JPH0660560B2 - 岩盤固結工法 - Google Patents

岩盤固結工法

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JPH0660560B2
JPH0660560B2 JP61152357A JP15235786A JPH0660560B2 JP H0660560 B2 JPH0660560 B2 JP H0660560B2 JP 61152357 A JP61152357 A JP 61152357A JP 15235786 A JP15235786 A JP 15235786A JP H0660560 B2 JPH0660560 B2 JP H0660560B2
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drilling
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信也 宇田
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、軟弱あるいは破砕された岩盤等を岩盤固結
用薬液により堅固な岩盤に改善する岩盤固結工法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来から軟弱な岩盤(地山)ないしは破砕された地山等
の地層帯では、トンネル切羽の天盤の崩落等の防止のた
めに、トンネル切羽先端の天盤部に、天盤のアーチに沿
つて孔を穿設し、この孔内にロツクボルトを挿入ないし
はこのボルトをモルタルで固結する先受ボルト工法、あ
るいはパイプルーフ工法、薬液注入工法等の対応方法が
講じられ、地山を強化することが行われている。しかし
ながら、このような従来の対応方法では、設備が大掛り
となり、機械の設置や注入の準備に手間がかかり、また
これらの作業のために現場の作業をかなりの期間停止し
なければならないという難点を生じていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明者らは、このような難点を解消するた
め、削岩機等の削岩装置を用い、トンネル切羽先端の天
盤部に天盤のアーチに沿つて複数の孔を穿設し、この孔
内に、中空パイプからなるパツカーの一端側に布等のパ
ツキン(シール材)を配設し、これにウレタン樹脂等を
含浸させたのち、上記パツカーを他端側から挿入し、そ
の状態でパツキンに含浸させたウレタン樹脂を硬化させ
てパツカーの周囲に発泡層を形成して上記孔の開口を閉
塞し、ついでこのパツカー内にウレタン樹脂等を圧入し
てパツカーと孔壁との間隙を埋めると同時にウレタン樹
脂を地山内に浸透させ硬化させることにより、上記孔内
にパツカーを残したまま孔周囲の岩盤を固結させる方法
を提案しすでに特許出願している(特願昭58−144
024号)。すなわち、上記方法(以下この方法を「従
来法」という)は、第12図および第13図に示すよう
に、削岩機等の削岩装置のドリルによつてトンネル切羽
先端の天盤部29に天盤のアーチに沿つて所定間隔で斜
め上向きに孔を穿設し、この孔内に上記パツカー30を
挿入して根元部のパツキン31で孔の開口を塞ぎ、その
状態でパツカー30の先端から、接続ユニット32を備
えたホース33から供給される二液型発泡ウレタン樹脂
を吐出させることによりウレタン樹脂で孔を埋め、さら
にそのウレタン樹脂を地山内に図示のように浸透させ硬
化させることにより岩盤の固結を行うものである。図に
おいて、34は支保工、35は固結領域である。トンネ
ルの形成は、このようにしてトンネル切羽先端の天盤部
29を天盤のアーチに沿つて硬化樹脂で固め、その状態
でトンネル切羽先端を掘削し、一定距離掘削したのち、
さらにトンネル切羽先端の天盤部29を固定するという
ことを繰返して行われる。この場合、上記従来法によれ
ば、天盤部29の固結は、第12図に示すように、孔内
に残したパツカー30とその周囲に分布する固結領域3
5の双方によつて行われるため極めて強靱な固結が行わ
れる。そのうえ、施工に大形の機械を要しないため大掛
りな設備が不要となり、かつ固結が簡単であるため現場
作業の中断が極めて短期間ですむという利点がある。
しかしながら、上記工法は、削岩機等のドリルによつて
岩盤に所定間隔で孔を穿設し、その後パツキン31を備
えたパツカー30をその孔内に挿入してウレタン樹脂を
注入するため、ドリルによる孔の穿設および穿設された
孔からのドリル引き抜き、その孔に対するパツカー30
の挿入、さらにはそのパツカー30に対するウレタン樹
脂の圧入という工程を要し、作業時間が長くなる。その
ため、特に軟弱な岩盤では、ドリルによつて穿設された
孔が、上記作業の途中において、地圧で潰れるという現
象を生じる。
他方、先端に削岩用の刃部を備えた自穿孔ロツクボルト
が開発されている(実開昭55−31888号公報,特
開昭54−57402号公報)。これらの自穿孔ロツク
ボルトは、削岩機のドリルに代えて用いられ、ロツクボ
ルトを回転させることによつて岩盤に孔をあけ、その状
態で上記ロツクボルトの中心孔を通してモルタル注入を
行い、ロツクボルトを上記孔内に固定するという用途に
使用されているのであつて、内部にミキシング手段を備
えていない。このように、自穿孔ロツクボルトはモルタ
ル注入専用品としての用途が定着している。したがつ
て、この自穿孔ロツクボルトに、岩盤固結用薬液を使用
するという発想は生じない。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、施
工作業の簡素化ならびに施工時間の短縮化をその目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の岩盤固結工法
は、先端が刃部に形成されており、内部に、薬液の注入
圧力により薬液を前進させ混合するミキシング手段を備
えた中空パイプ状の自穿孔ロツクボルトを準備し、この
自穿孔ロツクボルトを削岩装置のドリルに代えて使用す
ることにより、岩盤に自穿孔ロツクボルトを根元まで収
容可能な孔を穿設し、その孔内に上記自穿孔ロツクボル
トを残し、その状態で上記自穿孔ロツクボルト内に、2
液混合液の硬化時間が5〜30秒の速硬化性の二液型発
泡ウレタン樹脂からなる岩盤固結用薬液を圧入し、上記
孔内に岩盤固結用薬液を充満させたのち岩盤に浸透さ
せ、上記孔内に自穿孔ロツクボルトを残した状態で上記
孔内充満および岩盤浸透の岩盤固結用薬液を硬化させる
ことにより岩盤固結を行うという構成をとる。
〔作用〕
この発明の岩盤固結工法では、従来の定説を打破し、自
穿孔ロツクボルト内にミキシング手段を内蔵させ、速硬
化性の二液型の岩盤固結用薬液を使用する。これによ
り、自穿孔ロツクボルトは、岩盤に自ら穿設した孔内に
止まり、周囲の岩盤に対し、岩盤固結用薬液を浸透させ
る。したがつて、特に軟弱な岩盤に対してもその補強が
可能になる。より詳しく述べると、この発明では、薬液
の注入圧力により薬液を旋回させながら前進させ混合す
るミキシング手段を備えた自穿孔ロツクボルトを用いて
岩盤に孔を穿設する。そして、その状態で自穿孔ロツク
ボルト内に二液型の岩盤固結用薬液を圧入する。その結
果、二液型の岩盤固結用薬液は、薬液の注入圧力により
自穿孔ロツクボルト内部を前進し、この過程で初めて二
液が混合し硬化を開始する。このように、自穿孔ロツク
ボルトを通過する過程で二液の混合が行われることか
ら、速硬化性の薬液を使用することが可能となる。した
がつて、特に軟弱な岩盤において、迅速な補強が可能と
なる。また、上記自穿孔ロツクボルト先端から出された
薬液は、岩盤の孔内壁面とロツクボルト外周面との空隙
を通つて孔の開口に流れる過程で硬化し上記空隙を埋め
薬液の洩出を防ぐため、洩出防止用の作業の簡素化ない
し不要化を実現することができるようになる。また、岩
盤に浸透して形成される固結領域において、硬化速度の
遅い岩盤固結用薬液ではロツクボルトの周囲に形成され
る固結領域の直径が必要以上に大きくなり、無駄に薬液
を消費する。これに対して、この発明では、速硬化性の
岩盤固結用薬液を使用しうることから、必要なだけの固
結領域が形成されるようになり、無駄な薬液の消費を回
避することが可能となる。
つぎに、この発明を詳しく説明する。
この発明は、例えば、本発明者らが開発した特殊なミキ
シング手段を内蔵している中空パイプ状の自穿孔ロツク
ボルトを使用する。
この自穿孔ロツクボルトは、第1図および第2図に示す
ように、中空パイプ状のパツカー部1と中空パイプから
なるロツクボルト本体2をねじ継手3で継合して構成さ
れており、外径27mm,内径14mmで全長Aが略3m、
パツカー部1の長さBが1m、ロツクボルト本体2の長
さCが2mに設定されている。そして、上記パツカー部
1の先端には刃部は有するドリル部(第3図参照)13
を嵌合して構成されている。このドリル部13は、先端
の端面に4枚の刃14が円周方向に90°間隔で設けら
れており、端面の中央部に中心孔15が形成されている
とともに、刃と刃の間にそれぞれ外周孔16が形成され
ている。他方、パツカー部1の後端のねじ部隣接部分に
は段部1aが設けられており、そこに第4図(a),
(b)に示す特殊な静止ミキサー5が先端側をパツカー
部1の先端側に向けた状態で挿入され固定されている。
上記静止ミキサー5には、根元側リング部6の中心から
前方(矢印X方向)に延びる線状中心軸5aを中心に、
左半分にV字状2重羽根5bが一定間隔で傾斜配設さ
れ、右半分には1重羽根5cが一定間隔で傾斜配設さ
れ、自穿孔ロツクボルト内に圧入されたウレタン樹脂の
A液およびB液をそれぞれ左半分,右半分に受け入れ上
記両液を同方向(矢印A,B方向)に旋回させながら移
送するようになつている。この場合、右半分には1重羽
根5c、左半分にはV字状2重羽根5bが設けられ、ウ
レタン樹脂が右半分から左半分に旋回移行すると、入口
側が広く出口側が狭隘になつているV字状2重羽根5b
の作用によつて流速が速められ、左半分から右半分に戻
ると初期速度に戻る。すなわち、A液,B液は左半分,
右半分の流速の差により、同方向に旋回しながらミキシ
ングされるのであり、従来のようにA液,B液を相互に
逆方向に回転させその交叉部において両液を衝突させて
ミキシングされるものではないため、注入時の初期流速
を維持したままミキシングされ前方に送られる。すなわ
ち、上記自穿孔ロツクボルトは、このような特殊な静止
ミキサー5を装備しているのである。したがつて、硬化
の著しく速いウレタン樹脂を圧入する場合においてウレ
タン樹脂を途中で硬化させることなくミキシング移送し
た先端から円滑に吐出させるようになつている。また、
ロツクボルト本体2の後端には逆止弁付継手(図示せ
ず)をら合すめためのねじ部が形成されている。
第5図および第6図は第1図の自穿孔ロツクボルトの変
形例を示している。すなわち、この自穿孔ロツクボルト
は、パツカー部1の先端にドリル部17が一体形成され
ている。この場合、ドリルの刃部18は、根元から2叉
に分岐して形成されており、その分岐部分の先端がそれ
ぞれ刃19に形成されている。そして、上記分岐してい
る刃部18の根元部には、外周孔20が形成されてい
る。それ以外の部分は第1図の自穿孔ロツクボルトと実
質的に同じであるから同一部分に同一符号を付してあ
る。
上記のような自穿孔ロツクボルトは、削岩機等の削岩装
置のドリルと挿着され、例えば、トンネル切羽先端の天
盤部に上向き(角度θ=10〜20°)の状態で孔を穿
設すると同時にそれ自体が穿設された孔内に進入し、根
元側まで、穿設された孔内に進入した状態で削岩装置か
ら切り離され、第7図に示すように、後端の逆止弁付継
手7に接続ユニツト10付ホース11をワンタツチで取
付け、ウレタン樹脂圧入ポンプからホース11を介して
二液型発泡ウレタン樹脂のA液およびB液の供給を受け
岩盤固結を行うようになつている。
これについてより詳しく説明すると、まず自穿孔ロツク
ボルトを第8図に示すように、削岩機28にドリルとし
て取付け、孔穿設時に、削岩機28に設けられた水,エ
アー送入パイプ29aから自穿孔ロツクボルト内に水,
エアーを圧入して自穿孔ロツクボルト先端の中心孔1
5,外周孔16から吐出させ、自穿孔ロツクボルトの刃
が削り出す土,砂等を、自穿孔ロツクボルトの外周に沿
つて孔21内を後方に移行させ孔21の開口から外部に
排出しながら孔21の穿孔を行う。このように自穿孔ロ
ツクボルトをドリルとして使用して孔21を形成し、そ
の孔21内に自穿孔ロツクボルトを残し、ついで自穿孔
ロツクボルト後端に逆止弁付継手25を接続し、第9図
に示すように接続ユニツト10付ホース11をワンタツ
チで接続し、二液型発泡ウレタン樹脂(例えば、二液混
合後の硬化時間が5〜30秒の速硬化性の二液型発泡ウ
レタン樹脂)のA液およびB液を注入し、自穿孔ロツク
ボルト先端の刃部に設けられた中心孔15,外周孔16
から吐出させ地山固結(第10図参照)を行う。26は
固結領域である。
このように上記穿孔ロツクボルトを使用することによ
り、トンネル切羽先端の天盤部8に従来例のように削岩
機のドリル等で孔を開け、その孔からドリルを引き抜い
たのち、さらにパツカー等の中空パイプを挿入するとい
う作業が不要になる。また、速硬化性の二液型発泡ウレ
タン樹脂を使用できるようになつたことから、上記作業
の簡素化と相俟つて施工時間の著しい短縮化を実現しう
るようになる。このようにしてトンネル切羽先端の天盤
部に第11図に示すように、天盤部8の天盤のアーチに
沿つて所定間隔で自穿孔ロツクボルトが打ち込まれその
周囲にウレタン樹脂の固結領域26が形成され天盤部8
の補強がなされる。これについてより詳しく説明する
と、この発明では、速硬化性の二液型発泡ウレタン樹脂
を使用できることから、従来法のようにパツカーの根元
にパツキンを設けてこのパツキンで孔の開口を塞いだの
ちパツカー先端から樹脂を吐出させるということが不要
になる。また、それと同時に効果的に固結領域を形成す
ることができるようになつて施工時間の大幅な短縮なら
びに使用樹脂量の大幅な低減をも実現できるようにな
る。すなわち、上記のような速硬化性の二液型発泡ウレ
タン樹脂を上記自穿孔ロツクボルトに圧入すると、自穿
孔ロツクボルト先端側の薬液吐出孔(中心孔15,外周
孔16)から吐出されたウレタン樹脂が地山に穿設され
た孔21の開口方向に流れる過程で硬化し、孔21の開
口近傍を閉塞してそれ以降吐出されるウレタン樹脂の洩
れを防ぐ。したがつて、従来のようにパツカー30(第
12図参照)にパツキン31を設けて孔を閉塞するとい
う煩雑な作業が不要になる。しかも注入樹脂が地山に適
正に浸透して速やかに硬化するため、従来のように多量
のウレタン樹脂を地山に必要以上浸透させるという無駄
がなくなり、使用樹脂の大幅な節約を実現できると同時
に作業時間の大幅な短縮をも実現しうるようにする。す
なわち、前記従来法は、使用する二液型発泡ウレタン樹
脂として2液混合後の硬化時間が3〜5分の通常のウレ
タン樹脂を使用しているため、上記孔内にパツカー30
を挿入してウレタン樹脂を圧入すると地山に浸透する樹
脂の硬化までに時間がかかつて樹脂の浸透領域が大きく
なり、したがつて、使用樹脂量が多くなると同時に樹脂
の圧入時間も長くなる。より詳しく説明すると、上記ウ
レタン樹脂のパツカー30に対する圧入に際しては、パ
ツカー30の先端から吐出されたウレタン樹脂が地山内
に浸透して硬化すると、樹脂の圧入に要する圧力が急に
高くなることからそれを目安として樹脂の圧入を止める
のであり、使用するウレタン樹脂の硬化時間が長ければ
その分、樹脂液の圧入量が多くなつて浸透領域が大きく
なり、樹脂液の圧入時間および使用量が増加する。さら
に、上記のように、地山内に浸透したウレタン樹脂の硬
化は、樹脂浸透領域の外周側から行われ、内部は未硬化
状態となつており、樹脂浸透領域の内部は未硬化樹脂に
よつて、いわば水を含んだような状態になつている。そ
のため、地山が砂のような特に柔軟の場合には、場合に
よつて崩落現象を生じるという難点も有している。した
がつて、上記のような軟弱地山に対しては、従来法によ
れば固結に先立つて天盤面にコンクリート吹き付け処理
を行う必要があり、施工に時間が掛かるという難点を生
じるのである。これに対して、上記のように速硬化性の
二液型発泡ウレタン樹脂を使用すると、先に述べたよう
に注入樹脂が地山に適正に浸透して速やかに硬化するた
め、従来のように多量のウレタン樹脂を必要量以上浸透
させるという無駄がなくなり、使用樹脂および作業時間
の大幅な節約を実現できるようになる。ただし、この方
法によれば、ロツクボルトの周囲に形成される固結領域
の幅が狭くなるため、第11図と第14図との対比から
明らかなように、一定の範囲の天盤部を固化するに当た
り、従来法よりも穿設する孔の数およびそれに配挿する
ロツクボルトの数も多くなるが、上記の方法では、ロツ
クボルト1本当たりのウレタン樹脂の硬化時間が、従来
法よりも著しく短いため、全体の施工時間の大幅な短縮
を実現しうるようになる。また、ロツクボルト1本当た
りの樹脂の使用量が著しく少ないため、ロツクボルト数
が増加しても使用薬液量は従来法よりも著しく少なくな
る。なお、第11図と第14図との対比からわかるよう
に、ロツクボルトの周囲に形成される円柱状の固結領域
の直径は上記の方法の方が従来法より小さくなるのであ
るが、補強効果はこれで充分である。すなちわ、従来法
では、ウレタン樹脂の硬化が遅いために自ずと樹脂液の
浸透量が多くなつてロツクボルトの周囲に形成される固
結領域の直径が大きくなるのであり、無駄にウレタン樹
脂を消費していたといいうるものである。また、上記の
方法によれば、ウレタン樹脂の硬化が極めて速く行われ
るため、地山を通じての切羽手前への薬液のリークがな
く、したがつて、砂等の軟弱な岩盤であつても従来のよ
うにコンクリート吹き付け処理を行うことなく、地山固
結を行うことができ、軟弱な地山に対する施工性の向上
硬化をも奏するようになる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明は、自穿孔ロツクボルトを用
い、自穿孔ロツクボルトがセメントモルタル専用品とい
う定説を打破し、内部にミキシング手段を内蔵させ、セ
メントモルタルではなく、ウレタン系等の岩盤固結用薬
液を使用する。これにより、自穿孔ロツクボルトは、岩
盤に自ら穿設した孔内に止まり、周囲の岩盤に対し岩盤
固結用薬液を浸透させる。したがつて、従来の非自穿孔
ロツクボルトを用いたときのように、ドリルで岩盤に穿
設した孔が、ドリルを引き抜き、非自穿孔ロツクボルト
を挿入し薬液注入する迄に、岩盤の圧力で潰れるという
ことがなくなる。これは、特に軟弱な岩盤で生じやすい
のであり、この発明はこのような場所に適用すると非常
に有効である。そのうえ、この発明は、自穿孔ロツクボ
ルト内に、薬液の注入圧力により薬液を前進させ混合す
るミキシング手段を備えさせる。その結果、二液型の岩
盤固結用薬液は、薬液の注入圧力により自穿孔ロツクボ
ルト内部を前進し、この過程が二液が混合し硬化を開始
する。したがつて、速硬化性の岩盤固結用薬液を使用す
ることが可能となるのであり、これも軟弱な岩盤を速や
かに補強する大きな要素となる。また、硬化速度の遅い
岩盤固結用薬液を使用する場合には、地山に穿設された
孔の開口から薬液の漏れを防ぐため布等を詰める作業が
必要となるが、この発明ではそれの不要化を実現できる
ようになる。そのうえ、硬化速度の遅い岩盤固結用薬液
では自穿孔ロツクボルトの周囲に形成される固結領域の
直径が必要以上に大きくなり、無駄に薬液を消費するこ
ととなるが、この発明によれば速硬化性の岩盤固結用薬
液を使用しうることから、必要なだけの固結領域が形成
されるようになり、無駄な薬液の消費を回避することが
可能となる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例,比較例〕
まず、2液混合後の硬化時間が、0〜30℃において5
〜30秒の二液型発泡ウレタン樹脂のA液(ポリオール
成分)としてつぎの第1表に示す3種類のA液I,II,
IIIを準備した。
上記3種類のA液I,II,IIIの特性は第2表のとおり
である。
また、B液(イソシアネート成分)として、第3表に示
す3種類のB液I,II,IIIを準備した。
つぎに、上記A液およびB液を用い、つぎのようにして
岩盤固結を行つた。
〔実施例1〕 第1図に示すロツクボルトを用い、トンネル切羽先端の
天盤部に天盤のアーチに沿つて70cm間隔で13個の孔
を上向き(水平面との傾斜角θ=10〜20°)に穿設
し、この穿設した孔のなかに上記ロツクボルトを削岩装
置から切り離して残した。そして、アーチ状の一端側の
ロツクボルトから接続ユニツト付のホースを用いて上記
A液IおよびB液Iを用いて、配合比1:1,圧力20
kg/cm2で圧入し岩盤固結を行つた。この固結状態は第
11図のようになつた。
〔比較例〕
従来法に従い、切刃先端の天盤に天盤のアーチに沿つて
140cm間隔で合計7個の孔をあけ、その孔に、根元に
パツキンを装着してパツカーを送入し、2液混合後3〜
5分で硬化する二液型発泡ウレタン樹脂を注入し岩盤固
結を行つた。その固結状態は第14図のようになつた。
上記実施例1と比較例における孔の穿孔時間および二液
型発泡ウレタン樹脂の圧入時間ならびに総薬液(ウレタ
ン樹脂)量を対比して第4表に示した。
第4表から明らかなように、実施例1では孔の数が多い
ため、穿孔時間は比較例よりも多くなつているが、樹脂
液の圧入時間が極めて短時間で足りるため、圧入時間は
大幅に短縮でき、その結果、孔の穿孔から圧入に要する
総時間が、比較例の210分に対し、実施例1では11
7分になり、44%の短縮となつている。しかも総薬液
量は比較例が700kgであるのに対し実施例1では20
8kgで68%の減少となつている。このことから、実施
例1によれば従来法よりも施工時間の大幅な短縮および
使用薬液量の大幅な節約を実現しうることがわかる。し
かも、実施例1によれば孔内にロツクボルトを挿入して
薬液を注入する際、比較例のようにロツクボルトにいち
いちパツキンを装着する必要がないため、パツキン装着
の施工の煩雑さもなくなり、施工性の向上効果も得られ
るようになる。
〔実施例2〕 薬液として、A液IIおよびB液IIを用いた。それ以外は
実施例1と同様にして岩盤固結を行つた。その結果も実
施例1と殆ど同様であり、実施例1と同様の極めて優れ
た効果が得られた。
〔実施例3〕 薬液として、A液IIIおよびB液IIIを用いた。それ以外
は実施例1と同様にして岩盤固結を行つた。この場合に
も実施例1とほぼ同様の極めて優れた効果が得られた。
このように、この発明の方法によれば、孔穿設したの
ち、その孔からドリルを引き抜いて新たにロツクボルト
等を挿入するという作業が不要になるため、施工作業を
大幅に簡素化しうる。しかも、上記のように、硬化速度
の速いウレタン樹脂を使用すれば施工時間の大幅な短縮
および使用ウレタン樹脂液の大幅な低減をも実現しうる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に用いるロツクボルトの一例の縦断面
図、第2図はその全体の平面図、第3図は第1図のロツ
クボルトの要部の斜視図、第4図(a)は第1図のロツ
クボルト内に配設される静止ミキサーの斜視図,第4図
(b)は同じくその側面図、第5図はこの発明に用いる
ロツクボルトの他の例の縦断面図、第6図はその先端を
第5図の左側から眺めた状態図、第7図はロツクボルト
に樹脂を圧入する説明図、第8図,第9図および第10
図はロツクボルトの使用説明図、第11図はこの発明の
一実施例の施工状態を示すためトンネル切羽先端の天盤
部を眺めた状態図、第12図は従来例の施工状態を示す
縦断面図、第13図はその横断面図、第14図は第13
図における固結領域を個別に示すための説明図である。 1……パツカー部、2……ロツクボルト本体、3……ね
じ継手、4……薬液吐出孔、22……孔、26……固結
領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が刃部に形成されており、内部に、薬
    液の注入圧力により薬液を前進させ混合するミキシング
    手段を備えた中空パイプ状の自穿孔ロツクボルトを準備
    し、この自穿孔ロツクボルトを削岩装置のドリルに代え
    て使用することにより、岩盤に自穿孔ロツクボルトを根
    元まで収容可能な孔を穿設し、その孔内に上記自穿孔ロ
    ツクボルトを残し、その状態で上記自穿孔ロツクボルト
    内に、2液混合後の硬化時間が5〜30秒の速硬化性の
    二液型発泡ウレタン樹脂からなる岩盤固結用薬液を圧入
    し、上記孔内に岩盤固結用薬液を充満させたのち岩盤に
    浸透させ、上記孔内に自穿孔ロツクボルトを残した状態
    で上記孔内充満および岩盤浸透の岩盤固結用薬液を硬化
    させることにより岩盤固結を行うことを特徴とする岩盤
    固結工法。
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