JPH0679224B2 - 波形合成装置 - Google Patents

波形合成装置

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JPH0679224B2
JPH0679224B2 JP60249218A JP24921885A JPH0679224B2 JP H0679224 B2 JPH0679224 B2 JP H0679224B2 JP 60249218 A JP60249218 A JP 60249218A JP 24921885 A JP24921885 A JP 24921885A JP H0679224 B2 JPH0679224 B2 JP H0679224B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、各種楽器音あるいは人声音を出力する電子楽
器に用いられて、楽音波形を形成する波形合成装置に関
するものである。
従来の技術 近年、電子楽器用楽音合成装置として、デジタル技術が
利用されるようになり、それらの楽音品質の向上は目ざ
ましいものがある。このような技術としては、例えば特
公昭58-58679号に開示されているものがある。
以下、図面を参照しながら上述の波形合成装置について
説明する。
第6図は従来の波形合成装置の構成を示すものである。
第6図において、101は出力楽音を指示する鍵盤入力
部、102はクロックを計数するカウント制御部、103は波
形データを記憶する波形メモリ、104は入力を選択する
セレクタ、106は波形データを加工するフィルタ、105は
入力を遅延させるシフトレジスタ、107〜111はデータ
(信号)伝送路である。
以上のように構成された波形合成装置について、以下そ
の動作について説明する。
出力したい楽音を指示する鍵盤入力がなされると、鍵盤
入力部101は、出力楽音の音高に対応するクロックを伝
送路107へ供給する。波形メモリ103は楽音波形1周期分
に対応するN個の波形データを伝送路107のクロックの
タイミングに従って、伝送路108へ出力する。カウント
制御部102は伝送路107のクロックを計数し、計数値が前
記Nに達した後に切換駆動出力をセレクタ104へ出力す
る。セレクタ104は前記切換駆動出力が入力されるまで
の間は伝送路108を選択しており、前記切換駆動出力が
入力された後に、伝送路109を選択する。
セレクタ104を経由した波形データは楽音波形として出
力されるとともにフィルタ106に入力される。フィルタ1
06は入力された波形データをデジタルフィルタリングし
た後にシフトレジスタ105へ出力する。シフトレジスタ1
05は前記Nに等しい段数を持つ遅延器として働き、伝送
路107のクロックのタイミングに従ってシフト動作を実
行する。
以上の動作によって、波形メモリ103から出力されたN
個から成る1周期波形データがセレクタ104を経て出力
された後、フィルタ106とシフトレジスタ105とセレクタ
104と伝送路109〜111からなる閉ループを1周期波形が
循環しながら出力されるという波形合成装置が実現され
る。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成では、ピアノ・ギター
などのいわゆる減衰系の楽音を合成するに際して、何回
も閉ループを循環する波形が次第にフィルタリングの為
に変化してゆくという状況を得るのに適しているが、フ
ルート・トランペットなどのいわゆる定常系の楽音を合
成するには、フィルタ106をいわゆるスルーの状態、即
ち、フィルタ106の処理を無くすようにしなければなら
なかった。又、そのようにして得られた楽音は、単に1
周期波形をくり返し出力しただけとなってしまう為、機
械的で単調な音となってしまう問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて、楽器の発音機構をモデル
化することにより、特に、定常系の楽音として自然な音
を得ることのできる波形合成装置を提供するものであ
る。
問題点を解決するための手段 この目的を達成するために本発明の波形合成装置は、楽
器の共鳴部即ちループ部を駆動するための駆動波形を記
憶する波形メモリと、指示された楽音の発音指示にした
がって楽音の発音中は出力すべき楽音の種類と音高とタ
ッチに対応して前記波形メモリから駆動波形を読みだし
ながら駆動波形を出力する駆動波形発生部と、前記ルー
プ部とから構成され、前記ループ部は前記駆動波形を一
方の入力とする加算器と、前記加算器出力に対して出力
すべき楽音の音高に対応した時間遅延と音高音を形成す
るための楽器の共鳴特性とを付与した楽音波形を前記加
算器の他方の入力とするべく出力するデジタルフィルタ
とから構成される。
作用 この構成によって、駆動波形発生部は楽音種類とタッチ
に基づいて駆動波形を決定し、これを音高に従って加算
器へ出力する。加算器は、初期状態においては零値であ
るデジタルフィルタの出力と駆動波形とを加算した後こ
れを出力する。デジタルフィルタは楽音種類と音高とに
基づいたフィルタ係数を用いて、加算器出力をフィルタ
リングした後にこれを加算器入力として出力する。
以上の作用で、駆動波形は例えばクラリネットのマウス
ピース部つまりリードの振動に相当し、デジタルフィル
タと加算器とで構成されたループ部の作用はクラリネッ
トの胴部つまり共鳴管内の振動に相当するものであり、
タッチに応じた駆動波形を供給することができるので自
然な楽音を得ることができる。以上において、楽音の出
力波形は、加算器の出力端あるいはデジタルフィルタの
出力端等の任意の予じめ定めた特定の点に取付けられた
出力端子から得られる。
実施例 以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら
説明する。
第1図は本発明の第1の実施例における波形合成装置の
構成を示すものである。第1図において、1はキーボー
ド等の入力部、2は入力部1から送出される楽音種類,
音高,タッチの情報に対応した駆動波形を出力する駆動
波形発生部、6〜11はデータの伝送路、3は加算器、4
はデジタルフィルタである。A又はBを出力端子とし
て、ここから出力楽音波形を得る。5はループ部を示し
ており、加算器3とデジタルフィルタ4と伝送路910と
から構成される。12は外部へ動作タイミングを供給する
基準クロック発生部である。
以上のように構成された一実施例について、以下その動
作について説明する。
まず、入力部1へ出力したい楽音が指示されると、入力
部1は入力に対応して、楽音種類と音高とタッチに関す
るデータを伝送路6へ出力し、かつ、楽音種類と音高と
に関するデータを伝送路7へ出力する。キーオンあるい
はキーオフと呼ばれる楽音の出力開始あるいは終了に関
するデータも当然ながら入力部1から伝送路6と7へ出
力される。入力部1は楽音指示入力に対応して変化する
タッチに関するデータを伝送路6へ出力するものとす
る。
駆動波形発生部2は伝送路6から入力される楽音種類と
音高とタッチに関するデータに対応した駆動波形を発生
する。駆動波形発生部2は、例えば第2図に示すような
構成で実現することができる。
第2図において、楽音種類に対応した複数の駆動波形デ
ータを記憶した波形メモリ20は、楽音種類に対応して波
形制御部21から出力されるメモリ選択信号によって特定
の駆動波形データを選択される。他方において、波形制
御部21は音高に対応した一般に周波数ナンバと呼ばれる
固定クロック時の音程確立の為の数値データを出力す
る。出力された周波数ナンバは、加算器25と伝送路32に
よって構成される累算手段によって波形メモリ20内の選
択された特定の駆動波形データを読み出す為のアドレス
データが伝送路32に送出される。波形メモリ20は伝送路
29と32とにより決まる駆動波形データ1点を伝送路34へ
出力する。波形制御部21はタッチデータを伝送路27へ出
力する。22と23は伝送路27のタッチデータを適当な数値
に変換(スケーリング)する変換器であり、音高に対応
するタッチデータの変換器22出力は、伝送路28の周波数
ナンバを変化させるように乗算される。一方、音量に対
応するタッチデータの変換器23出力は、伝送路34の駆動
波形データを変化させるようい乗算される。以上のよう
にして、伝送路8へ出力される駆動波形データを最終的
な駆動波形と呼ぶことにする。以上において、各部の動
作は基準クロック発生部12から伝送路11へ出力されるク
ロックに従がうものとする。
伝送路32のビット数を適当に制限しておくことにより、
即ち、いわゆるリングカウンタとして使用することによ
り伝送路8に送出される駆動波形は、波形メモリ20にお
いて選択された駆動波形データがタッチデータに対応し
て時間方向あるいは振幅方向に圧縮・伸張されながらく
り返して得られる波形になる。
第2図は本発明を構成する駆動波形発生部2に関する一
実施例を示すものであり、これ以外に公知の技術を使用
して、例えば波形メモリ20を使用せずに駆動波形データ
を演算により関数発生させることも可能であることを付
け加えておく。
伝送路8に出力された駆動波形は第1図の加算器3を経
た後にデジタルフィルタ4へ出力される。ここで、加算
器3へのもう一方の入力即ちデジタルフィルタ4の出力
は初期においては零値に設定されているものとする。デ
ジタルフィルタ4においてフィルタリングされた駆動波
形は伝送路10へ出力された後に加算器3によって駆動波
形と加算されることになる。デジタルフィルタ4と加算
器3は伝送路11のクロックに対応して動作するものとす
る。
上述の動作中に、出力楽音波形は第1図のAあるいはB
の出力端子から得られる。本実施例における構成では、
駆動波形を、例えばクラリネットのリードの振動波形と
した場合において、ループ部5はクラリネットの銅部つ
まり共鳴管に相当するため、リードの振動波形によって
駆動されるクラリネットの共鳴管の出力が合成されるこ
ととなる。
第1図のAを出力端子とすれば、クラリネットのマウス
ピース直下に、ピックアップマイクロホンを取り付けて
得られる音の楽音波形が、また第1図のBを出力端子と
すれば、クラリネット胴部の任意の点にピックアップマ
イクロホンを取り付けた音の楽音波形が得られることと
なる。
第3図に、デジタルフィルタ4に関する一実施例を示
す。
伝送路7から入力される楽音の音高に対応してデジタル
フィルタ制御部30はシフトレジスタ31の遅延時間即ち段
数mを制御すると共に、乗算器33と34の乗算のための係
数C1とC2とを出力する。伝送路11のクロックの個数にし
て、例えば10個に相当する音高の楽音を得るためには、
例えばC1=1,C2=0,m=10とする。又、クロック10.5個
に相当する音高の楽音を得るためには、例えば、C1=0.
5,C2=0.5,m=10とする。
即ち、出力したい楽音の音高に対応するクロック数つま
り波形データ数をPとする時、Pを越えない最大の正数
数値としてmを決定し、さらに下式によりC1,C2を決定
する。
X=P−m C1≦(1−X)・K ……(1) C2≦X・K 上述の例では、(1)式におけるKの値を1としたが、
このままでは駆動波形によっては当然ながらループ部5
において波形データ値が急速に増大して発振状態になる
ので、Kの値としては0.1以下とすることが望ましい。
なお、第3図は一実施例であり、この他にも公知のデジ
タルフィルタ技術を使用することも可能である。
第5図にデジタルフィルタ4としてトランスバーサルフ
ィルタを用いた例を示す。
第5図において、デジタルフィルタ制御部30は、伝送路
7から入力される楽音の種類に対応した係数列を発生す
る。この係数列は、実際の楽器、例えばクラリネットの
胴部つまり共鳴管のインパルスレスポンスに対応する。
従ってこの場合、公知のデジタルフィルタ技術を用い
て、駆動波形を、クラリネットから実際に出力される楽
音波形に対して共鳴管のインパルスレスポンスを逆畳み
込み演算することによって得ることができる。この係数
列を音高に対応して再配分する。即ち、例えば係数列が
10個であるインパルスレスポンス測定時の音高の1オク
ターブ下の音高の音を出力する時には係数列が20個にな
るように、例えば線型補間を施こることにより、前述の
10個の係数からなる係数列から20個の係数を得ることを
再配分と呼ぶ。このようにして得られた係数列をZ-1
示される単位時間遅れ要素からの出力に対して出力し、
これらをそれぞれ乗算する。
なお、以上において駆動波形は定常的なくり返し波形に
近いものとしたが、例えばピアノのような減衰系の音は
ハンマ等の駆動波形を出力した後に駆動波形を零値にす
るようにしても良い。このようにすれば、クラリネット
のような定常的楽音あるいはピアノのような減衰系の楽
音についても音高を規定する遅延時間長とは無関係の長
さの駆動波形を使用することが可能であるので、出力楽
音の音高に対して非整数次の高調波成分を発生すること
ができる。
以上のように本実施例によれば、駆動波形発生部2から
出力される駆動波形は、タッチに関するデータに対応し
て音高と音量とが変化するので実際の楽器の駆動波形に
相当しており、さらにループ部5におけるデジタルフィ
ルタ4は実際の楽器の胴部(共鳴系)に相当して一定し
た音高に対応するフィードバックループを持つために、
それらを加算器3により干渉させて、実際の楽器の発音
状態に近い合成系を構成しているので、自然な音を得る
ことができる。さらに、デジタルフィルタとしてトラン
スバーサルフィルタを用いることにより、係数の調整の
みにより、結果的に遅延段数も同時に制御することが可
能となる。
以下、本発明の他の実施例について図面を参照しながら
説明する。
第4図において、40と41はそれぞれ第1と第2のデジタ
ルフィルタ、Bは出力端子である。ループ部5以外は第
1の実施例と同様に、第1図のように構成される。
以上のように構成された第2の実施例について、以下そ
の動作について説明する。
加算器3から出力された波形データは第1のデジタルフ
ィルタでフィルタリングされた後に、出力端子Bから出
力楽音波形として出力されるとともに第2のデジタルフ
ィルタ41でフィルタリングされる。
ここで、第1と第2のデジタルフィルタは同一のあるい
は逆位相の特性をもつようにし、かつ、第1と第2のデ
ジタルフィルタに含まれる遅延時間は出力すべき楽音の
音高に対応するクロック数Pの半分あるいはPに等しい
ものとする。
以上のように本実施例によればデジタルフィルタ処理を
第1と第2のデジタルフィルタの2つに分割し、第1の
デジタルフィルタの出力を出力楽音波形とするので、実
際の楽器における進行波と反射波とに相当する第1と第
2のデジタルフィルタ間において、より楽器音に近い自
然な音を得ることができる。
発明の効果 本発明は、駆動波形発生部から出力される駆動波形とデ
ジタルフィルタを通過してフィルタリングされた波形と
を加算するので、実際の楽器と同様に、駆動部と胴部即
ち共鳴器との干渉と同様の状態を実現することができる
ため、タッチに応じた駆動波形の変化に対応した自然な
楽器音を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における波形合成装置の
ブロック図、第2図はこの発明に係る駆動波形発生部の
例示的なブロック図、第3図と第5図はこの発明に係る
デジタルフィルタの例示的なブロック図、第4図は本発
明の第2の実施例における波形合成装置のブロック図、
第6図は従来の波形合成装置のブロック図である。 1……入力部、2……駆動波形発生部、3……加算器、
4……デジタルフィルタ、5……ループ部、12……基準
クロック発生部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽器の共鳴部即ちループ部を駆動するため
    の駆動波形を記憶する波形メモリと、指示された楽音の
    発音指示にしたがって楽音の発音中は出力すべき楽音の
    種類と音高とタッチに対応して前記波形メモリから駆動
    波形を読みだしながら駆動波形を出力する駆動波形発生
    部と、前記ループ部とから構成されており、前記ループ
    部は前記駆動波形を一方の入力とする加算器と、前記加
    算器出力に対して出力すべき楽音の音高に対応した時間
    遅延と音高音を形成するための楽器の共鳴特性とを付与
    した楽音波形を前記加算器の他方の入力とするべく出力
    するデジタルフィルタとから構成される波形合成装置。
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