JPH07998B2 - 粘性土層の固結工法 - Google Patents

粘性土層の固結工法

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JPH07998B2
JPH07998B2 JP63240385A JP24038588A JPH07998B2 JP H07998 B2 JPH07998 B2 JP H07998B2 JP 63240385 A JP63240385 A JP 63240385A JP 24038588 A JP24038588 A JP 24038588A JP H07998 B2 JPH07998 B2 JP H07998B2
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hole
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cohesive soil
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▲吉▼久 山本
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、軟弱な粘性土層を粘性土固結用薬液により
堅固な粘性土層に改善する粘性土層の固結工法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来から軟弱な岩盤(地山)ないしは破砕された地山等
の地層帯では、トンネル切羽の天盤の崩落等の防止のた
めに、トンネル切羽先端の天盤部に、天盤のアーチに沿
つて孔を穿設し、この孔内にロツクボルトを挿入してモ
ルタルで固結する先受ボルト工法が採用されている。ま
た、それ以外に、パイプルーフ工法、薬液注入工法等の
方法も講じられ、地山の強化が行われている。しかしな
がら、このような従来の対応方法では、設備が大掛りと
なり、機械の設置や注入の準備に手間がかかり、またこ
れらの作業のために現場の作業をかなりの期間停止しな
ければならないという問題を生じていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕 そこで、本発明者らは、このような問題を解決するた
め、削岩機等の削岩装置を用い、トンネル切羽先端の天
盤部に天盤のアーチに沿つて複数の孔を穿設し、これら
の孔内に、中空パイプからなるパツカーをそれぞれ挿入
し、そのパツカー内にウレタン樹脂液等を圧入してパツ
カー先端から外部に吐出し岩盤に浸透させる技術をすで
に提案している(特願昭58ー144024号)。この場合、上
記薬液の孔からの洩れを防ぐとともにパツカーを孔内に
固定する目的で、パツカーの根元側に布等を巻きつけ、
これにウレタン樹脂液等を含浸させ、パツカーの挿入時
に上記布等に含浸させたウレタン樹脂を発泡させ、孔の
壁面とパツカーの外周部との隙間を防ぐと同時にパツカ
ーを孔壁に固定するということが行われている。
しかしながら、上記工法は、断層破砕地帯,崖錐または
砂質土のような透水性の高い地山を対象としており、こ
れを、透水性の低い粘性土層で行うと、パツカーから吐
出されるウレタン樹脂が、粘性土層のなかでも比較的空
隙部の多い低密度部分に集中的に浸透し、粘性土層全体
を広範に固結することができないという問題を生じる。
したがつて、上記工法を、透水性の低い粘性土層で行う
ことは困難であつた。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、透
水性の低い粘性土層にも適用することのできる固結工法
の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の粘性土層の固結
工法は、粘性土層に主孔を穿設するとともに、この主孔
の周囲に、主孔と平行に延びる誘導孔を、主孔に対し均
等な配置で複数個穿設し、上記主孔に、先端側に吐出孔
が形成された中空パイプ状のパツカーを挿入し、このパ
ツカー内に、粘性土固結用薬液を圧入して上記吐出孔か
ら上記主孔内に吐出させ、この吐出薬液を上記主孔から
周囲に浸透させて上記複数の誘導孔に到達させ、さらに
各誘導孔から周囲に浸透させ硬化させることにより、上
記主孔内に上記パツカーを残しつつ上記主孔および誘導
孔の周囲の粘性土層を固結させるという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この発明の方法は、従来例のように、パツカ
ーから孔に吐出されるウレタン樹脂をその吐出圧力によ
つてのみ岩盤に浸透させるのではなく、予め、パツカー
を挿入する主孔の周囲に、主孔と平行に延びる誘導孔を
複数穿設しておき、粘性土固結用薬液を、主孔から各誘
導孔に浸透させるようにしている。したがつて、パツカ
ーから粘性土固結用薬液を主孔内に吐出すると、初期段
階では、上記薬液はその吐出圧力により粘性土層内を脈
状に浸透して誘導孔に到達するが、一旦この浸透路が形
成されると、誘導孔内は空洞で抵抗なく薬液が充満して
急速に浸透量が増大し、さらに各誘導孔内に充満した薬
液が誘導孔の周囲に新たな浸透路を分岐形成して、上記
薬液が主孔内およびその周囲、主孔と各誘導孔との間、
各誘導孔内およびその周囲にあますことなく浸透し硬化
するようになる。その結果、粘性土固結用薬液が浸透し
にくい粘性土層であつても上記主孔および誘導孔が形成
された広範な領域において、略均一状態で固結されるよ
うになる。
つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。
〔実施例〕
第1図は、この発明の一実施例に使用するパツカーを示
している。すなわち、このパツカー1は後端が開口し、
先端が尖つた中空パイプ状に形成され、外径27mm、内径
14mmで全長が略3mに設定されている。そして、先端側の
周面に複数の吐出孔2が所定間隔で穿設されている。ま
た、このパツカー1は、略中央部を境にして前部側と後
部側とに2分割されており、これらをねじ継手(図示せ
ず)で継合して構成されている。そして、上記前部側に
おける継合部分の内周側に段部が設けられ、そこに第2
図(a),(b)に示す静止ミキサー3が先端側(図示
の左側部分)をパツカー1の先端側に向けた状態で挿入
され根元側リング4を上記段部に係合させて固定されて
いる。上記静止ミキサー3には、根元側リング部4の中
心から前方(矢印X方向)に延びる線状中心軸3aを中心
に、左半分にV字状2重羽根3bが一定間隔で傾斜配設さ
れ、右半分には1重羽根3cが一定間隔で傾斜配設され、
パツカー1内に圧入されたウレタン樹脂のA液およびB
液をそれぞれ左半分,右半分に受け入れ上記両液を同方
向(矢印A,B方向)に旋回させながら移送するようにな
つている。この場合、右半分には1重羽根3c、左半分に
はV字状2重羽根3bが設けられ、ウレタン樹脂液が右半
分から左半分に旋回移行すると、入口側が広く出口側が
狭隘になつているV字状2重羽根3bの作用によつて流速
が速められ、左半分から右半分に戻ると初期速度に戻
る。すなわち、A液,B液は左半分,右半分の流速の差に
より、同方向に旋回しながらミキシングされるのであ
り、注入時の初期流速を維持したままミキシングされ前
方に送られる。したがつて、硬化の著しく速いウレタン
樹脂液を圧入する場合においてウレタン樹脂液を途中で
硬化させることなくミキシング移送し先端から円滑に吐
出させうるようになつている。また、パツカー1の後端
には逆止弁付継手(図示せず)をら合するためのねじ部
が形成されている。
この発明は、上記パツカー1を用いつぎのようにして粘
性土層を固結する。すなわち、まず、第3図および第4
図に示すように、削岩機等を用いて、トンネル切羽先端
の粘性土層からなる天盤部5に上向き(角度θ=10〜20
°)の状態で主孔6を所定間隔(1個しか図示していな
い)で穿設し、各主孔6の周囲に誘導孔7を4個、主孔
6からの間隔が主孔6の長径の1〜3倍程度に保たれる
ようにして、互いに等間隔で主孔6に平行に穿孔する。
ついで、上記各誘導孔7の開口にウレタン樹脂液を含浸
させた布8a(第5図参照)を詰め込んで誘導孔7の開口
側を閉塞する。
一方、パツカー1の後端側に布8bを巻きつけるととも
に、その後端部に、ウレタン樹脂液圧入ポンプのホース
(図示せず)を連結し、上記布8bにウレタン樹脂液を含
浸させたのち、上記パツカー1、天盤部5に設けた主孔
6の中に挿入すると同時に、圧入ポンプからホースを介
してパツカー1内にウレタン樹脂液を圧入する。その結
果、第5図に示すように、ウレタン樹脂液は、パツカー
1の吐出孔2から主孔6内に吐出され主孔6内に充満し
たのち、脈状になつて周囲の誘導孔7に向かつて天盤部
5中を浸透していき、誘導孔7に充満したのち、さらに
誘導孔7からその周囲に向かつて浸透しそこで硬化す
る。第5図において、鎖線Aで囲つた部分が、ウレタン
樹脂の固結領域である。これんよつて、パツカー1が主
孔6内に固定されるとともに、鎖線Aで示す領域がウレ
タン樹脂によつて、強固に固結される。この際、主孔6
および誘導孔7の開口部は、それぞれ布8bおよび8aによ
つて閉塞されているため、ウレタン樹脂液が主孔6およ
び誘導孔7の開口部から漏れることは防止される。
このようにしてウレタン樹脂の固結領域Aを、第6図に
示すように天盤部5の天井部に、もしくは第7図に示す
ように天盤部5のアーチに沿つて連続的に形成すること
により、パツカー1を残置したままで天盤部5の補強を
行うことができる。第6図において、9はパツカー1に
対する薬液の接合ユニット、10はそのホース、11は支保
工である。
このように、この発明の粘性土層の固結方法は、パツカ
ー1からウレタン樹脂液を主孔6内に吐出すると、その
ウレタン樹脂液は吐出圧力により強制的に周囲に拡散し
て誘導孔7に向かつて浸透し、主孔6と誘導孔7の間に
浸透する。そして各誘導孔7内は空洞であり何ら抵抗が
ないため、ウレタン樹脂液は誘導孔7内に即座に充満
し、ついで各誘導孔7の周囲に浸透して広範な浸透領域
を形成し、ついで硬化するようになる。その結果、透水
性の低い粘性土層であつても、土層の低密度部分に偏つ
て薬液が浸透するのではなく、均等かつ広範に浸透し、
略均一に固結することができるようになる。したがつ
て、パツカー工法が、従来不可能とされていた粘性土層
に対しても使用可能となる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の粘性土層の固結方法は、主孔
の周囲に複数の誘導孔を主孔に対し平行に穿設し、パツ
カーから主孔内に粘性土固結用薬液を吐出することによ
り、その粘性土固結用薬液を強制的に誘導孔に向かつて
浸透させ、さらに誘導孔内に充満させるとともにその外
周に浸透させるようになつている。したがつて、粘性土
固結用薬液が粘性土層の一部にのみ浸透するというよう
なことがなくなり、粘性土層を略均一状態で固結するこ
とができるようになる。その結果、透水性の低い粘性土
層に対しても適用でき、有効範囲が極めて広くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に用いるパツカーの正面図、第2図
(a)はパツカー内に配設される静止ミキサーの斜視
図,第2図(b)は同じくその側面図、第3図は孔およ
び誘導孔が設けられた天盤部の縦断面図、第4図はその
正面図、第5図はパツカーの使用説明図、第6図はその
施工状態を示す縦断面図、第7図はその横断面図であ
る。 1……パツカー、2……吐出孔、5……天盤部、6……
主孔、7……誘導孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘性土層に主孔を穿設するとともに、この
    主孔の周囲に、主孔と平行に延びる誘導孔を、主孔に対
    し均等な配置で複数個穿設し、上記主孔に、先端側に吐
    出孔が形成された中空パイプ状のパツカーを挿入し、こ
    のパツカー内に、粘性土固結用薬液を圧入して上記吐出
    孔から上記主孔内に吐出させ、この吐出薬液を上記主孔
    から周囲に浸透させて上記複数の誘導孔に到達させ、さ
    らに各誘導孔から周囲に浸透させ硬化させることによ
    り、上記主孔内に上記パツカーを残しつつ上記主孔およ
    び誘導孔の周囲の粘性土層を固結させることを特徴とす
    る粘性土層の固結工法。
JP63240385A 1988-09-26 1988-09-26 粘性土層の固結工法 Expired - Lifetime JPH07998B2 (ja)

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