JPH0663682B2 - 自動製氷機 - Google Patents

自動製氷機

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JPH0663682B2
JPH0663682B2 JP4936789A JP4936789A JPH0663682B2 JP H0663682 B2 JPH0663682 B2 JP H0663682B2 JP 4936789 A JP4936789 A JP 4936789A JP 4936789 A JP4936789 A JP 4936789A JP H0663682 B2 JPH0663682 B2 JP H0663682B2
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伸一 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば冷蔵庫に組み込むことができる自動製
氷機に関する。
(従来の技術) 製氷が完了した製氷皿をモータ等の駆動源により回転さ
せて離氷動作を行わせ、上記製氷皿の下方に備えられた
貯氷庫に離氷した氷が貯蔵され、さらに、離氷後の製氷
皿には給水動作が行われる自動製氷機が知られており、
例えば冷蔵庫に組み込まれて実用に供されている。
かかる自動製氷機では、製氷機から出る冷気によって製
氷機の駆動系が凍りついてしまうなどの理由により、駆
動源としてのモータがロック状態となる場合がある。モ
ータがロック状態のままモータへの給電が長く続くと、
過熱等によってモータが破損してしまう危険性がある。
従って、モータへの給電中にモータがロック状態に陥っ
ているときには、モータへの給電を抑制するような保護
手段を設ける必要がある。
従来の自動製氷機におけるモータの保護手段としては、
正の抵抗−温度特性、即ち、温度が上昇すると電気抵抗
が増大する特性を有する回路素子であるポジスターを、
駆動源としての直流モータに直列に接続することが考え
られている。こうすれば、モータへの給電が行われ、し
かもモータがロック状態であれば、モータ自体の抵抗は
ほとんどが巻線抵抗であって微小な抵抗であるため、上
記ポジスターを通じて直流モータに流れる電流は非常に
大きくなる。ポジスターを通じてモータに非常に大きな
電流が流れるとポジスター自体が発熱して温度が上昇
し、ポジスターの抵抗値が大きくなる。これにより、ポ
ジスターを通じてモータに流れる電流は抑制され、モー
タの発熱が抑制されることになる。
(発明が解決しようとする課題) 上記ポジスターを用いたモータの保護手段によれば、モ
ータロック時の電流値と通常の使用時の電流値との差が
小さいと誤動作のおそれがあるから、モータロック時の
電流値と通常の使用時の電流値との間に差をつけておか
なければポジスターを用いることができない。しかも、
温度変化に対するポジスターの抵抗変化率が小さいた
め、モータ使用最大電流、ポジスターによる検出電流、
モータロック時の電流との間に、 モータ使用最大電流≪ポジスターによる検出電流<モー
タロック時の電流 なる関係をもたせる必要がある。そのため、通常の使用
状態でモータに大きな電流を流すことができず、モータ
の能力を最大限に引き出すことができなかった。また、
製氷機内の低温下で使用するため、ポジスターの放熱が
よくなり、ポジスターとしての動作がにぶくなる可能性
もある。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消するためにな
されたもので、モータロックに対する保護装置を設けな
がらモータの能力を最大限に活用することができる自動
製氷機を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、モータのロックに対する保護動作
を行なった後、ロック状態の解除にともなって自動的に
通常の動作に復帰することができるようにした自動製氷
機を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、自動製氷機において、製氷皿の動作位置を検
知するための位置検知スイッチ手段と、モータへの給電
時間を検知するための給電時間検知手段と、この給電時
間検知手段により上記モータへの給電が所定時間経過し
たと検知されたときであって上記位置検知スイッチ手段
からのスイッチ信号がなく所定の動作位置に到達しない
ときに上記モータへの給電を停止する制御手段とを設け
たことを特徴とする。
制御手段は、給電時間検知手段による時間検知に基づい
てモータへの給電が停止された後、さらに一定時間経過
後上記モータへ再び給電するように構成してもよい。
(作用) モータへ給電が開始されるのと同時に給電時間検知手段
が動作を開始する。モータへの給電によりモータが駆動
されると所定の動作位置に到達して所定の動作が行なわ
れ、位置検知スイッチ手段からスイッチ信号が出力され
るが、このスイッチ信号が出力されないうちに、即ち、
所定の動作位置に到達しないうちに、給電時間検知手段
によりモータへの給電が所定時間経過したと検知される
と、モータがロック状態に陥ったものとして制御手段が
モータへの給電を停止し、モータを保護する。
給電時間検知手段による時間検知に基づいてモータへの
給電が停止された後、さらに一定時間経過後上記モータ
へ再び給電することにより、ロック状態が解消していれ
ば正常な動作に復帰する。
(実施例) 以下、第1図ないし第13図を参照しながら本発明にかか
る自動製氷機の実施例について説明する。
第1図ないし第3図において、上側ケース11と下側ケー
ス12とによって箱が形成されており、この箱の一隅部に
は検氷動作及び離氷動作を行うための駆動源としてのモ
ータ13が固定されている。モータ13の出力軸にはウォー
ム14が固着され、このウォーム14はウォームホイル15と
噛み合っている。ウォームホイル15の回転力は減速歯車
列16,17,18,19,20を介して大径歯車21に伝達される。大
径歯車21はその下面側に三つのカム22,23,24が一体成形
されると共に中心部の上下に軸部29が一体成形され、こ
の軸部29が上記上端ケース11の軸受部と下側ケース12の
軸受部60によって回転可能に支持されている。
第6図に示すように、上記カム22は溝カムであり、各カ
ム23,24は外周面がカム面をなしている。このうちカム2
2は原位置検出用のカムで、軸部29を中心とするほぼ円
弧状に形成されると共に一部に回転中心方向にくぼんだ
凹部25が形成されている。カム24は貯氷量検知用のカム
で、これもほぼ円弧状に形成されると共に一部に回転中
心方向にくぼんだ凹部26が形成されている。カム23は後
述のスライダを変位させるためのカムで、ほぼ270度の
範囲で円弧状に形成されると共に残りの部分が回転中心
方向にくぼんだ凹部27となっている。
第1図ないし第3図において、大径歯車21の上方には、
歯車32がこれらの歯車21,32の面同志が対峙するように
して配置されている。歯車32は歯車21の外側に位置する
軸34を中心に回転可能であり、先端縁部には軸34を中心
とする円弧に沿って歯部33が形成され、歯車32全体が扇
形に形成されている。歯車32には弦月状の孔35が形成さ
れている。この孔35は、第1図に実線で示すように歯車
32が原位置にある状態において大径歯車21の軸部29を中
心とする180゜近い部分円弧部とこの部分円弧部の両端
をつなぐ弦に相当する縁部36によって形成されている。
上記弦月状の孔35は上記軸部29によって貫かれ、また、
歯車21の縁部に形成された突部28が上記孔35内に突出し
ている。歯車21はその突部28が第1図に線aで示すよう
に上記弦月状の孔35の一端近くにあるときが原位置であ
る。この原位置から時計方向に線b,線c,線dで示す位置
を通り、かつ、突部28が第1図に1点鎖線28Aで示すよ
うに弦月状の孔35の弦に相当する縁部36に当接するeの
位置までは、突部28がその回転軌跡を遮断されることな
く弦月状の孔35の円弧部に沿って相対移動することによ
り歯車21のみが回転する。この状態を第1の状態とす
る。上記線cで示す位置は上記第1の状態の略中央位置
であって、カム23の凹部27の最下点に後述のスライダ40
のピン41が対向する位置である。歯車21がさらに時計方
向に回転すると、突部28が弦月状の孔35の弦に相当する
縁部36に当接し、歯車32が歯車21に従動して回転する。
この状態を第2の状態とする。この第2の状態では、歯
車21が第1図に線fで示すと共に突部28が2点鎖線28B
で示す位置まで回転したとき歯車32が時計方向に最も回
転したときであり、歯車21がさらに回転すると突部28が
上記孔35の縁部36から逃げる向きに移動するため、歯車
32は反時計方向に回転し、各歯車21,32は第1図に線a
で示す原位置に至る。
上記扇形の歯車32の歯部33は出力歯車37と噛み合ってい
る。出力歯車37は製氷皿駆動用の軸38と共に一体成形さ
れ、軸38がケース12の軸受部59に嵌められることによっ
て回転自在に支持されている。歯車37はその軸38の外周
に配置されたコイルばね39により第1図において時計方
向に回転付勢されている。従って、歯車32は反時計方向
に付勢され、通常は実線で示す原位置にある。軸38には
第12図、第13図に示す製氷皿3が一体に連結される。軸
38と一体の出力歯車37は第2の歯車32が回転するときに
のみ回転駆動されるから、歯車21がその突部28が第1図
に線eから線fを通り線aで示す原位置に至るまでの間
に往復回転駆動され、これと共に製氷皿3が往復回転駆
動される。製氷皿3はその一端が軸38と一体に連結さ
れ、他端部はある一定の位置以上に回転することのない
ようにストッパで規制され、これにより製氷皿3が捻じ
られて製氷皿3内の製氷が完了した氷6が離氷され貯氷
庫5内に貯蔵される。製氷皿3を捻じって製氷皿3から
氷6を放出する離氷機構自体は公知であるから詳細な説
明は省略する。
第1図ないし第6図において、ケース12には、軸64と一
体成形されたレバー46が回転可能に嵌められている。レ
バー46はコイルばね47により第4図において反時計方向
に回転付勢されている。レバー46の先端部は軸45によっ
てスライダ40の一端部に相対回転可能に連結されてい
る。スライダ40はその長手方向に長孔42を有し、この長
孔42が前記軸受部60の外周側に嵌まることにより軸受部
60にガイドとしてかつ長孔42によって許容される範囲内
で長手方向に移動することができる。スライダ40の先端
部にはピン41が固着されていて、ピン41が前記カム23の
カム面に摺接することにより、上記レバー46の回転付勢
に基づくスライダ40の第4図における下方への移動が規
制される。
上記軸64には、第12図、第13図に示す検氷部材4の一端
が一体に連結される。検氷部材4はクランク状に形成さ
れ、鎖線4Aで示すように軸4の回転と共に検氷部材4が
貯氷皿5内を揺動する。このとき貯氷皿5内に所定量以
上の氷6があると検氷部材4の揺動が氷6によって規制
され、軸64とレバー46の回転及びスライダ40の移動が規
制される。第4図は前記歯車21と共にカム23が原位置に
ある状態を示しており、上記ピン41がカム23の大径部に
摺接することによりスライダ40が上昇した位置にあり、
レバー46が付勢力に抗して時計方向に回転した位置にあ
る。このとき検氷部材4は貯氷庫5の上方に退避し、氷
取り出し口7から氷を取り出すときの邪魔にならないよ
うになっている。スライダ40の第4図において右側面に
は突起43が一体に形成されている。突起43の先端面には
第4図において左下から右上に向かって傾斜した傾斜面
44が形成されている。
前記歯車37の軸38を回転自在に支持する軸受部59の外周
には検氷用レバー50と原位置検出用レバー55がそれぞれ
回転可能に上下に嵌められている。レバー50は第4図に
示すようにベルクランク状に形成されていて、一方の腕
の端部に設けられたピン51が前記カム24の周面に摺接す
るように回転付勢されている。レバー50の他方の腕52の
端部側面は検氷用スイッチ53のアクチュエータと対向し
ている。第6図に示すように、カム23の凹部27とカム24
の凹部26はそれらの回転中心に対しほぼ90度の位置関係
に形成されているが、カム23の凹部27がカム24の凹部26
よりも広い範囲にわたりかつ深く形成されている。従っ
て、第5図のようにスライダ40のピン41が上記凹部27の
最下部の中心に対向したときレバー50のピン51がカム24
の凹部26の中心に対向するが、ピン41が凹部27に先に対
向してスライダ40が先に移動し始め、次にレバー50のピ
ン51がカム24の凹部26に対向する。また、レバー50のピ
ン51がカム24の凹部26に対向してスライダ40が第4図に
おいて下方に移動しようとするときスライダ40の突起43
の傾斜面44がレバー50のピン51の通路上に進出するよう
になっている。レバー50のピン51がカム24の凹部26に対
向してスライダ40が第4図において下方に移動すること
によってレバー46が回転し、レバー46と共に前記検氷部
材4が回転して検氷動作を行う。このとき貯氷庫5内に
氷6がなければレバー46の回転は規制されず、よってス
ライダ40は許容される最大限の位置まで移動してその傾
斜面44が上記ピン51の移動通路上に進出し、レバー50の
回転が規制され、スイッチ53が切り換えられることはな
い。しかし、貯氷庫5内に所定量の氷6が貯蔵されてい
ると、検氷部材4と一体のレバー46の回転が途中で規制
されてスライダ40の移動が途中で規制され、その傾斜面
44が上記ピン51の移動通路にまで至ることはない。従っ
て、レバー50は第5図に鎖線50Aで示すようにそのピン5
1がカム24の凹部26に落ち込むまで回転し、その一つの
腕52の端部側面でスイッチ53のアクチュエータを押しス
イッチ53を切り換える。このスイッチ53の切り換えによ
って、第8図に示すような氷量フル(Full)信号が出力
される。
第6図に示すように、前記レバー55は上記レバー50の他
方の腕52とほぼ平行に伸びていて、その先端寄りの側部
にはピン56が設けられている。また、レバー55の先端部
57は原位置検出用スイッチ58のアクチュエータと対向し
ている。上記ピン56は前記原位置検出用のカム22に嵌ま
り、一体のカム22,23,24が原位置にあるときは上記ピン
56がカム22の凹部25の位置にあってレバー55は第6図に
おいて時計方向に回転し、その先端部57がスイッチ58の
アクチュエータから離間しているが、上記カム22,23,24
が原位置からずれると上記ピン56がカム22の大径部に押
されてレバー55が反時計方向に回転させられ、その先端
部57がスイッチ58のアクチュエータを押してスイッチ58
を切り換えるようになっている。スイッチ58は位置検知
スイッチ手段を構成している。
以上述べた機構において、検氷動作や離氷動作を行わせ
るための駆動源は前に述べたモータ13であり、モータ13
の起動は第12図、第13図に示す貯氷庫5の氷取り出し口
7を開閉する扉に連動する扉開閉スイッチの動作に基づ
いて行われる。すなわち、扉が開閉されない限り貯氷庫
5内の氷6が取り出されることはなく、氷6が取り出さ
れなければ検氷及び離氷を行う必要もないからである。
第7図は、以上述べた機構部分の動作を制御するための
簡単な制御系統の例を示すもので、検氷用スイッチ53、
原位置検出用スイッチ58、扉開閉スイッチ69、給電時間
検出手段としての保護タイマー70の動作態様によって検
出される各信号は制御手段としてのコントローラ67に入
力され、コントローラ67は上記各信号に基づき駆動回路
68を介して検氷動作及び離氷動作を行わせるためのモー
タ13を正転又は逆転制御する。モータ13の回転制御によ
り検氷レバー4が動作し、その結果に応じて検氷スイッ
チ53の動作態様が決まる。このスイッチ53の動作態様に
応じてコントローラ67は上記モータ13の正転、又は逆転
を制御し、製氷皿3を回転させあるいは回転させないま
まとする。保護タイマー70はコントローラ67に内蔵させ
てもよい。
なお、図示されてはいないが、製氷皿3の回転及び捻じ
りによって離氷動作が行われた後、製氷皿に給水するた
めの給水手段が設けられる。
次に、以上述べた実施例の動作を第8図ないし第11図を
併せて参照しながら説明する。
第9図に示すように、パワーオンで動作がスタートし、
準備動作として初期原位置確認動作のあと製氷タイマー
がスタートし、製氷完了に必要な所定時間が経過したあ
と貯氷庫のドアが閉じていることを確認した上でモータ
13が正転させられ、前述の機構部の動作が始まる。な
お、製氷完了の検知は、第9図の上右側に示すように、
製氷皿3の温度が製氷完了に達する所定の基準温度以下
となったかどうかを検知することによって行なうように
してもよい。上記モータ正転開始と同時にチェックタイ
マーおよび保護タイマーがスタートする。上記チェック
タイマーは、次に述べる検氷スイッチがオンになるかど
うかを監視するのに必要な時間を設定する。上記保護タ
イマーは、モータ13への給電時間を検知するための給電
時間検知手段を構成するものであって、第7図に符号70
で示す部分に該当する。上記チェックタイマーがタイム
アップするまでに検氷スイッチがオンとなるかどうかに
よって検氷動作が行なわれる。即ち、検氷スイッチがオ
ンになれば氷が所定量以上に貯蔵された氷量フルの状態
であり、チェックタイマーがタイムアップするまでに検
氷スイッチがオンにならなければ貯氷量不足の状態であ
る。
ここでは貯氷量不足の場合と氷が所定量以上に貯蔵され
ている場合とに分けて説明する。
1.貯氷量不足時 製氷が完了すると、モータ13が正転し、ウォーム14、減
速歯車列15,16,17,18,19,20を介して大径歯車21及びこ
れと一体のカム22,23,24が第1図において時計方向に回
転駆動される。歯車21はその突部28が第1図において線
aで示す位置にあるときが原位置であり、歯車21がこの
原位置にから時計方向に回転することによって突部28が
歯車32の弦月状の孔35の円弧部に沿って移動するため、
歯車21の回転力が歯車32に伝達されることはない。一
方、歯車21が原位置から回転を始めると間もなく、線b
で示す位置でスライダ40のピン41がカム23の凹部27に落
ち込み始め、スライダ40がばね47の付勢力によって第4
図において下方に移動し始める。これに伴いレバー46が
反時計方向に回転し、レバー46と一体成形された検氷部
材4が貯氷庫5内を揺動する。ここでは貯氷量不足のた
め、検氷部材4は何の規制もなく揺動する。
モータ13はなおも正転させられて歯車21及びカム22,23,
24はなおも時計方向に回転駆動される。こうして、突部
28が第1図に線cで示す位置に至るまで歯車21が回転し
たとき、第5図に示すようにレバー50のピン51がカム24
の凹部26の中心位置と対向する。このときカム23の凹部
27の最下点にスライダ40のピン41が対向し、スライダ40
は検氷の基準位置よりも下降し、レバー40の傾斜面44に
よってレバー50のピン51の移動が規制され、レバー50の
第5図における反時計方向への回転が規制される。従っ
て、レバー50の腕52でスイッチ53が作動させられること
はなく、モータ13は引き続き正転方向に回転駆動され
る。モータ13が引き続き正転することにより各カム22,2
3,24も時計方向に回転駆動され、レバー50が原位置に復
帰させられると共に続いてスライダ40も原位置に復帰さ
せられて検氷動作を終了する。
こうして、歯車21が第1図に線eで示す位置、従って突
部28が鎖線28Aで示す位置まで回転して突部28が歯車32
の孔35の弦状の縁部36に当接してもなお歯車21は時計方
向に回転駆動されるため、それ以後は歯車21に従動して
歯車32が時計方向に回転し始める。歯車32の回転力は出
力歯車37に伝達され、出力歯車37と一体の製氷皿3が回
転駆動される。製氷皿3は、前述のように一定の角度ま
では全体が回転させられ、それ以上の回転角度になると
先端部分の回転が規制されて捻じられ、これによって製
氷皿3内の製氷が完了した氷が離氷されて貯氷庫5内に
貯蔵される。歯車32の時計方向への最大回転位置、従っ
て製氷皿3の最大回転位置は、歯車21が、第1図に線f
で示し、かつ歯車21の突部28が鎖線28Aで示す位置まで
移動したときであり、歯車21がそれ以上に回転するに従
って歯車32は反時計方向に回転し、製氷皿3も原位置の
方に向かって回転する。歯車21と共にカム22,23,24が1
回転すると、原位置検出用のカム22の凹部25にレバー55
のピン56が落ち込み、レバー55が回転してその先端部57
が位置検知スイッチ手段としてのスイッチ58のアクチュ
エータから離間する。これによりスイッチ58がオンから
オフに切り替わり、全てが原位置に復帰したことを検出
し、モータ13を停止させる。以上述べた離氷動作は、第
11図に示すように、貯氷庫のドアが閉じていることを確
認したのち位置検出スイッチ58がオンからオフに切り替
わるまでの間に行なわれる。
位置検出スイッチ58がオンからオフに切り替わって離氷
動作が完了したことを検知すると、オーバーラインタイ
マーによって一定時間だけモータをオーバーランさせて
停止させ、次に製氷皿3に給水し、かつ、温度センサ等
で給水されたことを確認する。その後第9図のフローに
戻り、製氷が完了したら再び検氷動作に移行する。第8
図のチャートの左側の部分は、以上のような検氷動作に
続く離氷動作の各部の動作タイミングを示す。
以上のような検氷動作、離氷動作中にも、前記保護タイ
マーが動作し、第9図に示すようにチェックタイマーが
タイムアップしない状態、従って検氷動作が完了しない
状態で保護タイマーがタイムアップすると、モータ13か
ら機構部分全体に至るまでのどこかに異常があってモー
タ13がロック状態に陥ったものと判断し、モータ13への
給電を停止してモータ13を停止させる。なお、保護タイ
マーのタイムアップ前にチェックタイマーがタイムアッ
プすると保護タイマーをストップさせ、次の動作に進め
る。保護タイマーの設定時間は、モータの最大動作所要
時間よりも長いものとする。保護タイマーのタイムアッ
プに基づくモータの停止後、冷蔵庫の霜取り装置の動作
により、あるいはモータの発熱等によって凍結が解除さ
れ、モータのロック状態が解消していることがあるの
で、一定時間が経過すると再び保護タイマーをスタート
させた上でモータに給電して正転させ、第11図に示す離
氷動作に進める。上記モータストップから一定の時間と
は、モータのロックによる発熱が十分に下がるに要する
時間をいう。この一定の時間が経過するのを計測する手
段として、第9図の下右側に記載されているように、所
定の時間に設定された周期タイマーを用いることができ
る。
第11図に示すように、位置検出スイッチがオンからオフ
に切り替わらないうちに、従って離氷動作が完了しない
まま位置検知スイッチ手段からの信号がなく所定の動作
位置に到達しないときに保護タイマーがタイムアップす
ると、この場合もモータがロック状態に陥って異常が生
じているものとして第9図の下側のフローに戻ってモー
タへの給電を停止する。このようにしてモータへの給電
を停止したあとは、一定時間経過後再び保護タイマーを
スタートさせかつモータに給電して正転させ、原位置に
復帰して位置検出スイッチがオンからオフに切り替わる
のを待つ。
2.所定の貯氷量を満たしているとき 歯車21が第1図に示す線bの位置を過ぎて検氷部材4が
揺動し始める過程は貯氷量不足時と同様である。ここで
は十分な貯氷量があるため検氷部材4の揺動が氷で阻止
され、スライダ40の移動が一旦停止させられる。
モータ13が正転させられて歯車21及びカム22,23,24が時
計方向に回転駆動され、突部28が第1図に線cで示す位
置に至るまで歯車21が回転したとき、第5図に示すよう
にレバー50のピン51がカム24の凹部26と対向する。ま
た、このときカム23の凹部27の最下点にスライダ40のピ
ン41が対向する。しかし、上記のようにスライダ40はそ
の全移動工程の途中で停止させられてその傾斜面44がピ
ン51の移動通路上に進出することはないので、ピン51が
上記凹部26に落ち込んでレバー50は第5図に鎖線50Aで
示す位置まで反時計方向に回転し、検氷用スイッチ53を
切り換えて所定量の氷が貯蔵されていることを検知し、
氷量フル(Full)信号を出力する。第10図にも示すよう
に、氷量フル信号の出力によってモータ13が逆転させら
れ、歯車21及びこれと一体のカム22,23,24は前述の場合
と逆向きに回転駆動されて線aで示す原位置まで復帰さ
せられる。このとき、カム23に従動してスライダ40が上
方に移動するためレバー50は時計方向に回転し、その腕
52がスイッチ53のアクチュエータから離れて氷量フル信
号の出力は停止する。原位置では前述のように位置検知
スイッチ手段としてのスイッチ58が動作して原位置が検
出され、オーバーランタイマーにより一定距離オーバー
ランさせられたあとモータ13への給電が停止してモータ
13が停止し、次の扉開閉信号が入力されるまで待機状態
となる。
なお、第8図、第10図の動作例では、氷を取り出すため
に扉の開閉動作が行われた後、動作保留タイマーで一定
の保留時間(例えば5分程度)をおき、そのあと第9図
のフローに戻って検氷動作を行うようになっている。こ
うすれば、扉を開閉することによって一部が解けた氷が
再び完全に凍結してから検氷動作、さらにはそれに基づ
いて離氷動作が行われることになり、離氷後の氷が貯氷
庫内において互いに結合してしまうというようなことを
防止することができる。
第8図のチャートの中央部分は、以上のような検氷動作
の結果氷量フル信号が出力されたとき、原位置復帰動作
を行うことを示している。
第10図のフローで示すように、モータの逆転による原位
置復帰動作においても、位置検出スイッチ58がオンから
オフに切り替わらないうちに、従って原位置に復帰しな
いうちに保護タイマーがタイムアップし、また、原位置
復帰時に設定したオーバーランタイマーがタイムアップ
する前に保護タイマーがタイムアップすると、モータ13
から機構部分全体に至るまでのどこかに異常があってモ
ータ13がロック状態に陥ったものと判断し、モータ13へ
の給電を停止してモータ13を停止させる。その後、一定
時間が経過すると、再び保護タイマーをスタートさせた
上でモータに給電し、再び原位置復帰動作を行なわせ
る。
第8図の動作例によれば、その右側の部分に示されてい
る通り、扉開閉スイッチの動作によっても氷量検出動作
を行い、その結果に基づき前述の場合と同様に離氷動作
を行い、又は、離氷動作を行うことなくモータを逆転さ
せて原位置復帰動作を行わせる。なお、離氷動作後製氷
皿に給水する給水手段自体は公知のものを適用できるの
でその詳細な説明は省略する。
第8図ないし第11図の動作例ではまた、位置検知スイッ
チ手段により原位置信号が検出された後一定のオーバー
ラン時間をおいている。このオーバーラン時間をおいた
理由は、レバーのピンがカムの凹部の傾斜面の途中で停
止するのを避け、確実に凹部の最下点にピンを停止さ
せ、又は凹部から乗り上げた位置にピンを停止させて安
定位置でモータを停止させるためである。
なお、検氷動作及びこれに続く離氷動作は、扉開閉によ
り氷取り出しの場合のほかに、一定の時間ごとに定期的
に行うようにしてもよい。
第9図に示す動作例では、以上述べたような扉開閉に基
づく一連の検氷動作、そしてその後必要な場合の離氷動
作を行う前に、初期原位置確認動作を行い、次に、製氷
皿で製氷が完了したかどうかを判断し、製氷が完了した
場合にのみ上記の検氷動作及び離氷動作を行うようにな
っている。初期原位置確認動作を行わせる理由は次の通
りである。すなわち、例えば動作途中で停電したりコン
セントを抜いたりすると、次に停電が解消したりコンセ
ントを差し込んだりしてモータに通電されたとき誤動作
するおそれがある。そこで、製氷機に通電されたとき、
まず最初にモータを原位置に設定して誤動作を避けるた
めに初期原位置確認動作を行わせるのである。
なお、以上述べた実施例における検氷部材4を貯氷ボッ
クス9(第13図参照)の有無の検出に利用することもで
きる。また、検氷部材と同様の構成の部材を2個用いる
ことによって貯氷量の検知と貯氷ボックスの検知の両方
を行うようにしてもよい。
前記実施例では、カムを有する第1の歯車(以下「カム
歯車」という)から第2の歯車を介して出力歯車を駆動
し製氷動作を行うようになっていたが、カム歯車を欠歯
歯車とし、この欠歯歯車に出力歯車を直接対峙させるこ
とによって上記第2の歯車を省略することができる。す
なわち、出力歯車がカム歯車の欠歯領域と対峙するとき
はカム歯車のみが回転するので、この歯車と一体のカム
によって検氷動作を行わせることができる。また、出力
歯車がカム歯車の有歯領域と対峙するときは歯車が互い
に噛み合って両者が回転するので、製氷皿を回転させて
製氷動作を行わせることができる。
本発明に適用されるモータの種類は特に限定されるもの
ではなく、直流モータでも誘導モータでも差し支えな
い。また、図示の実施例では、給電時間検知手段による
時間検知に基づいてモータへの給電を停止した後、一定
時間後再度モータへ給電するようになっていたが、一定
時間後再度モータへ給電するようにするかどうかは任意
である。そして、給電時間検知手段による時間検知に基
づいてモータへの給電を停止した後、一定時間後再度モ
ータへ給電する場合でも、停止したときの動作態様から
継続して再起動してもよいし、システムを一旦原位置に
リセットしてから再起動するようにしてもよい。本発明
のポイントは、モータロック状態となった場合にモータ
を保護するために保護タイマーを設けた点にあり、製氷
機構その他の機構部分は図示の例のものに限定されるも
のではない。
(発明の効果) 本発明によれば、製氷皿を駆動して離氷動作を行なわせ
るためのモータへの給電時間を検知する給電時間検知手
段を設け、この給電時間検知手段によりモータへの給電
が所定時間経過したと検知されたときであって、位置検
知スイッチ手段からのスイッチ信号がなく所定の動作位
置に到達しないときにモータへの給電を停止するように
したため、凍結等によってモータがロック状態に陥った
としても、所定時間経過後モータへの通電が停止され、
モータの過熱が未然に防止されると共に、電力の浪費を
防止することができる。しかも、従来のようにモータに
直列にポジスターを接続するものではないので、ポジス
ターによってモータの能力が制限を受けることがなく、
モータの能力を最大限に活用することができるし、ポジ
スターが不要な分だけコストメリットがあり、また、低
温時などに外部の温度によって動作特性が変わるという
ような不具合を防止することもできる。
また、給電時間検知手段による時間検知に基づいてモー
タへの給電が停止された後、さらに一定時間経過後上記
モータへ再び給電するように構成することにより、仮り
にロック状態が解除されているものとすれば、自動的に
通常の動作に復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる自動製氷機の実施例を示す平面
図、第2図は同上実施例の各軸に沿って切断し展開して
示す正面断面図、第3図は同じく製氷皿駆動用の軸と検
氷部材の軸とカム部分との関係を一部を展開した断面で
示す正面図、第4図は上記実施例中の検氷機構部分の平
面図、第5図は同上機構部分の別の作動態様を示す平面
図、第6図は上記実施例中の原位置検出機構部分の平面
図、第7図は本発明に用いることができる制御系統の例
を概略的に示すブロック図、第8図は上記実施例の動作
例を示すタイミングチャート、第9図は同上動作例の一
部を示すフローチャート、第10図は同じく動作の別の部
分を示すフローチャート、第11図は同じく動作のさらに
別の部分を示すフローチャート、第12図は本発明にかか
る自動製氷機の外観の例を概念的に示す正面図、第13図
は同上一部断面側面図である。 3……製氷皿、13……モータ、58……位置検知スイッチ
手段、67……制御手段、70……給電時間検知手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製氷が完了した製氷皿をモータにより回転
    させて離氷動作を行い、上記製氷皿の下方に備えられた
    貯氷庫に離氷された氷が貯蔵される自動製氷機におい
    て、 上記製氷皿の動作位置を検知するための位置検知スイッ
    チ手段と、 上記モータへの給電時間を検知するための給電時間検知
    手段と、 上記給電時間検知手段により上記モータへの給電が所定
    時間経過したと検知されたときであって上記位置検知ス
    イッチ手段からのスイッチ信号がなく所定の動作位置に
    到達しないときに上記モータへの給電を停止する制御手
    段とを設けたことを特徴とする自動製氷機。
  2. 【請求項2】制御手段は、給電時間検知手段による時間
    検知に基づいてモータへの給電が停止された後、 さらに一定時間経過後上記モータへ再び給電する請求項
    1記載の自動製氷機。
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