JPH0662811A - ルーおよび冷凍調理食品 - Google Patents

ルーおよび冷凍調理食品

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JPH0662811A
JPH0662811A JP4255307A JP25530792A JPH0662811A JP H0662811 A JPH0662811 A JP H0662811A JP 4255307 A JP4255307 A JP 4255307A JP 25530792 A JP25530792 A JP 25530792A JP H0662811 A JPH0662811 A JP H0662811A
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roux
sauce
lecithin
frozen
thawing
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Hidekazu Takahashi
秀和 高橋
Koji Ishibashi
康治 石橋
Masakazu Higure
正和 日暮
Kazuhiro Nakamura
和弘 中村
Taeko Uchiyama
多恵子 内山
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Showa Sangyo Co Ltd
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Showa Sangyo Co Ltd
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  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、解凍後の食感がよく、離水も少な
いルーまたはソース、およびこれらを使用する冷凍調理
食品を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、リゾ化率30%以上の酵素分解レ
シチンを配合したルーまたはソース、およびこれらを使
用する冷凍調理食品の発明である。 【効果】 本発明のルーまたはソース、およびこれらを
使用する冷凍調理食品は、いずれも解凍したのちも離水
も少なく、舌触りがよく、食感がなめらかである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルーまたはソース、こ
れらを使用する、改良された冷凍調理食品に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭における家事労働時間の減少や外食
産業における人手不足に伴って、冷凍食品はあらゆる分
野に広く普及してきた。冷凍食品の中にはホワイトルー
やブラウンルーのようにバター等の食用油脂や小麦粉、
澱粉等を素材として製造されるルーや、ホワイトソース
やブラウンソースのようなソースを使用するものも多い
が、これらは冷凍によって澱粉が老化し、また氷結晶が
成長する等が原因となって、解凍後の食感が悪く、離水
現象も多く見られるのが現状であった。
【0003】これらの問題点を改善するために、従来は
化工澱粉を添加する等の試みがなされてきた。これによ
って離水をある程度減少させることはできても、解凍後
の食品の舌触り等食感を充分に改善することは困難であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の冷凍
食品では困難であった、解凍後の食感がよく、離水も少
ない、ルーまたはソース、およびこれらを使用する冷凍
調理食品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ルーやソ
ースを使用する冷凍食品の改良のために鋭意研究を続け
てきた。その結果、リゾ化率が一定以上の酵素分解レシ
チンをこれに配合することによって、解凍しても食感が
なめらかで、かつ離水も少ない冷凍食品を得ることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明はリゾ化率30%以上の
酵素分解レシチンを配合したホワイトルー、ブラウンル
ー等のルー、ホワイトソース、ブラウンソースのような
ソース、およびこれらを使用する冷凍調理食品の発明で
ある。
【0007】本発明者らは、酵素分解レシチンが、通常
のレシチンに比して親水性が大きく水分散性、乳化性に
優れ、乳化安定性も大きいことを見出し、既に特開平2
−49593号、特開平3−139246号として特許
出願中であるが、さらに酵素分解レシチンをルーやソー
スに配合して、これを冷凍した場合にも、澱粉の老化が
少なく、また氷結晶の成長も抑えられること、さらに解
凍後の食感もなめらかで、離水性も少ないことを見出
し、本発明を完成したのである。
【0008】レシチンは、リン脂質を主成分とするホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、
ホスファチジルイノシトール等の混合物であって、従来
は、製油工程において、粗原油に水を加えて析出するガ
ム質を適宜精製した後、これを乾燥することによって得
られた。
【0009】本発明の冷凍調理食品に配合する酵素分解
レシチンを得る方法には限定がないが、好ましくは、粗
原油中に存在するリン脂質に直接ホスフォリパーゼA活
性を有する酵素を使用する(特開平2−49593号)
方法により、効率的にこれを得ることができる。
【0010】本発明にいうリゾ化率とは、全リン脂質中
におけるリゾリン脂質の割合、すなわち、ホスファチジ
ルエタノールアミン(PE)+リゾ化ホスファチジルエ
タノールアミン(リゾ化PE)に対するリゾ化PEのモ
ル百分率で金子らの方法(Agric、Biol.Ch
em.51(7),2023.1987年)により高速
液体クロマトグラフィーで分離分析した値である。
【0011】本発明のルー、ソース、冷凍調理食品に配
合する酵素分解レシチンのリゾ化率は、高い程有効であ
り、ルーやソースの粘度や応力等の物性からリゾ化率3
0%以上、好ましくは60%以上のものを配合するのが
効率的である。
【0012】ルーやソースに対する酵素分解レシチンの
配合率については、特別の限定はないが、通常ソースに
対する重量比で0.1%前後ないし、それ以上を配合す
れば充分効果を発揮できる。
【0013】本発明で使用するルーやソース自体は通常
の方法で製造することができる。すなわち、ルーは小麦
粉をバターで炒め、これに適宜食塩、香料等を加えても
よく、酵素分解レシチンをこれに配合すればよい。もし
くは、これを少量のスープ等の液体でのばし、固形また
はペースト状にすればよい。ソースはルーを牛乳やスー
プ等でのばして作ることができ、その際、酵素分解レシ
チンを配合してもよい。また、ルーやソースは、上記に
代えて1段階で製造してもよく、工業的に適宜の方法で
製造することもできる。
【0014】本発明の冷凍調理食品は、マカロニグラタ
ン、カレーソース、その他各種食品の調理のために使用
することができる。
【0015】
【作用】本発明の冷凍調理食品は解凍後もなめらかで、
舌触りもよく、優れた食感の食品を得ることができる。
また、解凍後の離水も殆どみられない。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べるが、もとより
本発明の範囲がこれら実施例のみに限定されることはな
い。
【0017】実施例1 表1記載の素材を用いて、仕上り量3.6Kgのホワイ
トソースを1段階で製造した。実施例1においては、前
記特開平2−49593号の方法で製造した酵素分解レ
シチン(リゾ化率90%、商品名、昭和酵素処理レシチ
ンLEW−80)を仕上り量に対して0.5重量%使用
した。対照区ではレシチンを使用しなかった。ホワイト
ソースは袋に入れて−25℃に2週間冷凍保存した。解
凍は室温で3時間放置して行った。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1の評価 対照区では解凍後離水がみられたが、実施区の食品で
は、解凍後の離水は外観上みられなかった。
【0020】また、7人のパネラーにより官能検査を行
ったところ、実施区の舌触りが滑らかであり、食感につ
いて有意の差が認められた(表2)。表2〜表4におい
て、◎は、非常に良好、○は良好、△は普通、×は不良
を示す。++は離水が見られない。−は押すとわずかに
離水、−−は表面に水が浮いている。
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 第1段階デルーを製造し、つぎに、これを使用して第2
段階でホワイトソースを製造した。 (1)ルーの調製 無塩バター(250g)と薄力粉(250g)とをビー
カーに入れて、電子レンジを「強」にして1分間加熱処
理をした。1分毎によくかき混ぜながら、さらに電子レ
ンジ「強」で3分30秒加熱処理した。 (2)ホワイトソースの調製 上記(1)で調製したルーを32gとり、これに食塩
(1.65g)とレシチン(1.25g)を良く混ぜ合
わせたのち、牛乳(250ml)に分散させ、鍋に移し
た。レシチンは、リゾ化率30%(試作調製品)、60
%(「昭和酵素処理レシチンLEW60」)、90%
(「昭和酵素処理レシチンLEW80」)の酵素分解レ
シチンを使用した。対照区Aは、レシチン不使用のも
の、対照区Bはリゾ化率0%の通常のペースト状レシチ
ンを使用した。 これらを電磁調理器「強」で沸騰するまて加熱し、沸
騰後「弱」にパワーを落とし、良くかき混ぜながら7分
間加熱した。 その際、水の蒸発分を調整し、全体の重量が250g
になるように蒸留水を加えた。 35℃の水液中で粗熱を取った後、袋詰めした。これ
を発泡スチロール箱に入れて、−35℃冷凍庫中で冷凍
した。
【0023】実施例2で製造したホワイトソースについ
て、官能検査の結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】実施例2で製造したホワイトソースを用い
て、マカロニグラタンを調理した。 解凍は室温で緩慢解凍した。 解凍したホワイトソース(100g)を蒸し器で5分
間加熱したのち、これにゆでマカロニ(35g)と具材
(玉ネギとベーコンのソテー:30g)を加え容器中で
よくなじませた。 これにラップをかけ、電子レンジ「強」で5分間処理
した。
【0026】実施例2で製造したホワイトソースについ
て、粘度、応力、付着量を測定した。粘度と付着量はホ
ワイトソースのなめらかさを、応力は硬さをあらわして
いる。粘度は、BM型粘度計で20秒後の値を測定し
た。粘度低下率は20秒後と1分後との粘度の低下率を
測定した。粘度が高いほどぼそぼそとした感じとなり、
粘度が低いほどなめらかである。粘度低下率の大きいも
のほど攪拌中に組織が崩壊し、粘度が低下する結果とな
る。応力はテンシプレシャーで、3cmの内筒型プラ
ンジャーを用いて測定した(1回目の値)。応力低下率
は、1回目から4回目までの変化率を示す。応力が小さ
いほどソフトであり、応力低下率が大きいほど原形を保
っていないことをあらわしている。付着量は、5cm×
2cmのステンレス板を用いて測定した。付着量が多い
ほどなめらかであることを意味する(図1〜5)。
【0027】実施例4 カレールーとカレーソースを製造した。 (1)カレールーの調製 溶かした無塩バター(50g)と薄力粉(625g)
とをフライパン中でよく混ぜ合わせ、電磁調理器(17
0℃)で10分間、均一になるようよく攪拌しながら炒
めた。 カレー粉(10g)を加えて、更に2分間炒めた。 蒸留水を加え、全量が250gになるようにのばし
た。 (2)カレーソースの調製 上記カレールー(50g)、食塩(1g)、レシチン
(0.32g)を鍋中で良くかき混ぜ合わせたのち、蒸
留水(75ml)およびコンソメストックを(100m
l)加え分散させた。 電磁調理器(強)で沸騰するまで加熱した。沸騰後弱
火にして良くかき混ぜながら10分間加熱した。 出来上りの量が130gになるように蒸留水を加え
た。 袋詰めにして放冷した後、−35℃で冷凍した。
【0028】実施例4で調整したカレーソースを室温で
解凍したのち、電子レンジで3分間加熱した。その外
観、食感、離水状態を検査し、表4に示した。表4にお
いて、対照区はレシチンを使用しないもの、実施区の%
は酵素分解レシチンのリゾ化率を示す。
【0029】
【表4】
【0030】図6に実施例3で調製したカレーソースの
ステンレスプレートへの付着量を示す。付着量が約1g
以上あればソースの状態がなめらかであることを示して
いる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、解凍したのちも、離水が少な
く、食感がなめらかで舌触りのよいホワイトルー、ブラ
ウンルー等のルーまたはホワイトソース、ブラウンソー
ス等のソース、およびこれらを使用した冷凍調理食品を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例2のホワイトソースの粘度
【図2】は、同上の粘度低下率
【図3】は、同上の応力
【図4】は、同上の応力低下率
【図5】は、同上の付着量
【図6】は、実施例3のカレーソースの付着量 図6で●はリゾ化率90%、▲は同60%、○は同30
%.△は同0%。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和弘 千葉県船橋市日の出2−20一2 昭和産業 株式会社総合研究所内 (72)発明者 内山 多恵子 千葉県船橋市日の出2−20−2 昭和産業 株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リゾ化率30%以上の酵素分解レシチンを
    配合したルーまたはソース、これらを使用する冷凍調理
    食品
JP25530792A 1992-08-11 1992-08-11 ルーおよび冷凍調理食品 Ceased JP3300933B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019092484A (ja) * 2017-11-28 2019-06-20 キユーピー株式会社 ペースト状冷凍ソース

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019092484A (ja) * 2017-11-28 2019-06-20 キユーピー株式会社 ペースト状冷凍ソース

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