JPH0662840A - 発酵果汁飲料の製法およびそれに用いる乳酸菌 - Google Patents

発酵果汁飲料の製法およびそれに用いる乳酸菌

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JPH0662840A
JPH0662840A JP3013792A JP1379291A JPH0662840A JP H0662840 A JPH0662840 A JP H0662840A JP 3013792 A JP3013792 A JP 3013792A JP 1379291 A JP1379291 A JP 1379291A JP H0662840 A JPH0662840 A JP H0662840A
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lactic acid
fruit juice
fermentation
fermented
immobilized
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JP3013792A
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English (en)
Inventor
Toru Komoda
徹 薦田
Shigeru Hizaki
繁 樋崎
Kiyotoshi Kobayashi
清俊 小林
Kazuhiro Aso
和博 阿曽
Etsuo Yoshikawa
悦雄 吉川
Yasuo Sado
康夫 佐渡
Akira Matsuda
章 松田
Shiyunei Michihata
俊英 道畠
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Ishikawa Prefecture
Kanebo Ltd
Ishikawa Prefectural Government
Original Assignee
Ishikawa Prefecture
Kanebo Ltd
Ishikawa Prefectural Government
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Abstract

(57)【要約】 [構成] ジカルボキシセルロースおよびそれから誘導
される誘導体の少なくとも一方を有効成分とする多糖類
ゲルで包括固定化された乳酸菌を用い、果汁の発酵を行
う。 [効果] pHの低い果汁を、pH調整,ポリフエノー
ル等の発酵阻害物質の除去を行うことなく乳酸菌で発酵
することができ、乳酸菌の発酵速度を増大させることも
できる。また、発酵果汁を長期間連続的に生産すること
ができるとともに、風味の良好な発酵果汁飲料を安価に
生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果汁液を対象とし乳酸
菌発酵を行う発酵果汁飲料の製法およびそれに用いる乳
酸菌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、嗜好の多様化と天然果汁ベースの
飲料を求める消費者のニーズから各種の乳酸菌発酵果汁
飲料が開発されている。これらの乳酸菌発酵果汁飲料を
製造する際に用いられる乳酸菌、特にホモ型の乳酸菌
は、pHがかなり低く、ポリフエノール等の発酵阻害物
を含む果汁中ではほとんど増殖しない。そのため、
(1)果汁に薬剤,処理剤等を添加して乳酸菌の発酵が
可能な領域までpHを高めて発酵させたり、(2)ポリ
フエノール等の発酵阻害物質を除去して発酵させたりす
ることにより乳酸菌発酵果汁飲料を製造することが行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)のように、果汁のpHを高めて発酵させると、果
汁が有害菌を含む雑菌に汚染される確率が高くなるとい
う問題を生じる。また、果汁が加熱殺菌時に褐変した
り、加熱臭を発生してその香味が著しく劣化するという
問題も生じる。また、上記(2)のように、果汁からポ
リフエノール等の発酵阻害物質を除去して発酵させる
と、発酵阻害物質の除去に用いる処理剤によつて生産コ
ストが高くなるとともに、処理剤の再生工程が必要とな
るという問題が生じる。さらに、上記の問題に加え、果
汁の風味に重要な香気成分,有機酸成分等が除去されて
しまうという問題も生じる。なお、果汁を発酵させる他
の方法として、乳酸菌を増殖させた獣乳を果汁に添加し
て発酵させる方法があるが、これでは果汁のみの乳酸菌
発酵果汁飲料を得ることはできない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、果汁のみの原料で製造することができる発酵果
汁飲料の製法およびそれに用いる乳酸菌の提供をその目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ジカルボキシセルロースおよびそれから
誘導される誘導体の少なくとも一方を有効成分とする多
糖類ゲルで包括固定化された乳酸菌を用い、果汁の発酵
を行う発酵果汁飲料の製法を第1の要旨とし、ジカルボ
キシセルロースおよびそれから誘導される誘導体の少な
くとも一方を有効成分とする多糖類ゲルで包括固定化さ
れた発酵果汁飲料に用いる乳酸菌を第2の要旨とする。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記のように果汁の
pHを調整したり、果汁のポリフエノール等の発酵阻害
物質を除去することなくそのまま果汁を乳酸菌で発酵さ
せるために一連の研究を重ねた。この研究の過程で、本
発明者らは、ジカルボキシセルロース(以下「DCC」
と略す)と他の多糖類とを併用してゲルを形成すると、
ポリフエノール類のゲル内拡散が抑制されることを見出
した。そして、これを中心にさらに研究を重ねた結果、
DCCおよびそれから誘導される誘導体の少なくとも一
方を有効成分とする多糖類ゲルで乳酸菌を包括固定化
し、これを用いて果汁の発酵を行うと、果汁のみを原料
として乳酸菌発酵を効果的に行うことができ良質な発酵
果汁飲料が得られることを見出し本発明に到達した。つ
ぎに、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明では、DCCおよびそれから誘導さ
れる誘導体の片方または双方と、多の多糖類とでゲルを
つくり、これで乳酸菌を包括固定化する。
【0008】本発明に用いるDCCはセルロースの誘導
体で、グルコース環のC2 とC3 の結合を選択開裂し、
酸化してカルボキシル基を導入したものである。このカ
ルボキシル基の導入率としては、水に溶けやすい30%
以上が好ましく、発酵阻害緩和の点から60%以上がよ
り好ましい。なお、この導入率は、セルロースを構成す
るグルコース環数に対するカルボキシル基を導入したグ
ルコース環数の比率を百分率で示したものである。ま
た、DCCから誘導される誘導体としては、C6にカル
ボキシル基が導入されたもの等が挙げられる。
【0009】本発明で用いるDCC以外の多糖類として
は、ゲル形成が可能な天然多糖類、例えば、アルギン
酸,K−カラギーナン,寒天等が用いられるが、発酵,
ゲル強度および固定化操作の容易さ等からアルギン酸が
好適である。このアルギン酸のなかでも、水溶性のアル
ギン酸ナトリウム,アルギン酸カリウムがより好適であ
る。
【0010】本発明の包括固定化する乳酸菌として、例
えばロイコノストツクLeuconostoc属,ラク
トバチルスLactobacillus(以下「L.」
と略す)属のサツカロバチルスSaccharobac
illusグループ、ビヒドバクテリウムBifido
bacterium属等のヘテロ型が挙げられる。ま
た、本発明では、果汁のpH調整,ポリフエノール除去
を行わないと増殖,発酵しないラクトバチルス カゼイ
L.casei,ラクトバチルス ラクテイスL.la
ctis,ラクトバチルス アシドフイルスL.aci
dphillus,ラクトバチルス ブルガリカスL.
bulgaricus,ストレプトコツカス サーモフ
イラスStreptcoccus thermophi
llus等由来のホモ型乳酸菌も包括固定化して果汁の
発酵に使用することができる。
【0011】上記乳酸菌のなかでも発酵果汁飲料の風味
の点から、ラクトバチルス カゼイL.casei,ラ
クトバチルス ラクテイスL.lactis,ラクトバ
チルス ブルガリカスL.bulgaricus,スト
レプトコツカス サーモフイラスStreptcocc
us thermophillusを用いることが好ま
しい。
【0012】本発明の乳酸菌の包括固定化は、例えばつ
ぎのようにして行われる。まず、乳酸菌をそれぞれの適
した条件で培養,増殖させ、これを遠心分離等によつて
集菌する。つぎに、DCCおよびそれから誘導される誘
導体の片方または双方と他の多糖類とを水に溶解して水
溶液をつくり、これに集菌した乳酸菌を添加して混合す
る。そして、この混合液を従来公知の方法でゲル化し
て、乳酸菌を包括固定化した担体にする。
【0013】上記水溶液の多糖類の濃度は、1〜6重量
%(以下「%」と略す)が好ましく、より好ましくは2
〜4%の範囲である。これは、多糖類の濃度が1%を下
回るとゲル形成が不良となり、逆に6%を上回るとゲル
化操作が困難になるからである。
【0014】上記水溶液のDCCおよびそれから誘導さ
れる誘導体の片方または双方を併せたものの濃度は、発
酵阻害物質の担体内拡散の抑制効果および担体の強度向
上の点から高い方がよいが、担体調製時の操作性が悪く
なるため、0.1〜40%の範囲が好ましく、より好ま
しくは0.5〜25%である。
【0015】上記多糖類とDCCの水溶液への乳酸菌の
混合量は、多いほど発酵開始時の発酵速度が速まるため
好ましいが、上記水溶液1mlあたり105 個以上混合
すれば充分である。
【0016】なお、上記多糖類とDCCの水溶液にゲル
強度を向上させる効果を有する珪藻土等の第3成分を添
加するようにしてもよい。この珪藻土は、食品に使用し
うるものであればよく、珪藻土を精製し珪藻殻のみを選
択的に取り出したものも好適に使用できる。この珪藻土
の多糖類に対する重量比率は10〜300%の範囲が好
ましい。
【0017】また、上記多糖類とDCCの水溶液,上記
多糖類とDCCと珪藻土等の水溶液は、乳酸菌と混ぜる
直前に滅菌処理することが好ましい。この滅菌の方法
は、120℃のオートクレーブ処理等が一般的である
が、他の従来公知の方法でも差し支えない。
【0018】上記混合液をゲル化させて乳酸菌の包括固
定化する場合、混合液の多糖類がアルギン酸の場合、カ
ルシウム,アルミニウム等の多価金属イオンを含む水溶
液に上記混合液を接触させてゲル化させることで乳酸菌
を包括固定化する。また、K−カラギーナンの場合、カ
リウムイオン,アンモニウムイオン等を含む水溶液に上
記混合液を接触させてゲル化させることで乳酸菌を包括
固定化する。
【0019】上記乳酸菌を包括固定化した担体の形状
は、膜状,糸状,球状等、特に限定されるものではない
が、反応装置に組み入れ工業化を考える場合、操作性,
固定化の簡便さ,効率の点から球状であることが好まし
い。
【0020】上記球状担体は、例えばアルギン酸・DC
C・乳酸菌の混合水溶液をノズルより塩化カルシウム水
溶液に滴下することにより調製することができる。球状
担体の直径の大きさは、特に限定されるものではない
が、担体内の物質拡散および担体の強度の点で1〜3m
mが好ましい。
【0021】つぎに、本発明の果汁の発酵方法について
説明する。果汁の発酵は、上記のようにして調整した固
定化乳酸菌を原料果汁に接触させることにより行われ
る。
【0022】本発明に使用する果汁は、pHの低いグレ
ープフルーツ果汁(pH3.2以下),オレンジ果汁
(pH3.6以下),みかん果汁(pH3.6以下)等
の柑橘類果汁、りんご果汁(pH3.7以下)、ぶどう
果汁(pH3.3以下)等いかなる果汁でも差し支えな
い。この果汁を乳酸菌発酵させる場合、通常、果汁の含
有量が50〜100%の範囲に設定されるが、濃縮した
果汁でも差し支えない。また、上記果汁は、搾汁してパ
ルプ分を含んだ状態でも、遠心分離等の操作でパルプ分
を除去した状態でもよい。
【0023】上記発酵方法として、例えば、図1に示す
ように、球状等の固定化乳酸菌1を固定床として持つ発
酵槽2にバツチ方式で原料果汁3を供給して発酵を行う
方法、図2に示すように、連続的に発酵槽2に原料果汁
3を通過させて発酵を行う方法等があり、いずれの方法
で行うようにしてもよい。
【0024】上記発酵槽への固定化乳酸菌の充填率は任
意に設定される。但し、図2の発酵槽2に原料果汁3を
通過させて発酵を行う方法で高速発酵を行う場合には、
果汁の通過による固定化乳酸菌の膨潤を考慮し、固定化
乳酸菌を発酵槽に詰まりすぎて変形しない程度に充填す
ることが好ましい。
【0025】上記固定化乳酸菌はそのまま果汁に接触さ
せても、また原料果汁に接触させる前に固定化乳酸菌を
適した条件で充分増殖させるようにしてもよい。
【0026】なお、その他の発酵条件は、発酵方法,果
汁の種類等によつて適宜選択される。
【0027】本発明の製法によれば、果汁をpH調整し
たり、ポリフエノール等の発酵阻害物質を除去すること
なく果汁をそのまま発酵させることができる。また、従
来果汁を発酵させることができなかつたホモ型の乳酸菌
で発酵させることができる。
【0028】上記のようにして得られる乳酸菌発酵果汁
飲料には、必要に応じて一般の飲料に用いられる添加
物、例えば甘味料,風味料,保存料等を添加することが
できる。また、水,炭酸水,獣乳,発酵乳,豆乳等で希
釈することもできる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明は、DCCおよび
それから誘導される誘導体の少なくとも一方を有効成分
とする多糖類ゲルで包括固定化された乳酸菌を用いて果
汁の発酵が行われる。したがつて、果汁の風味に影響を
与える果汁のpH調整,ポリフエノール等の発酵阻害物
質の除去を行うことなく果汁を乳酸菌によつて発酵させ
ることができ、しかも乳酸菌の発酵速度を増大すること
ができる。また、本発明の製法によれば、従来果汁の発
酵が不可能であつたホモ型乳酸菌を用いても果汁を発酵
させることができる。さらに、本発明の乳酸菌は、包括
固定化するゲルの強度が大幅に改善されて操作性と耐久
性が向上しているため、発酵果汁を長期間連続的に生産
することができるとともに、風味の良好な発酵果汁飲料
を安価に生産することができ有用である。
【0030】つぎに、この発明の実施例を比較例と併せ
て説明する。まず、発酵果汁飲料の製造に先立つてDC
Cを、下記のB.T.Hofreiterらの合成方法
(J.Amer.Chem.Soc.79,6457,
1957)にしたがつて作製した。
【0031】〔DCCの合成方法〕セルロース(ワツト
マン社製,CF11)69.2gと、過ヨウ素酸ナトリ
ウム107.0gとを1リツトルの蒸留水に懸濁、溶解
させた。これを遮光下で50℃で5時間強攪拌しジアル
デヒドセルロース懸濁液を得た。この得られたジアルデ
ヒドセルロース懸濁液をろ過し、数回に分け1リツトル
の蒸留水で洗浄し、さらに数回に分け400ミリリツト
ルのメタノールで洗浄したのち、風乾した。そして、風
乾によつて、アルデヒド導入量が1.98mol・アル
デヒド/mol・グルコースのジアルデヒドセルロース
を65.0g得た。
【0032】つぎに、NaClO2 1モルと酢酸0.5
モルとを混合したものに、ジアルデヒドセルロースを、
NaClO2 /アルデヒドのモル比が4となるように添
加した。これに蒸留水を加えて1リツトルの水溶液をつ
くり、室温下で3時間攪拌した。そして、この水溶液に
2 を吹き込んでClO2 を除去し、透明な褐色の水溶
液を得た。
【0033】上記のようにして得られた透明な水溶液を
2倍容量のエタノールに滴下し、DCCを析出、沈澱さ
せた。この沈澱したDCCを減圧乾燥し、カルボキシル
基導入量が86%のDCC粉末を得た。なお、導入量1
00%とは、セルロースを構成するグルコースのC2
3 結合がすべて開裂し、カルボキシル基が導入された
場合のことをいう。但し、カルボキシル基の導入量は以
下の方法にしたがつてもとめた。
【0034】DCCNa塩0.2gを10mlの蒸留水
に溶解し、これをイオン交換樹脂(ダウケミカル社製,
ダウエツクス50×8,100〜200mesh,H+
型)を3g詰めたガラスカラムに滴下したのち、このガ
ラスカラムに蒸留水を流して流出液を50ml得た。こ
の流出液25mlを取り、規定濃度(0.05N)のN
aOH水溶液で中和点まで滴定した。そして、下記の数
式1にしたがつてカルボキシル基の量を求めた。
【0035】
【数1】カルボキシル基量(mmol/g)=2fN
(A−B)/W
【0036】上記数式1において、Aは規定濃度の水酸
化ナトリウム滴定量(ml),Bはブランクでの水酸化
ナトリウムの滴定量(ml),fは滴定に用いた水酸化
ナトリウムのフアクター,Nは滴定に用いた水酸化ナト
リウムの規定度,Wは試料(遊離型として)の重量
(g)である。
【0037】
【実施例1】それぞれの濃度が2%となるようにDCC
とアルギン酸ナトリウムとを水に溶解させ、120℃で
15分間オートクレーブ滅菌処理を行つた。一方、乳酸
菌ラクトバチルス カゼイ IFO 3533をGYP
培地に接種し、37℃で48時間培養したのち、遠心分
離によつて集菌した。上記DCCとアルギン酸の水溶液
に、この集菌した乳酸菌を濃度が108 〜109 個/m
lとなるように添加して混合した。この混合液を、4%
の塩化カルシウム水溶液に滴下して不溶化し、直径約2
mmのアルギン酸−DCC包括固定化乳酸菌を得た。そ
して、このアルギン酸−DCC包括固定化乳酸菌100
mlを、100%のオレンジ果汁300mlに添加し、
25℃で発酵を行い発酵果汁飲料を作製した。
【0038】
【比較例1】上記実施例1と同様にして集菌した乳酸菌
ラクトバチルス カゼイ IFO3533を、105
/mlとなるように100%オレンジ果汁に接種し、2
5℃で発酵を行い発酵果汁飲料を作製した。
【0039】
【比較例2】120℃で15分間オートクレーブ滅菌し
た2%アルギン酸ナトリウム水溶液に、上記実施例1と
同様にして集菌した乳酸菌ラクトバチルス カゼイ I
FO3533を濃度が108 〜109 個/mlとなるよ
うに添加して混合した。この混合液を、4%の塩化カル
シウム水溶液に滴下して不溶化し、直径約2mmのアル
ギン酸包括固定化乳酸菌を得た。そして、このアルギン
酸包括固定化乳酸菌100mlを、100%のオレンジ
果汁300mlに添加し、25℃で発酵を行い発酵果汁
飲料を作製した。
【0040】上記実施例1および比較例1,2の発酵果
汁飲料100ml当たりの乳酸の量を経時的に測定し、
その結果を図3に示した。なお、曲線Aは実施例1を、
曲線Bは比較例1を、曲線Cは比較例2の発酵果汁飲料
を示している。
【0041】図3の結果より、実施例は、比較例1,2
に比べて発酵速度が速く、しかもよく発酵していること
がわかる。また、比較例1ではほどんど発酵しないこと
がわかる。
【0042】
【実施例2】乳酸菌ラクトバチルス カゼイ IFO
12004を上記実施例1と同様にして包括固定化し、
アルギン酸−DCC包括固定化乳酸菌を得た。このアル
ギン酸−DCC包括固定化乳酸菌100mlを、100
%のオレンジ果汁300mlに添加し、25℃で発酵を
行い発酵果汁飲料を作製した。
【0043】
【比較例3】乳酸菌ラクトバチルス カゼイ IFO
3533に代えて、乳酸菌ラクトバチルス カゼイ I
FO 12004を用いる以外は上記比較例1と同様に
して発酵果汁飲料を作製した。
【0044】
【比較例4】乳酸菌ラクトバチルス カゼイ IFO
12004を上記比較例2と同様にして包括固定化し、
アルギン酸包括固定化乳酸菌を得た。このアルギン酸包
括固定化乳酸菌100mlを、100%のオレンジ果汁
300mlに添加し、25℃で発酵を行い発酵果汁飲料
を作製した。
【0045】上記実施例2および比較例3,4の発酵果
汁飲料100ml当たりの乳酸の量を経時的に測定し、
その結果を図4に示した。なお、曲線Dは実施例2を、
曲線Eは比較例3を、曲線Fは比較例4の発酵果汁飲料
を示している。
【0046】図4の結果より、実施例2の包括固定化乳
酸菌は、比較例3,4の包括固定化乳酸菌に比べて発酵
速度が速く、しかもよく発酵していることがわかる。ま
た、比較例3の包括固定化乳酸菌ではほどんど発酵しな
いことがわかる。
【0047】
【実施例3】DCC,アルギン酸ナトリウム,珪藻殻の
それぞれの濃度が2%となるように水に溶解させ(珪藻
殻は分散させる)、これを120℃で15分間オートク
レーブ滅菌処理を行つた。一方、乳酸菌ラクトバチルス
カゼイ IFO 3533をGYP培地に接種し、3
7℃で48時間培養したのち、遠心分離によつて集菌し
た。上記DCCとアルギン酸と珪藻殻の水溶液に、この
集菌した乳酸菌を濃度が108 〜109 個/mlとなる
ように添加して混合した。この混合液を、4%塩化カル
シウム水溶液に滴下して不溶化し、直径約4mmのアル
ギン酸−DCC−珪藻殻包括固定化乳酸菌を作製した。
【0048】
【比較例5】DCC,アルギン酸ナトリウムのそれぞれ
の濃度が2%となるように水に溶解させ、これを120
℃で15分間オートクレーブ滅菌処理を行つた。このア
ルギン酸−DCC水溶液に、上記実施例3と同様にして
集菌した乳酸菌ラクトバチルス カゼイ IFO 35
33を濃度が108 〜109 個/mlとなるように添加
して混合した。この混合液を、4%塩化カルシウム水溶
液に滴下して不溶化し、直径約4mmのアルギン酸−D
CC包括固定化乳酸菌を作製した。
【0049】
【比較例6】2%アルギン酸ナトリウム水溶液を120
℃で15分間オートクレーブ滅菌処理を行つた2%アル
ギン酸ナトリウム水溶液に、上記実施例3と同様にして
集菌した乳酸菌ラクトバチルス カゼイ IFO 35
33を濃度が108 〜109個/mlとなるように添加
して混合した。この混合液を、4%塩化カルシウム水溶
液に滴下して不溶化し、直径約4mmのアルギン酸包括
固定化乳酸菌を作製した。
【0050】上記のようにして作製した実施例3および
比較例5,6の包括固定化乳酸菌を直径0.30mmの
ピアノ線で切断し、その際に生じる負荷を測定した。そ
の結果を下記の表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】上記表1の結果より、実施例3の包括固定
担体の強度は、珪藻殻が添加されていない比較例5の包
括固定担体の強度に比べ優れていることがわかる。ま
た、比較例6の包括固定担体のようにDCCが添加され
ないと包括固定担体の強度が弱くなることがわかる。
【0053】
【実施例4】上記実施例3で得られた包括固定化乳酸菌
100mlを、100%のオレンジ果汁300mlに添
加し、25℃で発酵を行い発酵果汁飲料を作製した。
【0054】
【比較例7】上記比較例5で得られた包括固定化乳酸菌
100mlを、100%のオレンジ果汁300mlに添
加し、25℃で発酵を行い発酵果汁飲料を作製した。
【0055】
【比較例8】上記比較例6で得られた包括固定化乳酸菌
100mlを、100%のオレンジ果汁300mlに添
加し、25℃で発酵を行い発酵果汁飲料を作製した。
【0056】上記実施例4および比較例7,8の発酵果
汁飲料100ml当たりの乳酸の量を経時的に測定し、
その結果を図5に示した。なお、曲線Gは実施例4を、
曲線Hは比較例7を、曲線Iは比較例8の発酵果汁飲料
を示している。
【0057】図5の結果より、実施例4と比較例7の包
括固定化乳酸菌は、比較例8に比べ発酵速度が速く、よ
く発酵していることがわかる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】バツチ方式の発酵槽の説明図である。
【図2】果汁を通過させる発酵槽の説明図である。
【図3】果汁100ml当たりの乳酸の量の経時的変化
を示した曲線図である。
【図4】果汁100ml当たりの乳酸の量の経時的変化
を示した曲線図である。
【図5】果汁100ml当たりの乳酸の量の経時的変化
を示した曲線図である。
【符号の説明】
2 包括固定化乳酸菌 3 果汁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 清俊 大阪府大阪市城東区鴫野西3−4−1− 408 (72)発明者 阿曽 和博 大阪府茨木市上穂積2−4−22 (72)発明者 吉川 悦雄 奈良県北葛城郡当麻町大字南今市374番地 (72)発明者 佐渡 康夫 石川県石川郡野々市町白山町13−15 (72)発明者 松田 章 石川県羽咋市四柳町レの86 (72)発明者 道畠 俊英 石川県金沢市畝田中1丁目113番1号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボキシセルロースおよびそれから
    誘導される誘導体の少なくとも一方を有効成分とする多
    糖類ゲルで包括固定化された乳酸菌を用い、果汁の発酵
    を行うことを特徴とする発酵果汁飲料の製法。
  2. 【請求項2】 ジカルボキシセルロースおよびそれから
    誘導される誘導体の少なくとも一方を有効成分とする多
    糖類ゲルで包括固定化されたことを特徴とする発酵果汁
    飲料に用いる乳酸菌。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1169925A1 (en) * 2000-06-26 2002-01-09 Sitia-Yomo S.p.A. Foodstuffs containing a fermented vegetable matrix and relevant preparation process
US7014020B2 (en) 2001-02-22 2006-03-21 Yoshiaki Tamura Folding travel bag with cart
CN114601087A (zh) * 2022-01-25 2022-06-10 广东省农业科学院蚕业与农产品加工研究所 一种毛酸浆发酵果汁及其制备方法与应用

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