JPH066549B2 - 2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの製造方法 - Google Patents
2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの製造方法Info
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- JPH066549B2 JPH066549B2 JP7102286A JP7102286A JPH066549B2 JP H066549 B2 JPH066549 B2 JP H066549B2 JP 7102286 A JP7102286 A JP 7102286A JP 7102286 A JP7102286 A JP 7102286A JP H066549 B2 JPH066549 B2 JP H066549B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は下記式(II) で表わされる2−ヒドロキシメチル−2,5−12−ト
リヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセ
ン−6,11−ジオンの製造方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は下記一般式(I) (式中、Rはアルキル基である。) で表わされる2−アルコキシカルボニル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオンを複合メタルヒドリド系還元
剤で還元することを特徴とする前記式(II〕で表わされ
る2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキ
シ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,1
1−ジオンの製造方法に関する。
リヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセ
ン−6,11−ジオンの製造方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は下記一般式(I) (式中、Rはアルキル基である。) で表わされる2−アルコキシカルボニル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオンを複合メタルヒドリド系還元
剤で還元することを特徴とする前記式(II〕で表わされ
る2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキ
シ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,1
1−ジオンの製造方法に関する。
本発明で得られる前記式(II)で表わされる2−ヒドロキ
シメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンは
下記の式(III)および一般式(IV)で表わされる (式中、R1は低級アルキル基又はアリール基であ
る。) 3−ヒドロキシメチル−1,3,5,12−テトラヒド
ロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン及び3−カルバモイルオキシメチル−
1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの合成原
料として大変有用である(下記参考例参照)。前記式(I
II)および前記一般式(IV)で表わされる化合物は、優れ
た制癌活性を有すると報告されている9位にヒドロキシ
メチル基あるいはカルバモイルオキシメチル基を有する
4−デメトキシアントラサイクリン類縁体のアグリコン
であり、ダウノサミン誘導体とのグリコシル化反応とそ
れに続く保護基の除去により9位にヒドロキシメチル基
あるいはカルバモイルオキシメチル基を有する4−デメ
トキシアントラサイクリン類縁体に導くことができる
(特開昭57−53497,特開昭59−80692参
照)。
シメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンは
下記の式(III)および一般式(IV)で表わされる (式中、R1は低級アルキル基又はアリール基であ
る。) 3−ヒドロキシメチル−1,3,5,12−テトラヒド
ロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン及び3−カルバモイルオキシメチル−
1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの合成原
料として大変有用である(下記参考例参照)。前記式(I
II)および前記一般式(IV)で表わされる化合物は、優れ
た制癌活性を有すると報告されている9位にヒドロキシ
メチル基あるいはカルバモイルオキシメチル基を有する
4−デメトキシアントラサイクリン類縁体のアグリコン
であり、ダウノサミン誘導体とのグリコシル化反応とそ
れに続く保護基の除去により9位にヒドロキシメチル基
あるいはカルバモイルオキシメチル基を有する4−デメ
トキシアントラサイクリン類縁体に導くことができる
(特開昭57−53497,特開昭59−80692参
照)。
従来、前記式(II)で表わされる2−ヒドロキシメチル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンは、その光学活
性2(R)一体をD−ラクトースから誘導する方法(C.
Monneret,et al.,Tetrahedr
on,40,4669(1984)参照)が、報告され
ているにすぎない。しかしながらこの合成法は多段階を
有していて、工業的に実施するには多大な困難を伴うこ
とは明らかである。
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンは、その光学活
性2(R)一体をD−ラクトースから誘導する方法(C.
Monneret,et al.,Tetrahedr
on,40,4669(1984)参照)が、報告され
ているにすぎない。しかしながらこの合成法は多段階を
有していて、工業的に実施するには多大な困難を伴うこ
とは明らかである。
かかる情勢下、本発明者らは鋭意探索検討した結果、極
めて容易に得られる2−アルコキシカルボニル−2,
5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタセン−6,11−ジオンの2位−アルコキシ
カルボニル基をアントラキノン骨格を全く損うことなく
選択的にアルコールに還元し、目的とする2−ヒドロキ
シメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンを
容易にしかも短工程で得る新規製造法を見い出し、本発
明を完成した。
めて容易に得られる2−アルコキシカルボニル−2,
5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタセン−6,11−ジオンの2位−アルコキシ
カルボニル基をアントラキノン骨格を全く損うことなく
選択的にアルコールに還元し、目的とする2−ヒドロキ
シメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンを
容易にしかも短工程で得る新規製造法を見い出し、本発
明を完成した。
本発明は、一般式(I)で表わされる2−アルコキシカル
ボニル−2,5,12−ヒドロキシメチル−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンに
複合メタルヒドリド系還元剤を作用させて、アントラキ
ノン骨核を損うことなく、アルコキシカルボニル基を選
択的に還元し、式(II)で表わされる2−ヒドロキシメチ
ル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンを得るもの
である。
ボニル−2,5,12−ヒドロキシメチル−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンに
複合メタルヒドリド系還元剤を作用させて、アントラキ
ノン骨核を損うことなく、アルコキシカルボニル基を選
択的に還元し、式(II)で表わされる2−ヒドロキシメチ
ル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンを得るもの
である。
(式中、Rはアルキル基を表わす。) 原料に用いる一般式(I)で表わされる2−アルコキシカ
ルボニル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン
は、5,12−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタセン−2,6,11−トリオンから大量に
合成しうる2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−
2−カルボン酸を通常のエステル化反応に付すことによ
り合成できる化合物である(Y.Kimura,et
al.,Bull.Chem.Soc.Japan,5
9,415(1986).)。
ルボニル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン
は、5,12−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタセン−2,6,11−トリオンから大量に
合成しうる2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−
2−カルボン酸を通常のエステル化反応に付すことによ
り合成できる化合物である(Y.Kimura,et
al.,Bull.Chem.Soc.Japan,5
9,415(1986).)。
また、d1−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−
2−カルボン酸を光学分割して得た(R)−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン−2−カルボン酸からは同様
のエステル化により(R)−2−アルコキシカルボニル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンが得られる
(Y.Kimura,et al.,Bull.Che
m.Soc.Japan,59,415(198
6).)。
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−
2−カルボン酸を光学分割して得た(R)−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン−2−カルボン酸からは同様
のエステル化により(R)−2−アルコキシカルボニル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンが得られる
(Y.Kimura,et al.,Bull.Che
m.Soc.Japan,59,415(198
6).)。
前記一般式(I)中のアルキル基は置換又は未置換の直鎖
又は分岐状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、オクチル基、ベ
ンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキ
シベンジル基などが例示できる。前記一般式(I)で表わ
される化合物の還元による前記式(II)で表わされる化合
物の合成は、複合メタルヒドリド系還元剤を用いて行な
うことができる。複合メタルヒドリド系還元剤としては
水素化アルミニウムリチウム、水素化モノ−t−ブトキ
シアルミニウムリチウム、水素化ジ−t−ブトキシアル
ミニウムリチウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニ
ウムリチウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウム
ナトリウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムカ
リウム、水素化モノメトキシアルミニウムリチウム、水
素化ジメトキシアルミニウムリチウム、水素化トリメト
キシアルミニウムリチウム、水素化モノエトキシアルミ
ニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウ
ム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化
トリプロポキシアルミニウムリチウム、水素化トリイソ
プロポキシアルミニウムリチウム、水素化ホウソナトリ
ウム−塩化セリウム(III)複合体などが例示できるが、
還元反応の選択性の点で好ましくは水素化トリ−t−ブ
トキシアルミニウムリチウム及び水素化ホウソナトリウ
ム−塩化セリウム(III)複合体が用いられる。複合メタ
ルヒドリド系還元剤は式(I)で表わされる化合物に対
し4〜50当量の過剰量が用いられるが、好適には10
〜25当量が用いられる。
又は分岐状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、オクチル基、ベ
ンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキ
シベンジル基などが例示できる。前記一般式(I)で表わ
される化合物の還元による前記式(II)で表わされる化合
物の合成は、複合メタルヒドリド系還元剤を用いて行な
うことができる。複合メタルヒドリド系還元剤としては
水素化アルミニウムリチウム、水素化モノ−t−ブトキ
シアルミニウムリチウム、水素化ジ−t−ブトキシアル
ミニウムリチウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニ
ウムリチウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウム
ナトリウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムカ
リウム、水素化モノメトキシアルミニウムリチウム、水
素化ジメトキシアルミニウムリチウム、水素化トリメト
キシアルミニウムリチウム、水素化モノエトキシアルミ
ニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウ
ム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化
トリプロポキシアルミニウムリチウム、水素化トリイソ
プロポキシアルミニウムリチウム、水素化ホウソナトリ
ウム−塩化セリウム(III)複合体などが例示できるが、
還元反応の選択性の点で好ましくは水素化トリ−t−ブ
トキシアルミニウムリチウム及び水素化ホウソナトリウ
ム−塩化セリウム(III)複合体が用いられる。複合メタ
ルヒドリド系還元剤は式(I)で表わされる化合物に対
し4〜50当量の過剰量が用いられるが、好適には10
〜25当量が用いられる。
本還元反応は、溶媒中で行なうことが望ましく、溶媒と
しては、還元剤として修飾水素化アルミニウムメタルを
用いる場合、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル
系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等の非プロトン性溶媒などが用いられるが、反
応の選択性の点でジメチルスルホキシドが好ましく用い
られる。また、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム−
塩化セリウム(III)複合体を用いる場合、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
系溶媒と、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒との複合溶媒が用いられる
が、好ましくはメタノール−クロロホルムの複合溶媒が
用いられる。反応は−20℃〜80℃、5〜50時間で
進行するが、好適には0℃〜室温、5〜24時間で終了
する。還元によって得られる前記式(II)で表わされる2
−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオンは極めて難溶性の化合物であり、精製にあたって
は、13位の水酸基をt−ブチルジメチルシリルエーテ
ル、あるいは2及び13位の水酸基を利用したアセトナ
イドなどの誘導体として取得することが望ましい。この
ような誘導体として精製したものは当業者間で公知の方
法により保護基を除去し、前記式(II)で示される2−ヒ
ドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ンを純度よく得ることができる。
しては、還元剤として修飾水素化アルミニウムメタルを
用いる場合、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル
系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等の非プロトン性溶媒などが用いられるが、反
応の選択性の点でジメチルスルホキシドが好ましく用い
られる。また、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム−
塩化セリウム(III)複合体を用いる場合、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
系溶媒と、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒との複合溶媒が用いられる
が、好ましくはメタノール−クロロホルムの複合溶媒が
用いられる。反応は−20℃〜80℃、5〜50時間で
進行するが、好適には0℃〜室温、5〜24時間で終了
する。還元によって得られる前記式(II)で表わされる2
−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオンは極めて難溶性の化合物であり、精製にあたって
は、13位の水酸基をt−ブチルジメチルシリルエーテ
ル、あるいは2及び13位の水酸基を利用したアセトナ
イドなどの誘導体として取得することが望ましい。この
ような誘導体として精製したものは当業者間で公知の方
法により保護基を除去し、前記式(II)で示される2−ヒ
ドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ンを純度よく得ることができる。
以上の反応工程により合成された式(II)で表わされる2
−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオンは下記の反応式により一般式(III)および(IV)で
表わされる9位にヒドロキシメチル基およびカルバモイ
ルオキシメチル基を有する4−デメトキシアントラサイ
クリノンに誘導することができる。
−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオンは下記の反応式により一般式(III)および(IV)で
表わされる9位にヒドロキシメチル基およびカルバモイ
ルオキシメチル基を有する4−デメトキシアントラサイ
クリノンに誘導することができる。
(式中、R1は低級アルキル基又はアリール基でR2、
R3、R4はアルキル基である。
R3、R4はアルキル基である。
〔第1工程〕 本工程は還元によって得られた2−ヒドロキシメチル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの2−ヒドロキ
シメチル基を選択的にシリル化し、一般式(V)で表わ
される2−トリアルキルシリルオキシメチル−2,5,
12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタセン−6,11−ジオン誘導体を得るものであ
る。
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの2−ヒドロキ
シメチル基を選択的にシリル化し、一般式(V)で表わ
される2−トリアルキルシリルオキシメチル−2,5,
12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタセン−6,11−ジオン誘導体を得るものであ
る。
本工程は前記一般式(I)の化合物の還元工程と一体と
なって還元成績体である前記式(II)の化合物を前記一般
式(V)の化合物に誘導したのち化合物(V)の形で精
製する場合にも行なわる。シリル化は化合物(II)を4−
トリアルキルシリルオキシ−3−ペンテン−2−オンと
反応させることによって行なわれる。4−トリアルキル
シリルオキシ−3−ペンテン−2−オンとしては4−ト
リメチルシリルオキシ−3−ペンテン−2−オン、4−
イソプロピルジメチルシリルオキシ−3−ペンテン−2
−オン、4−プロピルジメチルシリルオキシ−3−ペン
テン−2−オン、4−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−3−ペンテン−2−オン、4−t−ブチルジフェニル
シリルオキシ−3−ペンテン−2−オンなどが例示でき
るが、好ましくは4−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−3−ペンテン−2−オンが用いられる。反応はジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、
トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系
溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭素系溶媒、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N,N−ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの非
プロトン性極性溶媒中で行なわれるが、好適にはN,N
−ジメチルホルムアミドが用いられる。反応は酸性触媒
存在下行なわれ、酸性触媒としてはp−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、d1−カンファー−10−
スルホン酸、d−カンファー−10−スルホン酸などを
用いることができる。反応は−20℃〜50℃で進行す
る。
なって還元成績体である前記式(II)の化合物を前記一般
式(V)の化合物に誘導したのち化合物(V)の形で精
製する場合にも行なわる。シリル化は化合物(II)を4−
トリアルキルシリルオキシ−3−ペンテン−2−オンと
反応させることによって行なわれる。4−トリアルキル
シリルオキシ−3−ペンテン−2−オンとしては4−ト
リメチルシリルオキシ−3−ペンテン−2−オン、4−
イソプロピルジメチルシリルオキシ−3−ペンテン−2
−オン、4−プロピルジメチルシリルオキシ−3−ペン
テン−2−オン、4−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−3−ペンテン−2−オン、4−t−ブチルジフェニル
シリルオキシ−3−ペンテン−2−オンなどが例示でき
るが、好ましくは4−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−3−ペンテン−2−オンが用いられる。反応はジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、
トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系
溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭素系溶媒、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N,N−ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの非
プロトン性極性溶媒中で行なわれるが、好適にはN,N
−ジメチルホルムアミドが用いられる。反応は酸性触媒
存在下行なわれ、酸性触媒としてはp−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、d1−カンファー−10−
スルホン酸、d−カンファー−10−スルホン酸などを
用いることができる。反応は−20℃〜50℃で進行す
る。
〔第2工程〕 本工程は一般式(V)で表わされる2−トリアルキルシ
リルオキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン誘導体の4位をブロム化し、ついで水酸基で置換
して一般式(VI)で示される3−トリアルキルシリルオキ
シメチル−1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン誘導体を合成するものである。ブロム化はジクロロメ
タン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒中臭素を用いて行
なわれる。ブロム化の速度を増大させるため、反応を白
色光照射下で行なうことが望ましい。ブロム化は−20
℃〜50℃で円滑に進行する。得られたブロム体の4位
ブロムを水酸基で置換する反応は、ブロム化の反応液に
0.1〜1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることに
よって行なわれる。反応は0℃〜50℃で円滑に進行す
る。
リルオキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン誘導体の4位をブロム化し、ついで水酸基で置換
して一般式(VI)で示される3−トリアルキルシリルオキ
シメチル−1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン誘導体を合成するものである。ブロム化はジクロロメ
タン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒中臭素を用いて行
なわれる。ブロム化の速度を増大させるため、反応を白
色光照射下で行なうことが望ましい。ブロム化は−20
℃〜50℃で円滑に進行する。得られたブロム体の4位
ブロムを水酸基で置換する反応は、ブロム化の反応液に
0.1〜1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることに
よって行なわれる。反応は0℃〜50℃で円滑に進行す
る。
〔第3工程〕 本工程は一般式(VI)の3位トリアルキルシリルオキシメ
チル基のシリル基を除去し、一般式(III)で示される3
−ヒドロキシメチル−1,3,5,12−テトラヒドロ
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,
11−ジオンを合成するものである。本工程は、塩酸、
フッ化水素あるいはピリジニウムフルオリドのアセトニ
トリル溶液などの通常のトリアルキルシリルオキシ基か
らトリアルキルシリル基の除去に用いられる試薬によっ
て行なわれる。反応は−20℃〜50℃で円滑に進行す
る。
チル基のシリル基を除去し、一般式(III)で示される3
−ヒドロキシメチル−1,3,5,12−テトラヒドロ
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,
11−ジオンを合成するものである。本工程は、塩酸、
フッ化水素あるいはピリジニウムフルオリドのアセトニ
トリル溶液などの通常のトリアルキルシリルオキシ基か
らトリアルキルシリル基の除去に用いられる試薬によっ
て行なわれる。反応は−20℃〜50℃で円滑に進行す
る。
〔第4工程〕 本工程は式(III)で表わされる3−ヒドロキシメチル−
1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンにイソシ
アネート誘導体を反応し、一般式(IV)で示される3−カ
ルバモイルオキシメチル−1,3,5,12−テトラヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン誘導体を得るものである。用いられる
イソシアネートとしてはフェニルイソシアネート、p−
クロロフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネー
ト、2−エチニルイソシアネートなどが例示できる。反
応は溶媒中で行なわれ、溶媒としてはピリジン、ピコリ
ン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、キノリ
ン、イソキノリンなどの塩基性芳香族炭化水素、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N,N−ヘキサメチルホスホリックトリアミド
などの非プロトン性極性溶媒などが用いられる。反応は
−20℃〜50℃の間で行なわれる。
1,3,5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンにイソシ
アネート誘導体を反応し、一般式(IV)で示される3−カ
ルバモイルオキシメチル−1,3,5,12−テトラヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン誘導体を得るものである。用いられる
イソシアネートとしてはフェニルイソシアネート、p−
クロロフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネー
ト、2−エチニルイソシアネートなどが例示できる。反
応は溶媒中で行なわれ、溶媒としてはピリジン、ピコリ
ン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、キノリ
ン、イソキノリンなどの塩基性芳香族炭化水素、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N,N−ヘキサメチルホスホリックトリアミド
などの非プロトン性極性溶媒などが用いられる。反応は
−20℃〜50℃の間で行なわれる。
以下、実施例、参考例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 d1−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−2−カ
ルボン酸(506mg,1.43m−mol)をメタノール
(50ml)とジメチルスルホキシド(10ml)の混
合溶媒に加え、濃硫酸(7滴)を加えたのち4時間加熱
還流した。反応液を50%飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(100ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液
は合わせて水および飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濾過し、減圧留去するとほぼ純
粋なd1−メチル2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン−2−カルボキシレート(524mg,100%)が赤
色粉末状結晶として得られた。
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−2−カ
ルボン酸(506mg,1.43m−mol)をメタノール
(50ml)とジメチルスルホキシド(10ml)の混
合溶媒に加え、濃硫酸(7滴)を加えたのち4時間加熱
還流した。反応液を50%飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(100ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液
は合わせて水および飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濾過し、減圧留去するとほぼ純
粋なd1−メチル2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン−2−カルボキシレート(524mg,100%)が赤
色粉末状結晶として得られた。
mp 198−200℃. (文献値,mp 198.5−199.5℃, Y.Kimura,et al.,Bull.Che
m.Soc.Japan,59,415(198
6).) 参考例2 光学活性(R)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ンン−2−カルボン酸(500mg,1.41mmol)と
無水ジメチルスルホキシド(10ml)、無水メタノー
ル(50ml)、濃硫酸(0.22ml)の混合物を10
時間加熱還流した。氷冷下下、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(50ml)と水(100ml)を順次加え、ク
ロロホルム(3回、計300ml)で抽出した。有機層
を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し
た。残留物をフィルトレーションカラムクロマトグラフ
ィ−(シリカゲル,クロロホルム−垂酸エチル(5:
1))により精製し、光学活性(R)−2−メトキシカ
ルボニル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンン
(474mg,収率91%)を赤色結晶として得た。さら
にベンゼンにより再結晶して純品を得た。
m.Soc.Japan,59,415(198
6).) 参考例2 光学活性(R)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ンン−2−カルボン酸(500mg,1.41mmol)と
無水ジメチルスルホキシド(10ml)、無水メタノー
ル(50ml)、濃硫酸(0.22ml)の混合物を10
時間加熱還流した。氷冷下下、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(50ml)と水(100ml)を順次加え、ク
ロロホルム(3回、計300ml)で抽出した。有機層
を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し
た。残留物をフィルトレーションカラムクロマトグラフ
ィ−(シリカゲル,クロロホルム−垂酸エチル(5:
1))により精製し、光学活性(R)−2−メトキシカ
ルボニル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンン
(474mg,収率91%)を赤色結晶として得た。さら
にベンゼンにより再結晶して純品を得た。
mp 213−214℃。
〔α〕▲20 D▼−60.0゜(c 0.110,クロロホル
ム)。
ム)。
(文献値.mp 2210.5−211.5℃, 〔α〕▲20 D▼−60.0゜(c 0.10,クロロホル
ム).Y.Kimura,et al.,Bull.C
hem.Soc.Japan,59,415(198
6).) 実施例1 d1−2−メトキシカルボニル−2,5,12−トリヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(301mg,0.817mmol)を無
水ジメチルスルホキシド(20ml)に溶解し、水素化
トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム(5.22g,
20.5m−mol)の無水ジメチルスルホキシド(10
ml)懸濁液中に滴下した。アルゴン雰囲気下室温で5
時間撹拌したのち、氷冷下飽和シュウ酸水溶液(200
ml)を加え、一晩室温で撹拌した。テトラヒドロフラ
ンと酢酸エチル(6回,計400ml)にて抽出し、有
機相を希塩酸、水(4回)で順次洗浄後、減圧濃縮し
た。残留物と4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3
−ペンテン−2−オン(525mg,2.45mmol)を
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解
し、無水p−トルエンスルホン酸の無水テトラヒドロフ
ラン溶液(0.05M/0.5ml)を加え、アルゴン雰
囲気下室温で5時間撹拌した。氷冷下水(20ml)を
加えクロロホルム(3回)で抽出した。有機相を水洗後
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホル
ム−酢酸エチル(30:1))にて精製し、d1−2−
t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン190mg(収率51%)を赤
橙色固体として得た。このもののNMRスペクトルは、
実施例8のものと一致した。
ム).Y.Kimura,et al.,Bull.C
hem.Soc.Japan,59,415(198
6).) 実施例1 d1−2−メトキシカルボニル−2,5,12−トリヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(301mg,0.817mmol)を無
水ジメチルスルホキシド(20ml)に溶解し、水素化
トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム(5.22g,
20.5m−mol)の無水ジメチルスルホキシド(10
ml)懸濁液中に滴下した。アルゴン雰囲気下室温で5
時間撹拌したのち、氷冷下飽和シュウ酸水溶液(200
ml)を加え、一晩室温で撹拌した。テトラヒドロフラ
ンと酢酸エチル(6回,計400ml)にて抽出し、有
機相を希塩酸、水(4回)で順次洗浄後、減圧濃縮し
た。残留物と4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3
−ペンテン−2−オン(525mg,2.45mmol)を
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解
し、無水p−トルエンスルホン酸の無水テトラヒドロフ
ラン溶液(0.05M/0.5ml)を加え、アルゴン雰
囲気下室温で5時間撹拌した。氷冷下水(20ml)を
加えクロロホルム(3回)で抽出した。有機相を水洗後
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホル
ム−酢酸エチル(30:1))にて精製し、d1−2−
t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン190mg(収率51%)を赤
橙色固体として得た。このもののNMRスペクトルは、
実施例8のものと一致した。
実 施 例 2 d1−2−メトキシカルボニル−2,5,12−トリヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(68.2mg,0.185mmol)を無
水ジメチルスルホキシド(5ml)に溶解し、水素化ト
リ−t−ブトキシアルミニウムリチウム(708mg,2.
78m−mol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で5時
間撹拌した。氷冷下飽和シユウ酸水溶液(10ml)を
加え、テトラヒドロフランと酢酸エチル(計2回)にて
抽出した。有機相を水洗後減圧濃縮して得た粗生成物を
無水テトラヒドロフラン(5ml)と無水アセトン(2
ml)に溶解し、2,2−ジメトキシプロパン(0.2m
l)とd1−カンファ−ー10−スルホン酸14mg(0.
06mmol)を加えアルゴン雰囲気下室温で3時間撹
拌した。希炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチ
レン(3回)にて抽出した。有機相を水洗、無水硫酸マ
グネシウム乾燥後減圧濃縮した。残留物をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル,クロロホルム)にて精製
し、d1−2−ヒドロキシメチル−2,13−O−イソ
プロピリデン−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン(38.6mg,収率55%)を赤橙色固体として得た。
このもののNMRスペクトルは、実施例9のものと一致
した。
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(68.2mg,0.185mmol)を無
水ジメチルスルホキシド(5ml)に溶解し、水素化ト
リ−t−ブトキシアルミニウムリチウム(708mg,2.
78m−mol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で5時
間撹拌した。氷冷下飽和シユウ酸水溶液(10ml)を
加え、テトラヒドロフランと酢酸エチル(計2回)にて
抽出した。有機相を水洗後減圧濃縮して得た粗生成物を
無水テトラヒドロフラン(5ml)と無水アセトン(2
ml)に溶解し、2,2−ジメトキシプロパン(0.2m
l)とd1−カンファ−ー10−スルホン酸14mg(0.
06mmol)を加えアルゴン雰囲気下室温で3時間撹
拌した。希炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチ
レン(3回)にて抽出した。有機相を水洗、無水硫酸マ
グネシウム乾燥後減圧濃縮した。残留物をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル,クロロホルム)にて精製
し、d1−2−ヒドロキシメチル−2,13−O−イソ
プロピリデン−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン(38.6mg,収率55%)を赤橙色固体として得た。
このもののNMRスペクトルは、実施例9のものと一致
した。
mp 263〜265.5℃(ベンゼン). 実 施 例 3〜7 還元剤、溶媒を変えてd1−2−メトキシカルボニル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの還元反応を行
ない、実施例2と同様の後処理によりd1−2−ヒドロ
キシメチル−2,13−O−イソプロピリデン−2,
5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタセン−6,11−ジオンを得た。その結果を
表1にまとめた。
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの還元反応を行
ない、実施例2と同様の後処理によりd1−2−ヒドロ
キシメチル−2,13−O−イソプロピリデン−2,
5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタセン−6,11−ジオンを得た。その結果を
表1にまとめた。
実 施 例 8 光学活性(R)−2−メトキシカルボニル−2,5,1
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン (253mg,0.687mmol)を無水ジメチルスルホ
キシド(20ml)に溶解し、これを水素化トリ−t−
ブトキシアルミニウムリチウム(4.31g,17.0
mmol)を無水ジメチルスルホキシド(15ml)に
懸濁した中に滴下した。反応液をアルゴン雰囲気下下2
5℃で5時間撹拌したのち、実施例1と同様の後処理及
びシリル化を行ない、(R)−2−t−ブチルジメチル
シリルオキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン(171mg,収率55%)を赤橙色固体として得
た。さらに四塩化炭素より再結晶し純品を得た。
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン (253mg,0.687mmol)を無水ジメチルスルホ
キシド(20ml)に溶解し、これを水素化トリ−t−
ブトキシアルミニウムリチウム(4.31g,17.0
mmol)を無水ジメチルスルホキシド(15ml)に
懸濁した中に滴下した。反応液をアルゴン雰囲気下下2
5℃で5時間撹拌したのち、実施例1と同様の後処理及
びシリル化を行ない、(R)−2−t−ブチルジメチル
シリルオキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン(171mg,収率55%)を赤橙色固体として得
た。さらに四塩化炭素より再結晶し純品を得た。
mp 158.5〜159.5℃。
〔α〕▲20 D▼40.7゜(c 0.059,クロロホル
ム)。
ム)。
NMR(CDCl3)δ 0.13(6H,s,SiMe
2),0.96(9H,s, ),1.5〜2.2(2H,m,3−Hz),2.57(1H,
s,2−OH),2.7〜3.1(4H,m,1−Hz,4−
Hz),3.64(2H,s,13−Hz),7.7〜7.9(2
H,m,AromaticHz),8.2〜8.4(2H,
m,Aromatic Hz),13.27(2H,s,p
henol Hz), IR(KBr):3600,3450,1620,15
90,1410,1250,840cm−1。
2),0.96(9H,s, ),1.5〜2.2(2H,m,3−Hz),2.57(1H,
s,2−OH),2.7〜3.1(4H,m,1−Hz,4−
Hz),3.64(2H,s,13−Hz),7.7〜7.9(2
H,m,AromaticHz),8.2〜8.4(2H,
m,Aromatic Hz),13.27(2H,s,p
henol Hz), IR(KBr):3600,3450,1620,15
90,1410,1250,840cm−1。
マススペペクトル(m/e):454(3,M+),4
55(1,M++1). 元素分析:C25H30O6Siとして 計算値:C,66.05;H,6.65%. 測定値:C,66.09;H,6.94%. 実 施 例 9 光学活性(R)−2−メトキシカルボニル−2,5,1
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン(54.5mg,0.148mm
ol)を無水ジメチルスルホキシド(5ml)に溶解
し、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム)
563mg,2.21mmol)を加え、アルゴン雰囲気下
室温で10時間撹拌した。実施例2と同様の後処理及び
アセトナイド化を行ない、(R)−2−ヒドロキシメチ
ル−2,13−O−イソプロピリデン−2,5,12−
トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ
セン−6,11−ジオン(29.9mg,収率53%)を赤
橙色固体として得た。さらにベンゼンより再結晶して純
品を得た。mp 221.5〜222.5℃. 〔α〕▲20 D▼−52.0゜(c 0.050,クロロホル
ム). (文献値,mp 232−234℃ 〔α〕▲20 D▼−
52゜(c 0.03,クロロホルム). C.Monneret,et al.,Tetrahe
dron,40.4669(1984)). NMR(CDCl3;δ 1.44(6H,s, ),1.5〜2.3(2H,m,3−Hz),2.9〜3.2(4
H,m,1−Hz,4−Hz),3.95(2H,s,13−
Hz),7.8〜8.0(2H,m,Aromatic H
z),8.3〜8.5(2H,m,Aromatic H
z),13.49(1H,s,phenol H),13.
50(1H,s,phenol H)。IR(KB
r):1625,1590,1410,1260,12
40cm−1。
55(1,M++1). 元素分析:C25H30O6Siとして 計算値:C,66.05;H,6.65%. 測定値:C,66.09;H,6.94%. 実 施 例 9 光学活性(R)−2−メトキシカルボニル−2,5,1
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン(54.5mg,0.148mm
ol)を無水ジメチルスルホキシド(5ml)に溶解
し、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム)
563mg,2.21mmol)を加え、アルゴン雰囲気下
室温で10時間撹拌した。実施例2と同様の後処理及び
アセトナイド化を行ない、(R)−2−ヒドロキシメチ
ル−2,13−O−イソプロピリデン−2,5,12−
トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ
セン−6,11−ジオン(29.9mg,収率53%)を赤
橙色固体として得た。さらにベンゼンより再結晶して純
品を得た。mp 221.5〜222.5℃. 〔α〕▲20 D▼−52.0゜(c 0.050,クロロホル
ム). (文献値,mp 232−234℃ 〔α〕▲20 D▼−
52゜(c 0.03,クロロホルム). C.Monneret,et al.,Tetrahe
dron,40.4669(1984)). NMR(CDCl3;δ 1.44(6H,s, ),1.5〜2.3(2H,m,3−Hz),2.9〜3.2(4
H,m,1−Hz,4−Hz),3.95(2H,s,13−
Hz),7.8〜8.0(2H,m,Aromatic H
z),8.3〜8.5(2H,m,Aromatic H
z),13.49(1H,s,phenol H),13.
50(1H,s,phenol H)。IR(KB
r):1625,1590,1410,1260,12
40cm−1。
マススペクトル(m/e):380(100,M++
1),381(27,M++1)。
1),381(27,M++1)。
元素分析:C22H20O6として 計算値:C,69.46;H,5.30%. 測定値:C,69.43;H,5.50%. 実施例10 d1−2−メトキシカルボニル−2,5,12−トリヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(225mg,0.61mmol)をクロ
ロホルム(10ml)とメタノール(4ml)に溶解
し、塩化セリウム・7水塩(233mg,0.63mmo
l)と水素化ホウ素ナトリウム(48.6mg,1.28mm
ol)を順次加え室温で7.5時間撹拌した。
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(225mg,0.61mmol)をクロ
ロホルム(10ml)とメタノール(4ml)に溶解
し、塩化セリウム・7水塩(233mg,0.63mmo
l)と水素化ホウ素ナトリウム(48.6mg,1.28mm
ol)を順次加え室温で7.5時間撹拌した。
さらに3回に分けて塩化セリウム×7水塩(234mg,
1.156g,702mg合計2.0922g,5.61mmo
l)と水素化ホウ素ナトリウム(51.7mg,52mg,1
50mg,合計454mg,12.0mmol)を加え室温で
15.5時間、8時間、14時間、合計46時間撹拌し
た。
1.156g,702mg合計2.0922g,5.61mmo
l)と水素化ホウ素ナトリウム(51.7mg,52mg,1
50mg,合計454mg,12.0mmol)を加え室温で
15.5時間、8時間、14時間、合計46時間撹拌し
た。
氷冷化20%酢酸水溶液を加え、テトラヒドロフランと
酢酸エチル混合溶媒にて抽出した。
酢酸エチル混合溶媒にて抽出した。
有機層を水洗後、減圧濃縮し、さらにベンゼン共沸によ
り脱水した。残留物(187mg)を実施例2と同様のア
セトナイド化を行い、d1−2−ヒドロキシメチル−
2,13−O−イソプロピリデン−2,5,12−トリ
ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン
−6,11−ジオン(140mg,収率60%)を赤橙色
固体として得た。このもののNMRスペクトルは、実施
例9のものと一致した。
り脱水した。残留物(187mg)を実施例2と同様のア
セトナイド化を行い、d1−2−ヒドロキシメチル−
2,13−O−イソプロピリデン−2,5,12−トリ
ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン
−6,11−ジオン(140mg,収率60%)を赤橙色
固体として得た。このもののNMRスペクトルは、実施
例9のものと一致した。
実 施 例 11 (R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(71.0mg,0.
156mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶
解し、濃塩酸(0.5ml)を加え室温で30分間撹拌し
た。水を加え、テトラヒドロフランと酢酸エチル(3
回)で抽出し、有機相を水で洗浄(2回)後濾過、減圧
濃縮して、(R)−2−ヒドロキシメチル−2,5,1
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン(55.3mg,定量的収率)
を橙色固体として得た。テトラヒドロフラン−ベンゼン
より再結晶し、純品を得た。
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(71.0mg,0.
156mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶
解し、濃塩酸(0.5ml)を加え室温で30分間撹拌し
た。水を加え、テトラヒドロフランと酢酸エチル(3
回)で抽出し、有機相を水で洗浄(2回)後濾過、減圧
濃縮して、(R)−2−ヒドロキシメチル−2,5,1
2−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナ
フタセン−6,11−ジオン(55.3mg,定量的収率)
を橙色固体として得た。テトラヒドロフラン−ベンゼン
より再結晶し、純品を得た。
mp 2264.5〜266.5℃. 〔α〕▲20 D▼52.0゜(c 0.050,ジオキサ
ン). (文献値,mp 235−238℃ 〔α〕▲20 D▼3
2゜(c 0.062,ジオキサン). C.Monneret,et al., Tetrahedron,40,4669(198
4)。)。
ン). (文献値,mp 235−238℃ 〔α〕▲20 D▼3
2゜(c 0.062,ジオキサン). C.Monneret,et al., Tetrahedron,40,4669(198
4)。)。
NMR(400MHz,d6−DMSO,65℃);δ
1.64〜1.80(2H,m,3−Hz),2.68(2H,
s,1−Hz),2.70〜2.85(2H,m,1−Hz),
3.36〜3.45(2H,m,13−Hz),4.24(1
H,s,2−OH),4.60(1H,t,J=5Hz,1
3−OH),7.887.94(2H,m,Aromati
c Hz),8.17〜8.23(2H,m,Aromati
c Hz),13.29(2H,s×2,phenol H
×2)。
1.64〜1.80(2H,m,3−Hz),2.68(2H,
s,1−Hz),2.70〜2.85(2H,m,1−Hz),
3.36〜3.45(2H,m,13−Hz),4.24(1
H,s,2−OH),4.60(1H,t,J=5Hz,1
3−OH),7.887.94(2H,m,Aromati
c Hz),8.17〜8.23(2H,m,Aromati
c Hz),13.29(2H,s×2,phenol H
×2)。
IR(KBr):3425,1620,1590,14
20,1405,1280,1250cm−1。
20,1405,1280,1250cm−1。
マススペクトル(m/e):340(100,M+),34
1(23,M++1)。
1(23,M++1)。
元素分析:C19H16O6・1/10Hzとして 計算値:C,66.70;H,4.77%。
測定値:C,66.70;H,4.88%。
実 施 例 12 d1−2−ヒドロキシメチル−2,13−O−イソプロ
ピリデン−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン
(107mg,0.281mmol)をテトラヒドロフラン
(3ml)に懸濁し濃塩酸1mlを加え、60℃で1時
間撹拌した。水を加えテトラヒドロフランと酢酸エチル
(2回)で抽出し、有機相を水洗い(2回)した後、減
圧濃縮してd1−2−ヒドロキシメチル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン(94mg,98%)を赤橙色
固体として得た。
ピリデン−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン
(107mg,0.281mmol)をテトラヒドロフラン
(3ml)に懸濁し濃塩酸1mlを加え、60℃で1時
間撹拌した。水を加えテトラヒドロフランと酢酸エチル
(2回)で抽出し、有機相を水洗い(2回)した後、減
圧濃縮してd1−2−ヒドロキシメチル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオン(94mg,98%)を赤橙色
固体として得た。
参 考 例 3 (R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(163.3mg,
0.359mmol)をアルゴン雰囲気下無水四塩化炭素
35mlに溶解し、氷冷下、白色光を照射しながら臭素
の四塩化炭素溶液(0.0894M/,4.0ml)を1
5分間で滴下した。1時間後臭素の四塩化炭素溶液0.5
ml、さらに30分後に0.5mlを加え、合計2時間撹
拌した。氷冷下0.3N水酸化ナトリウム水溶液(15m
l)を加え、そのまま15分、さらに室温で15分間撹
拌した。氷冷下、水及び3N塩酸を加えて中和し、即座
にクロロホルム(3回)にて抽出した。有機相を水(2
回)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃
縮した。残留物をカラムクロマトグラフイー(シリカゲ
ル,クロロホルム→クロロホルム−酢酸エチル(30:
1)にて精製し、3(R)−t−ブチルジメチルシリル
オキシメチル−1(S),3(R),5,12−テトラ
ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン
−6,11−ジオン72.5mg,収率43%)を赤橙色固
体として得た。また、原料(12.3mg,8%)を回収し
た。
2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(163.3mg,
0.359mmol)をアルゴン雰囲気下無水四塩化炭素
35mlに溶解し、氷冷下、白色光を照射しながら臭素
の四塩化炭素溶液(0.0894M/,4.0ml)を1
5分間で滴下した。1時間後臭素の四塩化炭素溶液0.5
ml、さらに30分後に0.5mlを加え、合計2時間撹
拌した。氷冷下0.3N水酸化ナトリウム水溶液(15m
l)を加え、そのまま15分、さらに室温で15分間撹
拌した。氷冷下、水及び3N塩酸を加えて中和し、即座
にクロロホルム(3回)にて抽出した。有機相を水(2
回)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃
縮した。残留物をカラムクロマトグラフイー(シリカゲ
ル,クロロホルム→クロロホルム−酢酸エチル(30:
1)にて精製し、3(R)−t−ブチルジメチルシリル
オキシメチル−1(S),3(R),5,12−テトラ
ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン
−6,11−ジオン72.5mg,収率43%)を赤橙色固
体として得た。また、原料(12.3mg,8%)を回収し
た。
mp 138〜147℃。
〔α〕▲20 D▼+135゜(c 0.055,クロロホル
ム)。
ム)。
NMR(90MHz,CDCl3):δ 0.13(6H,s,SiMe2),0.95(9H,s, ),1.92(1H,dd,J=15.0and5.4Hz,2
−Hax),2.29(1H,ddd,J=15.0,1.8
and1.7Hz,2−Heq),2.68(1H,d,J=
18.9Hz,4−Hax),3.13(1H,dd,J=1
8.9and1.7Hz,1−Heq),3.32(1H,s,
3−OH),3.62(1H,d,J=9.6Hz,13−
H),3.64(1H,d,J=9.6Hz,13−H),3.
90(1H,d,J=7.0Hz,1−OH),5.28(1
H,ddd,J=7.0,5.4and1.8Hz,1−H),
7.7〜 〜7.9(2H,m,Aromatic Hz),
8.2〜8.4(2H,m,Aromatic Hz),13.
35(1H,s,phenol H),13.61(1
H,s,phenol H)。
−Hax),2.29(1H,ddd,J=15.0,1.8
and1.7Hz,2−Heq),2.68(1H,d,J=
18.9Hz,4−Hax),3.13(1H,dd,J=1
8.9and1.7Hz,1−Heq),3.32(1H,s,
3−OH),3.62(1H,d,J=9.6Hz,13−
H),3.64(1H,d,J=9.6Hz,13−H),3.
90(1H,d,J=7.0Hz,1−OH),5.28(1
H,ddd,J=7.0,5.4and1.8Hz,1−H),
7.7〜 〜7.9(2H,m,Aromatic Hz),
8.2〜8.4(2H,m,Aromatic Hz),13.
35(1H,s,phenol H),13.61(1
H,s,phenol H)。
IR(KBr):3480,1625,1590,14
30,1415,1375,1255,1070,84
0,780cm−1。
30,1415,1375,1255,1070,84
0,780cm−1。
マススペクトル〕(m/e):470(7,M+),4
71(2,M++1)。
71(2,M++1)。
参 考 例 4 3(R)−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−1
(S),3(R),5,12−テトラヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン(66.1mg,0.140mmol)をアセトニトリル
(5ml)に溶解し、フツ化水素のアセトニトリル溶液
(0.68M/ ,1ml)を加え室温で30分間撹拌した。水を加え、
テトラヒドロフランと酢酸エチルにて抽出し(3回,計
200ml)、有機相を水(2回)で洗浄後濾過、減圧
濃縮し、3(R)−ヒドロキシメチル−1(S),3
(R),5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(52.2
mg,定量的収率)を赤橙色固体として得た。さらにベン
ゼンより再結晶することにより純品を得た。
(S),3(R),5,12−テトラヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン(66.1mg,0.140mmol)をアセトニトリル
(5ml)に溶解し、フツ化水素のアセトニトリル溶液
(0.68M/ ,1ml)を加え室温で30分間撹拌した。水を加え、
テトラヒドロフランと酢酸エチルにて抽出し(3回,計
200ml)、有機相を水(2回)で洗浄後濾過、減圧
濃縮し、3(R)−ヒドロキシメチル−1(S),3
(R),5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(52.2
mg,定量的収率)を赤橙色固体として得た。さらにベン
ゼンより再結晶することにより純品を得た。
mp 201.5〜204.5℃。
〔α〕▲20 D▼+167゜(c 0.024,ジオキサ
ン)。
ン)。
〔α〕▲20 D▼+111゜(c 0.052,テトラヒド
ロフラン)。
ロフラン)。
(文献値,mp 230℃,〔α〕D+95゜(c 0.
05,テトラヒドロフラン) C.Monneret,et al.,Tetrahe
dron,40,4669(1984);mp 212
〜214℃, 〔α〕▲20 D▼+131.3゜(c 0.1,ジオキサ
ン),特開昭59−80692)。
05,テトラヒドロフラン) C.Monneret,et al.,Tetrahe
dron,40,4669(1984);mp 212
〜214℃, 〔α〕▲20 D▼+131.3゜(c 0.1,ジオキサ
ン),特開昭59−80692)。
NMR(400MHz,d5−ピリジン);δ2.31(1
H,dd,J=14.2and4.4Hz,2−Hax),2.
72(1H,ddd,J=14.2,2.1and1.8Hz,
2−Heq),3.24(1H,d,J=18.9Hz,4−
Hax),3.68(1H,dd,J=18.9and1.8
Hz,4−Heq),4.08(1H,d,J=10.8Hz,
13−H),4.10(1H,d,J=10.8Hz,13−
H),5.69(1H,dd,J=44.4and2.1Hz,
1−H),6.49(3H,br,1−OH,3−OH,
13−OH),7.70〜7.77(2H,m,Aroma
tic Hz),8.33〜8.40)(2H,m,Arom
aticHz),13.79(1H,s,phenox
H),14.08(1H,s,phenol H)。
H,dd,J=14.2and4.4Hz,2−Hax),2.
72(1H,ddd,J=14.2,2.1and1.8Hz,
2−Heq),3.24(1H,d,J=18.9Hz,4−
Hax),3.68(1H,dd,J=18.9and1.8
Hz,4−Heq),4.08(1H,d,J=10.8Hz,
13−H),4.10(1H,d,J=10.8Hz,13−
H),5.69(1H,dd,J=44.4and2.1Hz,
1−H),6.49(3H,br,1−OH,3−OH,
13−OH),7.70〜7.77(2H,m,Aroma
tic Hz),8.33〜8.40)(2H,m,Arom
aticHz),13.79(1H,s,phenox
H),14.08(1H,s,phenol H)。
IR(KBr);3460,1625,1590,14
15,1405,1375,1265,1240,10
50,985cm−1。
15,1405,1375,1265,1240,10
50,985cm−1。
マススペクトル(m/e):356(43,M+),3
57(10,M++1)。
57(10,M++1)。
元素分析:C19H16O7・1/4H2Oとして 計算値:C,63.24;H,4.61%。
測定値:C,63.43;H,4.55%。
参 考 例 5 3(R)−ヒドロキシメチル−1(S),3(R),
5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタセン−6,11−ジオン(29.0mg,0.0
814mmol)を無水ピリジン(1.5ml)に溶解
し、フェニルイソシアナートのピリジン溶液(0.186
M/,0.44ml,0.082mmol)を滴下し室温で
3時間撹拌した。さらにフェニルイソシアナートのピリ
ジン溶液(0.186M/,0.22ml×2回,0.17
9M/,0.11ml×1回)を2時間ごとに加え、2
5℃で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮したのち残留
物を酢酸エチルに溶解し、不溶物を濾過別した。濾液を
3N塩酸(2回)、水(2回)で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル,ベンゼン−酢酸エチル
(1:1))で精製し、さらにフィルトレーションカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル,熱クロロホルム→
ベンセン→酢酸エチル(1:1)により3(R)−フェ
ニルカルバモイルオキシメチル−1(S)。
5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタセン−6,11−ジオン(29.0mg,0.0
814mmol)を無水ピリジン(1.5ml)に溶解
し、フェニルイソシアナートのピリジン溶液(0.186
M/,0.44ml,0.082mmol)を滴下し室温で
3時間撹拌した。さらにフェニルイソシアナートのピリ
ジン溶液(0.186M/,0.22ml×2回,0.17
9M/,0.11ml×1回)を2時間ごとに加え、2
5℃で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮したのち残留
物を酢酸エチルに溶解し、不溶物を濾過別した。濾液を
3N塩酸(2回)、水(2回)で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル,ベンゼン−酢酸エチル
(1:1))で精製し、さらにフィルトレーションカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル,熱クロロホルム→
ベンセン→酢酸エチル(1:1)により3(R)−フェ
ニルカルバモイルオキシメチル−1(S)。
3(R),5,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(20.
3mg,収率52%)を橙色固体として得た。エーテル−
n−ヘキサンにより再結晶して純品を得た。
4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(20.
3mg,収率52%)を橙色固体として得た。エーテル−
n−ヘキサンにより再結晶して純品を得た。
mp 222〜223℃。
〔α〕▲20 D▼+121゜(c 0.053,ジオキサ
ン)。
ン)。
(文献値,mp 225〜226℃,〔α〕▲20 D▼+
136.0゜(c 0.05,ジオキサン),特開昭59−
80692)。
136.0゜(c 0.05,ジオキサン),特開昭59−
80692)。
NMR(90MHz,CDCl3):δ 1.97(1H,
dd,J=15.0and5.4Hz,2−Hax),2.46
(1H,ddd,J=15.0,1.7and〜2Hz,2−
Heq),2.73(1H,d,J=18.9Hz,4−Ha
x),3.30(1H,dd,J=18.9and1.7Hz,
4−Heq),3.69(1H,d,J=4.6Hz,1−O
H),3.96(1H,s,3−OH),4.33(2H,
s,13−Hz),5.36(1H,ddd,J=5.4,4.
6and〜2Hz,1−H),6.88(1H,brs,N
H),7.0〜7.5(5H,m,ph),7.75〜8.0
(2H,m,Aromatic Hz),8.25〜8.5
(2H,m,Aromatic Hz),13.32(1
H,s,phenol H),13.58(1H,s,p
henol H)。
dd,J=15.0and5.4Hz,2−Hax),2.46
(1H,ddd,J=15.0,1.7and〜2Hz,2−
Heq),2.73(1H,d,J=18.9Hz,4−Ha
x),3.30(1H,dd,J=18.9and1.7Hz,
4−Heq),3.69(1H,d,J=4.6Hz,1−O
H),3.96(1H,s,3−OH),4.33(2H,
s,13−Hz),5.36(1H,ddd,J=5.4,4.
6and〜2Hz,1−H),6.88(1H,brs,N
H),7.0〜7.5(5H,m,ph),7.75〜8.0
(2H,m,Aromatic Hz),8.25〜8.5
(2H,m,Aromatic Hz),13.32(1
H,s,phenol H),13.58(1H,s,p
henol H)。
IR(KBr):3450,1735,1715(s
h),1625,2590,1440,1235c
m−1。
h),1625,2590,1440,1235c
m−1。
マススペクトル(m/e):475(7,M+),47
6(2,M++1)。
6(2,M++1)。
元素分析:C26H21O8N・1/3H2Oとして 計算値:C,64.86;H,4.54; N,2.91%。
測定値:C,64.91;H,4.43; N,2.84%。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 (式中、Rはアルキル基である。) で表わされる2−アルコキシカルボニル−2,5,12
−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タセン−6,11−ジオンを複合メタルヒドリド系還元
剤で還元することを特徴とする式 で表わされる2−ヒドロキシメチル−2,5,12−ト
リヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセ
ン−6,11−ジオンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7102286A JPH066549B2 (ja) | 1986-03-31 | 1986-03-31 | 2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7102286A JPH066549B2 (ja) | 1986-03-31 | 1986-03-31 | 2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62230745A JPS62230745A (ja) | 1987-10-09 |
JPH066549B2 true JPH066549B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=13448480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7102286A Expired - Lifetime JPH066549B2 (ja) | 1986-03-31 | 1986-03-31 | 2−ヒドロキシメチル−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH066549B2 (ja) |
-
1986
- 1986-03-31 JP JP7102286A patent/JPH066549B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62230745A (ja) | 1987-10-09 |
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