JPH0519768A - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JPH0519768A
JPH0519768A JP3201427A JP20142791A JPH0519768A JP H0519768 A JPH0519768 A JP H0519768A JP 3201427 A JP3201427 A JP 3201427A JP 20142791 A JP20142791 A JP 20142791A JP H0519768 A JPH0519768 A JP H0519768A
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大輔 森
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雅浩 中西
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
Takahiro Sugaya
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2210/00Aspects or methods of musical processing having intrinsic musical character, i.e. involving musical theory or musical parameters or relying on musical knowledge, as applied in electrophonic musical tools or instruments
    • G10H2210/155Musical effects
    • G10H2210/265Acoustic effect simulation, i.e. volume, spatial, resonance or reverberation effects added to a musical sound, usually by appropriate filtering or delays
    • G10H2210/271Sympathetic resonance, i.e. adding harmonics simulating sympathetic resonance from other strings

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子楽器に使用される楽音合成装置におい
て、楽器としての響きの不自然性を解決し、楽器と同様
な自然な響きを合成する。 【構成】 各発音チャンネル401〜488で楽音の音
高に対応する遅延時間長の可変遅延部及び可変遅延部を
繰り返し巡回する波形データと外部から入力される波形
データとを加算器により加算する。そして各発音チャン
ネル401〜488の波形データを累算器202により
累算し、デジタルフィルタ500を介してフィルタ演算
し楽音波形データを出力する。又乗算器14によりデジ
タルフィルタ500の出力楽音波形データとあらかじめ
定めた乗数とを乗じて発音チャンネルの加算器へ出力す
る。デジタルフィルタ500の出力は、乗算器14を介
して各発音チャンネル401〜488内の加算器で加算
されるので、各発音チャンネルの発音が変調されること
となり、豊かな響きが実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器の内で、演奏
時に楽器と同様の自然な響きを与える効果を有する楽音
合成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、楽音合成装置はデジタル技術の進
歩により、飛躍的にその合成楽音の品質が向上してい
る。中でも演奏効果に優れた方式として、遅延手段を用
いた演算回路により楽音を合成する楽音合成装置が提案
されている。従来の楽音合成装置としては、例えば特開
昭63−40199号公報、特開昭59−187398
号公報、特開昭63−40199号公報、特開昭62−
109093号公報、特開平2−304491号公報な
どに示されている。
【0003】以下に、従来の楽音合成装置について説明
する。図5はこの従来の楽音合成装置のブロック図を示
すものである。図5において、まず出力させたい楽音の
音高と発音のタイミングを入力部200へ指示する。入
力部200は、例えば鍵盤,管楽器形状のもの、あるい
はギター形状のもの等の入力形態が採られるものとす
る。入力部200は、音高指示の入力形態が鍵盤の場合
にはその押鍵された鍵の位置によって、管楽器形状の場
合には押さえられたキーの組合せパターンによって、又
ギター形状の場合には弦の押さえられた位置(フレッ
ト)によって、出力する楽音の音高(いわゆる音名)を
決定し、発音制御部201へ音高データを出力する。こ
こでは入力形態が88鍵からなる鍵盤である場合とし、
低域の鍵盤から順次に音高データ1,2,・・・,8
7,88というようにして7Bitからなる音高データ
を出力する。各発音チャンネル301〜388は、それ
ぞれ、音高データ1,2,・・・,87,88に対応し
ているものとする。
【0004】又入力部200は、発音指示の入力形態が
鍵盤の場合はその押鍵,離鍵に対して、管楽器形状の場
合には呼気の開始,停止に対して、又ギター形状の場合
には弦の振動の開始,停止に対して、出力すべき楽音の
オン,オフ情報、即ち、楽音発生の開始,停止に関する
情報として、発音オンの時には「1」、オフの時には
「0」を発音制御部201へ出力する。
【0005】各発音チャンネル301〜388は、例え
ば図6のように構成される。図6において、101は駆
動波形発生部であって、駆動波形データを加算器102
を介して可変遅延部103に出力する。可変遅延部10
3は信号を所定時間遅延させフィルタ104,乗算器1
05を介して加算器102に帰還するよう構成され、加
算器102の出力が出力端子106より出力される。駆
動波形発生部101は駆動波形データをあらかじめ記憶
したメモリ107、及びそのデータの読出しを行うカウ
ンタ108から構成されている。カウンタ108は入力
端子109より発音情報、クロック発生器205よりク
ロック信号が与えられる。発音チャンネル301は最も
低音の発音チャンネルであり、302,303・・・3
88まで順次高音となる発音チャンネルとする。
【0006】図6において、発音制御部201からの発
音情報konが値「1」(発音オン)になるときには、
カウンタ108はリセットされ、カウント値(メモリ1
07内のアドレス)を値「0」にする。その後、クロッ
ク発生器205から出力されるクロックCKの発生タイ
ミングでカウンタ108はカウントアップし、メモリ1
07からはカウンタ108のカウント値に対応したアド
レスに記憶された駆動波形データが出力されることとな
る。ここでカウンタ108は値「0」からメモリ107
の全アドレス領域を一通りアドレスした後に、メモリ1
07の最終アドレスに至った時点でカウント値をホール
ド、即ちカウント動作を停止するものとする。このよう
なカウンタ108のカウント動作は、ピアノやギターの
ような過渡的な楽音の合成に適しており、バイオリンや
管楽器のような準定常的な楽音を合成するためには、駆
動波形データを繰り返し出力するようにする。メモリ1
07にはギター弦の弾きの為に弦に与えられる加速度に
相当するデータや、ピアノ弦にピアノハンマから与えら
れる駆動波形が記憶されているものとする。
【0007】メモリ107から出力される駆動波形デー
タは、加算器102で乗算器105から出力される波形
データと加算された後に、可変遅延部103に入力され
る。可変遅延部103は入力される波形データを、出力
すべき楽音の音高に対応した遅延時間だけ遅延させてフ
ィルタ104へ出力する。フィルタ104は入力された
波形データの周波数スペクトルを変化させてその出力を
乗算器105に出力する。乗算器105は乗数Gを乗じ
て加算器102へ出力して、新たに入力される駆動波形
データと加算する。即ち、加算器102,可変遅延部1
03,フィルタ104及び乗算器105から構成される
ループ内を、波形データが循環しながら合成楽音が形成
される。このようにして合成された波形データは、出力
端子106から発音チャンネル出力として出力され、各
発音チャンネルの出力は累算器202で加算されること
となる。
【0008】上述したループ内では、音高Hに対応した
遅延時間を有する可変遅延部103によって、音高Hに
対応した基本周期を有する波形データが形成される。ク
ロックCKが40〔kHz〕の時に音高Hが500〔H
z〕ならば、対応する遅延量は80個の単位遅延に相当
することになる。出力する音高HとクロックCKとから
決定される遅延量が整数でない場合には、直線補間ある
いはフィルタ処理によって小数遅延量を実現することが
できる。又ループ内を波形データが巡回する毎にフィル
タ104を通過するので、フィルタ104を低域通過フ
ィルタとしておくことにより、時間経過とともに波形デ
ータに含まれるに高い周波数成分ほど急速に減衰するこ
とになり、ピアノやギターのように時間経過とともに高
い周波数成分音から順次に無くなっていくような楽音が
形成される。更にループ内を波形データが巡回する毎に
乗算器105を通過するので、乗数Gを1未満の正小数
としておくことにより、ループによる発振を防ぐととも
に、ピアノやギターに適した減衰系のエンベロープを実
現することができる。
【0009】以上のように構成される発音チャンネル3
01〜388に対して、発音制御部201は音高データ
iが「40」の時には発音チャンネル340を選択し、
発音チャンネル340に対して発音情報kon(1値)
を送るので、発音チャンネル340から出力される波形
データが累算器202により、他の発音チャンネルの出
力と加算された後に、サウンドシステム203へ出力さ
れる。サウンドシステム203に入力された波形データ
はデジタル・アナログ変換された後に、フィルタ,アン
プ,スピーカ等から構成される公知の音響装置によって
合成楽音として放音されることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、発音チャンネル301〜388から出力
される波形データに対して、ピアノ等の楽器と同様な響
きを与えるには、累算器202の出力に対して、公知の
残響装置(リバーブ)をつける方法が考えられるが、こ
れでは発音チャンネル同志の相互干渉に起因する響きを
実現できないという問題点を有していた。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、楽器と同様に発音チャンネル相互の干渉を有する自
然な楽音の響きを実現できる楽音合成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、楽音データを保持しそのデータを順次出力する駆動
波形発生手段、出力する楽音の音高に対応して設けら
れ、音高に対応する遅延時間長の遅延手段、及び遅延手
段を繰り返し巡回する波形データと外部から入力される
波形データとを加算し新たに巡回する波形データを出力
する加算手段を含み、波形データを出力する複数の発音
チャンネルと、各発音チャンネルから出力される波形デ
ータを累算する累算手段と、累算手段の波形データ出力
をフィルタ演算し楽音波形データを出力するデジタルフ
ィルタ手段と、デジタルフィルタ手段の出力楽音波形デ
ータとあらかじめ定めた乗数とを乗じて複数の発音チャ
ンネルの加算手段へ出力する乗算手段と、デジタルフィ
ルタ手段の出力をD/A変換して楽音信号として出力す
るサウンドシステム手段と、を具備することを特徴とす
るものである。
【0013】又本願の請求項3の発明は、楽音データを
保持しそのデータを順次出力する駆動波形発生手段、出
力する楽音の音高に対応して設けられ、音高に対応する
遅延時間長の遅延手段、及び遅延手段を繰り返し巡回す
る波形データと外部から入力される波形データとを加算
し新たに巡回する波形データを出力する加算手段を含
み、波形データを出力する複数の発音チャンネルと、各
発音チャンネルから出力される波形データを累算する累
算手段と、累算手段の波形データ出力をフィルタ演算し
楽音波形データを出力するデジタルフィルタ手段と、デ
ジタルフィルタ手段のフィルタ演算途中の波形データに
あらかじめ定めた定数を乗じて複数の発音チャンネルの
加算手段へ出力する複数の乗算手段と、デジタルフィル
タ手段の出力をD/A変換して楽音信号として出力する
サウンドシステム手段と、を具備することを特徴とする
ものである。
【0014】
【作用】本発明は上記した第1の構成により、各発音チ
ャンネルは、それぞれ指示された出力音高に対応した遅
延時間長を有する遅延手段と加算手段を含んで形成され
るループ内を巡回する波形データを各発音チャンネルの
出力として出力する。各発音チャンネルの出力波形デー
タは累算手段により累算される。累算された波形データ
はデジタルフィルタ手段により楽器固有の音響(共鳴特
性)を付加されて楽音波形データとして出力される。他
方において、楽音波形データは乗算手段によりあらかじ
め定めた乗数を乗じられた後に、各発音チャンネルの加
算手段により各発音チャンネル内を巡回する波形データ
へ加算されるので、各発音チャンネルの波形データ出力
を他の発音チャンネルから出力される波形データによっ
て変化させて、音色を変化させることとなる。
【0015】又上記した第2の構成により、各発音チャ
ンネルは、それぞれ指示された出力音高に対応した遅延
時間長を有する遅延手段と加算手段とから形成されるル
ープ内を巡回する波形データを各発音チャンネルの出力
として出力する。各発音チャンネルの出力波形データは
累算手段により累算される。累算された波形データはデ
ジタルフィルタ手段により楽器固有の音響(共鳴特性)
を付加されて楽音波形データとして出力される。他方に
おいて、各乗算手段はそれぞれデジタルフィルタ手段の
演算途中における異なる波形データに対して各乗算手段
毎にあらかじめ定めた乗数を乗じた後に対応する発音チ
ャンネルを構成する加算手段により各発音チャンネル内
を巡回する波形データへ加算されるので、各発音チャン
ネル波形データ出力における、他の発音チャンネルから
出力される波形データによる変化の度合いが発音チャン
ネル毎に異なる楽音波形データが得られることとなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例にお
ける楽音合成装置の構成を示すブロック図である。図1
において、入力部200,発音制御部201,累算器2
02,サウンドシステム203,出力端子204,クロ
ック発生器205は従来例の構成と同一であるので、詳
細な説明を省略する。さて本実施例ではサステイン量を
入力するサステイン指示部12を有している。サステイ
ン指示部12は電源に接続された可変抵抗器とその出力
をA/D変換するA/D変換器から成り立っており、サ
ステインペダルと弱音ペダルに対応した数値、例えば
「0.0」〜「2.0」を乗算器13に出力する。乗算
部13は波形データを発音チャンネル401〜488に
与えるものである。各発音チャンネル401〜488は
後述するように発音制御部201からの信号に応じた信
号を発音するものであり、その出力は累算器202を介
してデジタルフィルタ500に与えられる。デジタルフ
ィルタ500は出力波形データに楽音固有の音響を付加
するものであって、その出力はサウンドシステム203
及び乗算器14に与えられる。乗算器14はデジタルフ
ィルタ500の出力と楽器毎にあらかじめ定めた乗数と
を乗ずる乗算器である。
【0017】次にこのように構成された本実施例の楽音
合成装置の動作について説明する。まずサステイン指示
部12に対してサステイン量を指示入力すると、サステ
イン量に対応した乗数を出力する。ここでサステイン指
示部12から出力される乗数は通常「0.0」〜「2.
0」までの小数が望ましく、ここでは「0.1」刻みの
21段階とする。なお、乗数「0」はサステインオフに
対応している。サステイン指示部12への指示入力が乗
数「1.0」に対応するとき、乗数「1.0」が出力さ
れる。ここで乗数「1.0」はいわゆるサステインペダ
ルを操作していない状態に対応しており、乗数「2.
0」はサステインペダルを踏み込んだ状態、乗数「0.
0」〜「1.0」はサステインペダルを操作せずに弱音
ペダルを操作している状態に対応し、「0.0」は弱音
ペダルを踏み込んだ状態に対応しているものとする。
【0018】発音チャンネル401〜488は、図2の
ように構成される。図2において11は加算器、10は
入力端子である。駆動波形発生部101,加算器10
2,可変遅延部103,フィルタ104,乗算器10
5,出力端子106,入力端子109は従来例の構成と
同じである。乗算器13より入力端子10を介して入力
された波形データは、加算器11において加算器102
から出力される波形データと加算された後に可変遅延部
103へ出力される。
【0019】従来例と同様にして、駆動波形発生部10
1から出力される駆動波形データは、加算器102と可
変遅延部103とフィルタ104と乗算器105とから
構成されるループを巡回しながら波形データを形成す
る。すなわち、加算器11において入力端子10から入
力される波形データがすべて「0」のときには、発音チ
ャンネル401〜488は従来例の発音チャンネル30
1〜388と全く同様の動作をする。他方において、入
力端子10から入力される波形データにより形成される
波形データは、駆動波形発生部101から出力される駆
動波形データがすべて「0」のときには、加算器11と
可変遅延部103とフィルタ104と乗算器105と加
算器102とから構成されるループを巡回しながら形成
される波形データである。駆動波形発生部101から出
力される駆動波形データと入力端子10に入力される波
形データとの各々により形成される波形データは互いに
独立であり、両者を単純に加算することにより、発音チ
ャンネル401〜488の出力は決定される。
【0020】駆動波形データは、発音チャンネル401
〜488に対して本来の合成動作を促すデータである
が、入力端子10から入力される波形データは、ギター
やピアノ等の楽器における胴や響板などの構造に起因し
て、それらを伝搬する振動に対応するものである。
【0021】発音制御部201は、従来例と同様の動作
によって、発音チャンネル401〜488へ発音チャン
ネルの選択と発音情報の送出を行うものとする。各発音
チャンネル401〜488から出力された波形データは
従来例と同様にして、累算器202において、全ての発
音チャンネル出力が加算され、出力される。
【0022】デジタルフィルタ500は、図3のように
構成される。図3において、累算器202の出力端に接
続される入力端子570には単位時間遅延器510〜5
28が接続され、夫々の入力が乗算器530〜549に
同時に与えられる。乗算器530〜549はこれらの入
力とフィルタ係数A0 〜A19とを乗算するものであっ
て、その出力は累算器550に与えられる。累算器55
0はこれらの累算出力を出力端子579を介してサウン
ドシステム203へ出力する。又出力端子580〜59
9は単位時間遅延器510〜527の遅延信号を出力す
るものである。
【0023】累算器202から出力される波形データは
デジタルフィルタ500の入力端子570に入力される
と、クロック発生器205から出力されるクロックCK
のタイミングで単位時間遅延器510〜528を順次に
伝搬していくこととなる。入力端子570及び単位時間
遅延器510〜528を通過する波形データはそれぞれ
乗算器530〜549により、楽器毎にあらかじめ定め
たフィルタ係数A0 〜A19が乗じられた後に、累算器5
50において累算される。即ち、乗算器530〜548
の出力はすべて加算された後に出力端子579から出力
される。以上のようにして得られるデジタルフィルタ5
00の出力は、サウンドシステム203を経て出力端子
204から放音されることとなる。
【0024】ここで、楽器毎にあらかじめ定めたフィル
タ係数A0 〜A19は、次のようにして得られる。即ちピ
アノ、ギターあるいはバイオリンのような楽器のいわゆ
る響板あるいは胴などの共鳴器のインパルス応答を収音
する事によって得られる。例えば、ピアノ弦の振動が響
板に伝搬するコマの部分をハンマーでたたく、あるい
は、バイオリン弦の振動が胴に伝えられる駒の部分をハ
ンマーでたたくことにより発生する音を、クロックCK
をサンプリング周波数(標本化周波数)としたアナログ
・デジタル変換を実施し、得られたデジタルのインパル
ス応答波形値を正規化することにより得られる。正規化
されたインパルス応答波形値を時刻「0」から順次にA
0 〜A19として使用するものとする。フィルタ係数A0
〜A19は、ここでは簡単のために20個としたが、実際
のインパルス応答の時間長が大きな楽器(ピアノなど)
では、数秒間にわたるインパルス応答を実現するために
単位時間遅延器510〜528及び乗算器530〜54
9の個数を増加させる必要がある。
【0025】他方において、デジタルフィルタ500の
出力は乗算器14によって楽器毎にあらかじめ定められ
た乗数が乗じられる。ピアノの場合には通常「0.1」
程度が望ましい。乗算器14の出力は、乗算器13によ
り指定されたサステインに対応する乗数、ここでは乗数
「1.0」を乗じられた後に、各発音チャンネル401
〜488へ出力される。従って各発音チャンネルの出力
の総和に対して、デジタルフィルタ500により音響を
付加された波形データに比例した波形データが各発音チ
ャンネル401〜488へ入力され、各発音チャンネル
401〜488は上述した発音チャンネルの動作を各々
の発音チャンネルの音高に対応した遅延時間長を有する
可変遅延部103を含むループにより波形データを形成
することとなる。従って、サステインに対応する乗数が
「1.0」よりも小さな時は、帰還量が少なくなるため
に響きが小さくなる。又サステインに対応する乗数が
「1.0」よりも大きな時は、帰還量が大きくなるため
に響きが大きくなる。
【0026】尚、上述の説明では、デジタルフィルタ5
00の構成を非巡回型フィルタとしてインパルス応答波
形との畳み込み演算によって、各発音チャンネル401
〜488の出力の総和の波形データに対して楽器固有の
音響を付加するようにしたが、非巡回型フィルタにより
響板あるいは胴の共鳴特性を近似するようにしても良
い。又本実施例によればデジタルフィルタ500の出力
端子579から乗算器14へ入力信号を与えるようにし
ているが、遅延時間長の適正化を図るために、デジタル
フィルタ500内の他の出力端子580〜599から乗
算器14へ出力するようにしてもよい。
【0027】以上のように本実施例によれば、デジタル
フィルタ500により得られるピアノ響板の振動を乗算
器14を介してピアノ弦のそれぞれに対応する発音チャ
ンネル401〜488に帰還させ、各発音チャンネルか
ら発音出力される波形データを変調するようにしたの
で、ピアノ弦の自然な響きを実現することが出来る。
【0028】又乗算器14の出力を乗算器13を介して
発音チャンネル401〜488に帰還させるようにした
ので、乗算器13における乗数を所望のサステイン量に
対応させることによって、ピアノ弦の響きを演奏者の所
望のレベルに変化させることが可能となる。
【0029】図4は本発明の第2の実施例の楽音合成装
置の構成ブロック図である。図4において、15はセレ
クタ、21〜28は乗算器である。又発音チャンネル4
01〜488と累算器202及びその出力波形データに
楽器固有の音響を付加するデジタルフィルタ500は、
第1の実施例と同一であるので、詳細な説明を省略す
る。入力部200,発音制御部201,累算器202,
サウンドシステム203出力端子204,クロック発生
器205は、従来例の構成と同じものである。
【0030】次にこのように構成された楽音合成装置の
動作について説明する。第1の実施例と同様の動作によ
り各発音チャンネル401〜488の出力波形データは
累算器202で累算されたのちに、デジタルフィルタ5
00において楽器固有の音響が付加され、サウンドシス
テム203において放音される。デジタルフィルタ50
0は、第1の実施例と同様に図3のように構成されるも
のとする。
【0031】さてデジタルフィルタ500の出力端子5
80〜599からの20個の出力は夫々例えば16ビット
の並列出力であるが、セレクタ15を介して乗算器21
〜28に出力される。セレクタ15は、楽器毎にあらか
じめ定めた組合せに従って、出力端子580〜599の
20個の出力の中から8個の出力を選択し、選択した8
個の出力を対応する乗算器21〜28へ出力する。この
選択は響板の共振の立ち上がりの遅い低音域に対して
は、遅延時間の大きな出力端子599に近いところを、
又響板の共振の立ち上がりの早い高音域になるほど遅延
時間の小さな出力端子580に近いところを選択し、遅
延時間の大きな順に乗算器21から順に、乗算器28ま
でに出力する。このような出力端子の選択は、ピアノの
場合において、例えば、各音域毎に選択した特定の音高
に対応するピアノの弦の振動が響板に伝搬する所をハン
マーでたたいたときのインパルス応答の波形振幅最大値
までの時間を計測し、その時間に最も近い遅延時間を有
する出力端子580〜599を選択することにより決定
することが出来る。又このようにして得られる波形振幅
最大値によって、後述するような乗算器21〜28にお
ける乗数も決定することが出来る。
【0032】ピアノの響板は低音域から高音域まで一様
な形状ではなく、又ピアノの弦の振動を響板に伝搬する
位置も、音域によって異なっている。しかしながら、本
実施例においては、デジタルフィルタ手段の増加を防ぐ
ためにピアノの弦に対応する各発音チャンネル401〜
488の出力は累算器202によってそれぞれ加算され
た後に1つのインパルス応答を有するデジタルフィルタ
500によって楽器固有の音響を付加するようにしてお
り、このような音域により異なるピアノの響きを実現す
るために、各発音チャンネル401〜488を発音チャ
ンネル401〜404、405〜416、417〜42
8、429〜440、441〜452、453〜46
4、465〜476、477〜488の8音域に分割
し、各音域各々に対応する乗算器28〜21の乗算器出
力がその音域内の各発音チャンネルに対して出力され
る。
【0033】各乗算器21〜28において乗算される値
は、楽器により異なるが、ピアノの場合通常「0.1」
程度が望ましく、本実施例の場合、乗算器21から乗算
器28の各々において、順に、「0.15」、「0.1
3」、「0.11」、「0.10」、「0.09」、
「0.08」、「0.07」、「0.06」程度とする
ことが望ましい。
【0034】以上のようにして、各乗算器21〜28の
出力は、それぞれ対応する発音チャンネル401〜48
8へ出力されるので、各発音チャンネルの出力は音域毎
に異なる変調を受けて新たな波形データを発生すること
となる。なお、本実施例においても第1の実施例と同様
にして、サステイン指示部及びサステイン乗数と各乗算
器21〜28の出力を乗算して夫々のグループの発音チ
ャンネルに出力する複数(この場合は8個)の乗算器と
によってサステイン効果を実現することができる。
【0035】以上のように本実施例によれば、デジタル
フィルタ500の単位時間遅延器510〜528の出力
の中から音域に対応した遅延時間を有する波形データを
セレクタ15によって選択的に乗算器21〜28へ出力
し、乗算器21〜28はそれぞれ対応する発音チャンネ
ル401〜488へ音域毎に異なる遅延時間及び波形振
幅値を有する波形データを帰還することにより各発音チ
ャンネルを変調するようにしたので、ピアノ弦の自然な
響きの広がり感を実現することが出来る。尚、第1及び
2の実施例においては発音チャンネルの個数を88とし
たが、6本弦のギターあるいは4本弦のバイオリンの音
色を合成するには6個あるいは4個の発音チャンネルと
するなど、出力する楽音の楽器の種類に合わせて変更す
るものとする。
【0036】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1の発明は、
各発音チャンネルの波形データ出力に楽器固有の音響
(共鳴特性)を付加するデジタルフィルタ手段の出力
を、各発音チャンネルへフィードバックして各発音チャ
ンネルの波形データ出力を変化させるようにしたので、
各発音チャンネル間における相互の影響を算出するため
に複雑な演算手段を設けること無く、デジタルフィルタ
手段における遅延を共用し、乗算手段と各発音チャンネ
ルの加算手段だけで簡単に発音チャンネル間の相互干渉
による音色が変化する楽音合成装置を実現できるという
効果が得られる。
【0037】又本願の請求項2の発明によれば、デジタ
ルフィルタ手段における演算途中の波形データに対し
て、あらかじめ定めた乗数を乗算し、対応する発音チャ
ンネルを構成する加算手段へフィードバックして各発音
チャンネルの波形データを変化させるようにしたので、
楽器固有の共振特性に起因する発音チャンネル相互間の
干渉度合いを調節できる楽音合成装置を実現することが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1,図4における発音チャンネルの内部構成
を示すブロック図である。
【図3】図1,図4におけるデジタルフィルタの内部構
成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
【図5】従来の楽音合成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】図5における発音チャンネルの内部構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
11 加算器 12 サステイン指示部 13〜14 乗算器 15 セレクタ 21〜28 乗算器 103 可変遅延部 104 フィルタ 105,530〜549 乗算器 200 入力部 201 発音制御部 202,550 累算器 203 サウンドシステム 205 クロック発生器 401〜488 発音チャンネル 500 デジタルフィルタ 510〜528 単位時間遅延器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 隆宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音データを保持しそのデータを順次出
    力する駆動波形発生手段、出力する楽音の音高に対応し
    て設けられ、音高に対応する遅延時間長の遅延手段、及
    び前記遅延手段を繰り返し巡回する波形データと外部か
    ら入力される波形データとを加算し新たに巡回する波形
    データを出力する加算手段を含み、波形データを出力す
    る複数の発音チャンネルと、 前記各発音チャンネルから出力される波形データを累算
    する累算手段と、 前記累算手段の波形データ出力をフィルタ演算し楽音波
    形データを出力するデジタルフィルタ手段と、 前記デジタルフィルタ手段の出力楽音波形データとあら
    かじめ定めた乗数とを乗じて前記複数の発音チャンネル
    の加算手段へ出力する乗算手段と、 前記デジタルフィルタ手段の出力をD/A変換して楽音
    信号として出力するサウンドシステム手段と、を具備す
    ることを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 楽音データを保持しそのデータを順次出
    力する駆動波形発生手段、出力する楽音の音高に対応し
    て設けられ、音高に対応する遅延時間長の遅延手段、及
    び前記遅延手段を繰り返し巡回する波形データと外部か
    ら入力される波形データとを加算し新たに巡回する波形
    データを出力する加算手段を含み、波形データを出力す
    る複数の発音チャンネルと、 前記各発音チャンネルから出力される波形データを累算
    する累算手段と、 前記累算手段の波形データ出力をフィルタ演算し楽音波
    形データを出力するデジタルフィルタ手段と、 前記デジタルフィルタの楽音波形データ出力とは異なる
    あらかじめ定めたフィルタ演算途中の波形データに対し
    て所定の乗数を乗じる乗算手段と、 前記デジタルフィルタ手段の出力をD/A変換して楽音
    信号として出力するサウンドシステム手段と、を具備す
    ることを特徴とする楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 楽音データを保持しそのデータを順次出
    力する駆動波形発生手段、出力する楽音の音高に対応し
    て設けられ、音高に対応する遅延時間長の遅延手段、及
    び前記遅延手段を繰り返し巡回する波形データと外部か
    ら入力される波形データとを加算し新たに巡回する波形
    データを出力する加算手段を含み、波形データを出力す
    る複数の発音チャンネルと、 前記各発音チャンネルから出力される波形データを累算
    する累算手段と、 前記累算手段の波形データ出力をフィルタ演算し楽音波
    形データを出力するデジタルフィルタ手段と、 前記デジタルフィルタ手段のフィルタ演算途中の波形デ
    ータにあらかじめ定めた定数を乗じて前記複数の発音チ
    ャンネルの加算手段へ出力する複数の乗算手段と、 前記デジタルフィルタ手段の出力をD/A変換して楽音
    信号として出力するサウンドシステム手段と、を具備す
    ることを特徴とする楽音合成装置。
  4. 【請求項4】 前記乗算手段は指示されたサステインに
    対応した乗数を前記デジタルフィルタ手段の出力に乗じ
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の楽音合成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の乗算手段は前記複数の発音チ
    ャンネルよりも少ないことを特徴とする請求項3記載の
    楽音合成装置。
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