JPH0662336B2 - チタン酸アルミニウムセラミックス - Google Patents

チタン酸アルミニウムセラミックス

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JPH0662336B2
JPH0662336B2 JP1066694A JP6669489A JPH0662336B2 JP H0662336 B2 JPH0662336 B2 JP H0662336B2 JP 1066694 A JP1066694 A JP 1066694A JP 6669489 A JP6669489 A JP 6669489A JP H0662336 B2 JPH0662336 B2 JP H0662336B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はチタン酸アルミニウムセラミックスに関し、
詳しくはその特性改善のための技術手段に関する。
(発明の背景) 従来より、チタン酸アルミニウムセラミックスは低熱膨
張性の材料としては高い融点をもっていることから、高
温度域での耐熱,低膨張材料としての用途が検討されて
いる。
ところでチタン酸アルミニウムセラミックスにおける低
熱膨張性は、Al2O3・TiO2結晶の熱膨張係数の著しい異
方性のため、高温度で焼結させた後の冷却過程で粒界に
発生する亀裂に起因する見かけ上のものと考えられてお
り、そしてこの亀裂のために、純粋な組成のチタン酸ア
ルミニウムセラミックスは強度が小さく、加えて110
0℃付近の温度に数時間保持するとAl2O3とTiO2とに分
解して高膨張化してしまうなどの欠点があり、このため
特有の優れた性質を備えながら、今迄あまり広く使われ
るに至っていないのが実情である。
そこでこのチタン酸アルミニウムセラミックスに添加剤
を加えることによって、その特性を改善する試みが種々
行われている。その一つにSiO2を添加剤として加えるこ
とが提案されている(特開昭52−23113号)。
このようにチタン酸アルミニウムにSiO2を添加するとそ
の特性が向上することが認められるが、しかしながらそ
の向上の程度においては未だ充分とは言い難く、更に有
効な手段の開発が望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような課題を解決するためになされたもの
であり、その要旨は、チタン酸アルミニウムを主成分と
し、これにSiO2及びNb25を夫々チタン酸アルミ
ニウム100に対して重量比で0.5%以上5.0%未
満及び0.1%以上6.0%未満の各範囲で含有させた
ことにある。
上述したように、チタン酸アルミニウムにおける低熱膨
張性は、粒界(或いは粒内)に存する微細な亀裂に起因
するものであり(亀裂が実質的膨張を吸収して見かけ上
の低熱膨張を保つ)、そしてその亀裂が機械的強度低下
の原因となっている。言わばチタン酸アルミニウムにお
いては、低熱膨張性と機械的強度とは互いに相反する性
質となっており、熱膨張特性を向上させると機械的強度
が低下し、逆に機械的強度を向上させると熱膨張特性が
低下する関係となっている。従ってこれら2つの特性を
同時に向上させることは、極めて困難であると考えられ
ていた。
ここにおいて本発明者は、これら一見相反する2つの特
性を同時に向上させるべく鋭意研究し、各種添加剤の添
加効果を調査した結果、特定の添加剤を所定量添加する
ことにより、それら両特性が同時に向上することを知得
し、本発明を完成させた。
かかる本発明は、上記の如くチタン酸アルミニウムに対
してSiO2とNb25とを同時に含有させることを骨子と
するものであり、これにより良好な結果の得られること
が確認されているが、これら両成分の作用機構について
は、現段階において明確には分っていない。但し推測と
しては次のことが考えられる。
即ちSiO2とNb25との同時的添加によって、それらの
一部がチタン酸アルミニウムに固溶し、或いは新たな化
合物を生成して粒界に存在するなどして、チタン酸アル
ミニウム結晶の成長を抑え、これによりチタン酸アルミ
ニウム粒子が細かくなって、粒界(或いは粒内)に発生
するマイクロクラックが従来のものに比べて小さく且つ
万遍なく均一に分散するようになるものと考えられる。
而してマイクロクラックが小さくなれば機械的強度は高
くなり、また一方熱膨張特性に関しては、万遍なく分散
したマイクロクラックが各粒子の熱膨張を吸収して見か
け上の熱膨張を低く保ち、或いは更にこれを向上させる
ものと推察される。但し以上は推論であって実証された
ものではなく、具体的な作用機構については今後の研究
に待つものである。
本発明においては、SiO2含有量をチタン酸アルミニ
ウム100に対して0.5%以上5.0%未満の範囲と
することが必要である。
チタン酸アルミニウムに対してSiO2を含有させる
と、後の実験例において明らかにされるように焼結体の
曲げ強度及びヒステリシスがSiO2の含有量が増加す
るにつれて向上する傾向にある。ここでヒステリシスと
は、昇温時の線膨張率の測定値と降温時の測定値との差
をとったものである。
而してヒステリシスについてはSiO2:0.5%以上
で急激に特性が良好となる(小さくなる)。
一方熱膨張係数については、SiO2の含有量が0.5
%以上で特性が急激に良好となり、SiO2をある程度
更に増しても良好な熱膨張特性を保持するが、その含有
量が5%以上になると熱膨張係数がこれを境として急激
に低下する傾向を示す。そこで本発明ではSiO2の含
有量を0.5%以上5.0%未満に規定している。
他方Nb25についてはこれを少量、具体的には0.1
%以上含有させることによって曲げ強度が急激に良好と
なる。
しかしながらNb25が6.0%以上になると前述した
ヒステリシス特性が急激に悪化する。そこで本発明では
Nb25の含有量を0.1%以上6.0%未満と規定し
ている。
尚、本発明において添加すべきSiO2,Nb2O5の原料状態
については特に限定されず、また主成分であるAl2O3,T
iO2の量比についても種々変化させることが可能であ
る。但し望ましくはAl2O3とTiO2との比率Al2O3/TiO2
モル比で0.8〜1.3の範囲である。
(発明の効果) かかる本発明によれば、後の実験結果においても明らか
にされるように、チタン酸アルミニウムセラミックスの
熱膨張特性と機械的特性とが共に向上する。このような
本発明に係るチタン酸アルミニウムセラミックスは、金
属熔湯用ラドル,配管,ルツボ,ノズル,焼成用セッタ
ー,熱電対保護管,熔湯用フィルターその他の耐熱性・
耐熱衝撃抵抗性の要求される各種用途に好適に使用する
ことができる。
(実施例) 次に本発明の特徴をより明確にすべく、以下にその実施
例を詳述する。
[実施例1] Al2O3とTiO2とをモル比1:1の割合とし、これにSi
O2,Nb2O5を第1表に示す種々割合で添加して樹脂ポッ
トとジルコニアボールを用いて12時間混合した後、乾
燥した。得られた粉体(9g)を0.4t/cm2のプレ
ス圧で加圧成形した後、1500℃で焼成した。そして
その焼結体の曲げ強度(三点荷重法),熱膨張率及び加
熱・冷却時にヒステリシス特性を測定した。結果が同じ
第1表,第1図〜第5図に示されている。尚第1図〜第
5図は第1表の結果をグラフ化したもので、このうち第
1図はNb25,SiO2の含有量を変化させた場合の
曲げ強度の変化を示し、また第2図は熱膨張係数の変化
を、更に第3図はヒステリシスの変化を夫々示してい
る。更に第4図は、Nb2O5:0.0(無添加),0.5,3.0に
ついて、SiO2の添加量を変えた場合の熱膨張率と曲げ強
度との関係をグラフとして示したものである。また第5
図は、横軸にNb2O5の添加量を、縦軸にSiO2の添加量を
とって、ヒステリシスの大小を示したものである。但し
第5図中は●はヒステリシスが0.20以上の場合、○
は0.20未満の場合を表している。ここでヒステリシ
スとは、熱膨張率の測定において昇温時における100
℃での線膨張率(%)と降温時における100℃での線
膨張率(%)との差をとったものであり、その数値が大
きいと、加熱・冷却サイクルの中で形状の変化の程度が
大きくなる。
これらの結果において、Nb25,SiO2を夫々0.
1%以上6.0%未満,0.5%以上5.0%未満の範
囲で含有させることによって特性が効果的に向上するこ
とが分る。具体的には、第1図から分かるようにNb2
5を0.1%以上含有させることによって曲げ強度が
大幅に向上し、またNb25の含有量が増大するとこれ
に伴って曲げ強度も大きくなる。
但し第3図の結果及び第5図の結果から分るように、N
25が6.0%以上になるとヒステリシスが急激に大
きくなり、実際の製品として使用するには不向きであ
る。
また第3図のヒステリシスのグラフ曲線から分るよう
に、SiO2を0.5%以上含有させることによってヒ
ステリシス特性が急激に向上し、その値も基準値0.2
0よりも低くなる。
更に第2図からも分るようにSiO2を0.5%以上含
有させた場合、熱膨張特性も急激に向上する。
この熱膨張特性はSiO2含有量が増してもある程度良
好なレベルを維持するが、SiO2含有量が5%以上に
なるとここで急激に特性が悪化し始める。例えばNb2
5=0.5%のグラグ曲線について見るとSiO2=5
%以上で曲線が急激に立上り傾向を示すし、またNb2
5=3.0%のグラフ曲線に見られるようにSiO2
5%以上で熱膨張係数がSiO2無添加の場合よりも大
きくなるに到り且つ基準値を2.5としたときこれを超
過するようになる。即ちNb25=3.0%の場合、熱
膨張係数について見ればSiO2を5%以上含有させる
とSiO2を含有させたことの効果が失われるのみなら
ず、却って特性が悪化する傾向を示す。
これらのことからNb25=0.1%以上6.0%未
満,SiO2=0.5%以上5.0%未満の範囲が良好
であることが分る。
[実施例2] SiO2とNb25とをSiO2=0.5〜5.0%未
満,Nb25=0.1〜6.0%未満の範囲の内外にお
いて共に添加するとともに、Al2O3とTiO2との量比を変
えて曲げ強度,熱膨張率の各特性を調査した。結果を第
2表に示す。
この表の結果から分るように、Al2O3,TiO2の比率を変
えた場合においても、SiO2,Nb2O5の添加効果が現われ
ていることが確認された。
以上本発明の実施例を詳述したが、これはあくまで本発
明の一例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲に
おいて、当業者の知識に基づき、種々変更を加えた態様
において実施可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はNb25とSiO2の含有量を変化させた場合
の曲げ強度の変化を示す図であり、第2図は熱膨張係数
の変化を示す図、第3図はヒステリシスの変化を示す図
である。更に第4図及び第5図は、熱膨張率と曲げ強度
との関係を示す図及びヒステリシスの大きさをNb
25,SiO2の添加量との関係で示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン酸アルミニウムを主成分とし、これ
    にSiO2及びNb25を夫々チタン酸アルミニウム1
    00に対して重量比で0.5%以上5.0%未満及び
    0.1%以上6.0%未満の各範囲で含有させたことを
    特徴とするチタン酸アルミニウムセラミックス。
JP1066694A 1989-03-17 1989-03-17 チタン酸アルミニウムセラミックス Expired - Fee Related JPH0662336B2 (ja)

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