JPH04341166A - 発酵果汁飲料の製法 - Google Patents

発酵果汁飲料の製法

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JPH04341166A
JPH04341166A JP3142385A JP14238591A JPH04341166A JP H04341166 A JPH04341166 A JP H04341166A JP 3142385 A JP3142385 A JP 3142385A JP 14238591 A JP14238591 A JP 14238591A JP H04341166 A JPH04341166 A JP H04341166A
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JP
Japan
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fruit juice
lactic acid
acid bacteria
fermented
fermentation
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JP3142385A
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English (en)
Inventor
Yasuo Sado
佐渡 康夫
Shiyunei Michihata
俊英 道畠
Akira Matsuda
章 松田
Kazuhiro Aso
和博 阿曽
Etsuo Yoshikawa
吉川 悦雄
Keiji Iguchi
井口 圭二
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、果汁液を対象として
乳酸菌発酵を行う発酵果汁飲料の製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、嗜好の多様化と天然果汁ベースの
飲料を求める消費者のニーズから各種の乳酸菌発酵果汁
飲料が開発されている。これらの乳酸菌発酵果汁飲料を
製造する際に用いられる乳酸菌、特にホモ型の乳酸菌は
、pHが低い果汁やポリフエノール等の発酵阻害物質を
含む果汁ではほとんど増殖しない。そのため、果汁に薬
剤,処理剤等を添加して乳酸菌の発酵可能領域までpH
を高めたり、また果汁に含有されるポリフエノール等の
発酵阻害物質を除去する等の前処理を行つたのち、乳酸
菌で果汁を発酵させて乳酸菌発酵果汁飲料が製造されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように果汁のpHを高めると、発酵の際に果汁が他の有
害菌を含む雑菌に汚染される確率が高くなるという問題
点を有している。また、果汁が加熱殺菌時に褐変等が生
じ風味が著しく劣化するという不都合が生じる。一方、
上記のように発酵阻害物質の除去を行うと、発酵果汁飲
料の生産コストが高くなるという問題点を有している。 また、上記のように前処理を施した果汁であつてもその
ままの果汁であつても、乳酸菌で発酵させると、発酵の
進行に伴い、乳酸と共に酢酸が生成される。このため、
得られる発酵果汁飲料は、酢酸の刺激臭によつて果汁の
本来の風味が損なわれ品質の劣つたものとなる。
【0004】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、果汁に前処理を施すことなく発酵させること
ができ、酢酸の含有量が少なく風味のよい発酵果汁飲料
の製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の発酵果汁飲料の製法は、下記の(A)成
分および(B)成分の少なくとも一方を有効成分とする
多糖類ゲルで包括固定化された乳酸菌を用い、低温で果
汁の発酵を行うという構成をとる。 (A)ジカルボキシセルロースおよびそれから誘導され
る誘導体の少なくとも一方。 (B)デンプンリン酸エステルおよびその塩の少なくと
も一方。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記のように前処理
を施すことのないそのままの果汁を乳酸菌で発酵させる
ことができ、しかも発酵果汁飲料の風味低下の原因とな
る酢酸の含有量が少なく風味のよい乳酸菌発酵果汁飲料
を得るために一連の研究を重ねた。この研究の過程で、
本発明者らは、ジカルボキシセルロースまたはリン酸エ
ステルを他の多糖類と併用したゲルで乳酸菌を包括固定
化すると、ポリフエノールのゲル内拡散が抑制されるこ
とを見出した。そして、この包括固定化した乳酸菌を用
い発酵温度に着目してさらに研究を重ねた。その結果、
従来果汁を乳酸菌で発酵させるために必要かつ常識とさ
れている30〜45℃という発酵温度を上記温度帯より
も低くするとともに、上記(A)成分および(B)成分
の少なくとも一方を有効成分とする多糖類ゲルで包括固
定化された乳酸菌を用いて果汁を発酵させると、酢酸含
有量が少なく風味のよい発酵果汁飲料が得られることを
見出しこの発明に到達した。
【0007】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0008】この発明の発酵果汁飲料は、上記(A)成
分および(B)成分の少なくとも一方を有効成分とする
多糖類ゲルで包括固定化された乳酸菌で、果汁を従来の
発酵温度よりも低温で発酵させることにより得られるも
のである。
【0009】なお、この発明において、発酵温度の低温
とは、10〜20℃の温度帯のことである。
【0010】この発明の乳酸菌の包括固定化は、上記(
A)成分および(B)成分の少なくとも一方と他の多糖
類とからなるゲルで行われる。
【0011】上記(A)成分であるジカルボキシセルロ
ース(以下「DCC」と略す)は、セルロースの誘導体
で、グルコース環のC2 とC3 の結合を選択開裂し
、酸化してカルボキシル基を導入したものである。また
、合成法によつて、1つのグルコース環に2個以上のカ
ルボキシル基が導入された誘導体が生成される。このカ
ルボキシル基の導入率は、水に溶けやすい30%以上が
好ましく、発酵阻害緩和の点から60%以上がより好ま
しい。なお、この導入率は、セルロースを構成するグル
コース環数に対するカルボキシル基を導入したグルコー
ス環数の比率を百分率で示したものである。
【0012】上記(B)成分であるデンプンリン酸エス
テル(以下「SSP」と略す)は、デンプンを構成する
グルコースの水酸基にリン酸がエステル結合したもので
ある。この発明では、1個のリン酸に1個のグルコース
が結合した1型,1個あるいはそれ以上のリン酸を挟ん
で2個のグルコースが架橋状に結合した2型およびそれ
らの塩を単独でまたは併せて用いられる。なお、水に対
する溶解性という点から1型のSSPを単独で用いるか
または1型の混合比率の高いものを用いることが好まし
い。
【0013】この発明で上記(A)成分および(B)成
分の少なくとも一方とともに用いる多糖類としては、ゲ
ル形成が可能な天然多糖類、例えばアルギン酸,K−カ
ラギーナン,寒天等が用いられるが、ゲル強度および固
定化操作の容易さ等からアルギン酸が好適である。
【0014】この発明の包括固定化に用いられる乳酸菌
として、例えばロイコノストツク(Leuconost
oc)属,ラクトバチルス(Lactobacillu
s)(以下「L.」と略す)属のサツカロバチルス(S
accharobacillus)グループ,ビフイド
バクテリウム(Bifidobacterium)属の
ヘテロ型等が挙げられる。また、この発明では、果汁の
pH調整,ポリフエノール除去を行わないと増殖,発酵
しないラクトバチルス  カゼイ(L.casei),
ラクトバチルス  ラクテイス(L.lactis),
ラクトバチルス  アシドフイルス(L.acidop
hilus),ラクトバチルス  ブルガリカス(L.
bulgaricus),ストレプトコツカス  サー
モフイラス(Streptcoccus  therm
ophillus)等由来のホモ型も果汁の発酵に使用
することができる。
【0015】この発明の乳酸菌の包括固定化は、例えば
つぎのようにして行われる。まず、乳酸菌をそれぞれの
適した条件で培養,増殖させ、これを遠心分離等によつ
て集菌する。つぎに、DCCまたはSSPあるいはDC
CとSSPを併せたものと、上記多糖類とを水に溶解し
、DCC−多糖類水溶液、またはSSP−多糖類水溶液
、あるいはDCC−SSP−多糖類水溶液をつくり、こ
れに集菌した乳酸菌を添加して混合する。そして、この
混合液を従来公知の方法でゲル化して、乳酸菌を包括固
定化した担体にする。
【0016】上記水溶液の多糖類濃度は、1〜6重量%
(以下「%」と略す)が好ましく、より好ましくは2〜
4%の範囲である。多糖類濃度が1%を下回ると、ゲル
形成が不良となり、逆に6%を上回ると、ゲル化操作が
困難になるからである。
【0017】上記DCC−多糖類水溶液のDCC濃度は
、発酵阻害物質の担体内拡散の抑制効果および担体の強
度向上の点から高い方がよいが、担体調整時の操作性が
悪くなるため、0.1〜40%の範囲が好ましく、より
好ましくは0.5〜25%である。また、上記SSP−
多糖類水溶液のSSP濃度は、担体のゲル強度の低下を
防止する点からSSPの多糖類に対する重量比を2以下
にすることが好ましい。
【0018】なお、上記DCCとSSPを併せて用いる
場合、DCCとSSPの混合割合はDCC100%に対
して、SSP50%に設定することが好ましい。
【0019】上記DCC−多糖類水溶液,SSP−多糖
類水溶液およびDCC−SSP−多糖類水溶液への乳酸
菌の混合量は、多いほど発酵開始時の発酵速度が速まる
ため好ましいが、水溶液1ml当たり105 個以上混
合すれば充分である。
【0020】また、上記DCC−多糖類水溶液,SSP
−多糖類水溶液およびDCC−SSP−多糖類水溶液に
ゲル強度を向上させる効果を有する珪藻土等の第3成分
を添加するようにしてもよい。この珪藻土は、食品に使
用しうるものであればよく、珪藻土を精製し珪藻殻のみ
を選択的に取り出したものも好適に使用できる。この珪
藻土の多糖類に対する重量比率は10〜300%の範囲
が好ましい。
【0021】なお、上記DCC−多糖類水溶液,SSP
−多糖類水溶液およびDCC−SSP−多糖類水溶液は
、乳酸菌を混合する直前に滅菌処理を施すことが好まし
い。この滅菌方法は、120℃のオートクレーブ処理等
が一般的であるが、他の従来公知の方法でも差し支えな
い。
【0022】乳酸菌を包括固定化する際に用いる多糖類
がアルギン酸塩である場合、カルシウム,アルミニウム
等の多価金属イオンを含む水溶液に、上記混合液を接触
させてゲル化させることで乳酸菌を包括固定化する。ま
た、K−カラギーナンの場合、カリウムイオン,アンモ
ニウムイオン等を含む水溶液に上記混合液を接触させて
ゲル化させることで乳酸菌を包括固定化する。
【0023】上記乳酸菌を包括固定化した担体の形状は
、膜状,糸状,球状等、特に限定されるものではないが
、反応装置に組み入れて工業化を考える場合、操作性,
固定化の簡便さ,効率の点から球状であることが好まし
い。
【0024】上記球状担体は、例えばアルギン酸−DC
C−乳酸菌の混合水溶液をノズルより塩化カルシウム水
溶液に滴下することにより調整することができる。球状
担体の直径の大きさは、特に限定されるものではないが
担体内の物質拡散および担体の強度の点で1〜3mmが
好ましい。
【0025】つぎに、この発明の果汁の発酵方法につい
て説明する。まず、原料果汁を準備し、これを上記のよ
うにして調整した固定化乳酸菌に接触させ、低温で所定
の時間発酵させることにより果汁の発酵が行われる。
【0026】上記発酵温度は10〜20℃の間で乳酸菌
の種類等によつて適宜設定される。これは発酵温度が1
0℃よりも低いと、乳酸菌の発酵速度が遅く工業的生産
に不適となり、逆に20℃よりも高いと、酢酸の生成量
が増加して酢酸の刺激臭が強くなり得られる発酵果汁飲
料の風味の低下が生じるからである。
【0027】この発明に用いる果汁の種類としては、p
Hの低いグレープフルーツ果汁,オレンジ果汁,みかん
果汁等の柑橘類果汁、りんご果汁,ぶどう果汁等いかな
る果汁でも差し支えない。なお、この発明において果汁
とは、果実から搾汁したそのままの果汁だけでなく、搾
汁した果汁を濃縮した濃縮果汁,濃縮果汁を還元した還
元果汁を含む趣旨である。
【0028】上記果汁を乳酸菌で発酵する場合、通常、
果汁の含有量が50〜100%の範囲になるように希釈
されて用いられる。また、上記果汁は、搾汁してパルプ
分を含んだ状態のものでも、遠心分離等の操作でパルプ
分を除去した状態のものでもよい。さらに、乳酸菌を包
括固定化すると、従来のように果汁にpH調整や発酵阻
害物質を除去等の前処理を施さなくても果汁の発酵を行
うことができるが、施しても差し支えない。
【0029】この発明の発酵果汁飲料の具体的な製造方
法として、例えば、図1に示すように球状等の固定化乳
酸菌2を固定床として持つ発酵槽1にバツチ方式で原料
果汁3を供給し、10〜20℃で発酵を行う方法、図2
に示すように、連続的に発酵槽1に原料果汁を通過させ
て10〜20℃で発酵を行う方法等があり、いずれの方
法で行うようにしてもよい。
【0030】なお、上記発酵槽1への固定化乳酸菌の充
填率は任意に設定される。但し、図2の発酵槽1に原料
果汁3を通過させて発酵を行う方法で高速発酵を行う場
合には、果汁の通過による固定化乳酸菌の膨潤を考慮し
、固定化乳酸菌を発酵槽1に詰まりすぎて変形しない程
度に充填することが好ましい。
【0031】また、上記固定化乳酸菌は、そのままで果
汁に接触させても、また接触させる前に適した条件で充
分増殖させるようにしてもよい。そして、果汁の発酵時
間は、乳酸菌の種類,発酵方法,果汁の種類等によつて
適宜調節される。
【0032】この発明の製法によれば、発酵によつて生
成する酢酸の量を抑制することができるため、刺激臭が
少なく風味のよい乳酸菌発酵果汁飲料を得ることができ
る。また、果汁をpH調整したり、ポリフエノール等の
発酵阻害物質を除去することなく果汁を発酵させること
ができ、しかもホモ型乳酸菌であつてもpHの低い果汁
を発酵させることができる。
【0033】上記のようにして得られた乳酸菌発酵果汁
飲料には、必要に応じて一般の飲料に用いられる添加物
、例えば甘味料,風味料,保存料等を添加することがで
きる。また、水,炭酸水,獣乳,発酵乳,豆乳等で希釈
することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明は、果汁の発酵
阻害の緩和効果を有するゲルで包括固定化した乳酸菌を
用い低温で果汁の発酵を行つて発酵果汁飲料を製造する
ものである。したがつて、この発明の製法によれば、発
酵阻害物質を除去しないそのままの果汁を発酵させるこ
とができるため、生産コストを削減することができると
ともに、pH調整を行わない低いpHの果汁をホモ型乳
酸菌で発酵させることができる。また、低温で発酵を行
うことによつて発酵果汁飲料の風味に悪影響を与える酢
酸の生成が抑制されるため、刺激臭がほとんどない良質
の発酵果汁飲料を得ることができる。さらに、低温で果
汁の発酵を行うため、従来の高い温度で発酵させた発酵
果汁飲料に比べて雑菌等の汚染や熱による品質の低下が
少ない風味のよいものを得ることができる。なお、乳酸
菌を包括固定化することにより、発酵の低温化に伴う発
酵速度の低下が緩和されるため、従来と同等の生産性を
維持することができるとともに、発酵果汁を長期間連続
的に生産することができ有用である。
【0035】つぎに、この発明の実施例を比較例と併せ
て説明する。
【0036】
【実施例1】それぞれの濃度が2%となるようにDCC
とアルギン酸ナトリウムとを水に溶解させ、120℃で
15分間オートクレーブ滅菌処理を行つた。一方、30
℃で48時間GYP培地で培養し、遠心分離を行つて採
取した乳酸菌ラクトバチルスカゼイを濃度が108 〜
109 個/mlとなるように上記DCCとアルギン酸
の水溶液に添加混合した。この混合液を4%の塩化カル
シウム水溶液に滴下して不溶化し、直径約2mmのDC
C−アルギン酸包括固定化乳酸菌を得た。そして、この
DCC−アルギン酸包括固定化乳酸菌50mlを100
%のオレンジ果汁100mlに添加し、15℃で発酵を
行い発酵オレンジ果汁飲料を作成した。
【0037】
【比較例1】5mlのGYP培地に1白金耳の乳酸菌ラ
クトバチルス  カゼイを接種し、30℃で48時間培
養後、遠心分離を行つて採取した乳酸菌を100%のオ
レンジ果汁100mlに添加し、15℃で発酵を行い発
酵オレンジ果汁飲料を作成した。
【0038】上記実施例1および比較例1の発酵オレン
ジ果汁飲料100ml当たりの乳酸,酢酸およびクエン
酸の含有量を経時的に測定し、その結果を図3に示した
。なお、曲線A,曲線B,曲線Cはそれぞれ実施例1の
発酵果汁飲料の乳酸,酢酸およびクエン酸含量を、曲線
D,曲線E,曲線Fはそれぞれ比較例1の発酵果汁飲料
の乳酸,酢酸およびクエン酸含量を示している。
【0039】図3の結果より、包括固定化された乳酸菌
を用いた実施例1の発酵果汁飲料は、固定化されていな
い乳酸菌を用いた比較例1の発酵果汁飲料に比べて発酵
速度が速いことがわかつた。
【0040】
【比較例2】上記実施例1と同様の方法で調整した包括
固定化乳酸菌50mlを100%のオレンジ果汁100
mlに添加し、25℃で発酵を行い発酵オレンジ果汁飲
料を作成した。
【0041】上記比較例2の発酵オレンジ果汁飲料10
0ml当たりの乳酸,酢酸およびクエン酸の含有量を経
時的に測定し、その結果を先に測定した上記実施例1の
結果とともに図4に示した。なお、曲線G,曲線H,曲
線Iはそれぞれ比較例2の発酵果汁飲料の乳酸,酢酸お
よびクエン酸含量を示している。
【0042】図4の結果より、高い発酵温度で発酵させ
た比較例2の発酵果汁飲料は、(酢酸生成量)/(乳酸
生成量)×100が30〜40%であるのに対し、実施
例1の発酵果汁飲料は、0%であつた。これにより、低
温で発酵を行うと酢酸の生成が抑制されることがわかる
【0043】また、24時間発酵させて得られた上記実
施例1および比較例2の発酵果汁飲料の香りおよび風味
について、専門パネラー13名によつて比較した。良い
と答えた人の人数を下記の表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】上記表1の結果より、実施例1品は、香り
,風味ともに比較例の2品に比べ、良好な品質のもので
あつた。
【0046】
【実施例2】DCC、アルギン酸ナトリウム、珪藻殻の
それぞれの濃度が2%となるように水に溶解させ(珪藻
殻は分散させる)、120℃で15分間オートクレーブ
滅菌処理を行つた。一方、上記実施例1と同様の方法で
採取した乳酸菌ロイコノストツク  メツセントロイデ
ス  SPを濃度が108 〜109 個/mlとなる
ように上記DCC−アルギン酸−珪藻殻水溶液に添加混
合した。 この混合液を4%の塩化カルシウム水溶液に滴下して不
溶化し、直径約2mmのDCC−アルギン酸−珪藻殻包
括固定化乳酸菌を得た。そして、このDCC−アルギン
酸−珪藻殻包括固定化乳酸菌50mlを100%のオレ
ンジ果汁100mlに添加し、15℃で発酵を行い発酵
オレンジ果汁飲料を作成した。
【0047】
【比較例3】上記実施例と同様の方法で調整した包括固
定化乳酸菌50mlを100%のオレンジ果汁100m
lに添加し、25℃で発酵を行い発酵オレンジ果汁飲料
を作成した。
【0048】上記実施例2および比較例3の発酵オレン
ジ果汁飲料100ml当たりの乳酸,酢酸およびクエン
酸の含有量を経時的に測定し、その結果を図5に示した
。なお、曲線J,曲線K,曲線Lはそれぞれ実施例2の
発酵果汁飲料の乳酸,酢酸およびクエン酸含量を、曲線
M,曲線N,曲線Oはそれぞれ比較例3の発酵果汁飲料
の乳酸,酢酸およびクエン酸含量を示している。
【0049】図5の結果より、高い発酵温度で発酵させ
た比較例3の発酵果汁飲料は、(酢酸生成量)/(乳酸
生成量)×100が50〜60%であるのに対し、実施
例2の発酵果汁飲料は、30〜40%であつた。これに
より、低温で発酵を行つたほうが酢酸の生成が抑制され
ることがわかる。
【0050】また、24時間発酵させて得られた上記実
施例2および比較例3の発酵果汁飲料の香りおよび風味
について、専門パネラー13名によつて、上記実施例1
および比較例2と同様に比較した。その結果を下記の表
2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】上記表2の結果より、実施例2品は、香り
,風味ともに比較例3品に比べ、良好な品質のものであ
つた。
【図面の簡単な説明】
【図1】バツチ方式の発酵槽の説明図である。
【図2】果汁を通過させる発酵槽の説明図である。
【図3】果汁100ml当たりの乳酸,酢酸およびクエ
ン酸の量の経時的変化を示した曲線図である。
【図4】果汁100ml当たりの乳酸,酢酸およびクエ
ン酸の量の経時的変化を示した曲線図である。
【図5】果汁100ml当たりの乳酸,酢酸およびクエ
ン酸の量の経時的変化を示した曲線図である。
【符号の説明】
1  発酵槽 2  包括固定化乳酸菌 3  果汁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の(A)成分および(B)成分の
    少なくとも一方を有効成分とする多糖類ゲルで包括固定
    化された乳酸菌を用い、低温で果汁の発酵を行うことを
    特徴とする発酵果汁飲料の製法。 (A)ジカルボキシセルロースおよびそれから誘導され
    る誘導体の少なくとも一方。 (B)デンプンリン酸エステルおよびその塩の少なくと
    も一方。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105029578A (zh) * 2015-08-03 2015-11-11 融安县颖丰水果种植有限公司 一种蜜柚果汁饮料及制备方法
CN106234895A (zh) * 2016-07-30 2016-12-21 大连工业大学 一种白刺果乳酸菌发酵饮料及其制备方法

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