA14 PA17 PA19 4J040 FA141 FA142 FA161 FA162 FA231 FA232 FA261 FA262 GA01 GA05 GA07 GA08 JB02 JB08 KA13 KA35 LA01 LA07 NA17 4J100 AS06P AS06Q AS09P AS09Q BA02P BA03P BA03Q BA08Q BA15P BA15Q BA58P BC43P BC45P CA04 JA39

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)乃至(C)に記載の不飽和化
    合物の1種以上を含有する熱硬化性組成物: (A)下記一般式(1) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−}l{R2} (1) で示され、重量平均分子量が500,000以下である
    不飽和化合物。 (B)下記一般式(2) {R1−CH=CH−CH=CH−COO−CH2−CH(OH)−CH2−}m{R3} (2) で示され、重量平均分子量が500,000以下である
    不飽和化合物。 (C)下記一般式(3) R1−CH=CH−CH=CH−COO−(R4−O−)n−R5 (3) で示される不飽和化合物。上記式中、R1は水素原子ま
    たは炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R2はl価
    の有機基を表わし、R3はm価の有機基を表わし、R4
    炭素数2〜10のアルキレン基を表わし、R5は水素原
    子若しくは−OC−CH=CH−CH=CH−R1を表
    わし、l及びmは独立に1以上の整数であり、nは1〜
    30の整数を表わす。
  2. 【請求項2】 前記(A)乃至(C)に記載の不飽和化
    合物の1種以上を含有する塗料。
  3. 【請求項3】 前記(A)乃至(C)に記載の不飽和化
    合物の1種以上を含有する接着剤。
  4. 【請求項4】 下記(A)乃至(C)に記載の不飽和化
    合物の1種以上を含有する光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で示される不飽和化合物が
    ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
    F、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
    スリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン若し
    くはソルビトールのソルビン酸エステルである請求項4
    に記載の光硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で示される不飽和化合物が
    2種の下記構造単位からなる(メタ)アクリル系共重合
    体である請求項4に記載の光硬化性組成物: 【化1】 ここで、R6及びR7は独立に水素原子若しくはメチル基
    を示し、R8は水素原子若しくは炭素原子1〜10の有
    機基を示し、pは2〜4の整数を表わす。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示される不飽和化合物が
    ベンジル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフル
    フリルオキシカルボニルペンジル(メタ)アクリレー
    ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
    タ)アクリル酸4元共重合体のソルビン酸エステルであ
    る請求項6に記載の光硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 一般式(2)で示す不飽和化合物が下記
    2種の構造単位からなる(メタ)アクリル系共重合体で
    ある請求項4に記載の光硬化性組成物: 【化2】 ここで、R6及びR7は独立に水素原子若しくはメチル基
    を示し、R8は水素原子若しくは炭素原子1〜10の有
    機基を示す。
  9. 【請求項9】 一般式(2)で示される不飽和化合物が
    ベンジル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフル
    フリルオキシカルボニルペンジル(メタ)アクリレー
    ト、グリシジル(メタ)アクルレート、(メタ)アクリ
    ル酸4元共重合体のソルビン酸エステルである請求項8
    に記載の光硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 一般式(3)においてR4が−CH2
    CH2−若しくは−CH2−CH(CH3)−である請求項
    4に記載の光硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 請求項4〜10に記載の光硬化性組成
    物に光重合開始剤を混合してなる光硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光硬化性組成物に
    色素を混合してなる光硬化性着色組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1、4〜12に記載の熱若しく
    は光硬化性組成物を硬化することによって得られた抗菌
    性塗膜。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の光硬化性着色組成
    物を用いて製造されるカラーフィルター。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のカラーフィルター
    を用いた液晶表示素子。
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