JPH06148112A - 水素ガス検知素子 - Google Patents

水素ガス検知素子

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JPH06148112A
JPH06148112A JP31643092A JP31643092A JPH06148112A JP H06148112 A JPH06148112 A JP H06148112A JP 31643092 A JP31643092 A JP 31643092A JP 31643092 A JP31643092 A JP 31643092A JP H06148112 A JPH06148112 A JP H06148112A
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JP
Japan
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gas
oxide
hydrogen gas
catalyst
partial poisoning
Prior art date
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Application number
JP31643092A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Yasukawa
佳和 安川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabe Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kurabe Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、水素ガスに対して高い感度
と選択性を有するとともに、優れた応答性を示すガス検
知素子を提供することにある。 【構成】 本発明による水素ガス検知素子は、絶縁基板
(1)と、一対の電極(3)と、In23からなる薄膜
状ガス感応体(2)と、Pdからなる触媒(4)と、S
i酸化物からなる部分被毒剤(5)と、から構成された
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素ガスに対し、高い
感度と選択性を有するとともに、優れた応答性を示すガ
ス検知素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、SnO2(酸化スズ)、In2
3等の金属酸化物半導体をガス感応体として用いたガ
ス検知素子について、各種の研究がなされている。この
ようなガス検知素子の中で、H2ガスを選択的に検知す
ることができるように工夫を施したものとして、例えば
特開平3−259736号公報に示されたようなものが
ある。この公報に示された素子は、上記公報にも詳述さ
れているように、素子形成の最終工程において熱処理を
施すことにより、H2ガスに対する感度を向上させると
ともに、H2ガス以外のガスに対する感度を低下させた
ものである。また、これとは別の例として、SnO2
In23等の金属酸化物半導体からなるガス感応体の表
面に、水素以外の分子の通過を抑制し水素分子を容易に
通過させる、例えばAl23(酸化アルミニウム)、S
iO2(酸化ケイ素)、Si34(窒化ケイ素)等の燃
焼非活性の薄膜を形成したものも提案されている。この
センサは、ガス感応体の表面に緻密で一様な連続薄膜
(水素選択性透過膜)を形成することにより、水素以外
のガスによる干渉を少なくして高感度の水素選択性セン
サの実現を狙ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の素子においては、次のような問題点がある。まず、
前段のものは、素子形成の最終工程において施される熱
処理が12時間程度の時間を要することから、生産性に
劣るという欠点がある。また、後段のものは、特公昭6
1−223643号公報においても指摘されているよう
に、水素ガスが直接ガス感応体の表面に吸着するタイプ
の素子に比べ、水素ガスが選択性透過膜を通過する分、
感度や応答性が低下してしまうという欠点がある。更
に、この素子は透過膜の大きさによって水素以外の分子
の通過を抑制するものであるため、分子径レベルでの孔
径の制御が必要とされ、極めて高い膜厚制御技術が要求
され、高い歩留りを得にくいという欠点もある。
【0004】本発明者らは、前記事情に鑑み、生産性に
優れるとともに、水素ガスに対する高い感度、選択性及
び応答性を有するガス検知素子を開発すべく種々検討を
重ねた結果、Si酸化物をある特定の貴金属触媒に添加
することにより、該触媒の部分被毒効果が発現し、それ
により水素ガスに対する選択性が著しく向上することを
見い出して本発明に至った。尚、ここでいう「部分被毒
効果」とは、適量の毒物を故意に添加することにより、
主反応は阻害せずに副反応を低下させる効果である。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の水素ガス検
知素子は、絶縁基板と、一対の電極と、In23からな
る薄膜状ガス感応体と、Pdからなる触媒と、Si酸化
物からなる部分被毒剤と、から構成されたことを特徴と
するものである。
【0006】本発明において使用される絶縁基板として
は、例えばAl23等のセラミック基板やSiO2等の
ガラス基板など耐熱性かつ絶縁性の基板が用いられる。
【0007】本発明において使用されるIn23からな
る薄膜状ガス感応体は、真空蒸着法、スパッタリング法
等により絶縁基板上に形成する。このとき、前記ガス感
応体の質量膜厚は750Å以下であることが好ましく、
750Åを超えると感度が低下してしてしまう。尚、I
23の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法等によ
りIn薄膜を絶縁基板上に形成した後、熱処理等により
In23を形成しても良いし、あるいは真空蒸着法、ス
パッタリング法等により絶縁基板上に直接In23を形
成しても良い。
【0008】本発明において使用される一対の電極とし
ては、例えばAu(金),Pt(白金)等が用いられ、
真空蒸着法、スクリーン印刷法、スパッタリング法等に
より形成する。この電極は、ガス感応体に接して対向し
て設けられ、ガス感応体と絶縁基板との間、あるいはガ
ス感応体表面のどちらに設けても良い。
【0009】本発明において使用される触媒は、Pdか
らなり、真空蒸着法、スパッタリング法等によりガス感
応体表面上に形成される。このとき、前記触媒の質量膜
厚は50Å以下が好ましく、50Åを超えるとガス感応
体自体が半導体の性質を保てなくなり、検知特性が低下
してしまう。尚、触媒としては、Pd以外にもPt等の
貴金属触媒が良く知られているが、例えばPtを本発明
に適用した場合には、後述するSi酸化物の部分被毒効
果が発現しないため好ましくない。
【0010】本発明において使用される部分被毒剤は、
Si酸化物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法等
によりガス感応体及び触媒表面に形成される。このと
き、Si酸化物(部分被毒剤)の質量膜厚は25Å以上
であることが好ましく、25Åに満たない場合は十分な
部分被毒効果が得られない。また、Si酸化物(部分被
毒剤)を、真空蒸着法、スパッタリング法等にて形成し
たSiの加熱酸化により形成する場合は、Si酸化物の
質量膜厚が30000Å以下であることが好ましい。質
量膜厚が30000Åを超えたものは通常の加熱酸化処
理では形成しにくく、また形成できたとしても十分な部
分被毒効果が得られにくい。尚、本発明でいう「質量膜
厚」とは、物質を均一な膜厚の膜として換算した場合の
膜厚を意味しており、実際は粒子や不連続膜を形成して
いる場合もあり、連続膜のみを表すものではない。
【0011】本発明の水素ガス検知素子は、素子温度を
所定の温度に保ために、例えば自己温度制御型(PT
C)ヒータ等の発熱体を設けても良い。
【0012】
【作用】上記構成による本発明の水素ガス検知素子は、
Si酸化物がPd触媒の部分被毒剤として働き、それに
より水素ガスのみを選択的に高感度で検知することがで
きる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と併せて説明
する。 <実施例1>まず、図1に示すように絶縁基板1として
縦,横及び厚さが8×7×0.635mmのアルミナ基
板を用意し、該基板1上に真空蒸着法により質量膜厚1
00ÅのIn薄膜を形成した後、空気中で500℃、1
0分間の熱処理を施して質量膜厚126ÅのIn23
膜からなるガス感応体2を得た。次に、前記ガス感応体
2上に、図2に示したような質量膜厚500Åのくし型
Pt電極3を真空蒸着法により形成した。更に、それら
の上面に、質量膜厚10ÅとなるようにPdの真空蒸着
を行って、触媒4を形成した。最後に、前記ガス感応体
2及びPd触媒4の上面にSiを真空蒸着(質量膜厚:
10、50、100、200、300、500、100
0、6000、12000Å)により形成した後、空気
中で500℃、1時間の熱処理を施してSi酸化物から
なる部分被毒剤5(質量膜厚:25、125、250、
500、750、1250、2500、15000、3
0000Å)を形成した。尚、前記絶縁基板1の裏面に
は素子温度制御のための発熱体6を設けてある。
【0014】ここで上述のようにして製造した素子のガ
ス感度を次の条件の下に測定した。まず、密閉槽内に素
子を固定し、該槽内に濃度400ppmのH2ガス、濃
度1000ppmのCOガス、C25OH及びC3
8(プロパン)ガスの各種ガスを注射器で注入しファン
で撹拌した後、素子温度を60〜300℃に保持した状
態での各種ガス雰囲気中における素子の電気抵抗値を測
定した。そして、各種ガスに対する感度を図3〜図11
に示した。感度は、[空気中の抵抗値(Rair)/ガス
中の抵抗値(Rgas)]で示した。これによれば、どの
素子もH2ガスに対する選択性に優れていることがわか
る。中でも特にSi酸化物の質量膜厚が500Åのとき
(図6に示す)に最も高い選択性を示しいる。また、S
i酸化物の質量膜厚が500Åを超えると、かえって選
択性が低下している。これは、質量膜厚が500Åを超
えると、大気中での加熱酸化が進行しにくく、Siの酸
化が不十分となり部分被毒効果が低下するためであると
推察される。
【0015】<比較例1>次に比較例として、Si酸化
物(部分被毒剤)を形成しない素子を作製し、上記実施
例1と同様に各種ガスに対する感度を測定した。結果は
図13に示した。
【0016】図13と上記実施例1における素子の感度
特性(図3〜図11)とを比較してみると、Si酸化物
(部分被毒剤)の添加により、H2ガスに対する選択性
が向上していることが判る。
【0017】図12には、上記実施例1にて作製した素
子[Si酸化物(部分被毒剤)の質量膜厚が500Å]
の素子温度220℃における、濃度400ppmのH2
ガスに対する応答性を、図14には上記比較例1にて作
製した素子[Si酸化物(部分被毒剤)無し]の素子温
度220℃における、濃度400ppmのH2ガスに対
する応答性を示した。どちらの素子も立ち上がり速度、
復帰速度ともに90%応答時間が1分以内と高い応答性
を示している。
【0018】<比較例2>実施例1において、Pd触媒
にかえてPt触媒を用いた素子を作製し、各種ガスに対
する感度を測定した。図15には、Si酸化物(部分被
毒剤)の質量膜厚が500Åの素子の感度特性を示し
た。実施例1におけるSi酸化物(部分被毒剤)の質量
膜厚が500Åの素子の感度特性(図6)と比較してみ
ると、Pt触媒ではSi酸化物添加による部分被毒効果
が発現しないことが判る。
【0019】このように本実施例による素子は、比較例
とほぼ同等の応答性を有していることと、Si酸化物が
ガス分離機能を発現するとは考えにくい、わずか25Å
の質量膜厚で選択性向上の効果が見られたことなどから
選択性向上効果は部分被毒であると結論された。従来よ
り、SiO2薄膜からなる選択性透過膜を用いてH2ガス
に対する選択性を発現させていたものがあるが、この選
択性透過膜はSi酸化物の熱分解により形成されてお
り、熱分解工程において分解ガスが抜けた部分が気孔を
形成するため触媒の活性点が被覆されにくい。これに対
し、本発明の素子はSi酸化物の熱分解工程を経ること
なく、触媒表面にSi酸化物を形成するため、副成分形
成の活性点が被覆され部分被毒効果が発現するものと推
察される。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の素子は、部
分被毒剤としてSi酸化物を添加することにより、水素
ガスに対する高い感度、選択性及び応答性を得ることが
できる。したがって、従来のように熱処理等の煩わしい
工程を経たり、困難な膜厚制御を行うことなく簡単に素
子を製造することが可能となり、極めて実用性の高い水
素ガス検知素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水素ガス検知素子の一実施例を示
す断面図(概念図)である。
【図2】本発明に用いられるくし型Pt電極の一例を示
す平面図である。
【図3】乃至
【図11】本発明による水素ガス検知素子の各種ガスに
対する感度特性図である。
【図12】本発明による水素ガス検知素子の水素ガスに対
する応答特性図である。
【図13】比較例1の素子の各種ガスに対する感度特性
図。
【図14】比較例1の素子の水素ガスに対する応答特性図
である。
【図15】比較例2の素子の各種ガスに対する感度特性図
である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 ガス感応体 3 くし型Pt電極 4 触媒 5 部分被毒剤 6 発熱体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、一対の電極と、In2
    3(酸化インジウム)からなる薄膜状ガス感応体と、P
    d(パラジウム)からなる触媒と、Si(ケイ素)酸化
    物からなる部分被毒剤と、から構成された水素ガス検知
    素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水素ガス検知素子におい
    て、前記部分被毒剤の質量膜厚が25Å以上であること
    を特徴とする水素ガス検知素子。
JP31643092A 1992-10-30 1992-10-30 水素ガス検知素子 Pending JPH06148112A (ja)

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