JPH0667374B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、洗浄槽内に収納された食器類に洗浄水を噴出
させて洗浄する食器洗浄機に関するものである。

［従来の技術］ 従来、ポンプ式の加圧送水装置を用いて、ノズル体に設
けた噴射孔により洗浄水を洗浄槽内の食器類に噴射し、
食器類の洗浄を行う食器洗浄機はよく知られている。第
５図（イ）はこのような従来の食器洗浄機の構成例を示
す断面図、（ロ）はその平断面図である。両図におい
て、（１）は洗浄槽、（２）はカゴ（３）内に収容され
た食器類、（４）は循環ポンプ、（５）は複数の噴射孔
（６）を備えたノズル体、（７）は洗浄水、（８）はフ
ィルタである。

上記のように構成された食器洗浄機において、洗浄槽
（１）内の底部に設けたノズル体（５）は、循環ポンプ
（４）で加圧された水圧によって回転しながら噴射孔
（６）により洗浄水（７）を噴射し、洗浄槽（１）内で
カゴ（３）に収納した食器類（２）に付着している汚れ
をその噴射力によって洗い流して洗浄する。

なお、洗浄水（７）は給水装置（図示せず）によって一
旦洗浄槽（１）内に貯溜され、ヒータ等による加熱手段
（図示せず）で加熱されながらフィルタ（８）を介して
循環ポンプ（４）へ戻るようになっている。

［発明が解決しようとする課題］ 上記のような従来の食器洗浄機では、洗浄水（７）を噴
射する噴射孔（６）の噴射角度を調整しても、例えば第
５図（ロ）に示す洗浄槽（１）の隅部（Ａ）付近と、中
央部（Ｂ）付近とでは洗浄水（７）のかかり方が均一と
ならず、洗浄効率が悪くなってしまう。

また、洗浄効率を向上させるためには、食器類（２）の
汚れ面を噴射方向に対面させる必要があるが、食器類
（２）の形状は種々様々であり、特に茶碗や吸い物のよ
うな深い容器の場合には、その内面に付着した汚れを洗
浄することが容易でなく食器の間隔を広げて洗浄水
（７）の噴射方向を極端に横方向に向ける等の工夫が必
要となる。しかしながら、洗浄槽（１）のスペースの問
題や、ノズル体（５）の動作との関係からこれらが十分
に行なえず、従って洗浄槽が大きくなる割には一度に洗
浄できる食器類（２）の量が少ない等の問題があった。

本発明はかかる課題を解消するためになされたもので、
洗浄効率の向上と省スペース化とを実現できる食器洗浄
機を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る食器洗浄機は、洗浄槽と、この洗浄槽内に
水平かつ横断して配設され長手方向のほぼ中央部に送水
孔を有する給水案内管と、この給水案内管を囲んで水密
かつ軸方向に往復移動可能に装着され、洗浄水を噴出す
る複数の噴出孔を有するノズル体と、このノズル体に回
動自在に取り付けられ噴射孔を有する方向転換部材と、
ノズル体の移動範囲に設けられ方向転換部材と衝接して
方向転換部材を回動させる手段と給水案内管に洗浄水を
圧送する洗浄水の循環手段とを有し、ノズル体は方向転
換部材から噴出する洗浄水の噴射反力によって移動可能
にされているものである。

［作用］ 方向転換部材の噴射孔は、方向転換部材と回動手段とが
衝接するたびに噴射方向を左右に傾け、その噴射反力に
よってノズル体を給水案内管の軸方向に往復移動させ、
他の噴射孔とともに往復移動しながら隅々まで均一に洗
浄水を噴射し、食器類を洗浄効率よく洗浄する。

［発明の実施例］ 第１図（イ）は本発明の一実施例の縦断面図、（ロ）は
その側断面図、第２図は本発明の要部をなすノズル体の
実施例の斜視図、第３図（イ）は後述する方向転換部材
としてのノズルキャップ付近の実施例の分解斜視図、
（ロ）はその組立状態を示す断面図、第４図はノズル体
の作用説明図である。なお、各図において、従来例を示
した第５図と同一符号は同一又は相当部分を示し、説明
を省略する。

第１図〜第４図において、（１）は全面が開口した横長
の箱状の洗浄槽、（2a）はカゴ（３）内に収容された浅
い食器、（2b）は深い食器である。（４）は洗浄槽
（１）内に洗浄水を循環させる循環ポンプで、洗浄槽
（１）に設けた給水手段（図示せず）によって給水され
た洗浄水を、ホースを介して給水案内管（14）に圧送す
る。この給水内管（14）は、洗浄槽（１）の底部のほぼ
中央部に水平かつ左右方向に配設されている。

（５）は断面ほぼ方形の本体部と、その両端部にこれと
直交して設けられた腕部（5a），（5b）とからなる平面
Ｈ状のノズル体で、上下のノズル体部材（51），（52）
からなり給水案内管（14）にこれをとり囲むように水密
に取付けられており、給水案内管（14）を軸とし左右方
向に移動しうるように構成されている。（6a）は例えば
一方の腕部（5a）に設けられ、浅い食器（2a）に対応す
る噴射孔、（6b）は他方の腕部（5b）に設けられ、深い
食器に対応する噴射孔で、それぞれ噴射方向が外側に向
けられている。（6c）はノズルキャップに設けた噴射孔
である。

次に第３図において、（51），（52）は上下のノズル体
部材で、衝合部（53）を溶着等により接合してノズル体
（５）を形成しており、腕部（5b）の端部には送水口
（55）を有する円筒部（54）が形成されている。（56）
は円筒部（54）の先端部に設けられたネジ座である。
（60）は噴射孔（6c）と舌片（61）とが一体に成型され
た円筒状のノズルキャップで、座金（62）を介してネジ
（63）により円筒部（54）に回動自在に取り付けられて
いる。

また、第４図において（71），（70）はそれぞれ洗浄槽
（１）の底部に適宜な間隔で突設された突起であり、例
えばノズル体（５）が給水案内管（14）の右端へ移動す
ると、ノズルキャップ（60）に設けた舌片（61）と突起
（71）とが衝接し、ノズルキャップ（60）が回動して
（ロ）図に示すように噴射孔（6c）は傾き、また、左端
へ移動すると突起（70）と舌片（61）とが衝接して、噴
射孔（6c）は（ハ）図に示すように左方へ傾くようにな
っている。なお、この突起（70），（71）は図示の構造
に限定するものではなく、他の手段を用いてもよい。

次に、上記のように構成した本発明の作用を説明する。
洗浄槽（１）内に食器類（２）を収納したカゴ（３）を
入れてドア（11）を閉じ、電源スイッチ（18）をONにす
ると、洗浄槽（１）内へ給水装置（図示せず）から一定
量の洗浄水（７）が給水され、この給水が終ると循環ポ
ンプ（４）が作動し、洗浄槽（１）内の洗浄水（７）が
残滓フィルタ（８）及びホース（17）を介して循環ポン
プ（４）の上方に取り付けられた給水案内管（14）の送
水孔（16）を経てノズル体（５）内に圧送され、ノズル
体（５）に設けた噴射孔（6a），（6b）から洗浄水
（７）を噴射し、カゴ（３）に収納した食器類（２）を
洗浄する。

噴射孔（6a），（6b）による洗浄動作と並行して、ノズ
ル体（５）の腕部（5b）に設けたノズルキャップ（60）
の噴射孔（6c）からも洗浄水（７）が噴射する。例えば
噴射孔（6c）の噴射方向が第４図のＣ位置にあると、噴
射孔（6c）からの食器類（２）への噴射による反力がノ
ズルキャップ（60）に作用し、この反力による給水案内
管（14）の軸方向の分力によってノズル体（５）が左方
に移動するので、噴射孔（6a），（6b），（6c）は左方
へ移動しながら洗浄水（７）を噴射し、食器類（２）を
洗浄する。ノズル体（５）が移動しノズルキャップ（6
0）の舌片（61）が第４図（ハ）に示すように他方の突
起（70）に衝接すると、ノズルキャップ（60）は回動し
て噴射孔（6c）による噴射反力が逆方向に作用し、ノズ
ル体（５）の移動方向が反転するので、噴射孔（6a），
（6b），（6c）は右方へ移動しながら洗浄水（７）を噴
射する。ノズルキャップ（60）が第４図（ロ）に示す位
置まで移動すると、舌片（61）は突起（71）に衝接して
ノズルキャップ（60）が回動し、ノズル体（５）は再び
左方へ移動する。

以上のようにノズル体（５）が給水案内管（14）に沿っ
て反転を繰り返えすことにより、噴射孔（6a），（6
b），（6c）は左右への移動を反復しながら洗浄水
（７）を噴射し、食器類（２）を洗浄する。

なお、実験の結果によれば、茶碗のような比較的深い食
器類（2b）の壁面に付着した汚れを洗浄するには、この
食器類（2b）をカゴ（３）の平面に対して０〜30゜程度
の傾きで寝かせて収納し、噴射孔（6a），（6b）の噴射
方向の角度を30゜〜45゜程度にすれば汚れを効果的に除
去でき、浅い食器類（2a）の場合は、上記のカゴ（３）
の平面に対する傾き及び噴射孔（6a），（6b）の噴射方
向の角度を深い食器類（2b）の場合より浅い角度で洗浄
すると、良好な結果が得られている。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、洗浄槽内のノズ
ル体に設けた方向転換部材から噴出する洗浄水の噴射反
力によりノズル体を自動的に往復移動させることによっ
て、複数の噴射孔が往復移動しながら洗浄水を噴射し食
器類を洗浄するように構成したので、食器類の汚れ面に
対して隅々まで均一に噴射できるようになり、洗浄効率
が向上して洗浄時間を短縮することができる。また、洗
浄槽の形状が従来の回転式ノズル体の場合のように円形
で正方形に限定されず、洗浄容量等に適応した形状にす
ることができるので、洗浄槽スペースを有効に設定でき
る。さらに、駆動モータ等が必要なく、簡単な構成でノ
ズル体を往復移動させることができ、食器洗浄機の低コ
スト化、コンパクト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）は本発明実施例の全体構成を示す縦断面
図、（ロ）はその側断面図、第２図はノズル体の実施例
の斜視図、第３図は（イ）はノズルキャップの実施例の
斜視図、（ロ）はその組立状態を示す断面図、第４図は
（イ），（ロ），（ハ）はノズルキャップの動作説明
図、第５図（イ），（ロ）は従来の食器洗浄機の一例の
縦断面図及び平断面図である。 図において、（１）は洗浄槽、（２）は食器類、（３）
はカゴ、（４）は循環ポンプ、（５）はノズル体、（5
a），（5b）腕部、（6a），（6b），（6c）は噴射孔、
（７）は洗浄水、（14）は給水案内管、（16）は送水
孔、（60）はノズルキャップ、（61）は舌片、（70），
（71）は突起である。 なお、図中同一符号は同一、又は相当部分を示す。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−101472（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−70267（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−118752（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭49−26739（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽と、この洗浄槽内に水平かつ横断し
   て配設され長手方向のほぼ中央部に送水孔を有する給水
   案内管と、この給水案内管を囲んで水密かつ軸方向に往
   復移動可能に装着され、洗浄水を噴出する複数の噴射孔
   を有するノズル体と、このノズル体に回動自在に取り付
   けられ噴射孔を有する方向転換部材と、上記ノズル体の
   移動範囲に設けられ上記方向転換部材と衝接して上記方
   向転換部材を回動させる手段と、上記給水案内管に洗浄
   水を圧送する洗浄水の循環手段とを有し、上記ノズル体
   は上記方向転換部材から噴出する洗浄水の噴射反力によ
   って移動可能にされていることを特徴とする食器洗浄
   機。