JPH0667962B2 - 放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿及び該硝化綿を含有する磁性塗料 - Google Patents

放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿及び該硝化綿を含有する磁性塗料

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JPH0667962B2
JPH0667962B2 JP28153586A JP28153586A JPH0667962B2 JP H0667962 B2 JPH0667962 B2 JP H0667962B2 JP 28153586 A JP28153586 A JP 28153586A JP 28153586 A JP28153586 A JP 28153586A JP H0667962 B2 JPH0667962 B2 JP H0667962B2
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nitrified cotton
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克彦 目黒
健夫 湯浅
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な放射線感応性不飽和2重結合を有する
硝化綿及び該硝化綿を結合剤成分として含有する磁性塗
料に関するものである。本発明の新規な硝化綿を結合剤
成分として含有する磁性塗料は、塗布性、配向性に優
れ、かつ塗料に含まれる磁性粉の分散性に優れ、耐久
性、耐摩耗性に優れた物性を持つ磁気記録媒体を与え
る。
〔従来の技術〕
従来の磁気記録媒体は、非磁性媒体上に磁性塗膜を形成
するに際し、多価イソシアネート基含有化合物に代表さ
れる架橋剤と、結合剤の中の水酸基、アミノ基等に代表
される反応性官能基との架橋反応により、結合剤間に3
次元網目構造を形成させている。しかしながら、熱によ
るこうした架橋反応では、反応がなかなか進行しないた
めに架橋密度が上がらず、このために耐摩耗性が向上し
ない等の問題点があった。
前記の問題点を解決するために、例えば、特開昭56−12
4119号公報に開示されているように放射線照射により実
質的に発熱を伴わず瞬時に磁性塗膜中のバインダーを架
橋あるいは、低分子成分を重合乾燥させることが可能で
あって、高架橋密度、高弾性率、良耐摩耗性の磁性層を
形成する技術が提案されているが、磁性粉の分散性、塗
膜表面の平滑性および塗膜の耐久性にまだ問題があり満
足できるものではない。
これらの欠点を改良するために、例えば、特開昭57−13
023号公報に開示されているように磁性粉の分散性、塗
膜表面の平滑性を向上させる目的で放射線感応性樹脂
と、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重
合体、硝化綿やセルロースジアセテート等の繊維素系樹
脂、カルボキシル基、水酸基等の極性基を含有するポリ
マーを添加した技術が提案されているが、これらの樹脂
は放射線感応性ではないため架橋密度が上がらず、耐久
性を向上させることができない。放射線感応性不飽和2
重結合を有する変性硝化綿は特開昭59−84339号公報、
特開昭60−131621号公報および特開昭60−138673号公報
により公知であり、該放射線感応性不飽和2重結合を有
する硝化綿は磁性塗料組成物の一成分として用いると、
塗膜表面の平滑性および塗膜の耐久性を向上させる性質
を持っていることが前記の公報に言及されている。
〔発明が解決しようとする問題〕
しかしながら、前記公知の放射線感応性不飽和2重結合
を有する硝化綿は、硝化綿の水酸基を放射線感応性不飽
和2重結合で置換しているため、硝化綿の本来有する磁
性粉の分散性、表面平滑性および耐久性等の性質が著し
く低下していることが判明した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、次に示す一般式(1)で表わされる硝化綿におい
て、硝酸エステル基量及び放射線感応性不飽和2重結合
基量と、該硝化綿を結合剤として含有する磁性塗料の磁
性粉の分散性及び該磁性塗料から得られる塗膜の表面平
滑性並びに耐久性との間に特定の相関があることを見出
し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表わされる硝化綿
100g当たり400〜760mmolの硝酸エステル基と、1〜250m
molの放射線感応性不飽和2重結合とを有することを特
徴とする硝化綿に関するものである。
(ここで、ORは、OCOR、OCORCOOH、OCHCHNH(C
Hn′OCOR、OCONHR、OCONHRNHCORで示され
る不飽和2重結合含有置換基の1種又は2種以上の組合
せを示し、nは20〜800の整数を示す。但し、R〜R
及びRは、不飽和2重結合含有アルキル基を示し、
は飽和アルキルもしくはアルキルフェニル基を示
し、n′は1〜10の整数を示す。) 更に、本発明は、該硝化綿を結合剤成分として含有する
磁性塗料に関するものである。
本発明の硝化綿を結合剤成分として含有する本発明の磁
性塗料は、その中に含まれる磁性粉の分散性に優れ、か
つ、表面平滑性、耐久性及び耐摩耗性に優れた塗膜を与
え、その結果、電磁変換特性に優れた物性を持つ磁気記
録媒体を与える。
本発明の硝化綿において、硝酸エステルの量が硝化綿10
0g当たり400mmolより少ないと、溶剤に対する溶解性及
び結合剤中の他の樹脂との相溶性が悪く、このような硝
化綿を用いた磁性塗料は、磁性粉の分散性が低下し、磁
性塗膜の耐久性が低下する。又、硝酸エステルの量が硝
化綿100g当たり760mmolを超えると、該硝化綿中の水酸
基の含有量が低下し、磁性粉の分散性、磁性塗膜の耐久
性が低下すると共に硝化綿の耐熱性が低下し、ビデオテ
ープにした場合、カセットケース内のリール等の変色を
もたらす。
本発明の硝化綿において、放射線感応性不飽和2重結合
の量が、硝化綿100g当たり1mmolより少ないと、放射線
照射による架橋の形成が不十分となり、該硝化綿を使用
した磁性塗膜の耐久性が低下する。又、放射線感応性不
飽和2重結合の量が、硝化綿100g当たり250mmolを超え
ると、架橋密度が高くなりすぎて、磁性塗膜は却って耐
久性の乏しい塗膜構造となってしまう。
以下に本発明について詳しく説明する。本発明の硝化綿
は、後で述べるように、特定量の硝酸エステル基を含有
する硝化綿に放射線感応性不飽和2重結合を付加するこ
とにより製造することができる。
それらの代表的なものとしては、マレイン酸系2重結合
を有する硝化綿、アリル系2重結合を有する硝化綿、ア
クリル系2重結合を有する硝化綿、メタアクリル系2重
結合を有する硝化綿およびブタジエン系2重結合を有す
る硝化綿が挙げられる。その他、放射線照射により架橋
重合する不飽和2重結合を有する硝化綿であれば、本発
明に用いることが可能である。これらの硝化綿は、次の
一般式(1)で表わすことができる。
(ここで、ORは、OCOR、OCORCOOH、OCHCHNH(C
Hn′OCOR、OCONHR、OCONHRNHCORで示され
る不飽和2重結合含有置換基の1種又は2種以上の組合
せを示し、nは20〜800の整数を示す。但し、R〜R
及びRは、不飽和2重結合含有アルキル基を示し、
は飽和アルキルもしくはアルキルフェニル基を示
し、n′は1〜10の整数を示す。) 本発明でいう放射線とは原子、分子を直接または間接的
に電離させる能力を持った電磁波や粒子の総称で、ここ
では赤外線、可視光線、紫外線、ガンマ線、エックス線
等の波長3mm以下の電磁波およびアルフア線、ベータ
線、電子線、中性子線、その他粒子線等をいう。
本発明の硝化綿は、硝酸エステル基が硝化綿100g当たり
400〜760mmol含有するものであり、硝酸エステル基を硝
化綿100g当たり780〜870mmol含有する、一般に磁性塗料
用結合剤として用いられる日本工業規格K−6703に記載
されている、工業用硝化綿(窒素量10.7%〜12.2%)と
は硝酸エステル基の含有量において異なる。なお、上記
硝酸エステル基量は、以下の方法で測定して得られた結
果に基づく。
乾燥した硝化綿試料約0.6gを秤量瓶に取り、更に60±2
℃で1時間乾燥し、デシケーター中で30分間放冷後、重
さを正確に測る。次に秤量瓶に硫酸{JIS K−8951
〔硫酸(試薬)〕}の1級を95.0±0.5%に調整したも
の6mlを加え、時々振り混ぜて試料を溶解する。
完溶後これをルンゲ式窒素計に注入し、更に前記の硫酸
約12mlで秤量瓶および窒素計のカップを洗い、窒素計に
注入する。はじめは、徐々に、次に強く約3分間振り混
ぜる。振り混ぜが終ったのち、ガス圧を大気圧と等しく
して20分間静置し、再び内外の圧を等しくし、ガス量を
読み、次の式によって窒素分を算出する。測定回数は1
回とする。
ここに N:窒素分(%) P:測定時の気圧(mmHg) V:窒素計のガス量(ml) T:測定時の気温(℃) S:試料量(g) 本発明の出発原料として使用される硝化綿は、「繊維素
化学及び工業」(丸善株式会社(1956))に記載されて
いるように、例えば、コツトンリンター、ウツドパルプ
等のセルロース原料を硫酸、硝酸、水分の組成をコント
ロールした硝化用混酸で硝化して得るか、あるいは通常
の工業用硝化綿を脱硝して用いる。
本発明の硝化綿は上記硝化綿を原料とし、これに放射線
感応性不飽和2重結合を付加することにより得られる。
放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿は硝化綿10
0g当たり400〜760mmolの硝酸エステル基を含有する硝化
綿を原料として用い、下記例の反応によって調整するこ
とができる。
(i)硝化綿に触媒の存在下、放射線感応性不飽和2重
結合を有するジカルボン酸無水物を付加させた反応生成
物、例えば、硝化綿の水酸基に酸触媒存在下無水マレイ
ン酸を反応させて得たマレイン酸系2重結合を有する硝
化綿が挙げられる。
分子中に水酸基を有する化合物と放射線感応性不飽和2
重結合を有するジカルボン酸無水物との反応は、例えば
「木材化学」共立出版(1968)178頁に記載されてい
る。
(ii)硝化綿に放射線感応性不飽和2重結合を有する有
機不飽和酸の酸塩化物を付加させた反応生成物、例え
ば、硝化綿の水酸基にピリジン存在下クロトン酸の酸塩
化物を反応させて得た硝化綿を挙げることができる。
分子中に水酸基を有する化合物と放射線感応性不飽和2
重結合を有する有機不飽和酸の酸塩化物との反応は、例
えば「木材化学」共立出版(1968)178頁に記載されて
いる。
(iii)硝化綿に強酸触媒の存在下、放射線感応性不飽
和2重結合を有するアジリジン化合物を付加させた反応
生成物、例えば、硝化綿の水酸基に2−(1−アジリジ
ニル)エチルアクリレートを反応させて得たアリル系2
重結合を有する硝化綿が挙げられる。
分子中に水酸基を有する化合物と放射線感応性不飽和2
重結合を有するアジリジン化合物との反応は、例えば
「エチレンイミン・アンド・アザー・アジリジン」アカ
デミックブレス、N.Y.(1969)に記載されている。
(iv)硝化綿に放射線感応性不飽和2重結合を有するイ
ソシアネート化合物を付加させた反応生成物、例えば、
ジイソシアネート化合物の一方のイソシアネート基にイ
ソシアネート基と反応しうる、放射線感応性不飽和2重
結合を有する化合物を反応させた後、硝化綿の水酸基と
反応させて得た硝化綿を挙げることができる。
ここでいうジイソシアネート化合物としては、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチル
シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシ
アネート、m−フエニレンジイソシアネート、p−フエ
ニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフエニルメタンジイソシアネート、3,3'−
ジメチルビフエニレンジイソシアネート、ジトリレンジ
イソシアネート、ジアニシジンジイソシアネートなどの
芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、イソシアネート基と反応しうる放射線感応性不飽
和2重結合を有する化合物としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のヒ
ドロキシメチルエステル、2−ヒドロキシエチルエステ
ル、3−ヒドロキシプロピルエステル、4−ヒドロキシ
ブチルエステル、8−ヒドロキシオクチルエステルなど
のヒドロキシアルキルエステル類;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミドなどのイソシアネート基と
反応する活性水素をもち、かつアクリル系2重結合を含
有する化合物;更にアリルアルコール、マレイン酸多価
アルコールエステル化合物;不飽和2重結合を有する長
鎖脂肪酸のモノあるいはジグリセリド等イソシアネート
基と反応する活性水素を持ち、かつ放射線感応性不飽和
2重結合を有する化合物も含まれる。
また、放射線感応性不飽和2重結合を導入する順序とし
て、前記の説明とは逆に、硝化綿にポリイソシアネート
化合物のイソシアネート基を反応させ、次いでイソシア
ネート基と反応する基および放射線感応性を有する不飽
和2重結合を有する化合物を反応させることも可能であ
る。
本発明には、放射線感応性不飽和2重結合として前述し
たように、アクリル系2重結合、メタクリル系2重結
合、アリル系2重結合、マレイン酸系2重結合、ブタジ
エン系2重結合が挙げられるが、放射線を照射した場合
アクリル系2重結合が最も放射線に対する感受性が良い
ため、低出力で架橋硬化反応が進み経済的で好ましい。
本発明の磁性塗料において、その結合剤成分として使用
する本発明の硝化綿の使用料は、磁性粉の重量に対して
少なくとも1重量%以上、好ましくは5重量%以上の割
合で使用される。該放射線感応性不飽和2重結合を有す
る硝化綿が磁性粉に対して1重量%未満では十分な分散
性を達成できず、したがって、その磁性塗料から得られ
る磁気記録媒体は表面性、配向性、電磁変換特性が不十
分なものである。また、50重量%を越えると、分散性は
良いものの、磁性塗料から得られる磁気記録媒体中の磁
性粉末の密度が低くなりすぎ、記録密度の低下を生じる
ので好ましくない。
なお、本発明の放射線感応性不飽和2重結合を有する硝
化綿の他に、磁性塗料の配合成分として、下記に列挙す
る単官能以上の(メタ)アクリルモノマーおよび(2)
〜(5)の樹脂を骨格としてその分子中に常法により放
射線感応性不飽和2重結合を導入した放射線感応性樹
脂、またはプレポリマーを混合することは本発明の目的
に対して特に有効である。
(1)(メタ)アクリルマノマー (メタ)アクリル酸、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ、2−メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト等の単官能(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、プロポキシレイテツドTMPトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが有
効である。
(2)ポリウレタンエラストマー、プレポリマーおよび
テロマーに放射線感応性不飽和2重結合を導入した放射
線感応性樹脂 このようなウレタン化合物の例としてはイソシアネート
として、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−
フエニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネ
ート、1,4−キシリレンジイソシアネート、3,3′−ジメ
チル−4,4′−ジフエニルメタイソシアネート、4,4′−
ビフエニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネ
ート、3,3′−ジメチルビフエニルメタンジイソシアネ
ート、ジトリレンジイソシアネート、ジアニシジンジイ
ソシアネート、デスモジユールL、デスモジユールN等
の各種多価イソシアネートと飽和ポリエステル(エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールのような多価アルコールと、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸のような飽和多塩基との縮重合によるもの)、線
状飽和ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール)
またはポリカプロラクトン等とよりなるポリウレタンエ
ラストマー、プレポリマー、テロマーに放射線感応性不
飽和2重結合を導入した放射線感応性樹脂が有効であ
る。
(3)アクリルニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ーおよびアクリルニトリル−ブタジエン共重合エラスト
マーに放射線感応性不飽和2重結合を導入した放射線感
応性樹脂 シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリクイツドレジン
として市販されている末端水酸基のあるアクリルニトリ
ルブタジエン共重合体プレポリマー、あるいは日本ゼオ
ン社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジ
エン中の2重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋お
よび重合させるエラストマー成分として適する。また、
末端水酸基を有するものはジイソシアネート等を介して
アクリル系不飽和2重結合を付加することにより放射線
感応性を高める上で有効である。
(4)ポリブタジエンエラストマーおよびポリブタジエ
ンエラストマーに放射線感応性不飽和2重結合を導入し
た放射線感応性樹脂 シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリクイツドレジン
R−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマーが
好適である。R−15プレポリマーにおいては分子末端が
水酸基となっているため、分子末端をアクリル系不飽和
2重結合を付加することにより放射線感応性を高めるこ
とが可能であり結合剤として更に有利となる。また、ポ
リブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−M901もす
ぐれた性能を発揮する。特に環化されたポリブタジエン
は、ポリブタジエンの本来有する不飽和結合のラジカル
の放射線による架橋重合の効率が良く、結合剤としてす
ぐれた性質を有する。
(5)ポリエステルエラストマー、プレポリマーおよび
テロマーに放射線感応性不飽和2重結合を導入した放射
線感応性樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような多塩基酸とエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、1,2−プロビレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、ジプロビレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリト
ール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールのような多価アルコールと
のエステル結合により得られるエラストマー、プレポリ
マーおよびテロマーに放射線感応性不飽和2重結合を導
入した放射線感応性樹脂が有効である。
その他塩化ゴム、アクリルゴム、イソブチレンゴムおよ
びその環化物(日本合成ゴム製CIR701)、エボキシ変性
ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡パイロ
ン#300)、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、硝化綿以外の繊維素誘導体等のエラストマ
ーまたはプレポリマーに放射線感応性不飽和2重結合を
導入した樹脂は本発明に対して有効である。
また、本発明による磁性塗料には他の配合成分として、
下記に列挙する公知の結合剤を混合することも可能であ
る。
(1)塩化ビニル系共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
ビニルアルコール−プロピオン酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−末端OH側鎖アルキル基共重合体、例え
ば、UCC社VROH、VYNC、VYMC、VYEC−X、VYMS−X、VER
R等 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸とエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、1,2−プロビレングリコール、1,3
−ブタンジオール、ジプロビレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノールのような多価アルコー
ルとのエステル結合により得られる飽和ポリエステル樹
脂またはこれらのポリエステル樹脂を−SONa基等で変
性した磁性粉との親和性を向上させた樹脂。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、プチラール樹脂、アセタール樹
脂およびこれらの成分の共重合体等。
(4)エポキシ系樹脂、フエノキシ系樹脂 ビスフエノールAとエピクロルヒドリンまたはメチルエ
ピクロルヒドリンとの反応によるエポキシ樹脂、例え
ば、シエル化学製(エピコート152、154、828、1001、1
007)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER511、DER
331)、大日本インキ化学工業製(エピクロン400、エピ
クロン800)、更に上記エポキシの高重合度樹脂(DKH
A、PKHC、PKHH)、臭素化ビスフエノールAとエピクロ
ルヒドリンとの共重合体、大日本インキ化学工業製(エ
ピクロン145、152、153、1120)等。
(5)繊維素誘導体 硝化綿、セルロースアセテートブチレート、エチルセル
ロース、ブチルセルロース、アセチルセルロース等。
(6)その他の結合剤 熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビ
ニルピロリドン樹脂および誘導体(PVPオレフイン共重
合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、スピロアセ
タール樹脂、アクリルエステルおよびメタクリルエステ
ルを少なくとも一種以上重合成分として含むアクリル系
樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は放射線感応性不飽和樹脂100重量部に対
して0〜400重量部添加される。
本発明に利用される磁性粉としては、強磁性酸化鉄粉
末、強磁性二酸化クロム粉末、強磁性金属粉末などが使
用できる。強磁性酸化鉄粉末、強磁性二酸化クロム粉末
の針状比は、2/1〜20/1程度、好ましくは5/1以
上、平均長は0.2〜2.0μmの範囲が有効である。ここで
いう強磁性酸化鉄粉末はγ−Fe2O3、Fe3O4、C0ドープγ
-Fe2O3、Coドープγ-Fe2O3-Fe3O4固溶体、Co系化合物被
着型γ-Fe2O3、Co系化合物被着型γ−Fe(γ−Fe
との中間酸化状態を含む)。また、ここでいうCo
系化合物とは、酸化コバルト、コバルトフエライト、コ
バルトイオン吸着物等コバルトの磁気異方性を保磁力向
上に活用する場合を示す。強磁性金属粉末は、金属分が
75重量%以上であり、金属分の80重量%以上が強磁性金
属(すなわちFe、Co、Ni、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−N
i)で長径が約1.0μm以下の粒子である。また、単結晶
バリウムフエライト微粉も使用できる。
これらの磁性粉は結合剤100重量部に対して100〜500重
量部の範囲で添加される。更に、本発明の磁性塗料に
は、添加剤として分散性が併用されてもよく、潤滑剤、
研磨剤、帯電防止剤等が加えられてもよい。
併用される分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸等の炭素原子数12〜18個の脂肪族;該脂肪酸および
アルコールからなるエステル等;前記の脂肪酸とアルカ
リ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、
Ca、Ba等)からなる金属石けん、レシチン等が使用でき
る。
このほかに炭素原子数12以上の高級アルコールおよびこ
れらの硫酸エステルも使用可能である。これらの分散剤
は結合剤100重量部に対して0〜20重量部の範囲で添加
される。
潤滑剤としては、シリコンオイル、フッ素化オイル、カ
ーボンブラック、グラファイト、カーボンブラックグラ
フアイトポリマー、二硫化モリブデン、二酸化タングス
テン、炭素数12〜16の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素
原子数と合計した炭素原子数が21〜23個になる一価のア
ルコールからなる脂肪酸エステル(いわゆるロウ)等も
使用できる。これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対し
て0.2〜20重量部の範囲で添加される。
使用される研磨剤としては、一般に使用される材料で、
溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、コランダム、
人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイヤモンド、ザ
クロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が
使用される。これらの研磨剤は平均粒径0.05〜5μmの
大きさのものが使用され、特に好ましくは0.1〜2μm
である。これらの研磨剤は結合剤100重量部の範囲で添
加される。
使用される帯電防止剤としては、カーボンブラック、グ
ラファイト、カーボンブラックグラァイトポリマー等の
導電性粉末:サポニンなどの天然界面活性剤:アルキレ
ンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系などの
ノニオン界面活性剤:高級アルキルアミン類、第4級ア
ンモニウム塩類、ピリジン、その他の複素環類、ホスホ
ニウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面活性
剤:カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、
燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤:
アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの
硫酸または燐酸エステル基等の両性界面活性剤等が使用
される。
これらの界面活性剤は、単独または混合して添加しても
よい。これらは帯電防止剤として用いられるものである
が、時としてその他の目的、例えば、分散、磁気特性の
改良、潤滑性の改良、塗布助材として適用される場合も
ある。
磁性塗料は上記の組成物と必要に応じて有機溶剤とを混
合し、混練、分散することにより得ることができる。
その際に使用する有機溶剤としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系:メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール系:酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノ
エチルエーテル等のエステル系:エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素:メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等の塩素炭化水
素等のものが使用できる。
本発明の磁性塗料を調整する際には、磁性粉および前述
の各成分はすべて同時に、あるいは個々順次に混練機に
投入される。このとき、分散剤を磁性粉末と共に添加し
てもよい。
磁性塗料の混練分散には各種の混練機が使用される。例
えば、2本ロールミル、ボールミル、サンドグラインダ
ー、デイスパー、高速インペラー分散機、高速ミキサー
ホモジナイザーなどである。
このようにして得られた本発明の磁性塗料を用いて、磁
性記録媒体を得るには、例えば、次に記すような方法が
用いられる。
すなわち、まず該磁性塗料を磁性層の厚みが乾燥厚みで
約0.5〜15μmの範囲となるように非磁性支持体上に塗
布する。この乾燥厚みは磁性記録媒体の用途、形状、規
格等により決められる。支持体上への磁性塗料を塗布す
る方法としては、ドクターコート、ブレードコート、エ
アナイフコート、スクイズコート、リバースロールコー
ト、グラビアコート等が利用できる。
このような方法により支持体上に塗布された磁性層は必
要により、下記のように層中の磁性粉末を配向させる処
理を施し乾燥する。
配向処理は下記の条件で行なうことができる。配向磁場
は交流または直流で500〜5000Oe程度である。
配向後の磁性層の乾燥温度は約50〜120℃程度、好まし
くは70〜100℃、特に好ましくは80〜90℃で、空気流量
は1〜5Kl/min、好ましくは2〜3Kl/mmで、乾燥時間
は約30〜10分間程度、好ましくは1〜5分である。
乾燥前に塗膜表面のスムーズニング処理を施してもよ
い。この方法としてはマグネットスムーザー、スムーズ
ニングコイル、スムーズニングブレード、スムーズニン
グブランケット等の方法が適用される。
前記の支持体の素材としてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステ
ル類:ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導
体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド
等プラスチックの他の用途に応じてアルミニウム、銅、
スズ、亜鉛、またはこれらを含む非磁性金属類:紙、ポ
リオレフイン類を塗布またはラミネートした紙等の紙類
も使用できる。
また、非磁性支持体の形態はフイルム、テープ、シー
ト、デイスク、カード、ドラム等いずれでもよく、形態
に応じて種々の材料が必要に応じて選択される。
また、非磁性支持体は、帯電防止、転写防止等の目的で
磁性記録層を設けた側の反対の面がいわゆるバックコー
トされてもよい。
同様に磁気記録媒体の走行特性を改善するため磁性層上
にトップコートとして加えることも可能である。
前述したような構成からなる磁性塗料を非磁性支持体に
公知の方法によって塗布し乾燥させた後、放射線照射す
ることが望ましいが、照射前もしくは照射中もしくは照
射後に次に述べる平滑化処理をすることもできる。
磁性層表面の平滑化処理には鏡面ロールと鏡面ロールと
によるカレンダリング処理あるいは鏡面ロールと弾性ロ
ールとによるカレンダリング処理が用いられる。
例えば、鏡面ロールとしてはメタルロール、弾性ロール
としてはコットンロールまたは合成樹脂(例えばナイロ
ン、ポリウレタンなど)ロールを用いることができる。
カレンダーの条件は約25〜100kg/cm2のロール間圧力
で、約10〜150℃、特に好ましいのは10〜70℃の温度
で、5〜200m/mmの処理速度で1〜30段行うのが望まし
い。温度および圧力がこれらの上限以上になると磁性層
が剥落したり支持体が変形したり悪影響かある。また、
処理速度が約5m/min以下だと表面平滑化の効果が得ら
れなく、約200m/min以上だと処理操作が困難になる。
本発明の磁性塗膜の架橋に使用する放射線としては、電
子線加速器の線源とした電子線が下記に述べる理由で特
に有利である。しかし、そのほかにもCo60を線源とした
γ線、Sr90を線源としたβ線、X線発生器を線源とした
X線等も使用できる。
照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ラインへの
導入のための電離放射線の自己遮閉工程ライン諸設備と
のシーケンス制御との接続のしやすさ等の点で電子線加
速器の利用が有利である。電子線加速器は従来コックロ
フト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、鉄芯絶縁変圧
器型、リニアアクセレーター型等、主として高電圧を得
る方式の差により各種の加速器が実用化されているが、
好ましいのは比較的安価で大出力が得られるバンデグラ
ーフ型のカーテンビーム方式である。
電子線特性としては、加速電圧が100〜1000KV、好まし
くは150〜300KVであり、吸収線量として0.5Mrad以上で
ある。加速電圧が100KV以下の場合は、エネルギーの透
過量が不足し、1000KVを越えると重合に使われるエネル
ギー効率が低下し経済的でない。吸収線量として0.5Mra
d以下では硬化反応が不十分で磁性層強度が得られず、2
0Mrad以上になると硬化に使用されるエネルギー効率が
低下したり、被照射体が発熱し、特にプラステイツク支
持体が変形するので好ましくない。
低電圧加速器においてはシステム自体のコストも低下す
るが、更にその上電離放射線の遮閉設備電力の電力の点
で更に有利である。
また、放射線架橋に際しては窒素ガス、ヘリウムガス等
の不活性ガス気流中で放射線を記録媒体に照射すること
が重要であり磁性塗膜のように非常に多孔質となってい
るために、空気中で放射線を照射することは結合剤成分
の架橋に際し放射線照射により生じたオゾン等の影響で
ポリマー中に生じたラジカルが有効に架橋反応に働くこ
とを阻害する。
その影響は磁性層表面は当然として多孔質のため塗膜内
部まで結合剤架橋阻害の影響を受ける。したがって、活
性化エネルギー線を照射する部分の雰囲気は特に酸素濃
度が最大で1%、望ましくは300ppm以下の窒素ガス、ヘ
リウムガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気に保つこと
が重要となる。
このような具体的システムとしては、米国エナジーサイ
エンス(ESI)社にて製造されている低電圧タイプの電
子線加速器(エレクトロカーテンシステム)、西独ポリ
マーフィジック社の遮閉型スキャンニング型低電圧タイ
プ電子線加速器が好適である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施
例によって本発明が限定されるものではなく、発明の精
神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもち
ろんである。なお、実施例中「部」とあるのは「重量
部」を意味する。
(硝化綿100g当たり400〜760mmolの硝酸エステル基と1
〜250mmolの放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化
綿の合成法) 実施例1〜4アクリル系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり450、550、65
0、750mmolの硝酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、
メチルエチルケトンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次に2,4−トリレンジイソシアネ
ートの2−ヒドロキシエチルアクリレート1/1アダク
トを34.8部加える。十分攪拌された時点でジブチルチン
ジラウレート0.05部を添加し、反応容器中が75〜85℃に
なるようにコントロールしながらNCO反応率が98%以上
になるまで反応させた。
注※1)2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)
の2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)1/
1アダクトの合成方法2,4−トリレンジイソシアネート
(2,4−TDI)348部を窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500mlの4つ口フラス
コ内に加え40℃に加熱後、2,6−ジブチル−4−メチル
フエノール0.05部を加えた2−ヒドロキシエチルアクリ
レート(2−HEA)232部を反応容器内の温度が35〜45℃
となるようにコントロールしながら滴下した。滴下終了
後40℃で攪拌を続け、NCO反応率が98%以上となるまで
反応させた。反応終了後取り出して冷却後白色ペースト
状の2,4−TDIの2−HEAアダクトを得た。
なお、硝化綿100g当たり450mmolの硝酸エステル基を有
する硝化綿を用いた例を実施例1、硝化綿100g当たり55
0mmolの硝酸エステル基を有する硝化綿を用いた例を実
施例2、硝化綿100g当たり650mmolの硝酸エステル基を
有する硝化綿を用いた例を実施例3、硝化綿100g当たり
750mmolの硝酸エステル基を有する硝化綿を用いた例を
実施例4とした。
比較例1〜2アクリル系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり300mmol、850
mmolの硝酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチル
エチルケトンに溶解して30重量%溶液とした。
硝化綿100g当たり300mmol、850mmolの硝酸エステル基を
有する硝化綿を用いる以外は実施例1〜4と同様の組成
および手順で合成を行った。
なお、硝化綿100g当たり300mmolの硝酸エステル基を有
する硝化綿を用いた例を比較例1、硝化綿100g当たり85
0mmolの硝酸エステル基を有する硝化綿を用いた例を比
較例4とした。
比較例5〜7アクリル系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり650mmolの硝
酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチルエチルケ
トンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次にイソシアネートエチルメタク
リレートをそれぞれ3.5部、34.8部、69.6部加える。十
分攪拌された時点でジブチルチンジラウレート0.05部を
添加し、反応容器中が75〜85℃になるようにコントロー
ルしながらNCO反応率が98%以上になるまで反応させ
た。
なお、イソシアネートエチルメタクリレートを3.5部加
えた例を実施例5、イソシアネートエチルメタクリレー
トを34.8部加えた例を実施例6、イソシアネートエチル
メタクリレートを69.6部加えた例を実施例7とした。
比較例3アクリル系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり650mmolの硝
酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチルエチルケ
トンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次にイソシアネートエチルメタク
リレートをそれぞれ121.8部加える。十分攪拌された時
点でジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、反応容
器中が75〜85℃になるようにコントロールしながらNCO
反応率が98%以上になるまで反応させた。
実施例8マレイン酸系2重結合を有する硝化の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり650mmolの硝
酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチルエチルケ
トンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次に無水マレイン酸11.8部加え
る。十分攪拌された時点で硫酸0.05部、イソプロピルチ
タネート0.015部を添加し、反応容器中が80℃になるよ
うにコントロールしながら3時間攪拌し反応を完結させ
マレイン酸系2重結合を有する硝化綿を合成した。
実施例9アクリル系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり650mmolの硝
酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチルエチルケ
トンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次に2−(1−アジリジニル)エ
チルメタクリレート18.6部加える。十分攪拌された時点
で硫酸0.3部を添加し、反応容器中が80℃になるように
コントロールしながら3時間攪拌し反応を完結させ、ア
クリル系2重結合を有する硝化綿を合成した。
実施例10クロトン酸系2重結合を有する硝化綿の合成 硫酸、硝酸、水分をコントロールした硝化用混酸を用い
た硝化方法で得られた、硝化綿100g当たり650mmolの硝
酸エステル基を有する硝化綿を乾燥し、メチルエチルケ
トンに溶解して30重量%溶液とした。
上記硝化綿溶液400gを窒素ガス気流中、ジムロートコン
デンサーおよび攪拌装置の付いた500ml4つ口フラスコに
仕込み80℃に昇温後、2,6−ジブチル−4−メチルフエ
ノール0.05部を加え、次にクロトン酸塩化物12.6部を加
える。十分攪拌された時点でピリジン0.02部を添加し、
反応容器中が80℃になるようにコントロールしながら3
時間攪拌し反応を完結させ、クロトン酸系2重結合を有
する硝化綿を合成した。
使用実施例1〜4 コバルト被着針状γ−Fe(長軸0.4μ、短軸0.05
μ、Hc600Oe) 120重量部 カーボンブラツク(帯電防止用、三菱ブラツクMA−60
0) 5重量部 α−Al粉末(0.5μ粒状) 2重量部 分散剤(大豆油精製レシチン) 3重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50) 100重量部 上記組成物ボールミル中にて3時間混合し、針状磁性酸
化鉄を分散剤にてよく湿潤させる。
次に、 アクリル系2重結合を有する硝化綿(実施例1〜4) 10重量部 アクリル系2重結合導入ウレタンエラストマー(※3) 15重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50) 100重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル) 4重量部 注※3)前記アクリル系2重結合を導入ウレタンエラス
トマーは、アジピン酸、エチレングリコール、トリレン
ジイソシアネートからなるポリウレタン骨格にアクリル
系2重結合を導入したものである。(ジャーナル・オブ
・アプライド・ポリマー・サイエンス、Vol.23.P.3227
〜3242(1979))をよく混合溶解させた溶液を、上記ボ
ールミル中に投入し再び42時間混合分散させて磁性塗料
を得た。この磁性塗料を20μmのポリエチレンテレフタ
レート支持体上にドクターブレートを用いて乾燥膜厚が
4μmになるように塗布し、コバルト磁石(1600ガウ
ス)を用いて配向させた後、熱風にて溶剤を乾燥(90
℃、1分間)させた。このあとでコツトンロールと鏡面
ロールの群からなる5段のカレンダーで平滑化処理(ロ
ール温度40℃、圧力100kg/cm2)後、ESI社エレクトロ
ンカーテンタイプ電子線加速装置を使用して、加速電圧
200KV、電極電流10mA、全照射線量4Mradの条件で窒素ガ
ス雰囲気下残留酸素ガス濃度300ppmにて電子線照射し
て、磁性塗膜の重合および硬化反応を行った。
得られたテープを1/2インチ幅に切断し、ビデオテープ
を得た。このテープについて表面光沢性、粉落ち量を測
定した。その結果を表2に示す。
なお、実施例1の硝化綿を用いた例を使用実施例1、実
施例2の硝化綿を用いた例を使用実施例2、実施例3の
硝化綿を用いた例を使用実施例3、実施例4の硝化綿を
用いた例を使用実施例4とした。
使用比較例1〜2 アクリル系2重結合を有する硝化綿(比較例1〜2)を
用いる以外は、使用実施例1〜2と同様の組成および手
順でビデオテープを得た。このテープについて表面光沢
性、粉落ち量を測定した。
また、合わせて上記使用実施例および使用比較例で用い
た放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿による耐
熱度並びにカセットのリールに使用される樹脂の一種で
あるポリアセタール樹脂の黄変度を測定し、結果を表2
に示した。
なお、比較例1の硝化綿を用いた例を使用比較例1、比
較例2の硝化綿を用いた例を使用比較例2とした。
使用実施例5〜7 コバルト被着針状γ−Fe(長軸0.4μ、短軸0.05
μ、Hc600Oe) 120重量部 カーボンブラツク(帯電防止用、三菱ブラツクMA−610
0) 5重量部 α−Al粉末(0.5μ粒状) 2重量部 分散剤(ソルビタンモノオレート) 3重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50) 100重量部 上記組成物ボールミル中にて3時間混合し、針状磁性酸
化鉄を分散剤にてよく湿潤させる。
次に、 アクリル系2重結合を有する硝化綿(実施例3〜5) 15重量部 アクリル系2重結合導入ポリエステルポリウレタン(分
子量約30,000、ブタンジオールアジピン酸およびフエニ
ルメタンジイソシアネートの反応物にアクリル系2重結
合を導入したもの) 15重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50) 100重量部 潤滑剤(フッソ化オイル、デュポン社製クライトツク
ス) 4重量部 をよく混合溶解させた溶液を、上記ボールミル中に投入
し再び42時間混合分散させて磁性塗料を得た。得られた
磁性塗料を使用実施例1と同様の操作で塗布、配向、溶
剤乾燥、平滑化処理および放射線照射を行った。
得られたテープを1/2インチ幅に切断し、ビデオテープ
を得た。このテープについてドロップアウト、スチル耐
久時間、耐熱性を測定した。その結果を表3に示す。
なお、実施例5の硝化綿を用いた例を使用実施例5、実
施例6の硝化綿を用いた例を使用実施例6、実施例7の
硝化綿を用いた例を用いた例を使用実施例7とした。
使用比較例3 アクリル系2重結合を有する硝化綿(比較例3)を用い
る以外は使用実施例5〜7と同様の組成および手順でビ
デオテープを得た。このテープについて使用実施例5〜
7と同様にドロップアウト、スチル耐久を測定した。そ
の結果を表3に示す。
使用比較例4 硝化綿100g当たり650mmolの硝酸エステル基を有する硝
化綿(不飽和2重結合は含有しない)を用いる以外は使
用実施例5〜7と同様の組成および手順でビデオテープ
を得た。このテープについて使用実施例5〜7と同様に
ドロップアウト、スチル耐久を測定した。その結果を表
3に示す。
使用実施例8〜10 使用実施例3のアクリル系2重結合を有する硝化綿(比
較例3)に代えて、実施例8〜10で製造した硝化綿を用
いる以外は、使用実施例3と同様の操作でテープを製造
した。得られたテープを1/2インチ幅に切断し、ビデオ
テープを得た。(なお、実施例8の硝化綿を用いた例を
使用実施例8、実施例9の硝化綿を用いた例を使用実施
例9、実施例10の硝化綿を用いた例を使用実施例10とし
た。)このテープの表面光沢性、粉落ち量の測定を行っ
た。その結果を表4に示す。
〔効果〕 本発明の磁性塗料は、結合剤成分として、硝化綿100g当
たり400〜760mmolの硝酸エステル基と1〜250mmol放射
線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿を含有している
ので、本発明の硝化綿分子中の水酸基が好ましい量保持
され、かつ電子線によって架橋硬化することによって、
磁性粉の分散性、表面平滑性、耐久性および耐摩耗性、
ひいては電磁変換特性にすぐれ、かつ硝酸エステル基の
分解に起因するカセットケース内のリール等の黄変の少
ない等のすぐれた物性を持つ磁気記録媒体を与える。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる硝化綿100g
    当たり400〜760mmolの硝酸エステル基と、1〜250mmol
    の放射線感応性不飽和2重結合とを有することを特徴と
    する硝化綿。 (ここで、ORは、OCOR、OCORCOOH、OCHCHNH(C
    Hn′OCOR、OCONHR、OCONHRNHCORで示され
    る不飽和2重結合含有置換基の1種又は2種以上の組合
    せを示し、nは20〜800の整数を示す。但し、R〜R
    及びRは、不飽和2重結合含有アルキル基を示し、
    は飽和アルキルもしくはアルキルフェニル基を示
    し、n′は1〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で表わされる硝化綿100g
    当たり400〜760mmolの硝酸エステル基と、1〜250mmol
    の放射線感応性不飽和2重結合とを有する硝化綿を結合
    剤成分として含有する磁性塗料。 (ここで、ORは、OCOR、OCORCOOH、OCHCHNH(C
    Hn′OCOR、OCONHR、OCONHRNHCORで示され
    る不飽和2重結合含有置換基の1種又は2種以上の組合
    せを示し、nは20〜800の整数を示す。但し、R〜R
    及びRは、不飽和2重結合含有アルキル基を示し、
    は飽和アルキルもしくはアルキルフェニル基を示
    し、n′は1〜10の整数を示す。)
JP28153586A 1986-11-26 1986-11-26 放射線感応性不飽和2重結合を有する硝化綿及び該硝化綿を含有する磁性塗料 Expired - Lifetime JPH0667962B2 (ja)

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