JPH0663994B2 - センサ - Google Patents

センサ

Info

Publication number
JPH0663994B2
JPH0663994B2 JP62250237A JP25023787A JPH0663994B2 JP H0663994 B2 JPH0663994 B2 JP H0663994B2 JP 62250237 A JP62250237 A JP 62250237A JP 25023787 A JP25023787 A JP 25023787A JP H0663994 B2 JPH0663994 B2 JP H0663994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
film
gas
metal oxide
sprayed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62250237A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63314452A (ja
Inventor
聡 森本
靖典 小野
利浩 宇高
進 安永
克之 田中
隆司 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Figaro Engineering Inc
Original Assignee
Figaro Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Figaro Engineering Inc filed Critical Figaro Engineering Inc
Priority to JP62250237A priority Critical patent/JPH0663994B2/ja
Publication of JPS63314452A publication Critical patent/JPS63314452A/ja
Publication of JPH0663994B2 publication Critical patent/JPH0663994B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] この発明は、金属酸化物半導体の抵抗値の変化を用いた
センサに関し、特に可燃性ガスや水蒸気の検出に関す
る。この発明は、更に詳細には、センサの酸化活性と、
通気制限被覆との組み合わせによる、相対感度の制御に
関する。
[従来技術] 特公昭58-47,663号公報は、センサ表面に接触酸化触媒
を被覆し、センサの相対感度を制御することを開示して
いる。この技術では、難燃性ガスを検出対象とし、易燃
性ガスへの相対感度の抑制を目的としている。そして接
触酸化触媒で易燃性ガスを除去し、触媒を通過した難燃
性ガスを検出する。また特開昭58-221,154号公報は、金
属酸化物半導体膜の表面をLaNiO3等の触媒で被覆し、妨
害ガスを燃焼させて除去することを示している。これら
の技術の原理は、触媒により不要なガスを燃焼させて除
去することである。
しかしながらセンサの相対感度を充分に変えるために
は、触媒の酸化活性が充分に大きくなくてはならない。
これに対して発明者は、センサ本体の表面を通気制限被
覆で覆い通気性を制限すれば、より容易に相対感度を制
御し得ることを見出した。
[発明の課題] この発明の課題は、センサ本体の接触酸化活性による相
対感度の制御をより容易にすることに有る。
[発明の構成と作用] この発明では、可燃性ガスへの酸化活性を有し、かつ金
属酸化物半導体の抵抗値の変化を利用したセンサ本体に
少なくとも一対の電極を接続する。センサ本体の表面に
は、セラミック溶射膜もしくはガラス膜からなる通気制
限被覆を施し、センサ本体への気体の拡散を制限する。
拡散を制限すると、センサ本体の酸化活性の効果は大き
く、相対感度は著しく変化する。
センサ本体の形状は、好ましくは膜状、あるいは層状の
ものとする。膜状や層状ではセンサ本体の厚さにも制限
が有り、接触酸化活性にも制限が生じる。通気制限被覆
の効果は、この場合に特に著しい。
通気性を極端に制限すると、センサは実質上水蒸気にし
か感応しなくなる。そこで通常のガスセンサを水蒸気セ
ンサに用いることが可能になる。そしてこのようなセン
サは、例えば電子レンジ等の調理器で食品加熱に伴う水
蒸気を検出し、調理器の制御に用いることができる。通
気制限を弱めると、メタンやイソブタン等の燃料ガスへ
の感度は残存するが、アルコールやエーテル、ケトン等
の日常しばしば用いられる有機溶剤への感度は低下す
る。このようなセンサは、ガス漏れの検出に適してい
る。
これとは別に、ガスセンサを電子レンジやオーブンレン
ジ等の調理器の制御に用いることが知られている。この
場合の問題は、センサの水蒸気感度に比べアルコール感
度が高すぎることに有った。そこで通気制限被覆により
アルコール感度を抑制すれば、問題を解決できる。
発明者らはまた、半導体工場でのシリコン基板の洗浄に
用いる、イソプロパノール等の有機溶剤の検出を検討し
た。シリコンの洗浄槽からは高濃度のイソプロパノール
蒸気が発生するため、検出が必要となる。しかし洗浄槽
の上部には常時高濃度のイソプロパノールが存在し、セ
ンサの劣化が著しかった。そこで通気制限被覆により、
センサ本体へのイソプロパノールの拡散を制限すれば、
センサの劣化を防止できた。
[実施例] 実施例1 高濃度有機溶剤蒸気の検出 問題点 半導体製造工場でのシリコン基板の洗浄に伴って発生す
る有機溶剤蒸気の検出に付いて検討した。用いられる溶
剤は主としてイソプロパノールやアセトンであり、洗浄
は例えば仕掛かり品のシリコン基板を溶剤中に浸すこと
によって行なわれる。発生する有機溶剤蒸気の濃度は、
イソプロパノールの場合で、洗浄槽上部のダクト内で20
00ppm程度であった。また仕掛かり品の洗浄槽からの引
き上げ時にはイソプロパノール濃度のピークが生じ、そ
の濃度は5000ppm程度であった。なおイソプロパノール
の爆発下限濃度は20,000ppmである。そしてこの場合の
検出目標は、例えば8,000ppm程度のイソプロパノールを
検出し、ダクトの故障等によるイソプロパノールの爆発
を防止することである。
ここで生じた問題は、高濃度の有機溶剤との接触により
ガスセンサが劣化することであった。即ち、SnO2やIn2O
3、ZnO、Fe2O3等の金属酸化物半導体ガスセンサを、高
濃度の有機溶剤蒸気に長時間さらすと、センサ特性が変
化する。次ぎに半導体工業での有機溶剤蒸気の検出の場
合、正常時でも高濃度の有機溶剤蒸気が存在し、検出の
余裕に乏しい。従ってセンサ特性の変化の影響は深刻で
ある。
このような問題は、半導体製造工場での検出に限られる
のではなく、高濃度の有機溶剤蒸気を検出する場合に
は、皆生じるものである。
センサ 第1図において、(2)はガスセンサ、(4)はアルミ
ナ等の耐熱絶縁性基板、(6),(8)は一対の電極、
(10)はSnO2やIn2O3、Fe2O3、ZnO等の金属酸化物半導
体膜、(12)はヒータ、(14)は通気制限性被膜として
のセラミック溶射膜で、金属酸化物半導体膜(10)の全
面に施してある。センサ(2)の形状や構造は、図示の
ものに限らず、任意のものを用い得る。この実施例で
は、金属酸化物半導体(10)をセンサ本体とする。
金属酸化物半導体(10)は通常、有機溶剤への接触酸化
活性を有している。また半導体に添加するPtやPd等の触
媒も、酸化活性を有している。更に電極(6),(8)
にPtやPd,RuO2等を用いると、これらの電極も酸化活性
を持つ。これらのものを総称して、センサの酸化活性と
する。
ここでセンサ(2)の表面を溶射膜(14)で被覆する
と、金属酸化物半導体(10)への有機溶剤蒸気の拡散が
制限される。一方金属酸化物半導体(10)等は有機溶剤
への酸化活性を持ち、拡散と酸化とのバランスのため、
金属酸化物半導体(10)の内部での有機溶剤蒸気は低下
する。そして金属酸化物半導体内部での有機溶剤蒸気の
濃度を低下させれば、ガスセンサ(2)の劣化を防止で
きる。また溶射膜(14)で可燃性ガスの拡散を制限する
と、高濃度のガスとの接触による酸化活性の変化も防止
される。
センサ(2)の内部でのガス濃度を低下させても、検出
感度は低下しない。高濃度の有機溶剤の検出の場合、空
気中とガス中との抵抗値の比ではなく、センサ抵抗の有
機溶剤への濃度依存性が重要である。センサ抵抗とガス
濃度との関係は一般に次の式で現される。
LogRs=K−αLogC ここにRsはセンサ抵抗を、Cはガス濃度を現し、Kとα
は定数である。またn形半導体の場合αは正で、p形半
導体の場合αは負となる。ここでガス濃度を低下させて
も、2つの濃度でのセンサあ抵抗の比は変わらない。従
ってガス濃度を低下させても、濃度依存性は減少しな
い。
このようにして、検出感度を低下させずに、高濃度の有
機溶剤蒸気によるセンサの劣化を防止できる。
実験例 アルミナ基板(4)に、RuO2の膜を印刷焼成してヒータ
(12)とした。またPt膜を印刷焼成し、電極(6),
(8)とした。Pt電極も有機溶剤への酸化活性を有して
いる。電極(6),(8)間に、0.3重量%のPd触媒を
添加したSnO2を約20μmの厚さに印刷し、焼成して金属
酸化物半導体膜(10)とした。
不要部をマスクして、MgAl2O4の溶射膜(14)を、溶射
電流500A、雰囲気Ar、溶射前のMgAl2O4粒子の粒径20μ
で、50μの厚さに溶射した。溶射膜(14)はほぼ緻密
で、ガスは溶射膜(14)のわずかな気孔や、溶射膜(1
4)と基板(4)とのかすかなすき間から拡散する。な
おMgAl2O4膜に代え、Al2O3やTiO2等の溶射膜も用い得
る。この場合は多孔質の溶射膜となるので、膜厚を増や
すのが好ましい。なおTiO2は導電性を有するが、その比
抵抗はSnO2膜(10)よりもはるかに高く、問題とはなら
ない。
このセンサ(2)をヒータ(12)で350℃に加熱し、製
造後2週間空気中でエージングした後、2000ppmのイソ
プロパノール中に90日間さらした。溶射膜(14)を設け
なかったものの特性を第2図の線(21),(22)に、溶
射膜(14)を設けたものの特性を線(23),(24)に示
す。いずれも実線はイソプロパノール中でエージングす
る前の特性を、破線はイソプロパノール中でエージング
した後の特性を示す。溶射膜(14)を設けると、センサ
の劣化を防止できる。また溶射膜(14)を設けても、検
出感度は低下しない。
なお溶射膜(14)による応答遅れは、空気中からガス中
への90%応答の時間で、30秒以下であった。また抵抗値
の変化から計算すると、金属酸化物半導体(10)の内部
でのイソプロパノール濃度は、溶射膜(14)により約1
/10に低下したことになる。
第3図に、2000ppmのイソプロパノール中でのセンサの
経時特性を示す。破線は溶射膜(14)を設けなかった比
較例を、実線は実施例を示し、各4個の平均を示す。30
日間センサを空気中でエージングし、以下120日間イソ
プロパノール中で経時特性を調べる。5000ppmのイソプ
ロパノールに対する最初の抵抗値を記録し、以後これと
同じ抵抗値になるイソプロパノール濃度(Alarmpoint)
を求める。溶射膜(14)により、経時変化を抑制でき
る。
γ−Al2O3やTiO2を溶射膜(14)として用い、第2図や
第3図と同様の方法で評価した結果を表1に示す。溶射
条件は、電流を500A、雰囲気をArとし、γ−Al2O3では
溶射前の粒子の平均粒径15μm、溶射膜(14)の厚さを
200μmとした。またTiO2では、溶射前の粒子の平均粒
径を10μm、溶射膜(14)の厚さを300μmとした。金
属酸化物半導体(10)やその使用条件等は、MgAl2O4を
用いた実施例と同等である。
なお表中、比較例は溶射膜(14)を設けなかったものを
意味する。またAlarm Pointは5000ppmのイソプロパノ
ールに対る最初の抵抗値を記録し、90日間2000ppmのイ
ソプロパノール中で使用した後に、最初の5000ppmのイ
ソプロパノールと同じ出力を与えるイソプロパノール濃
度を示す。ガス濃度依存性は、 LogRs=K−α・LogC に従って求めたαを意味する。ここにCはイソプロパノ
ール濃度、Rsはセンサ抵抗、Kは定数である。抵抗値は
最初の5000ppmのイソプロパノール中での抵抗値を示
し、濃度低下比は溶射膜(14)の有無によるセンサの抵
抗値の変化から計算した。また結果は各4個のセンサの
平均値である。
次に第4図に、100〜2000ppmのアセトン中でセンサ
(2)を用いた場合の経時特性を示す。図の実線はMgAl
2O4溶射膜(14)を設けた際の結果を、破線は溶射膜(1
4)を設けないので結果を示す。溶射膜(14)は第2
図、第3図で用いたセンサと同じで、測定方法もイソプ
ロパノールをアセトンに変えた他は同一である。30日目
からアセトンにさらし、同じ記号はアセトン濃度が等し
いことを示す。なおアセトンの爆発下限濃度は2.6%で
ある。
比較例を検討すると、500ppmのアセトン、(爆発下限濃
度の2%)、以上の雰囲気でセンサの劣化が著しいこと
が判る。このことは有機溶剤の平均濃度が爆発下限濃度
の1%以上、特に2%以上で、センサへの影響が大きい
ことを意味する。一方溶射膜(14)を設けた実施例で
は、いずれも経時変化を抑制できている。
なおここでは特定の溶射膜を示したが、他の溶射膜や通
気制限性被覆でも良いことは明らかである。またSnO2を
例示したが、他の金属酸化物半導体でも同様なことは明
らかである。更にセンサ(2)の形状は溶射の容易さか
ら定めたもので、他の形状でも良いことは明らかであ
る。溶射膜(14)の厚さや気孔率等は、個別の金属酸化
物半導体の特性、特に酸化活性と劣化の程度等を勘案し
て定めれば良いことは明らかである。
また実験例では主としてイソプロパノール中での使用に
付いて述べたが、これに限るこのではない。イソプロパ
ノールをエタノールやアセトン、ベンゼン等の他の溶媒
に代えても同じであるし、半導体の製造に代え、化学工
業やプラスチック工業等でも同じである。
実施例2 調理器の制御 問題点 SnO2等のガスセンサにより、電子レンジやオーブンレン
ジ等の調理器を制御することが行なわれている。この場
合、センサは加熱により食品から生じる水蒸気や可燃性
ガスを検出し、調理の度合の判断を行う。特公昭61−4
5,182号はこのようなセンサの問題点を指摘し、センサ
をジメチルシロキサン中でエージングすることを提案し
ている。
問題は、食品の種類により調理結果がばらつくことに有
る。例えばセンサで調理器を制御し、水とみそ汁とを再
加熱すると、みそ汁では早切れ現象が生じ、充分に暖ま
らないうちに調理が停止してしまう。同様にソースやし
ょう油等の調味料を加えた水でも、早切れ現象が生じ
る。酒のかん等では早切れ現象は更に著しい。
この原因は、味そやソース、しょう油、酒等の調味料か
ら生じる可燃性ガスに有った。即ち通常のガスセンサ
は、水蒸気に対する可燃性ガス感度が高過ぎるため、こ
れらの調味料から発生したエタノール等の可燃性ガスに
センサが感応し、充分に加熱されないうちにセンサ出力
が変化してしまうのである。
センサ センサには、先の実施例と同様、第1図のものを用い
た。なおこの実施例では、金属酸化物半導体(10)の水
蒸気感度と可燃性ガス感度とを利用する。即ち通気制限
被膜(14)により、金属酸化物半導体(10)への通気性
を制限する。このようにすると金属酸化物半導体(10)
の内部での可燃性ガス濃度は低下し、一方水蒸気はほと
んど影響を受けないため、可燃性ガスへの感度を抑制
し、水蒸気の相対感度を改善できる。
[実施例] アルミナ基板(4)に、RuO2ヒータ(12)とPt電極
(6),(8)とを印刷焼成した。次いで0.3重量%のP
dを加えたSnO2を約20μmの厚さに印刷し、焼成して膜
状の金属酸化物半導体(10)とした。不要部をマスクし
て、約300μm厚のγ−Al2O3溶射膜(14)を設けた。溶
射電流は500A、溶射雰囲気はAr、溶射前のγ−Al2O3の
平均粒径は約10μmとした。この溶射膜(14)はほぼ緻
密で、雰囲気は溶射膜(14)の微かな気孔や溶射膜(1
4)と基板(4)とのわずかなすき間から侵入する。セ
ンサ(2)をヒータ(12)で400℃に加熱し、雰囲気を
検出する。
可燃性ガスを代表するものとしてエタノールを用い、溶
射膜(14)の有無による感度の変化を調べた。20℃、RH
65%の雰囲気での空気中と300ppmのエタノール中との抵
抗値の比は、溶射膜(14)を設けないものでは3.5、溶
射膜(14)を設けたものは1.2で、溶射膜(14)により
可燃性ガス感度は著しく低下した。なお水蒸気への感度
はほぼ同等であった。また溶射膜(14)による応答遅れ
は、空気中からエタノール中への変化の90%応答の時間
で30秒以下であった。この時間は調理に通常用いられる
時間より短く、制御の妨げとはならない。これらの結果
は3個のセンサの平均である。
センサ(2)を電子レンジの排気ダクトに配置し、加熱
モード強(高周波電力600W)で食品を加熱し、センサ抵
抗の変化を調べた。第5図に、溶射膜(14)を設けなか
ったセンサに対する、180ccの水と、180ccのみそ汁とに
対する結果を示す。実線(51)は水への結果を、破線
(52)は同じセンサのみそ汁への結果を、実線(53)は
他のセンサの水への結果を、破線(54)はそのセンサの
みそ汁への結果を示す。第6図に、溶射膜(14)を設け
た実施例での結果を示す。実線(61)は水への結果、破
線(62)は同じセンサのみそ汁への結果、実線(63)は
他のセンサの水への結果、破線(64)はそのセンサのみ
そ汁への結果を示す。なお縦軸(R/R)は調理開始
後20秒目の抵抗値(R)を基準としたセンサ抵抗
(R)の変化を示し、横軸は調理時間を示す。溶射膜
(14)の有無でみそ汁への特性が異なる。これはみそ汁
から発生するエタノール等の可燃性ガス感度への相違に
よるものである。
第7図、第8図に酢やしょう油、ソースの影響を示す。
各軸の意味は同様で、第7図は溶射膜(14)のない比較
例の結果を、第8図は溶射膜(14)を設けた実施例の結
果を示す。実線(71),(81)は150ccの水での結果
を、破線(72),(72)はこれに20ccの酢を加えたもの
の結果である。また実線(73),(83)は、150ccの水
に20ccのソースを加えたものの結果を、破線(74),
(84)は150ccの水に20ccのしょう油を加えたものの結
果を示す。比較例では、ソース等の調味料で水と結果が
異なるのに対し、実施例では調味料の有無による変化が
小さい。これも、調味料に含まれるエタノール等の可燃
性ガスへの感度を抑制したことによるものである。
なお他の溶射膜に付いて、第5図、第6図と同様の試験
を行った際の結果を表2に示す。
なおTiO2溶射膜には平均粒径15μmのTiO2粉末を200μ
mの厚さに溶射したものを、MgAl2O4溶射膜には平均粒
径20μmのMgAl2O4粉末を厚さ60μmに溶射したものを
用いた。またセンサは溶射膜の相違以外は最初の実施例
と同一である。
ここでは特定の半導体材料に付いて結果を示したが、Zn
OやIn2O3等を用いる場合も同様に実施し得ることは明ら
かである。また溶射膜(14)の種類や厚さを変えても同
様に実施し得ることは明らかである。
第3の実施例 第9図、第10図に第3の実施例を示す。この実施例の着
目点は、薄膜や厚膜形のセンサでは、センサ本体が薄
く、酸化活性にも限界がある点にある。そしてこのセン
サ(92)では、センサ本体に接続した一対の電極(9
4),(96)の上部を緻密なガラス膜(98)で覆い、電
極間領域までの気体の拡散距離を大きくする。
図において、(100)はアルミナ等の耐熱絶縁性基板、
(94),(96)は一対の金電極(厚さ10μm)、(98)
は前記のガラス膜である。ここではガラス膜(98)に軟
化点500〜600℃程度のホウケイ酸鉛ガラス(厚さ20μ
m)を用いた。ガラス膜(98)は、緻密な溶射膜として
も良い。(102)はSnO2やIn2O3、Fe2O3等の金属酸化物
半導体印刷膜(厚さ20μm)である。金属酸化物半導体
(102)は真空蒸着やスパッタリング等による薄膜とし
ても良い。(104)はアルミナやシリカ等の多孔質膜
(厚さ20μm)で、ガラス膜(98)と金属酸化物半導体
(102)との分離用である。ここではアルミナ膜(104)
に貴金属触媒を添加(Pd2wt%)し、センサの酸化活性
を高めた。なお多孔質膜(104)は設けなくても良い。
また金属酸化物半導体(102)はガラス膜(98)と同形
状とした。(106)は酸化ルテニウム等の印刷ヒータ、
(108)はヒータ(106)に接続した電極である。金属酸
化物半導体(102)と多孔質膜(104)とで、センサ本体
とする。
第11図、第12図に変形例のセンサ(112)を示す。この
センサ(112)では、ガラス膜(99)の面積を縮小し、
多孔質膜(104)の露出部を増加した。
第13図に、アルミナ等からなる円筒状の絶縁性基体(13
4)を用いた実施例を示す。図において、(136)はコイ
ル状のヒータ、(138),(140)は金等の印刷電極、
(142)はSnO2等の金属酸化物半導体の印刷膜、(144)
はアルミナに貴金属触媒等を加えた多孔質膜、(14
6),(148)は緻密質のガラス膜である。
第9図、第10図の実施例を基に、センサの製造工程と特
性とを説明する。基板(100)に電極(94),(96),
(108)を印刷し、850℃で焼成する。次いで酸化ルテニ
ウムヒータ(106)を印刷し、850℃で焼成する。更に金
属酸化物半導体(102)を20μm厚に印刷し、600℃程度
で焼結する。ここでは金属酸化物半導体(102)に、SnO
2に2wt%のPdを添加したものを用いた。この上から、多
孔質膜(104)とガラス膜(98)とを各20μm厚に印刷
し、600℃で焼成した。
印刷を用いるため、センサ本体の厚さには制限が生じ
る。例えば極端に膜厚を増すと、センサ本体の強度が低
下する。このため膜の上方からの気体の拡散距離は短
く、妨害ガスの酸化による除去も不十分となる。実施例
では、ガラス膜(98)の露出部、即ち多孔質膜(104)
の4周から気体を拡散させ、電極間領域に達するまで金
属酸化物半導体(102)や多孔質膜(104)に沿って拡散
させる。そして妨害ガスをこの間に除去する。
この効果を得るには、例えば第11図や第13図に示すよう
にしても良い。金属酸化物半導体(102),(142)に接
続した電極(94),(96),(138),(140)の上部か
らの気体の拡散を制限し、電極間領域に達するまでに十
分長い距離をセンサ本体の内部で拡散させ、不必要なガ
スを十分に酸化除去するのである。
第14図に、第9図の実施例に付いて相対感度の変化を示
す。図の実線は実施例の結果を、破線はガラス膜(98)
を除いた他は同一の比較例の結果を示す。図は、300〜5
00℃での各1000ppmのガス中での抵抗値を、空気中の抵
抗値を基準として現す。被検出ガスとして、メタンとイ
ソブタンを、妨害ガスとしてアルコールやエーテル、ケ
トンを代表するエタノールを用いた。結果は各3個のセ
ンサの平均値である。
比較例では、多孔質膜(104)からなる酸化触媒で被覆
したにもかかわらず、メタンへの感度は低く、エタノー
ルへの感度は高い。実施例では、400℃付近からエタノ
ール感度が低下し、メタンへの感度も高い。
なおこの実施例は、メタンやイソブタンの検出に付いて
説明したが、電子レンジ等の制御や、高濃度や有機溶剤
蒸気の検出等にも使用し得る。またセンサ本体の酸化活
性を高め、あるいはガラス膜(98)の下部での拡散距離
を更に長くすれば、水蒸気の検出にも用い得る。
[発明の効果] この発明では、センサ本体の酸化活性と、通気制限被覆
とを組み合わせ、センサの相対感度を制御する。センサ
本体への通気性は被覆により制限されているので、不要
なガスを容易に除去し、その結果相対感度を大幅に変え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のセンサの断面図、第2図〜第4図は実
施例の特性図である。 第5図は従来例の特性図、第6図は実施例の特性図、第
7図は従来例の特性図、第8図は実施例の特性図であ
る。 第9図は他の実施例の平面図、第10図はそのX−X方向
断面図、第11図は更に他の実施例の平面図、第12図はそ
のXII−XII方向断面図である。第13図は変形例の断面
図、第14図は第9図の実施例の特性図である。 図において、 (2),(92),(112),(132)……センサ、 (4),(100),(134)……耐熱絶縁基体、 (6),(8),(94),(96),(138),(140)…
…電極、 (10),(102),(142)……金属酸化物半導体、(1
4)……溶射膜 (98),(99),(146),(148)……ガラス膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安永 進 大阪府箕面市船場西1丁目5番3号 フィ ガロ技研株式会社内 (72)発明者 田中 克之 大阪府箕面市船場西1丁目5番3号 フィ ガロ技研株式会社内 (72)発明者 山口 隆司 大阪府箕面市船場西1丁目5番3号 フィ ガロ技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−221154(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物半導体の抵抗値の変化を利用
    し、かつ可燃性ガスへの酸化活性を有するセンサ本体
    に、少なくとも一対の電極を接続したセンサにおいて、 センサ本体の表面をセラミック溶射膜もしくはガラス膜
    からなる通気制限被覆により覆い、センサ本体への周囲
    の気体の拡散を制限した状態で、センサ本体の酸化活性
    により拡散した気体の少なくとも一部を酸化して除去
    し、各種気体への相対感度を変化させるように構成した
    ことを特徴とする、センサ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のセンサにおい
    て、 前記通気制限被覆をガラス膜としたことを特徴とする、
    センサ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載のセンサにおい
    て、 前記センサを水蒸気を検出するための調理器の制御用セ
    ンサとしたことを特徴とする、センサ。
JP62250237A 1987-03-05 1987-10-02 センサ Expired - Fee Related JPH0663994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62250237A JPH0663994B2 (ja) 1987-03-05 1987-10-02 センサ

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-50957 1987-03-05
JP5095787 1987-03-05
JP62-50956 1987-03-05
JP5095687 1987-03-05
JP62250237A JPH0663994B2 (ja) 1987-03-05 1987-10-02 センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63314452A JPS63314452A (ja) 1988-12-22
JPH0663994B2 true JPH0663994B2 (ja) 1994-08-22

Family

ID=27294140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62250237A Expired - Fee Related JPH0663994B2 (ja) 1987-03-05 1987-10-02 センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0663994B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3011331B1 (fr) * 2013-10-01 2017-02-17 Univ Aix Marseille Capteur a gaz a couche sensible chauffee

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58221154A (ja) * 1982-06-18 1983-12-22 Hitachi Ltd ガスセンサ素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63314452A (ja) 1988-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017223557A (ja) ガスセンサ
JP3988999B2 (ja) 薄膜ガスセンサおよびその製造方法
JPH0663994B2 (ja) センサ
JP7158680B2 (ja) ガスセンサ
JP4010738B2 (ja) ガスセンサ及びガス検出器及びガス検出方法
KR20210038552A (ko) 가스 검지 장치
JP3075070B2 (ja) 一酸化炭素ガスセンサ
JP3271635B2 (ja) 厚膜ガスセンサおよびその製造方法
JP4315992B2 (ja) ガスセンサ及びガス検出器及びガス検出方法
JP2570440B2 (ja) ガスセンサ
JP3191523B2 (ja) 厚膜ガスセンサ
JPH06174674A (ja) 半導体ガスセンサ
JPH07198651A (ja) 薄膜ガスセンサー及びその製造方法
JPH0221256A (ja) ガスセンサ
JP2980290B2 (ja) ガス検出方法及びそれに用いるガスセンサ
JP2001221760A (ja) 薄膜ガスセンサ
JPH02263145A (ja) 半導体式ガスセンサ
JPH0252247A (ja) ガスセンサ
JPH0743331A (ja) 厚膜ガスセンサ
JP4779076B2 (ja) 薄膜ガスセンサ
JPH07209234A (ja) 半導体ガスセンサ
JPH06148112A (ja) 水素ガス検知素子
JPH07209235A (ja) 厚膜型ガスセンサ
JP3000726B2 (ja) ガスセンサ
JPH0390848A (ja) ガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees