JPH066739Y2 - ストロー付き水筒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はストロー付き水筒に関し、特にストローのシ
ール構造に関するものである。

〔従来の技術〕 水筒本体に形成した筒形開口部にストローの上端部を上
下動自在に挿入し、上記開口部内に挿入したバネの上端
をストロー又はこれと一体の部材に係合せしめ、下端を
開口部の一部で受け、ストローの上端を水筒の開閉蓋下
面に押し当てることによりバネを圧縮させるようにした
ストロー付き水筒は、従来公知である（例えば、実開昭
６０−２０７３１号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の水筒は、蓋を開放すると、ストロー上端部がバネ
力で突き出るので、飲み易い便利さがある。

しかし、上記の構成によると、ストローから水を飲む際
に、水筒内部が負圧になることを避けるために、ストロ
ーが筒形開口部を貫通する部分に空気流入のためのすき
間を設ける必要があり、そのため水筒を横倒しにした場
合そのすき間から水が漏出する問題がある。

そこで、この考案は、水の漏出を防止する一方、水を飲
む際には、空気の流入を妨げないようにしたシール構造
を採用することにより、上記の問題点を解決することを
目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は水筒本体に形
成した筒形開口部にストロー上端部を上下動自在に挿入
し、上記開口部内に挿入したバネの上端をストロー又は
これと一体の部材に係合せしめ、下端を開口部の一部で
受け、ストローを開閉蓋下面に押し当てることによりバ
ネを圧縮するようにしたストロー付き水筒において、上
記開口部とストローの外周部との間にシール部材を介在
し、前記バネの下端によりそのシール部材を押圧する構
成としたものである。

〔作用〕

蓋を閉めた状態では、ストローが押し込まれ、バネが圧
縮状態となる。そのためシール部材はそのバネ力で押圧
され、ストロー貫通部分のシールを図る。また蓋を開放
すると、バネが伸長してストローが突き出る一方、シー
ル部材に対する押圧力が著しく減少するか又は零となる
ので、シール部材はシール機能を喪失し、空気の流入を
許容する。

〔実施例〕

添付の図面に示す実施例の水筒は、プラスチック製の胴
体１と、これにパッキン２を介して一体に結合された肩
体３とにより水筒本体４を構成している。

肩体３には、筒形の開口部５が形成され、その開口部５
にプラスチック製ストロー６と一体の飲み口７がルーズ
に挿入される。ストロー６の下端は水筒本体４の内部に
挿入される。また、ストロー６の中程には、ストッパー
８が一体に取付けられる。

上記開口部５の下端に段部９を介して小径部１１を形成
し、その小径部１１にストロー６を所要の間隙をおいて
貫通せしめる。

上記の段部９にストロー６の外周に接触するＯリング１
２がシール部材として装着される。また、ストロー６の
飲み口７に、開口部５の内部にルーズに嵌る大径部１３
が形成され、その大径部１３の内部において、ストロー
６の外周にバネ受け１４を嵌着固定している。

上記のバネ受け１４と、Ｏリング１２の間には、コイル
バネ１５が介在される。コイルバネ１５とＯリング１２
との間には、座金１６が介在される。

一方、肩体３の上記開口部５の後方には、操作部１７が
設けられる（第２図参照）。操作部１７には、ヒンジ１
８により蓋１９を開閉自在に取付けられる。蓋１９の下
面には、閉塞部２１が形成され、その下面に取付けたシ
ール部材２２により、飲み口７の上端を閉塞シールす
る。

また、上記の蓋１９の下方には、押しボタン２３が設け
られ、そのロック片２４を蓋下面の係合爪２５に係止
し、また蓋下面のベンディング爪２６に押しボタン２３
の係止片２７を当接している。

以上の構成でなる実施例の水筒は、蓋１９を閉じること
により飲み口７を押し下げ、コイルバネ１５を圧縮し、
Ｏリング１２に押圧力を加える。これにより開口部５と
ストロー６間のシールが図られる。

また、押しボタン２３を操作して蓋１９を開放すると、
第３図に示すように飲み口７がコイルバネ１５のバネ力
により上方に突出する。

飲み口７が突出すると、Ｏリング１２に対するコイルバ
ネ１５の押圧力は著しく減少するか又は零となり、シー
ル機能を喪失する。従って、ストロー６のまわりと小径
部１１の内周の間に空気通路ができるので、水筒本体４
の内部が負圧になることが避けられる。

なお、蓋１９を開放すると同時に飲み口７がバネ力で勢
いよく突出すると、ストロー６内の水が飲み口７から飛
び散ることがあるが、この考案の場合は、ストロー６が
Ｏリング１２の内周面に摺接して摩擦抵抗を受ける。ま
たＯリング１２がシール機能を十分に発揮する間は、水
中から抜け出すストロー６の容積に相当する水と置換す
る分量の空気の補給が得られず、負圧になる。そのた
め、ストロー６はコイルバネ１５のバネ力が、Ｏリング
１２との摩擦抵抗及び上記の負圧による吸引力との和に
打ち勝つ関係を保ちながら徐々に上昇する。このため蓋
１９がベンディング爪２６のバネ力で一瞬で開放される
のに対し、飲み口７は徐々に上昇する。

上記の実施例では、蓋１９の閉塞部２１にシール部材２
２を設け、これによって飲み口７のシールを図るように
しているが、水筒本体４の内部はＯリング１２によりシ
ールしているので、飲み口７に、シール部材２２を設け
なくとも水が漏出するおそれはほとんどない。但し、安
全のため或は衛生上の観点から実施例のようにシール部
材２２を設けることが望ましい。

なお、前記のバネ受け１４に代え、第４図に示すよう
に、飲み口７の大径部１３にバネ受けピース１４′を挿
入するとともにこれを溶着することにより固定する構造
を採用してもよい。また、ストロー６の上端を飲み口７
に固定する手段として、強制嵌合によるほか、飲み口７
の内周面にネジを切り、ストロー６の上端に強制的にネ
ジ込むことにより、ストロー６にネジ溝を形成せしめて
一体化する方法もある。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案は水筒本体の開口部とストロー
外周部との間にシール部材を介在し、そのシール部材を
飲み口突き上げ用のバネで押圧したことにより、シール
が確実になる一方、水を飲む際はシール機能が喪失する
ので、水筒内部の水と空気の置換が容易に行われる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の断面図、第２図は同上の一部省略分解
正面図、第３図は同上の使用状態の一部拡大断面図、第
４図は他の実施例の使用状態の一部拡大断面図である。 ４……水筒本体、５……開口部、 ６……ストロー、７……飲み口、 １１……小径部、１２……Ｏリング、 １４……バネ受け、１５……コイルバネ １９……蓋、２１……閉塞部、 ２２……シール部材、２３……押しボタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水筒本体に形成した筒形開口部にストロー
   上端部を上下動自在に挿入し、上記開口部内に挿入した
   バネの上端をストロー又はこれと一体の部材に係合せし
   め、下端を開口部の一部で受け、上記ストローを開閉蓋
   下面に押し当てることによりバネを圧縮するようにした
   ストロー付き水筒において、上記開口部とストローの外
   周部との間にシール部材を介在し、前記バネの下端によ
   りそのシール部材を押圧することを特徴とするストロー
   付き水筒。