JP4332887B2 - 衣材又はこれを用いたフライ済み食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライ済み食品、より具体的には、コロッケ、トンカツ、メンチカツ、天ぷら、鶏肉のフリッターなどのフライ済み食品のバッター液に小麦粉に加えてハイアミロース澱粉及び親水性乳化剤を、また必要により若しくは所望により親油性乳化剤をも含有せしめることにより、衣が揚げたての食感を保持できるフライ済み食品に関するものである。このフライ済み食品は、冷凍してフライ済み冷凍食品とした場合でも、これを電子レンジで解凍・加熱したとき、衣が揚げたての食感を保持できるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、市場には、開封するだけで直ちに、あるいは電子レンジによる加熱などの簡単な調理を加えるだけで直ちに、食卓に供し得るフライ済み食品が大量に供給されている。
【0003】
フライ済み食品は、開封し食卓に供する際に、その調理直後の香ばしい風味とともに、揚げたての「サクサク」、「カリカリ」とした軽い食感、いわゆるクリスピー感を再現し得ることが、商品価値を決定する重要要件となっている。
【0004】
なお、通常、フライ済み食品は、製造後、流通過程に冷蔵された商品にあっては2週間程度、そして冷凍された商品(フライ済み冷凍食品)にあっては2〜3か月程度、少なくとも1か月の期間、滞留保存されることを前提として製造されている。
【0005】
フライ済み食品に好ましい風味およびクリスピー感を上記の流通保存期間経過後に再現するために、従来から種々の試みが行われてきたが、必ずしも上記の好ましい食感に関する要件を満足している商品のみが供給、流通しているとは限らないのが実状である。
【0006】
揚げたての好ましい衣の食感を長時間持続させようという試みは、過去数多く行われてきた。
【0007】
例えば、特開昭50−152774号公報に記載のように、バッター液にガム類と大豆タンパク質を加えてサクサク感を持続させようというものがある。しかし、衣の食感が通常のバッター液で作ったものと比べ、重く歯切れの悪いものとなり、また風味も大豆タンパク質特有の、好ましくない植物蛋白臭が感じられるという欠点がある。
【0008】
特開昭58−198255号公報、特開昭56−45580号公報及び特開平2−245156号公報には、卵白もしくはシェラック、ワックス等の蝋物質でコーティングする方法が開示されている。しかし、これらの方法では、衣の表面のみにクリスピー感が残るだけであり、具に近い衣のほとんどの部分では歯切れの悪さは解消されない。また、この場合のクリスピー感は、通常の衣付き食品を揚げた直後のものと比べ異質のものである。さらに、蝋物質はアルコールに溶かす等の特殊な工程が必要であり、取扱いが難しいという欠点がある。
【0009】
また、特開昭59−6847号公報や特開昭64−60334号公報に記載のように、バッター液に卵白や乳化剤を加え起泡させる方法もある。しかし、長期冷凍保存後、例えば−18℃で1〜2か月間の保存後は、冷凍保存中に中具から衣への水分移行が起こりやすくかえって衣が軟質化してしまうこと、また工業規模で製造する場合、安定的に起泡状態を保つのが難しく、コストもかさむという欠点がある。
【0010】
特開平2−16937号公報に記載のように、食品基材の外側にバッター層、第1ブレッダー層、エマルジョン層、そして第2ブレッダー層を順次形成させる方法もある。しかし、フライ済みコロッケを例に取ると、通常衣に付着しているパン粉の量は重量比で10%から多くてもせいぜい15%程度であり、上記特開平2−16937号公報に記載の方法では、2度以上衣にパン粉を付着せしめるため、衣が厚くなりすぎ、重く歯切れの悪い食感となるという欠点がある。
【0011】
特開平8−9907号公報には、α化ハイアミロース澱粉を用いて鶏のから揚げのクリスピー感を得る旨の実施例が記載されているが、ここでは主にドリップを抑えることに重点が置かれており、また、冷凍保存した場合のクリスピー感の低下についてはまったく記載がされていない。
【0012】
特開平9−206015号公報には、ハイアミロース澱粉と融点30℃以上の油脂含有物を含有するバッター液についての記載があり、油脂含有物にHLBが7以下の乳化剤を必要により配合することができるとの旨の記載があるが、ここでの乳化剤の配合は油脂含有物を乳化させるための補助的な役割であり、この場合衣に含まれる油分は必然的に多くなり、油っこい食感となる欠点がある。
【0013】
特開平11−46711号公報には、(A)小麦粉と、(B)α化ハイアミロース澱粉及び/又はその誘導体と、(C)架橋澱粉、エーテル化澱粉、モチ種澱粉、タピオカ澱粉及びハイアミロース澱粉から選ばれた少なくとも1種の澱粉とを含有することを特徴とする揚げ物用衣材についての記載があるが、この通りの組成でコロッケを追試試作したところ、サクサク感の維持には効果があるものの、長期保存後に歯切れが悪くなるという欠点がある(後述の実施例の試験区1を参照のこと)。
【0014】
また、特開平11−318369号公報には、小麦粉、澱粉、水、食用油脂および/または粉末油脂を主成分とする油揚げ用バッター液において、粒子径が500μm以下の粉末状であり、かつHLB10以上の親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする油揚げ食品用バッター液についての記載があるが、ハイアミロース澱粉に関する記載はなく、また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いると、衣の油分率が上がり、やや油っこい食感となる欠点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、工業規模で生産するにあたり、ごく簡単な手段で、フライ済み食品を冷蔵又は冷凍で長期保存した場合及び再加熱した場合に生ずる衣の軟質化を防ぎ、これに揚げたてのサクサク、カリカリした食感(クリスピー感)を長期間持続せしめる方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フライ済み食品の製造にあたり、バッター液に小麦粉に加えてハイアミロース澱粉と親水性乳化剤を含有させるという簡単な方法により、揚げたてのサクサクした食感と歯切れの良さ(クリスピー感)をフライ済み食品に長期間持続せしめることができること、また、特に電子レンジ調理時にサクサクした歯切れの良い食感が得られること、しかも冷蔵又は冷凍下の上記流通期間後にも充分なサクサク感と歯切れの良さを保ち得ること、またショ糖脂肪酸エステルを用いれば油っこさを抑えられること、さらにまた乳化剤として親水性乳化剤に加えて親油性乳化剤、好ましくは親油性乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルを用いることでサクサク感と歯切れの良さがさらに向上されることを見いだし、このような知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、(1)小麦粉、ハイアミロース澱粉及び親水性乳化剤を含有する衣材又はバッター液、並びに(2)(1)に記載の衣材又はバッター液を使用したフライ済み食品又はこれを冷凍したフライ済み冷凍食品、(3)ハイアミロース澱粉がα化ハイアミロース澱粉である、(2)に記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品、(4)親水性乳化剤がHLBが7より大きいショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、コハク酸脂肪酸エステル、酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンのうちの1種類又は混合物である、(2)又は(3)に記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品、および(6)乳化剤として親水性乳化剤に加えて親油性乳化剤、好ましくは親油性乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルを用いる(2)〜(5)のいずれかに記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明でいう衣材とは、小麦粉、ハイアミロース澱粉及び親水性乳化剤を必須として含み、また必要により若しくは所望により親油性乳化剤をも含み、さらに増粘多糖類、卵白粉、植物性蛋白質粉末等を含んでいてもよく、これらの混合粉末を指す。バッター液は、衣材を水に溶かしたもので、これは油脂を含んでいても良いが、効果に変わりはないので、油脂は必ずしも必要ではない。また、特に低カロリーを目的として低吸油の衣を求める場合は、逆に油脂を含まない方が良い。
【0019】
フライ済み食品としては、コロッケ、トンカツ、メンチカツ等のパン粉衣のついたフライ済み食品、また、天ぷら、鶏肉のフリッター、鶏の唐揚げのようにバッター、打ち粉のついたフライ済み食品を挙げることができるが、これらにさらに特開昭50−152774号、特開昭59−6847号、特開昭64−60334号、特開昭58−198255号、及び特開平2−16937号各公報に開示のような衣が揚げたての食感を保持できるような方法を併用したものでもよい。
【0020】
本発明の衣材又はバッター液の必須の材料の1つであるハイアミロース澱粉は、アミロース含量が30%以上であることを除いては、これには特別の制限はなく、一般的な穀物由来の澱粉、例えば米、小麦、大麦、トウモロコシなどの澱粉や、地下茎由来の澱粉、例えば馬鈴薯、甘薯、タピオカなどの澱粉等が利用可能であるが、またアセチル化などの化学処理や湿熱処理などの物理的処理をしたハイアミロース澱粉でもよく、さらに好ましくはα化処理されたα化ハイアミロース澱粉がサクサク感の長期間維持のために好ましい。アミロース含量が30%未満では、サクサク感の長期間維持が難しく、本発明の効果を奏せしめることができない。なお、本発明に関する説明で、%は全て重量%を意味する。
【0021】
衣材に含有させるハイアミロース澱粉の量は、衣材(固形分)全体量に占める割合で20%以上80%以下が好ましい。20%未満では衣のクリスピー感を持続させる効果が少なく、また80%より多いとバッター液の粘度があがり過ぎ、衣を形成させるのが困難になる。
【0022】
衣材又はバッター液に含有させる親水性乳化剤の種類は、エステルのケン化価と使用した脂肪酸の中和価から算出したHLBが7より大きい親水性のものが好ましい。例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、コハク酸脂肪酸エステル、酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどがあげられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。なお、ここでいう親水性乳化剤は、いわゆる粉末油脂とは異なるものである。また、本発明においてレシチンとはホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリンなどのリン脂質の混合物である。レシチンには、油脂を含んだクルードレシチンや溶剤により精製した高純度レシチン等があるがいずれも用いることができる。また、酵素処理を行ったリゾレシチンなども含まれる。
【0023】
これらの親水性乳化剤の中では、フライ済み食品における油脂含量を低下させ、低カロリー化する目的ではショ糖脂肪酸エステルが好ましい。一般に親水性乳化剤は衣材やバッター液に使用するとフライ済み食品の吸油率を上げるが、ショ糖脂肪酸エステルは、本発明者の知見によれば、吸油率を低下せしめるからである。
【0024】
また、親水性乳化剤の添加量(使用量)は、バッター液に占める割合で0.1%以上10%以下である。0.1%未満では衣のクリスピー感及び歯切れの良さを持続させる効果が少なく、また10%以上では衣の強度が弱くなるため好ましくない。親水性乳化剤は、衣材にバッター液としたときに上記の量となる量で配合をしておく。
【0025】
親油性乳化剤の中では、モノグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、この添加量は、バッター液に占める割合で0.1%以上10%以下である。0.1%未満では、衣の歯切れの良さを付与する効果が少なく、また、10%以上では、衣の強度が弱くなるため、好ましくない。
【0026】
また、本発明において乳化剤に含まれている脂肪酸は、飽和型脂肪酸でも不飽和型脂肪酸でもどちらでもよいが、飽和脂肪酸の方が好ましい。
【0027】
本発明のバッター液は、本発明の衣材を水に溶かして製造することができるが、また本発明の衣材を一旦作成することなく、所要の諸種の衣材の材料を所定の割合い(量)で直接に水に加え、これらを混合して製造することもできることは言うまでもない。
【0028】
本発明のフライ済み食品の作成は、衣材又はバッター液として本発明によるものを除いては、適宜常法によって行うことができる。また、本発明のフライ済み食品を凍結してフライ済み冷凍食品を製造するのにも特別の困難はなく、適宜常法によって行うことができる。
【0029】
このようにして作成される本発明のフライ済み冷凍食品は、そのまま電子レンジで加熱解凍して食する場合にも、揚げ立てのクリスピー感を再現するので、優れた電子レンジ耐性を有するものである。
【0030】
【作用】
通常のフライ済み食品では、長期保存中に中具から衣へ水分移行がおこるのに対し、本発明のフライ済み食品では、フライ中にバッター液に含有させたハイアミロース澱粉と乳化剤の効果で、中具と衣の間に油の連続層が形成され、中具から衣への水分移行がおこりにくく、衣が低水分の状態に保たれるため、上記流通期間後においても、冷蔵であれ冷凍であれ、充分なサクサク感と歯切れの良さを保ち得るものと考えられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明をさらに説明する。実施例中、部は重量部を意味する。
【0032】
実施例1及び2(ポテトコロッケ)
α化ハイアミロース澱粉(日本食品化工社製「日食アルスターH」)12部、薄力小麦粉18部、卵白粉0.5部及びグアガム0.2部を水69.2部と撹拌して試験区1(比較例1)のバッター液(親水性乳化剤不含)を得た。また、薄力小麦粉30部、卵白粉0.5部及び親水性乳化剤(三菱化学フーズ社製「S−1170」(HLB=11))を水69.2部と撹拌して試験区2(比較例2)のバッター液(ハイアミロースを含まない。)を得た。さらに、試験区1のバッター液に対し親水性乳化剤(三菱化学フーズ社製「S−1170」(HLB=11))を3部加え撹拌して試験区3(実施例1)のバッター液とした。また、親水性乳化剤をポリグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社製「ポエムJ−0081(H)」(HLB=12))に変えたものを試験区4(実施例2)のバッター液とした。また、コントロールとして、薄力粉30部、卵白粉0.5部及びグアガム0.2部を水69.2部と撹拌し、親水性乳化剤及びハイアミロースをともに含まないコントロールバッター液(コントロール)を得た。常法に従いポテトコロッケの中具を作り、これに試験区またはコントロールのバッター液を付け、パン粉を付けてから180℃で5分間油ちょうした。
【0033】
得られたコロッケを凍結後、霜取り2回/日の冷凍庫にて−18℃で180日間保存した後、500Wの電子レンジで80秒間加熱解凍後、室温に2分間放置した場合の官能評価結果を下記第1表に示す。なお、官能評価のうち、保存限界日数は衣のクリスピー感及び歯切れの良さを5点評価し、n=10名の平均点が2点(官能限界点)を切るまでの日数とした。包装に用いたフィルムはアルミ蒸着フィルムであった。
【0034】
【表1】
Figure 0004332887
【0035】
第1表より、α化ハイアミロース澱粉で小麦粉の一部を代替し、HLBが7より大きい親水性乳化剤をさらに添加した試験区3及び試験区4は、コントロール並びに、親水性乳化剤不使用の試験区1及びハイアミロース澱粉不使用の試験区2よりクリスピー感、歯切れの良さが良く、保存限界日数が大幅に伸びていることがわかる。
【0036】
実施例3
また、ハイアミロース澱粉に親水性乳化剤としてシュガーエステルを添加したバッター試験区3(実施例1)に、親油性乳化剤のモノグリセリン脂肪酸エステル(ダニスコカルター社製「Dimodan-PMX」)0.6部を添加したバッターを用いて、試験区5(実施例3)のバッター液とし、バッター試験区3(実施例1)およびハイアミロースのみを使用したバッター試験区1(比較例1)と比較した。
【0037】
すなわち、これら3種のバッターを使用して得られたコロッケを凍結後、−18℃で60日保存した後、500Wの電子レンジで80秒間加熱解凍後、室温に5分間放置した場合の官能評価結果を下記第2表に示す。なお、官能評価のうち、衣のクリスピー感および歯切れの良さを5点評価し、n=10名の平均点を示す。ここで衣のクリスピー感においては、1点:全くサクサクしていない、3点:普通、そして5点:とてもサクサクしている、とした。また衣の歯切れの良さにおいては、1点:とても歯切れ悪い、3点:普通、そして5点:とても歯切れ良い、とした。
【0038】
【表2】
Figure 0004332887
【0039】
第2表より、α化ハイアミロース澱粉にHLBが7より大きい親水性乳化剤に、さらに親油性の高い(HLB6以下)乳化剤(例;モノグリセリン脂肪酸エステル)を添加した実施例3においては、α化ハイアミロース澱粉にHLBが7より大きい親水性乳化剤のみを添加したバッターを用いた場合よりも、クリスピー感、特に歯切れがさらに改善されていることが明らかとなった。
【0040】
実施例4(ミニフリッター)
むきエビ(8mmミンチ)72部、助惣鱈のすり身18部、卵白液5.4部、馬澱3.6部および食塩1部を混練後、直径2cm、高さ2cmの円柱状に成型し、蒸し、打ち粉したものを中具として調製した。この中具に試験区3(実施例1)のバッター液を付け、180℃で2分間油ちょうしたものを試験区6(実施例4)とした。また、対照として、同じ中具に前記のコントロールバッター液を付け、180℃で2分間油ちょうしたものをコントロールとした。
【0041】
このようにして作成した2種のフリッターを霜取り2回/日の冷凍庫にて−18℃で180日間保存した後、500Wの電子レンジで50秒間加熱解凍後、2分間室温に放置した場合の官能評価結果を下記第3表に示す。なお、官能評価のうち、保存限界日数は衣のクリスピー感及び歯切れの良さを5点評価し、n=10名の平均点が2点(官能限界点)を切るまでの日数とした。包装に用いたフィルムはアルミ蒸着フィルムを用であった。これは、上記実施例1及び2におけると同じである。
【0042】
【表3】
Figure 0004332887
【0043】
上表の結果より、試験区3及び4同様、α化ハイアミロース澱粉で小麦粉を一部代替し、HLB=7以上の親水性乳化剤をさらに添加した試験区6は、コントロールよりクリスピー感及び歯切れの良さが良く、保存限界日数が大幅に伸びていることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
本願発明によれば、工業的にごく簡単な方法により揚げたてのサクサクした食感を長期間持続できるフライ済み(冷凍)食品を容易に作成することができ、延いては消費者に高品質のフライ済み(冷凍)食品を安価に提供することができる。

Claims (7)

  1. 小麦粉、ハイアミロース澱粉及び乳化剤として親水性乳化剤(但し、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを除く)を含有することを特徴とする衣材又はバッター液。
  2. 請求項1記載の衣材又はバッター液を使用して製造したことを特徴とするフライ済み食品又はこれを冷凍したフライ済み冷凍食品。
  3. 該ハイアミロース澱粉がα化ハイアミロース澱粉であることを特徴とする請求項2記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品。
  4. 該親水性乳化剤がHLBが7より大きいショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、コハク酸脂肪酸エステル、酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンのうちの1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項2又は3記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品。
  5. 該親水性乳化剤がHLBが7より大きいショ糖脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項2又は3記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品。
  6. 乳化剤として該親水性乳化剤に加えて親油性乳化剤をも併用したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品。
  7. 該親油性乳化剤がモノグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項6記載のフライ済み食品又はフライ済み冷凍食品。
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