JPH07206751A - 三環性化合物の製造法 - Google Patents

三環性化合物の製造法

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JPH07206751A
JPH07206751A JP1311494A JP1311494A JPH07206751A JP H07206751 A JPH07206751 A JP H07206751A JP 1311494 A JP1311494 A JP 1311494A JP 1311494 A JP1311494 A JP 1311494A JP H07206751 A JPH07206751 A JP H07206751A
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JP
Japan
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compound
formula
lower alkyl
gomisin
alkyl group
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JP1311494A
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English (en)
Inventor
Masahide Tanaka
正英 田中
Takeshi Wakamatsu
武 若松
Masao Maruno
政雄 丸野
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Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(II) (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、R
2は低級アルキル基または隣接する2つの基で低級アル
キレン基を示す)で表される化合物からアシル基を除去
することを特徴とする式(I)(式中、R2は前記した意
味を有する)で表される三環性化合物の製造法。 【効果】 合成等により得られる式(IV) から、3、10位のみが選択的に水酸基である三環性化
合物(I)を高収率で得ることができる。特に、エイズ
治療剤としての開発が検討されているゴミシンJを、合
成や、五味子中により多く含まれているゴミシンN、γ
−シザンドリンから得られるデオキシシザンドリンを原
料として経済的に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三環性化合物の製造法に
関し、更に詳細には、ゴミシンJとして知られる化合物
のような、3および10位に選択的に水酸基を有する三
環性化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】次の式(I)
【化6】 (式中、R2は低級アルキル基または隣接する2つの基
で低級アルキレン基を示す)で表される化合物には、優
れた薬理作用を有するものがあることが知られている。
【0003】例えば、上記式中、R2がメチル基である
化合物は、ゴミシンJと命名されている化合物である
が、このものはHIVウイルスに対して活性を有し、エ
イズ治療剤としての開発が検討されている。
【0004】本出願人らは、既に三環性化合物の合成方
法についていくつかの技術を確立しているが、上記のよ
うな3、10位のみが選択的に水酸基である三環性化合
物の合成は難しく、経済的に引き合う技術を確立するま
でには至っていなかった。
【0005】このような事情から、現在、ゴミシンJは
生薬である五味子の抽出によって製造されているが、五
味子中のゴミシンJの含量は0.05%(乾燥重量に対
して)程度であり、必然的に高価格にならざるを得ず、
また資源的な制約もあるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、ゴミシンJ等
の3、10位のみが選択的に水酸基である三環性化合物
を医薬品として開発するためには、これらを経済的に化
学合成により製造する方法の開発が必須であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記化合物
の合成法に関し種々研究を行った結果、下式に示すよう
に三環性化合物の4、9位にアシル基を導入することに
よって3、10位から選択的に低級アルキル基を除去す
ることが可能となり、その後にアシル基を除去すれば目
的とする化合物が得られることを見出した。
【0008】
【化7】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を、R1
低級アルキル基を示し、R2は低級アルキル基または隣
接する2つの基で低級アルキレン基を示す)
【0009】すなわち、本発明は一般式(II)で表され
る化合物からアシル基を除去することを特徴とする一般
式(I)で表される三環性化合物の製造法である。
【0010】本発明の出発原料である化合物(II)は新
規化合物であるが、例えば、次の式に従い、公知である
化合物(IV)の4、9位をアシル化して化合物(III)
とし、次いで、化合物(III)の3、10位の低級アル
コキシ基から低級アルキル基を除去することにより得ら
れる。 なお、本明細書中において低級アルキル基と
は、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基をい
い、低級アルキレン基とは、炭素数1〜3のアルキレン
基をいう。
【0011】
【化8】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を、R1
低級アルキル基を示し、R2は低級アルキル基または隣
接する2つの基で低級アルキレン基を示す)
【0012】化合物(IV)をアシル化して、式(III)
中、Rが水素原子である化合物(IIIa)を得るには、化
合物(IV)をダフ(Duff)反応等の一般的なホルミ
ル化反応に付せば良い。例えば、ダフ反応によって化合
物(IIIa)を得るには、化合物(IV)にトリフルオロ酢
酸等の酸の存在下、ヘキサメチレンテトラミンをアシル
化剤として用いることにより達成される。また、ダフ反
応以外の典型的なホルミル化反応としては、ガッターマ
ン反応、ガッターマン−コッホ反応、ビールスマイヤー
反応等が挙げられる。
【0013】一方、式(III)中、Rが低級アルキル基
である化合物(IIIb)を得るには、フリーデルクラフツ
アシル化法により、二硫化炭素、ニトロベンゼン、クロ
ロホルム等の溶媒中、塩化チタン、塩化スズ、トリフル
オロメタンスルホン酸イッテルビウム等の触媒の存在
下、化合物(IV)にカルボン酸無水物、カルボン酸ハラ
イド等を反応させれば良い。
【0014】また、化合物(IIIb)を調製する別の方法
としては、化合物(IIIa)にエーテル、THF等の溶媒
中、グリニヤ試薬を作用させてアルコール化合物を得た
後、常法にしたがってこれを酸化する方法が挙げられ
る。
【0015】上記のようにして得られる化合物(III)
の選択的脱アルキル化は、ジクロロメタン、クロロホル
ム、トルエン等の溶媒中、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素
等のルイス酸を作用させれば良い。この反応は、ルイス
酸を化合物(III)に対して2モル以上用い、−80℃
〜50℃の温度で、1分〜2日間反応させることにより
行われる。
【0016】なお、化合物(IV)としては、五味子中か
ら得られるデオキシシザンドリン(式(IV)中、R2
メチルのもの)を用いても良いし、また、テトラヘドロ
ン(Tetrahedron, 47, 3787 (1991))等の文献に記載の
方法に従って合成しても良い。
【0017】本発明の、化合物(II)のアシル基除去
は、次の何れかの方法により実施される。 方 法 1:次式に従い、プロピレングリコール、エチレ
ングリコール、n−ブタノール等のアルコールとp−ト
ルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の酸の存在
下、トルエン、キシレン、ベンゼン等の溶媒中で化合物
(II)を加熱する。
【0018】
【化9】 (式中、RおよびR2は前記した意味を有する)
【0019】この方法は、化合物(II)に対し、酸を
0.5当量以上、アルコールを2当量以上用い、80〜
150℃の温度で、1〜24時間加熱することにより行
われる。
【0020】方 法 2 :化合物(II)において、Rが
水素原子である化合物(化合物(IIa))は、次式に従
い、化合物(IIa)の3および10位の水酸基を保護し
た後、これにロジウム錯体を作用させてホルミル基を除
去し、最後に水酸基の保護基を除去する。
【0021】
【化10】 (式中、R3は水酸基保護基を示し、R2は前記した意味
を有する)
【0022】化合物(IIa)の水酸基保護は、常法に従
い行われ、用いられる保護基の例としては、ベンジル
基、メトキシメチル基、エトキシエトキシメチル基等が
挙げられる。
【0023】また、ホルミル基の除去反応は、ロジウム
錯体の存在下、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等
の溶媒中、1〜48時間程度加熱、還流することにより
行われる。 用いられるロジウム錯体としては、トリス
トリフェニルホスフィンロジウムクロライド等が挙げら
れる。
【0024】更に、ホルミル基除去後の脱保護は、例え
ば、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒド
ロフラン(THF)等の溶媒中、パラジウム−炭素を用
いる接触還元法や、メタノール中、塩酸、硫酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の酸触媒を作用させる方法等の常法
により行われる。
【0025】斯くして得られる化合物(I)は更に必要
に応じて各種カラムクロマトグラフィー、再結晶等の手
段により精製をすることができる。
【0026】
【実施例】次に、参考例および実施例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明するが本発明はこれら実施例等になんら
制約されるものではない。
【0027】参 考 例 デオキシシザンドリンの合成:ゴミシンNとγ−シザン
ドリンの混合物 282mg(0.71mmol)をジク
ロロメタン 5mlに溶かし、1M 三塩化ホウ素のジク
ロロメタン溶液 1.0ml(1.0mmol)を加え、
室温で15分撹拌した。 溶媒を留去した後、残渣をメ
タノール 6mlに溶かし、4規定塩酸 2mlを加えて
室温で1.5時間撹拌した。
【0028】反応液を酢酸エチルに溶かし、飽和重曹
水、飽和食塩水で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。 溶媒を留去して脱メチレンジオキシ体を無色泡状
物として242mg(収率 88%)得た。 これをジメ
チルホルムアミド(DMF)5mlに溶かし、炭酸カリ
ウム 2.0g(14.5mmol)、ジメチル硫酸 1.
0ml(10mmol)を加え、60℃で4.5時間加
熱し、トリエチルアミン1mlを加えて室温で10分間
撹拌した。
【0029】酢酸エチルを加えた後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。 溶媒を留去して得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、AcOEt−ヘキ
サン=1:4)で精製し、無色固体としてデオキシシザ
ンドリン(化合物(IV)中、R1およびR2がメチル基で
ある化合物) 188mg(収率 64%)得た。このも
ののNMRは、別途得たデオキシシザンドリンと一致し
た。
【0030】実 施 例 1 4,9−ジホルミルデオキシシザンドリンの合成:デオ
キシシザンドリン 1.0g、ヘキサメチレンテトラミン
2.5gをトリフルオロ酢酸 25mlに加え、24時
間加熱還流した。 さらに水を加え、室温で3日間撹拌
した後、酢酸エチルに溶かし、飽和重曹水で、洗浄し
た。 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、AcOEt−ヘキサン=1:5)で精製し、無色固
体として4,9−ジホルミルデオキシシザンドリン(化
合物(III)中、R1およびR2がメチル基である化合
物) 1.092g(収率 96%)を得た。
【0031】融 点: 108−109℃(無色プリズム
晶;エーテル−ヘキサンより再結晶) NMR(CDCl3):0.77(3H,d,J=7Hz),
1.09(3H,d,J=7Hz),1.63−1.80(1
H,m),1.85−2.15(4H,m),2.98(1H,
d,J=12Hz),3.63(3H,s),3.72(3H,
s),3.90(3H,s),3.92(3H,s),4.04
(3H,s),4.06(3H,s),10.50(1H,
s),10.52(1H,s).
【0032】IR(KBr):2936, 1680, 1
562, 1468, 1454. LRMS: 472(M+,base) [α]D 27 +223゜(c=0.69,CHCl3
【0033】実 施 例 2 ジホルミルゴミシンJの合成(1):4,9−ジホルミ
ルデオキシシザンドリン 100mg(0.21mmo
l)をジクロロメタン 10mlに溶かし、−78℃で
1M三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液 0.5ml
(0.5mmol、2.38eq)を加えた。 10分後
飽和重曹水を加えて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。 溶媒を留去して得られた残渣を
プレパラティブ薄層クロマトグラフ(AcOEt−ヘキ
サン=1:4)で精製し、無色油状物としてジホルミル
ゴミシンJ(化合物(II)中、R2がメチル基である化
合物) 93mg(収率 99%)を得た。
【0034】NMR(CDCl3):0.69(3H,d,
J=7Hz),1.05(3H,d,J=7Hz),1.76−
1.94(1H,m),2.00−2.20(1H,m),2.
16(1H,dd,J=9,15Hz),2.45(1H,d,
J=15Hz),2.62(1H,d,J=15Hz),3.3
8(1H,dd,J=9,15Hz),3.83(3H,s),
3.81(3H,s),3.90(3H,s),3.93(3
H,s),10.19(1H,s),10.34(1H,s),
12.72(1H,s),12.85(1H,s).
【0035】IR(CHCl3):3600, 2960,
1630, 1572, 1480, 1448, 1410
LRMS: 444(M+,base) [α]D 24: +234゜(c=0.255,CHCl3
【0036】実 施 例 3 ジホルミルゴミシンJの合成(2):4,9−ジホルミ
ルデオキシシザンドリン 209mg(0.443mmo
l)のジクロロメタン 20mlに1M三塩化ホウ素の
ジクロロメタン溶液 1.1ml(1.1mmol)を加
え、室温で18時間撹拌した。 反応液を重曹水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去する
と無色泡状物としてジホルミルゴミシンJ 204mg
(定量的)を得た。
【0037】実 施 例 4 ゴミシンJの合成(1):ジホルミルゴミシンJ 47
9mg(1.08mmol)のトルエン 20ml溶液
に、プロピレングリコール 0.85ml(11.7mm
ol)とp−トルエンスルホン酸 200mg(1.05
mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。 放冷後反
応液を酢酸エチルに溶かし、飽和重曹水で洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去後、得られ
た残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、Ac
OEt−ヘキサン=1:2)で精製し、無色固体として
ゴミシンJ 399mg(収率 95%)を得た。
【0038】融 点: 125−126.0℃(無色針状
晶;メタノール-水より再結晶) NMR(CDCl3):0.73(3H,d,J=7Hz),
0.97(3H,d,J=7Hz),1.68−1.95(2
H,m),2.05(1H,d,J=15Hz),2.24(1
H,dd,J=9,14Hz),2.45(1H,dd,J=1
5,2Hz),2.54(1H,dd,J=8,14Hz),
3.52(6H,s),3.92(3H,s),3.93(3
H,s),5.70(1H,s),5.73(1H,s),6.
63(2H,s).
【0039】IR(KBr):3412, 2932, 2
872, 1584, 1484, 1416. LRMS: 444(M+,base) [α]D 27: −96.33゜(c=0.545,CHC
3
【0040】実 施 例 5 ゴミシンJの合成(2):ジホルミルゴミシンJ 35
mg(0.079mmol)のトルエン5ml溶液にエ
チレングリコール 0.2ml(3.6mmol)とp−
トルエンスルホン酸22mg(0.12mmol)を加
え、6時間加熱還流した。 放冷後、反応液を酢酸エチ
ルに溶かし、飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、AcOEt−ヘキサン
=1:2)で精製し、無色固体としてゴミシンJ 16
mg(収率 87%)を得た。
【0041】実 施 例 6 ゴミシンJの合成(3): (1)4,9−ジホルミルゴミシンJ 120mg(0.
27mmol)のDMF5ml溶液に炭酸カリウム 3
00mg(2.17mmol)、塩化ベンジル 0.18
ml(1.56mmol)を加え、70℃で1.5時間攪
拌した。 反応液を酢酸エチルに溶かし、2N塩酸、
水、重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。 溶媒を留去して得られた残渣をプレパラティブ薄
層クロマトグラフ(AcOEt−ヘキサン=1:5)で
精製し、無色油状物としてジベンジル−4,9−ジホル
ミルゴミシンJ 142mg(収率84%)を得た。
【0042】NMR(CDCl3):0.48(3H,d,
J=7Hz),1.05(3H,d,J=7Hz),1.52−
1.75(2H,m),1.90−2.18(3H,m),2.
97(1H,d,J=12Hz),3.62(6H,s),3.
71(3H,s),3.94(3H,s),5.24(2H,
s),5.29(1H,d,J=11Hz),7.22−7.
53(10H,m),10.42(1H,s),10.4(1
H,s).
【0043】IR(CHCl3):3004, 2940,
2880, 1680, 1560, 1466,1404. LRMS: 624(M+), 91(base) [α]D 27: +166.6゜(c=0.470,CHC
3
【0044】(2)ジベンジル−4,9−ジホルミルゴ
ミシンJ 142mg(0.23mmol)をトルエン1
0mlに溶かし、更にウイルキンソン錯体 520mg
(0.56mmol;2.5eq)を加え、36時間加
熱、還流した。 不溶物を濾過して除いた後、濾液を濃
縮し、残渣をプレパラティブ薄層クロマトグラフ(Ac
OEt−ヘキサン=1:4)で精製したところ、無色油
状物としてジベンジルゴミシンJ 112mg(収率8
7%)を得た。
【0045】NMR(CDCl3):0.56(3H,d,
J=7Hz),0.75(3H,d,J=7Hz),1.60−
1.90(2H,m),2.01(1H,d,J=14H
z),2.24(1H,dd,J=9,14Hz),2.44
(1H,dd,J=3,14Hz),2.53(1H,dd,J
=7,14Hz),3.606(3H,s),3.611(3
H,s),3.89(3H,s),3.91(3H,s),5.
13(2H,s),5.13(1H,s,J=12Hz),
5.19(1H,d,J=12Hz),6.57(1H,
s),6.61(1H,s)7.25−7.52(10H,
m).
【0046】IR(KBr):2960, 2932, 1
596, 1486, 1456, 1404. LRMS: 568(M+), 91(base) [α]D 24: −70.94゜(c=0.265,CHC
3
【0047】(3)ジベンジルゴミシンJ 45mgの
酢酸エチル 5ml溶液に10%Pd−C 10mgを加
え、1気圧の水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。 不
溶物を濾過して除き、濾液を濃縮すると、無色油状物と
してゴミシンJ 33mg(定量的)が得られた。
【0048】実 施 例 7 ゴミシンJの合成(4) (1)ジホルミルデオキシシザンドリン 300mg
(0.636mmol)のTHF 10ml溶液に、0.
82mol/lのメチルマグネシウムブロマイド 5m
l(4mmol)を加え、0℃で10分攪拌した。 1
0%クエン酸を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽
和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去して得られた残渣をジクロロメタン 1ml
に溶かし、これをピリジニウムクロロクロメート(PC
C) 1.5gのジクロロメタン 6ml溶液に加えた。
室温で16時間攪拌後、反応液を酢酸エチルに溶かし、
2規定塩酸水、水、重曹水で洗い、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。 溶媒を留去して得られた残渣をプレパ
ラティブ薄層クロマトグラフ(AcOEt−ヘキサン=
1:4)で精製し、無色油状物としてジアセチルデオキ
シシザンドリン 255mg(収率80%)を得た。
【0049】NMR(CDCl3):0.71(3H,d,
J=7Hz),0.86(3H,d,J=7Hz),1.60−
1.90(2H,m),2.00−2.46(6H,m),2.
51(3H,s),2.52(3H,s),3.57(3H,
s),3.58(3H,s),3.91(3H,s),3.92
(3H,s).
【0050】(2)ジアセチルデオキシシザンドリン
110mg(0.2mmol)のジクロロメタン 2ml
溶液に、1.0M 三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液
0.6ml(三塩化ホウ素として0.6mmol)を加
え、室温で20時間攪拌した。 反応液を重曹水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去す
ると、無色泡状物としてジアセチルゴミシンJ 76m
g(収率73%)を得た。
【0051】NMR(CDCl3):0.66(3H,d,
J=7Hz),0.90(3H,d,J=7Hz),1.70−
1.90(2H,m),2.02−2.55(5H,m),2.
64(6H,s),2.97(1H,dd,J=9,16H
z),3.60(6H,s),3.90(3H,s),3.96
(3H,s),7.08(1H,s),7.33(1H,s).
【0052】(3)ジアセチルゴミシンJ 76mg
(0.16mmol)のトルエン 5ml溶液に、プロピ
レングリコール 0.1ml(1.38mmol)および
p−トルエンスルホン酸 90mgを加え、27時間加
熱、還流した。 放冷後、反応液を酢酸エチルに溶か
し、飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を留去して得られた残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲルBW300,AcOEt−ヘキサ
ン=1:2)で精製し、無色固体としてゴミシンJ35
mg(収率56%)を得た。
【0053】
【発明の効果】本発明方法によれば、合成等により得ら
れる化合物(IV)から、3、10位のみが選択的に水酸
基である三環性化合物(I)を高収率で得ることができ
る。特に、エイズ治療剤としての開発が検討されている
ゴミシンJを、合成や、五味子中により多く含まれてい
るゴミシンN、γ−シザンドリンから導かれるデオキシ
シザンドリンを原料として経済的に得ることができるの
で、極めて意義の高いものである。 以 上

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(II) 【化1】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、R
    2は低級アルキル基または隣接する2つの基で低級アル
    キレン基を示す)で表される化合物からアシル基を除去
    することを特徴とする次の式(I) 【化2】 (式中、R2は前記した意味を有する)で表される三環
    性化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(II)で表される化合物が、次の
    式(IV) 【化3】 (式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は低級アルキ
    ル基または隣接する2つの基で低級アルキレン基を示
    す)で表される化合物をアシル化して得られる次の式
    (III) 【化4】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、R
    1およびR2は前記した意味を有する)で表される化合物
    を選択的脱アルキル化に付すことにより得られたもので
    ある請求項第1項に記載の三環性化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 次の式(II') 【化5】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、
    R'は水素原子、低級アルキル基または水酸基保護基を
    示し、R2は低級アルキル基または隣接する2つの基で
    低級アルキレン基を示す)で表される化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100430053C (zh) * 2004-10-22 2008-11-05 中国科学院昆明植物研究所 治疗艾滋病的药物及其应用

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