JPH0664472B2 - 楽音信号合成方法 - Google Patents

楽音信号合成方法

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JPH0664472B2
JPH0664472B2 JP62068612A JP6861287A JPH0664472B2 JP H0664472 B2 JPH0664472 B2 JP H0664472B2 JP 62068612 A JP62068612 A JP 62068612A JP 6861287 A JP6861287 A JP 6861287A JP H0664472 B2 JPH0664472 B2 JP H0664472B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子楽器、オートリズム装置等に好適な楽音信
号合成方法に係り、特に各サンプル値がランダムに変化
するディジタル楽音信号を合成する楽音信号合成方法に
関する。
〔従来技術〕
従来から、電子楽器、オートリズム装置等にて合成され
るとともに各サンプル値がランダムに変化する楽音信号
としては、例えばノイズ信号を楽音信号とするシンバル
音信号、減水共振する楽音信号にノイズ信号を付加した
スネアドラム音信号、指定された音高を有する楽音信号
の立上がり部にノイズ信号を付加した管楽器音信号、リ
ード楽器音信号等が知られている。そして、これらのノ
イズ信号をディジタル的に合成する方法として、例えば
実開昭54−1359号公報に示されるように、パルス発振器
からのパルス信号をマキシマムレングスカウンタでカウ
ントさせ、かつ同カウンタの所定の複数段からの各2値
信号を複数ビットのディジタルデータとして出力するよ
うにしたものが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、上記従来のノイズ信号の合成方法にあって
は、マキシマムレングスカウンタがランダムに変化する
ノイズ的なカンウントデータを出力するものの、このカ
ウントデータはマキシマムレングスカウンタの段数に応
じた長い周期を有するので、同カウンタから出力される
前記カウントデータは純粋なノイズ信号すなわちランダ
ム性の極めて高いディジタル信号になることはない。こ
れにより、上記のようなシンバル音信号、スネアドラム
音信号、管楽器音信号、リード楽器音信号等の楽音信号
は今一歩ランダム性に欠け、同楽音信号の合成が良好で
はないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み案出されたもので、その目的
とするところはランダム性の高いディジタル信号を合成
するようにして、各サンプル値がランダムに変化する良
好なディジタル楽音信号を合成す楽音信号合成方法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題を解決して本発明の目的を達成するために、第
1の発明の構成上の特徴は、振幅エンベロープが時間的
に変化する波形信号の各サンプル値を各々表す複数ビッ
トからなるディジタルデータを、下位側ビットのデータ
が上位側ビットのデータとなるように変換して出力する
ようにしたことにある。
まあ、第2の発明の構成上の特徴は、振幅エンベロープ
が時間的に変化する波形信号の各サンプル値を各々表す
複数ビットからなるディジタルデータと、該ディジタル
データを下位側ビットのデータが上位側ビットのデータ
となるように変換したディジタルデータとを加算して出
力するようにしたことにある。
〔発明の作用〕
上記のように構成した第1の発明においては、変換前の
ディジタルデータは振幅エンベロープが時間的に変化す
る信号波形のサンプル値を表すもので、同データの下位
側ビットのデータ値は信号波形のサンプル値の変化によ
りサンプリングタイム毎に目まぐるしく変化し、かつ前
記下位側ビットのデータ値の周期性は前記振幅エンベロ
ープの変化により失せるので、前記下位側ビットのデー
タを上位側ビットのデータに変換した変換後のディジタ
ルデータは極めてランダム性の高いものとなる。これに
より、上記第1の発明によれば、極めてランダム性の高
いディジタル楽音信号が合成される。
また、上記のように構成した第2の発明においては、上
記第1の発明により変換されたディジタルデータと、該
変換される前のディジタルデータとを加算したディジタ
ルデータが出力されるので、出力されたディジタルデー
タは振幅エンベロープが時間的に変化する信号波形を表
すディジタルデータに極めてランダム性の高いディジタ
ルデータを付加したものとなる。これにより、第2の発
明によれば、振幅エンベロープの変化する信号に極めて
ラダム性の高いノイズ信号が付加されたディジタル楽音
信号が新たに合成される。
〔発明の効果〕
上記作用説明からも理解できる通り、上記第1の発明に
よれば極めてランダム性の高いディジタル楽音信号が合
成され、また上記第2の発明によれば極めてランダム性
の高いノイズ信号を付加した新たなディジタル楽音信号
が合成されるので、例えばシンバル音信号、スネアドラ
ム音信号、管楽器音信号、リード楽器音信号等の合成が
良好となる。
また、上記第1及び第2の発明をディジタル的に種々の
楽音信号を合成する電子楽器、オートリズム装置等に適
用した場合、該電子楽器、オートリズム装置等には、前
記種々の楽音信号の合成のために、振幅エンベロープが
時間的に変化する波形信号の各サンプル値を各々表すデ
ィジタルデータを順次発生するディジタル波形信号発生
手段が予め用意されているので、該波形信号発生手段か
らのディジタルデータを利用することにより、上記第1
及び第3の発明を安価に実現できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の実施例を
具体的に説明する前に本発明の基本的原理について説明
しておく。
a、基本的原理 本発明の基本的原理を図面を用いて説明すると、第1図
は本発明に係る楽音信号合成方法を用いた楽音発生装置
をブロック図にて示している。この楽音発生装置はディ
ジタル楽音信号発生回路11を有する。ディジタル楽音信
号発生回路11は、第2図に示すように、急速に立上がり
かつ徐々に減衰する振幅エンベロープの付与された楽音
波形信号の各サンプル値を表すm(mは5〜20程度の整
数)ビットのディジタルデータXt(=Xt,,Xt,1,……X
t,m ,Xt,m )を順次出力する。但し、サフィック
スtはサンプリングタイムを表す。
ディジタル楽音信号発生回路11には変換器12が接続され
ており、同変換器12はディジタル楽音信号発生回路11か
らのディジタルデータXt(=Xt,,Xt,,……Xt,m
,Xt,m )をディジタルデータYt(=yt,,yt,
…Yt,m ,Yt,m )に変換して出力するもので、そ
の変換特性は行列Aにより表される。この関係Yt=A・
Xtを下記式にて示す。
この場合、行列Aの各パラメータai,j(i=0〜m−1,
j=0〜m−1)は“0"又は“1"の値をとるとともに、
行列Aの右上から左下方向への対象線に略沿って“1"と
なりかつ他の値は“0"となるように設定する。例えば、
パラメータa,m ,a,m …am ,a
m を全て“1"に設定し、かつ残りの全てのパラ
メータを“0"に設定する。すなわち、行列Aは、 のように表される。これにより、変換器12にて変換され
たディジタルデータYt(Yt,,Yt,…Yt,m ,Yt,m
)を変換前のディジタルデータXt(=Xt,,Xt,…X
t,m ,Xt,m )を用いて表すと、 となる。すなわち、ディジタルデータXtの下位側ビット
のデータXt,m ,Xt,m がディジタルデータYtの上
位側ビットのデータYt,,Yt,に変換され、かつディ
ジタルデータXtの上位側ビットのデータXt,,Xt,
ディジタルデータYtの下位側ビットのデーサYt,m ,Y
t,m に変換されて出力される。
変換器12出力にはD/A変換器13が接続されており、同
変換器13は変換器12からのディジタルデータYtをアナロ
グ信号に変換して出力する。D/A変換器13の出力には
アンプ14を介してスピーカ15が接続されており、同スピ
ーカ15は前記アナログ信号に対応した楽音、すなわち各
サンプル値がディジタルデータYtにより、表された楽音
を発音する。
上述のように、この楽音発生装置によれば、ディジタル
楽音信号発生回路11が第2図に示すような楽音波形信号
の各サンプル値を表すディジタルデータYtを順次出力す
ると、同データXtは変換器12にてディジタルデータYtに
変換されて、同データYtに対応した楽音がスピーカ15か
ら発音される。この場合、ディジタルデータXtは楽音波
形信号の各サンプル値を表すので、同信号の一周期内に
おいて、ディジタルデータXtの下位側ビットのデータX
t,m ,Xt,m は目まぐるしく変化する。また、この
楽音波形信号の振幅が変化するので、各サンプル値が同
信号の一周期毎に同じように変化することはなく、前記
下位側ビットのデータXt,m ,Xt,m はその周期性
を失い極めてランダムに変化する信号となる。そして、
変換器12の前後変換においては、この下位側ビットのデ
ータXt,m ,Xt,m が上位側ビットのデータYt,,Y
t,となるようにディジタルデータXtがディジタルデー
タYtに変換されるので、同データYtにより表されたサン
プル値は極めてランダムに変化するものとなる。これに
より、極めてランダム性の高い楽音が合成出力される。
なお、上述した例においては、変換器12における変換特
性を決定する行列Aの右上から左下方向へ1列に“1"を
設定するようにしたが、下記に示すように2列に“1"を
設定するようにしてもよい。
これにより、ディジタルデータYtは、 となる。
また、行列Aの右上隅及び左下隅のパラメータa,m
,am を必ず“1"にしなくても、下記に示すよ
うな行列にしてもよい。
これにより、ディジタルデータYtは、 となる。
上記のように行列Aを変形しても、行列Aの右上から左
下方向への対角線に略沿って“1"が配列されれば、ディ
ジタルデータXtの下位側ビットのデータXt,m ,Xt,m
がディジタルデータYtの上位側ビットのデータYt,
に変換されることになるので、ディジタルデータYtに
より表されるディジタル楽音信号は極めてランダム性の
高いものとなる。
b、第1実施例 次に、本発明をオートリズム装置に適用した場合におけ
る実施例について図面を用いて説明すると、第3図はオ
ートリズム装置の全体をブロック図にて示している。
このオートリズム装置はリズムパターン発生器21を有す
る。リズムパターン発生器21はテンポ発振器、テンポカ
ウンタ、リズムパターンメモリ等により構成されてお
り、ドラム音信号、シンバル音信号、スネアドラム音信
号…等の発生開始を指示するリズムパルス信号RP,RP
,RP…を各々出力する。
また、オートリズム装置は、前記リズムパルス信号R
P,RP,RP…に同期してドラム音信号,シンバル音
信号、スネアドラム音信号,…等の打楽器音信号を各々
合成出力する種々の打楽器音信号発生器を有するが、本
件実施例においては、ドラム音信号発生器22、シンバル
音信号発生器23、スネアドラム音信号発生器24のみにつ
いて説明する。ドラム音信号発生器22はFM演算方式、波
形メモリ読出し方式等によりドラム音信号をディジタル
的に合成出力するもので、オア回路ORを介して供給さ
れるリズムパルス信号RPに同期して前記ドラム音信号
の出力を開始する。なお、ドラム音信号は、急速に立上
がりかつ徐々に減衰する振幅エンベロープを振動波形に
付与したもので、ドラム音の各サンプル値を各々表す一
連のディジタルデータからなる。ドラム音信号発生器22
の出力にはゲート回路25が接続されており、同回路25は
パルス延長回路26からのパルス信号が供給されるときの
み前記ドラム音信号を出力する、パルス延長回路26はリ
ズムパルス信号RPのパルス幅を延長するもので、同パ
ルス信号RPの到来からドラム音の発音時間に対応した
時間幅のパルス信号をゲート回路25に出力する。
シンバル音信号発生器23はドラム音信号発生器22から供
給される一連のディジタルデータからなるドラム音信号
を入力して各サンプル値がランダムに変化するシンバル
音信号を出力するもので、変換器23a、エンベロープ波
形信号発生器23b及び乗算器23cにより構成されている。
変換器23aは、第4図に示すように、入力されたディジ
タルデータの各ビット位置と出力されるディジタルデー
タの各ビット位置の接続を中央ビットを中心に上下対称
に変更するようにして構成されており、ドラム音信号発
生器22からの一連のディジタルデータ(ドラム音信号)
の下位側ビットが上位側ビットになりかつ同データの上
位側ビットが下位側ビットになるように変換して出力す
る。そして、このドラム音信号の入力確保のために、ド
ラム音信号発生器22にはリズムパルス信号RPがオア回
路ORを介して入力されるようになっている。これによ
り、上記基本的原理で説明したように、変換器23aから
は各サンプル値がランダムに変化するディジタルデータ
が順次出力される。
エンベロープ波形信号発生器23bはシンバル音のエンベ
ロープを表す急速に立上がりかつ徐々に減衰するディジ
タルエンベロープ波形信号を形成出力するもので、オア
回路ORを介して供給されるリズムパルス信号RPに同
期して該エンベロープ波形信号の出力を開始する。乗算
器23cは変換器23aからのディジタルデータとエンベロー
プ波形信号発生器23bからのデイジタルエンベロープ波
形信号とを乗算してゲート回路27に出力する。これによ
り、ゲート回路27には各サンプル値がランダムに変化す
るディジタルデータにシンバル音のエンベロープ波形信
号が付与された信号、すなわちシンバル音信号が供給さ
れることになる。ゲート回路27及びパルス延長回路28は
上記ゲート回路25及びパルス延長回路26と同様に構成さ
れている。ただし、この場合、パルス延長回路28におい
ては、リズムパルス信号RPのパルス幅がシンバル音の
発音時間に対応して延長される。
スネアドラム音信号はドラム音信号発生器22から供給さ
れるドラム音信号とシンバル音信号発生器23から供給さ
れるシンバル音信号とに基づいて、ドラム音信号にラン
ダムに変化するシンバル音信号を付加することによりス
ネアドラム音信号を合成出力するもので、乗算器24a及
び加算器24bにより構成されている。乗算器24aはシンバ
ル音信号に所定の係数Kを乗じて加算器24bに出力す
る。加算器24bはドラム音信号と前記係数Kを乗じた
シンバル音信号を加算してゲート回路31に出力する。そ
して、このドラム音信号及びシンバル音信号の確保のた
めに、リズムパルス信号RPはオア回路OR,ORを各
々介してドラム音信号発生器22及びエンベロープ信号発
生器23bに供給されるようになっている。これにより、
リズムパルスRPの発生時には、ドラム音信号に所定レ
ベルのランダム信号を付加した信号、すなわちスネアド
ラム信号がゲート回路31に供給される。なお、ゲート回
路31及びパルス延長回路32は上記ゲート回路25及びパル
ス延長回路26と同様に構成されている。ただし、この場
合、パルス延長回路32においては、リズムパルス信号RP
のパルス幅がスネアドラム音の発音時間に対応して延
長される。
ゲート回路25,27,31の各出力は加算器33の入力に接続さ
れており、加算器33はゲート回路25,27,31から供給され
るディジタル形式のドラム音信号、シンバル音信号、ス
ネアドラム音信号等を加算して出力する。加算器33の出
力はD/A変換器34の入力に接続されており、D/A変
換器34は加算器33からのディジタルデータをアナログ信
号に変換してアンプ35を介してスピーカ36に出力する。
スピーカ36は供給されたアナログ信号に対応した楽音を
発音する。
上記のように構成した第1実施例の動作を説明する。リ
ズムパターン発生器21からリズムパルス信号RPが出力
されると、このリズムパルス信号RPはオア回路OR
介してドラム音信号発生器22に供給されるとともに、パ
ルス延長回路26に供給される。このリズムパルス信号RP
の供給により、ドラム音信号発生器22はディジタル的
にドラム音信号を合成してゲート回路25に出力する。こ
のとき、パルス延長回路26は前記供給されたリズムパル
ス信号RPのパルス幅をドラム音の発生のために必要な
時間分延長して、該延長したパルス信号をゲート回路25
に出力することにより同回路25を導通状態に制御してい
るので、前記ドラム音信号は加算器33を介してD/A変
換器34に供給される。D/A変換器34はこのドラム音信
号をアナログ信号に変換してアンプ35を介してスピーカ
36に供給するので、スピーカ36からはドラム音が発音さ
れる。また、リズムパターン発生器21からリズムパルス
信号RPが出力されると、このリズムパルス信号RP
オア回路OR,ORを介してドラム音信号発生器22及び
エンベロープ波形信号発生器23bに各々供給されるとと
もに、パルス延長回路28にも供給される。これにより、
ドラム音信号発生器22はドラム音信号を変換器23aに出
力し、変換器23aが該ドラム音信号をランダムに変化す
るディジタルノイズ信号に変換して乗算器23cに出力す
る。また、エンベロープ波形信号発生器23bはディジタ
ルエンベロープ波形信号を乗算器23cに出力し、乗算器2
3cにてディジタルノイズ信号にディジタルエンベロープ
波形信号が乗算されてシンバル音信号が合成される。こ
のとき、ゲート回路27は、上記ドラム音信号の場合と同
様に、パルス延長回路28からのパルス信号によりシンバ
音の発音に必要な時間導通状態に設定されているので、
前記合成されたシンバル音信号は加算器33を介してD/
A変換器34に供給される。これにより、上記ドラム音の
場合と同様に、スピーカ36からシンバル音が発音され
る。
また、リズムパターン発生器21からリズムパルス信号RP
が出力されると、このリズムパルス信号RPは、上記
シンバル音の場合と同様にしてドラム音信号発生器22及
びエンベロープ波形信号発生器23bに供給されるととも
に、パルス延長回路32にも供給される。これにより、シ
ンバル音信号発生器23は上記場合と同様にしてシンバル
音信号を合成して乗算器24aに出力し、乗算器24aが該シ
ンバル音信号に所定の係数Kを乗算して加算器24bに
出力する。加算器24bにおいては、ドラム音信号発生器2
2からのドラム音信号にノイズ信号である前記係数K
を乗じたシンバル信号が加算されて、スネアドラム信号
が合成される。このとき、ゲート回路31は、上記各場合
と同様に、パルス延長回路32からのパルス信号によりス
ネアドラム音の発音に必要な時間導通状態に設定されて
いるので、前記合成されたスネアドラム音信号は加算器
33を介してD/A変換器34に供給される。これにより、
上記ドラム音及びシンバル音の場合と同様に、スピーカ
36からスネアドラム音が発音される。
上記説明からも明らかなように、この第1実施例によれ
ば。上記基本的原理の説明と同様、変換器23aにより極
めてランダム性の高いディジタルノイズ信号が形成さ
れ、該信号に基づきシンバル音信号及びスネアドラム音
信号が合成されるので、シンバル音信号及びスネアドラ
ム音信号の合成が良好となる。また、上記第1実施例に
よれば、ドラム音信号を利用してシンバル音信号及びス
ネアドラム音信号を合成するようにしたので、回路構成
が簡素化されてオートリズム装置のコストを低減でき
る。
なお、上記第1実施例の変換器23aは入力したディジタ
ルデータの全ビットを変換するとともに出力すようにし
たが、ノイズ信号のビット数が少なくてもよい場合に
は、前記変換器23aを第5図に示すように構成してもよ
い。すなわち、入力したディジタルデータの下位側の複
数ビットのみを利用し、該複数ビットのうちの下位側ビ
ットが上位側ビットとなるように変更してもよい。
また、変換器23aを、第6図に示すように、単に接続を
換えるだけではなくエクスクルーシブオア回路EXOR等の
論理素子を用いて構成するようにしてもよい。すなわ
ち、入力したディジタルデータの下位側ビットを上位側
ビットとし、かつ同データの上位側ビットを下位側ビッ
トとするとともに、隣接する2ビットずつをエクスクル
ーシブオア回路EXORを介して出力すようにしてもよい。
これにより、出力されるディジタルデータはより複雑に
変化するようになる。なお、この第6図の変換器23aは
上記基本的原理で説明した行列Aの右上から左下方向へ
2列に“1"を設定するようにしたものに対応する。
c、第2実施例 次に、本発明を電子楽器に適用した場合における実施例
について図面を用いて説明すると、第7図は電子楽器の
全体をブロック図にて示している。
この電子楽器はキースイッチ回路41を有する。キースイ
ッチ回路41は鍵盤の複数の鍵に各々対応し、かつ各鍵盤
の押離鍵に応じて開閉成する複数のキースイッチにより
構成されている、このキースイッチ回路41には押鍵検出
回路42が接続されており、同検出回路42はキースイッチ
回路42内の各キースイッチの開閉成を検出することによ
り鍵盤における押離鍵を検出して、鍵盤にて押鍵された
鍵を表すキーコードKC及び該鍵が押鍵中であることを表
すキーオン信号KONを出力する。
押鍵検出回路42にはディジタル楽音信号発生回路43が接
続されている。該楽音信号発生回路43は、キーコードKC
により指定される音高調波数を有するとともに、キーオ
ン信号KONの立上がりに同期して所定の時定数で立上が
りかつキーオン信号KONの立下がりに同期して所定の時
定数で減衰するエンベロープ波形信号の付与された楽音
信号TSを合成出力する(第8図参照)。この場合、同発
生回路43はFM演算方式、波形メモリ読出し方式等により
楽音信号TSをディジタル的に合成するもので、同信号TS
は楽音波形の各サンプル値をディジタル的に表すもので
ある。このディジタル楽音信号発生回路43からの楽音信
号は加算器44の一方の入力に供給されるとともに、変換
器45の入力に供給されるようになっている。
変換器45は上記第1実施例と同様に構成され、楽音信号
TSをランダムに変化するノイズ信号に変換して出力す
る。変換器45の出力は乗算器46に接続されている。乗算
器46は変換器45からの出力信号にノイズ用エンベロープ
波形信号発生器47からのディジタル形成のエンベロープ
波形信号ENVを乗じて、加算器44の他方の入力に供給す
る。ノイズ用エベロープ波形信号発生器47は、押鍵検出
回路42からのキーオン信号KONに基づき、押鍵時に所定
の時定数で立上がりかつ押鍵直後に所定の時定数で減衰
するエンベロープ波形信号ENV(第8図参照)を出力す
る。加算器44はディジタル楽音信号発生回路43からの楽
音信号TSと、ノイズ用エンベロープ波形信号発生器47か
らのエンベロープ波形信号ENVの付与されたランダムに
変化するノイズ信号とを加算して出力する。
加算器44の出力はD/A変換器48に接続されており、同
変換器48は加算器44からのディジタル信号をアナログ信
号に変換して、アンプ51を介してスピーカ52に供給す
る。スピーカ52は供給されたアナログ信号に対応した楽
音を発音する。
上記のように構成した実施例の動作を説明する。鍵盤に
ていずれかの鍵が押鍵されると、押鍵検出回路42がキー
スイッチ回路41の協働により該押鍵を検出して、押鍵さ
れた鍵を表すキーコードKC及びキーオン信号KONを出力
する。そして、鍵盤にて前記押鍵された鍵が離鍵される
と、押鍵検出回路42は、前記と同様キースイッチ回路41
との協働により、該離鍵を検出してキーオン信号KONの
出力を停止する。
このようにして、キーコードKC及びキーオン信号KONが
出力された結果、ディジタル楽音信号発生回路43は第8
図に示すような波形の楽音信号TSをディジタル的に合成
して加算器44の一方の入力に供給する。一方、加算器44
の他方の入力には、変換器45、乗算器46及びノイズ用エ
ンベロープ波形信号発生器47の作用により、楽音信号TS
の立上がり部にて第8図に示ようなエンベロープ波形信
号ENVの付与されたランダムに変化するディジタル形式
のノイズ信号が供給されるので、加算器44は楽音信号TS
に前記ノイズ信号を付加したディジタル楽音信号をD/
A変換器48に供給する。そして、D/A変換器48は前記
ディジタル楽音信号をアナログ信号に変換してアンプ51
を介してスピーカ52に供給するので、スピーカ52からは
前記ディジタル楽音信号に対応した楽音が発音される。
上記説明からも理解できる通り、この第2実施例によれ
ば、変換器45に入力される楽音信号TSはその立上がり部
において振幅エンベロープが変化するので、上記基本的
原理の説明と同様、変換器45により極めてランダム性の
高いディジタルノイズ信号が形成される。そして、この
ディジタルノイズ信号がディジタル楽音信号発生回路43
からの楽音信号の立上がり部に付加されてディジタル楽
音信号が合成されるので、空気の流れるような特性を有
する管楽器音信号及びリード楽器音信号の合成が良好と
なる。また、上記第2実施例によれば、ディジタルノイ
ズ信号発生のための特別な回路を設けず、ディジタル楽
音信号発生回路43からの楽音信号を単に変換器45にて変
換することによってディジタルノイズ信号を合成するよ
うにしたので、上記のような楽音信号の合成のための回
路が簡素化されて電子楽器のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る楽音信号合成方法を用いた楽音発
生装置の基本ブロック図、第2図は第1図のディジタル
楽音信号発生回路から発生される楽音信号の波形図、第
3図は本発明の第1実施例に係るオートリズム装置の全
体ブロック図、第4図は第3図の変換器の一例を示す詳
細図、第5図及び第6図は第4図の変換器の変形例を示
す詳細図、第7図は本発明の第2実施例に係る電子楽器
の全体ブロック図、並びに第8図は第7図の電子楽器の
各部にて形成される信号波形図である。 符号の説明 11,43……ディジタル楽音信号発生回路、 12,23a,45……変換器 22……ドラム音信号発生器、 23……シンバル音信号発生器、 24……スネアドラム音信号発生器、 23b……エンベロープ波形信号発生器、 23c,24a,46……乗算器、 24b,44……加算器、 47……ノイズ用エンベロープ波形信号発生器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各サンプル値がランダムに変化するディジ
    タル楽音信号を合成する楽音信号合成方法において、振
    幅エンベロープが時間的に変化する波形信号の各サンプ
    ル値を各々表す複数ビットからなるディジタルデータ
    を、下位側ビットのデータが上位側ビットのデータとな
    るように変換して出力するようにしたことを特徴とする
    楽音信号合成方法。
  2. 【請求項2】各サンプル値がランダムに変化するディジ
    タル楽音信号を合成する楽音信号合成方法において、振
    幅エンベロープが時間的に変化する波形信号の各サンプ
    ル値を各々表す複数ビットからなるディジタルデータ
    と、該ディジタルデータを下位側ビットのデータが上位
    側ビットのデータとなるように変換したディジタルデー
    タとを加算して出力するようにしたことを特徴とする楽
    音信号合成方法。
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