JPH0663946U - フローティング型ブレーキディスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキディスクのハブとリング状のディス
クの結合に用いるピンを、耐久性が高く、部品数が少い
ものとする。 【構成】 ハブ２とディスク３に設けた凹部に硬質で耐
摩耗性をもつ外ピン８を挿入し、外ピン８のフランジ８
ｂで皿ばね７を押さえ、反対側からかしめ性のよい内ピ
ン９を挿入してパイプ部８ａに先端にフランジ９ｂを当
接し、先端をフランジ８ｂから出してかしめ、かしめ部
９ｃとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動二輪車などに用いられる、フローティング型のブレーキディス クに関する。

【０００２】

【従来の技術】

リング形のディスクをハブに対して微小変位可能に保持し、ディスクの摩擦熱 による変形を自由に行わせるようにしたブレーキディスクは、フローティング型 として従来周知であり、ディスクとハブの対向する凹所にピンを挿入し、ピンの 一端のフランジと、該ピンの他端側にかしめ止めしたワッシャで支持される皿ば ねとで、ハブとディスクを挟持するのが一般である。

【０００３】 しかしながら、前記の従来技術においては、ピンに耐摩耗性をもたせるべく硬 度の高いものを用いるとワッシャのかしめ止めが困難になる。実開昭６０−１２ ６７３６の技術は、ワッシャのかしめ止めを容易にしたもので、図４に示すよう にハブａとディスクｂの対向する凹所に、フランジｃ₁とパイプ部ｃ₂をもつ中空 の外ピンｃを挿入し、外ピンｃ内に軟質で頭付きの内ピンｄを挿入し、該内ピン ｄに皿ばねｅとワッシャｆを嵌め、これらを管部ｃ₂の端面に圧着するように内 ピンｃをかしめてなるものである。

【０００４】 この公知技術においては、外ピンｃに硬質材料を用いてもかしめは容易に行う ことができるが、皿ばねｅを挟持するため、皿ばねの挟持される部分と変形する 部分の間の肩ｅ₁にクラックが入り易いと解される。またワッシャｆを省略する ことができないから部品数も多くなる不都合がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、皿ばねをかしめ止めすることなく、ワッシャを省略できるようにす ることを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案における前記課題の解決手段は、ハブの外周とディスクの内周に対向す る多数の凹部を設け、該凹部に係合するピンに挟持手段を設け、該挟持手段でハ ブとディスクを挟持した、フローティング型ディスクブレーキにおいて、パイプ 部の一端にフランジをもち、パイプ部が前記凹部に挿入された硬質の外ピンと、 外ピンのパイプ部に嵌めた皿ばねと、一端のフランジが外ピンのパイプ部の先端 に当接し、軸部が該パイプ部内を通って皿ばねを圧縮した状態で外ピンのフラン ジ側にかしめられた内ピンと、を備えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

前記の手段を備えることにより、硬質の外ピンをかしめることなく、またワッ シャを用いることなく、外ピンのフランジで皿ばねを保持することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明する。図１〜３で１はフローティング型ブレーキ ディスクで、２はハブ、３はリング形のディスクであり、ハブ２の外周とディス ク３の内周には、対向して半円形の凹部４、５が多数組設けてあり、ハブ２とデ ィスク３は、該凹部４、５に挿入したピン６によって僅かに相対移動可能に接続 され、かつピン６で保持される皿ばね７で前記相対移動に抵抗を与えてがたつき を防止するようになっている。

【０００９】 ピン６は、耐摩耗性が高い硬質材よりなる外ピン８と、かしめ性が良好な内ピ ン９よりなり、外ピン８は、パイプ部８ａとフランジ８ｂを備え、内ピン９も、 パイプ状の軸部９ａとフランジ９ｂを備える。

【００１０】 外ピン８のパイプ部８ａの長さＬは、ハブ２又はディスク３の厚さＴに、皿ば ね７をセット荷重で圧縮した状態の高さＨを加えた寸法とされる。また内ピン９ の軸部９ａの外径Ｄ₁は、内径Ｄ₂の外ピン９内に嵌合できる寸法であり、長さＬ ₁ は前記Ｌよりかしめ部９ｃを形成する分だけ長くされている。前記Ｄ₁とＤ₂の 関係は、Ｄ₁＞Ｄ₂として圧入による結合力を大にしたものでもよく、Ｄ₁＜Ｄ₂と して組付けを容易にしたものでもよい。

【００１１】 ピン６をブレーキディスク１に組付けるには、外ピン８に皿ばね７を嵌め、パ イプ部８ａを凹部４、５に通し、反対向から内ピン９を挿入し、内ピン９のフラ ンジ９ｂがパイプ部８ａの先端に当接した状態で軸部９ｂの先端をかしめて、か しめ部９ｃを形成する。

【００１２】 このようにすることにより、外ピン８と内ピン９は一体化され、同時に、ハブ ２又はディスク３とフランジ８ｂとの間に一定の高さＨの間隙が保持され、皿ば ね７にセット荷重をかけてその弾力でハブ２とディスク３の回転方向、軸方向等 の相対移動に抵抗を与えることができる。

【００１３】 前記のものにおいて、外ピン８はかしめられることがないから、凹部４、５、 皿ばね７等に対して耐摩耗性の高い硬質のステンレス鋼等を用いることができ、 内ピン９としては、その他のかしめ性のよい金属を用いればよい。図中１０は車 体フレームである。

【００１４】 なお、前記実施例において、内ピン９をパイプ状のものとしたが、軽量化の点 でさしつかえがなければ、無垢の軸部をもつピンを用いてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案は、外ピンをかしめることがないから、外ピンを充分な耐 摩耗性をもつ硬質材とすることができ、耐久性の高いピンが得られる利点を有す る。 更に、この硬質の外ピンのフランジで皿ばねを保持するから、ワッシャを用い る必要がなく、部品点数が少くなる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の断面図

【図２】 同上正面図

【図３】 ピンの分解断面図

【図４】 従来例の断面図

【符号の説明】

２ ハブ ３ ディスク ６ ピ
ン ７ 皿ばね ８ 外ピン ８ａ パ
イプ部 ８ｂ、９ｂ フランジ ９ 内ピン
９ａ 軸部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハブの外周とディスクの内周に対向する
   多数の凹部を設け、該凹部に係合するピンに挟持手段を
   設け、該挟持手段でハブとディスクを挟持した、フロー
   ティング型ディスクブレーキにおいて、 パイプ部（８ａ）の一端にフランジ（８ｂ）をもち、パ
   イプ部（８ａ）が前記凹部（４、５）に挿入された硬質
   の外ピン（８）と、 外ピン（８）のパイプ部（８ａ）に嵌めた皿ばね（７）
   と、一端のフランジ（９ｂ）が外ピン（８）のパイプ部
   （８ａ）の先端に当接し、軸部（９ａ）が該パイプ部
   （８ａ）内を通って皿ばね（７）を圧縮した状態で外ピ
   ン（８）のフランジ（８ｂ）側にかしめられた内ピン
   （９）と、 を備えたことを特徴とする、フローティング型ブレーキ
   ディスク。
2. 【請求項２】 内ピン（９）がパイプ状であることを特
   徴とする、請求項１のフローティング型ブレーキディス
   ク。