JP3300933B2 - ルーおよび冷凍調理食品 - Google Patents

ルーおよび冷凍調理食品

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JP3300933B2 JP25530792A JP25530792A JP3300933B2 JP 3300933 B2 JP3300933 B2 JP 3300933B2 JP 25530792 A JP25530792 A JP 25530792A JP 25530792 A JP25530792 A JP 25530792A JP 3300933 B2 JP3300933 B2 JP 3300933B2
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Japan
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roux
sauce
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lecithin
cooked food
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秀和 高橋
康治 石橋
正和 日暮
和弘 中村
多恵子 内山
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Showa Sangyo Co Ltd
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Showa Sangyo Co Ltd
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  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍調理食品に使用す
るルーまたはソース、ならびに冷凍ルーまたはソースに
関する。
【0002】
【従来の技術】家庭における家事労働時間の減少や外食
産業における人手不足に伴って、冷凍食品はあらゆる分
野に広く普及してきた。冷凍食品の中にはホワイトルー
やブラウンルーのようにバター等の食用油脂や小麦粉、
澱粉等を素材として製造されるルーや、ホワイトソース
やブラウンソースのようなソースを使用するものも多い
が、これらは冷凍によって澱粉が老化し、蛋白質が変性
し、また氷結晶が成長する等が原因となって、解凍後の
食感が悪く、離水現象も多く見られるのが現状であっ
た。
【0003】これらの問題点を改善するために、従来は
化工澱粉を添加する等の試みがなされてきた。これによ
って離水をある程度減少させることはできても、解凍後
の食品の舌触り等食感を充分に改善することは困難であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の冷凍
食品では困難であった、解凍後の食感がよく、離水も少
ない、冷凍調理食品用ルー、またはソース、ならびに冷
凍ルーまたはソースを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ルーやソ
ース、ならびにこれを使用する冷凍食品の改良のために
鋭意研究を続けてきた。その結果、リゾ化率が一定以上
の酵素分解レシチンをこれに配合することによって、解
凍しても食感がなめらかで、かつ離水も少ない冷凍ル
ー、ソースおよび冷凍食品を得ることができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明はリゾ化率30%以上の
酵素分解レシチンを配合したホワイトルー、ブラウンル
ー等の冷凍ルー、ホワイトソース、ブラウンソースのよ
うな冷凍ソース、および上記配合のルー、ソースを使用
する冷凍調理食品の発明である。
【0007】本発明者らは、酵素分解レシチンが、通常
のレシチンに比して親水性が大きく、水分散性、乳化性
に優れ、乳化安定性も大きいことを見出し、既に特開平
2−49593号、特開平3−139246号として特
許出願中であるが、さらに酵素分解レシチンをルーやソ
ースに配合して、これを冷凍した場合にも、蛋白質の変
性が少なく、澱粉の老化も少なく、また氷結晶の成長も
抑えられること、さらに解凍後の食感もなめらかで、離
水性も少ないことを見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0008】レシチンは、リン脂質を主成分とするホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、
ホスファチジルイノシトール等の混合物であって、従来
は、製油工程において、粗原油に水を加えて析出するガ
ム質を適宜精製した後、これを乾燥することによって得
られた。
【0009】本発明の冷凍調理食品に配合する酵素分解
レシチンを得る方法には限定がないが、好ましくは、粗
原油中に存在するリン脂質に直接ホスフォリパーゼA活
性を有する酵素を使用する(特開平2−49593号)
方法により、効率的にこれを得ることができる。
【0010】本発明にいうリゾ化率とは、全リン脂質中
におけるリゾリン脂質の割合、すなわち、ホスファチジ
ルエタノールアミン(PE)+リゾ化ホスファチジルエ
タノールアミン(リゾ化PE)に対するリゾ化PEのモ
ル百分率で金子らの方法(Agric、Biol.Ch
em.51(7),2023.1987年)により高速
液体クロマトグラフィーで分離分析した値である。
【0011】本発明の冷凍調理食品用ルー、ソースおよ
び冷凍ルー、ソースに配合する酵素分解レシチンのリゾ
化率は高い程有効であり、ルーやソースの粘度や応力等
の物性からリゾ化率30%以上、好ましくは60%以上
のものを配合するのが効率的である。
【0012】ルーやソースに対する酵素分解レシチンの
配合率については、特別の限定はないが、通常ソースに
対する重量比で0.1%前後ないし、それ以上を配合す
れば充分効果を発揮できる。
【0013】本発明で使用するルーやソース自体は通常
の方法で製造することができる。すなわち、ルーは小麦
粉をバターで炒め、これに適宜食塩、香料等を加えても
よく、酵素分解レシチンをこれに配合すればよい。もし
くは、これを少量のスープ等の液体でのばし、固形また
はペースト状にすればよい。ソースはルーを牛乳やスー
プ等でのばして作ることができ、その際、酵素分解レシ
チンを配合してもよい。また、ルーやソースは、上記に
代えて1段階で製造してもよく、工業的に適宜の方法で
製造することもできる。
【0014】本発明の冷凍調理食品は、マカロニグラタ
ン、カレーソース、その他各種食品の調理のために使用
することができる。
【0015】
【作用】本発明の冷凍調理食品は解凍後もなめらかで、
舌触りもよく、優れた食感の食品を得ることができる。
また、解凍後の離水も殆どみられない。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べるが、もとより
本発明の範囲がこれら実施例のみに限定されることはな
い。
【0017】実施例1 表1記載の素材を用いて、仕上り量3.6Kgのホワイ
トソースを1段階で製造した。実施例1においては、前
記特開平2−49593号の方法で製造した酵素分解レ
シチン(リゾ化率90%、商品名、昭和酵素処理レシチ
ンLEW−80)を仕上り量に対して0.5重量%使用
した。対照区ではレシチンを使用しなかった。ホワイト
ソースは袋に入れて−25℃に2週間冷凍保存した。解
凍は室温で3時間放置して行った。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1の評価 対照区では解凍後離水がみられたが、実施区の食品で
は、解凍後の離水は外観上みられなかった。
【0020】また、7人のパネラーにより官能検査を行
ったところ、実施区の舌触りが滑らかであり、食感につ
いて有意の差が認められた(表2)。表2〜表4におい
て、◎は、非常に良好、○は良好、△は普通、×は不良
を示す。++は離水が見られない。−は押すとわずかに
離水、−−は表面に水が浮いている。
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 第1段階デルーを製造し、つぎに、これを使用して第2
段階でホワイトソースを製造した。 (1)ルーの調製 無塩バター(250g)と薄力粉(250g)とをビー
カーに入れて、電子レンジを「強」にして1分間加熱処
理をした。1分毎によくかき混ぜながら、さらに電子レ
ンジ「強」で3分30秒加熱処理した。 (2)ホワイトソースの調製 上記(1)で調製したルーを32gとり、これに食塩
(1.65g)とレシチン(1.25g)を良く混ぜ合
わせたのち、牛乳(250ml)に分散させ、鍋に移し
た。レシチンは、リゾ化率30%(試作調製品)、60
%(「昭和酵素処理レシチンLEW60」)、90%
(「昭和酵素処理レシチンLEW80」)の酵素分解レ
シチンを使用した。対照区Aは、レシチン不使用のも
の、対照区Bはリゾ化率0%の通常のペースト状レシチ
ンを使用した。 これらを電磁調理器「強」で沸騰するまて加熱し、沸
騰後「弱」にパワーを落とし、良くかき混ぜながら7分
間加熱した。 その際、水の蒸発分を調整し、全体の重量が250g
になるように蒸留水を加えた。 35℃の水液中で粗熱を取った後、袋詰めした。これ
を発泡スチロール箱に入れて、−35℃冷凍庫中で冷凍
した。
【0023】実施例2で製造したホワイトソースについ
て、官能検査の結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】実施例2で製造したホワイトソースを用い
て、マカロニグラタンを調理した。 解凍は室温で緩慢解凍した。 解凍したホワイトソース(100g)を蒸し器で5分
間加熱したのち、これにゆでマカロニ(35g)と具材
(玉ネギとベーコンのソテー:30g)を加え容器中で
よくなじませた。 これにラップをかけ、電子レンジ「強」で5分間処理
した。
【0026】実施例2で製造したホワイトソースについ
て、粘度、応力、付着量を測定した。粘度と付着量はホ
ワイトソースのなめらかさを、応力は硬さをあらわして
いる。粘度は、BM型粘度計で20秒後の値を測定し
た。粘度低下率は20秒後と1分後との粘度の低下率を
測定した。粘度が高いほどぼそぼそとした感じとなり、
粘度が低いほどなめらかである。粘度低下率の大きいも
のほど攪拌中に組織が崩壊し、粘度が低下する結果とな
る。応力はテンシプレシャーで、3cmの内筒型プラ
ンジャーを用いて測定した(1回目の値)。応力低下率
は、1回目から4回目までの変化率を示す。応力が小さ
いほどソフトであり、応力低下率が大きいほど原形を保
っていないことをあらわしている。付着量は、5cm×
2cmのステンレス板を用いて測定した。付着量が多い
ほどなめらかであることを意味する(図1〜5)。
【0027】実施例4 カレールーとカレーソースを製造した。 (1)カレールーの調製 溶かした無塩バター(50g)と薄力粉(625g)
とをフライパン中でよく混ぜ合わせ、電磁調理器(17
0℃)で10分間、均一になるようよく攪拌しながら炒
めた。 カレー粉(10g)を加えて、更に2分間炒めた。 蒸留水を加え、全量が250gになるようにのばし
た。 (2)カレーソースの調製 上記カレールー(50g)、食塩(1g)、レシチン
(0.32g)を鍋中で良くかき混ぜ合わせたのち、蒸
留水(75ml)およびコンソメストックを(100m
l)加え分散させた。 電磁調理器(強)で沸騰するまで加熱した。沸騰後弱
火にして良くかき混ぜながら10分間加熱した。 出来上りの量が130gになるように蒸留水を加え
た。 袋詰めにして放冷した後、−35℃で冷凍した。
【0028】実施例4で調整したカレーソースを室温で
解凍したのち、電子レンジで3分間加熱した。その外
観、食感、離水状態を検査し、表4に示した。表4にお
いて、対照区はレシチンを使用しないもの、実施区の%
は酵素分解レシチンのリゾ化率を示す。
【0029】
【表4】
【0030】図6に実施例3で調製したカレーソースの
ステンレスプレートへの付着量を示す。付着量が約1g
以上あればソースの状態がなめらかであることを示して
いる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、改良された冷凍調理食品用ル
ー、ソース、解凍したのちも離水が少なく、食感がなめ
らかで舌触りのよいホワイトルー、ブラウンルー等の冷
凍ルーまたはホワイトソース、ブラウンソース等の冷凍
ソースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例2のホワイトソースの粘度
【図2】は、同上の粘度低下率
【図3】は、同上の応力
【図4】は、同上の応力低下率
【図5】は、同上の付着量
【図6】は、実施例3のカレーソースの付着量 図6で●はリゾ化率90%、▲は同60%、○は同30
%.△は同0%。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和弘 千葉県船橋市日の出2−20一2 昭和産 業株式会社総合研究所内 (72)発明者 内山 多恵子 千葉県船橋市日の出2−20−2 昭和産 業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−227059(JP,A) 特開 平2−242643(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/39 - 1/48 A23J 7/00 A23L 3/36 A23L 1/03

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リゾ化率30%以上の酵素分解レシチンを
    配合した冷凍調理食品用ルー、ソース、冷凍ルーまたは
    ソース。
JP25530792A 1992-08-11 1992-08-11 ルーおよび冷凍調理食品 Ceased JP3300933B2 (ja)

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