JPH0748997A - 岩盤固結工法 - Google Patents

岩盤固結工法

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JPH0748997A
JPH0748997A JP13756394A JP13756394A JPH0748997A JP H0748997 A JPH0748997 A JP H0748997A JP 13756394 A JP13756394 A JP 13756394A JP 13756394 A JP13756394 A JP 13756394A JP H0748997 A JPH0748997 A JP H0748997A
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JP
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liquid
rock
hole
resin
lock bolt
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JP13756394A
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Shinya Uda
信也 宇田
Hisakazu Kojima
久和 小島
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工時間の短縮,使用樹脂液の低減および施
工作業の簡素化を目的とする。 【構成】 岩盤に穿設された孔内に、先端側に薬液吐出
孔を有するロックボルトを根元まで挿入した状態で位置
決めし、そのロックボルト内に岩盤固結用薬液を圧入す
る。ついで、上記孔内に岩盤固結用薬液を充満させたの
ち岩盤に浸透させ、上記孔内にロックボルトを残した状
態で上記孔内充満および岩盤浸透の岩盤固結用薬液を硬
化させることにより岩盤固結を行う方法である。このと
き、上記岩盤固結用薬液として、2液混合後の硬化時間
が5〜30秒の二液型発泡ウレタン樹脂を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟弱あるいは破砕さ
れた岩盤等を岩盤固結用薬液により堅固な岩盤に改善す
る岩盤固結工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から軟弱な岩盤(地山)ないしは破
砕された地山等の地層帯では、トンネル切羽の天盤の崩
落等の防止のために、トンネル切羽先端の天盤部に、天
盤のアーチに沿って孔を穿設し、この孔内にポリエステ
ル系,尿素系,フェノール系等の樹脂液を注入し、地山
に浸透させ硬化させることにより強化することが行われ
ている。しかしながら、このような従来の岩盤固結工法
では、設備が大掛りとなり、機械の設置や注入の準備に
手間がかかり、またこの注入のために現場の作業をかな
りの期間停止しなければならないという難点を生じてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
このような難点を解消するため、中空パイプからなるパ
ッカーの一端側に布等のパッキン(シール材)を配設
し、上記パッキンにウレタン樹脂等の発泡樹脂等を含浸
させたのち、予め地山に穿設された孔内に上記パッカー
を他端側から挿入し、その状態でパッキンに含浸させた
ウレタン樹脂を硬化させてパッカーの周囲に発泡層を形
成して上記孔の開口を閉塞し、ついでこのパッカー内に
ウレタン樹脂等を圧入してパッカーと孔壁との間隙を埋
めると同時にウレタン樹脂を地山内に浸透させ硬化させ
ることにより、上記孔内にパッカーを残したまま孔周囲
の岩盤を固結させる方法を提案しすでに特許出願してい
る(特願昭58−144024号)。すなわち、上記方
法(以下この方法を「従来法」という)は、第14図お
よび第15図に示すように、トンネル切羽先端の天盤部
29に天盤のアーチに沿って所定間隔で上向きに穿設さ
れている孔内にパッカー30を挿入して根元部のパッキ
ン31で孔の開口を塞ぎ、その状態でパッカー30の先
端から、接続ユニット32を備えたホース33から供給
される二液型発泡ウレタン樹脂を吐出させることにより
ウレタン樹脂で孔を埋め、さらにそのウレタン樹脂を地
山内に図示のように浸透させ硬化させることにより岩盤
の固結を行うものである。図において、34は支保工、
35は固結領域である。トンネルの形成は、このように
してトンネル切羽先端の天盤部29を天盤のアーチに沿
って硬化樹脂で固め、その状態でトンネル切羽先端を掘
削し、一定距離掘削したのちさらにトンネル切羽先端の
天盤部29を固結するということを繰返して行われる。
この場合、上記従来法によれば、天盤部29の固結は、
第16図に示すように、孔内に残したパッカー30とそ
の周囲に分布する固結領域35の双方によって行われる
ため極めて強靭な固結が行われる。そのうえ、固結に大
形の機械を要しないため大掛りな設備が不要となり、か
つ固結が簡単であるため現場作業の中断が極めて短期間
ですむという利点がある。
【0004】しかしながら、上記工法は、使用する二液
型発泡ウレタン樹脂として、2液混合後の硬化時間が3
〜5分の通常のウレタン樹脂を使用しているため、上記
孔内にパッカー30を挿入してウレタン樹脂を圧入する
と、地山に浸透する樹脂の硬化までに時間がかかって樹
脂の浸透領域が大きくなり、したがって、使用樹脂量が
多くなると同時に樹脂の圧入時間も長くなる。すなわ
ち、上記ウレタン樹脂のパッカー30に対する圧入に際
しては、パッカー30の先端から吐出されたウレタン樹
脂が地山内に浸透して硬化すると、樹脂の圧入に要する
圧力が急に高くなることから、それを目安として樹脂の
圧入を止めるものであり、使用するウレタン樹脂の硬化
時間が長ければその分、樹脂液の圧入量が多くなって浸
透領域が大きくなり、樹脂液の圧入時間および使用量が
増加するのである。また、上記ウレタン樹脂の圧入に際
しては、上記パッカー30にいちいちパッキン31を装
着しなければならないためその作業も煩雑である。さら
にまた、上記のように地山内に浸透したウレタン樹脂の
硬化は、樹脂浸透領域の外周側から行われ、内部は未硬
化状態となっており、樹脂浸透領域の内部は、未硬化樹
脂によっていわば水を含んだような状態となっている。
そのため、地山が砂のような特に柔軟な場合には、場合
によって崩落現象を生じるという難点も有している。し
たがって、上記のような軟弱地山に対しては、固結に先
立って天盤面にコンクリート吹き付け処理を行う必要が
あり、施工に時間がかかるという難点を生じる。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、施工時間の短縮,使用樹脂液の低減および施
工作業の簡素化を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の岩盤固結工法は、岩盤に穿設された孔内
に、先端側に薬液吐出孔を有するロックボルトを根元ま
で挿入した状態で位置決めし、そのロックボルト内に岩
盤固結用薬液を圧入し、上記孔内に岩盤固結用薬液を充
満させたのち岩盤に浸透させ、上記孔内にロックボルト
を残した状態で上記孔内充満および岩盤浸透の岩盤固結
用薬液を硬化させることにより岩盤固結を行う方法であ
って、岩盤固結用薬液として、2液混合後の硬化時間が
5〜30秒の二液型発泡ウレタン樹脂を使用するという
構成をとる。
【0007】すなわち、本発明者らは、自らが先に提案
した上記従来法の欠点を解消するためさらに研究を重ね
た結果、従来、硬化速度があまり速い樹脂を使用すると
パッカー等の中空パイプ内で樹脂の硬化が生じるという
理由から使用が不可能視されていた硬化速度の著しく速
い特殊な二液型発泡ウレタン樹脂を使用すると、施工時
間の著しい短縮を実現できると同時に使用樹脂量の低減
を実現でき、しかも上記樹脂は上記中空パイプの先端か
ら吐出されて孔の開口近傍に流下したときに丁度硬化し
て孔の開口を閉塞することから、従来法のように、パッ
カーに予めパッキン等を取付けて孔の開口を閉塞し樹脂
の洩れを防ぐというような煩雑な作業も必要とせず、そ
のうえ、砂等の軟弱な地山に対してもコンクリート吹き
付け処理をすることなく岩盤固結をなしうることを見い
だし、この発明に到達した。
【0008】
【作用】この発明は、2液混合後の硬化時間が5〜30
秒と極めて短い二液型発泡ウレタン樹脂を用い、これを
岩盤に穿設された孔内に挿入されているロックボルトに
圧入して岩盤固結を行う。
【0009】上記硬化時間の著しく短い二液型発泡ウレ
タン樹脂は下記のA液とB液とを配合比1:1で使用す
るものである。上記A液は、水酸基を二つ以上もつ第一
級ポリオールを主体とした水酸基価250〜450KO
Hmg/gのポリオール液から構成されている。このよ
うなポリオール液は、通常、水酸基価20〜6400K
OHmg/g,平均分子量18〜5000で2官能以上
の第一級ポリオールを数種併用して調製される。また、
上記B液はイソシアネート基を二つ以上有するジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI),ポ
リメチレン・ポリフェニル・ポリイソシアネート(ポリ
メリックMDI,クルードMDI)およびトリレンジイ
ソシアネート(TDI)の少なくとも一つを主体とした
平均分子量174〜2000,イソシアネート基含有量
18〜48重量%(以下「%」と略す)のイソシアネー
ト液から構成されている。
【0010】より詳しく説明すると、上記A液のポリオ
ール成分としては、ポリプロピレングリコール,ポリエ
チレングリコール,トリメチロールエタン,トリメチロ
ールプロパン,ヘキシレングリコール,ヒマシ油等のア
ルキレングリコールがあげられる。また、グリセリン,
ソルビトールもしくは蔗糖に、エチレンオキサイドやプ
ロピレンオキサイドを付加した付加物や、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド共重合物ならびにエチレ
ンジアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミ
ン,トリエチレンジアミン等のアミン類にエチレンオキ
サイド,プロピレンオキサイドを付加した付加物等があ
げられる。特に好適なのは下記のポリオール類である。 (1) エチレングリコール,ジエチレングリコール,
トリエチレングリコール,ジプロピレングリコール等の
低分子(分子量60〜1000),低粘度(500cp
s/25℃以下)の2官能以上で水酸基価が50〜20
00KOHmg/gのアルキレングリコール。 (2) グリセリン,蔗糖に、エチレンオキサイド,プ
ロピレンオキサイドを付加した分子量500〜600
0,水酸基価20〜150KOHmg/gの2官能以上
のポリオール。 (3) エチレンジアミン,トリエタノールアミン,ト
リエチレンジアミンに、エチレンオキサイド,プロピレ
ンオキサイドを付加した分子量100〜5000,水酸
基価100〜1000KOHmg/gの2官能以上のポ
リオール。
【0011】B液のイソシアネート成分としては、イソ
シアネート基含有量30〜31.5%のポリメリックM
DI、高反応性であるジフエニルメタン−4,4’−ジ
イソシアネート(イソシアネート基含有量32〜34
%)の二量体,三量体の配合物やクルードMDIと低分
子量(50〜1000)のポリオール、例えばエチレン
グリコール,ジエチレングリコール,ジプロピレングリ
コール等との反応生成物(イソシアネート基含有量20
〜30%)ならびに上記ジフエニルメタン−4,4’−
ジイソシアネートの二量体,三量体と上記低分子量ポリ
オールとの配合物があげられる。
【0012】なお、上記A液のポリオール成分は、第一
級水酸基をもち、イソシアネート基との反応性は非常に
速く活発であるが、さらに反応速度を速めるため触媒を
配合してもよい。触媒としては、例えばエチレンジアミ
ン,トリエチルアミン,エタノールアミン,ジエタノー
ルアミン,ジメチルエタノールアミン等の脂肪族アミン
や、4,4’−ジアミノジフェニルメタン,トリエチレ
ンジアミン等の芳香族アミンと、ジブチル錫ジラウレー
ト,オクチル酸錫,塩化第二錫,オクテン酸鉛,ナフテ
ン酸鉛等の有機金属系触媒との併用があげられる。ま
た、ウレタン樹脂発泡体の発泡倍率の向上は、トリクロ
ロモノフルオロメタン(CCl3 F) ,メチレンクロラ
イド(C2 4 Cl2 ) 等やペンタン等の不活性溶剤な
らびに水等の使用が考えられるが、作業員に対する影響
等の観点から発泡剤として水を主体に用いることが望ま
しい。ただ、上記メチレンクロライドは発泡剤として作
用すると同時に、ポリオール成分と触媒等の成分との相
溶性向上効果を奏するため、全体の10%以下、好まし
くは0.5〜3%の範囲内で使用することが好適であ
る。発泡剤として水を使用する場合には水を0.01〜
0.5モル配合することが行われる。発泡倍率15倍に
するには0.1〜0.2モルの水を添加すればよい。
【0013】上記のA液およびB液からなる二液型発泡
ウレタン樹脂は、A液およびB液の混合後5〜30秒で
硬化するものであり、本発明者らが先に提案した従来法
で使用するパッカーを用いても地山に穿設された孔内に
注入することが可能であるが、本発明者らが新たに開発
したロックボルトを用いると、ウレタン樹脂をロックボ
ルト等の中空パイプの途中で硬化させることなく、円滑
にかつ奥行の長い孔に対しても挿入しうるため好適であ
る。
【0014】本発明者らが開発したロックボルトは、ジ
ャンボドリル等の削岩機で岩盤に穿設された孔に打ち込
んだのち、ウレタン樹脂を注入する打ち込みタイプのも
のと、それ自体が削岩機のドリルとなる自穿孔タイプの
ものとがある。
【0015】図1は打ち込みタイプのロックボルトを示
している。このロックボルトは、先端閉鎖型中空パイプ
からなるパッカー部1と、中空パイプからなるロックボ
ルト本体2をねじ継手3で継合してなり、外径27m
m,内径14mmで全長Aが略3m、パッカー部1の長
さBが1m、ロックボルト本体2の長さCが2mに設定
されている。そして上記パッカー部1の先端部の外周に
直径5mmの薬液吐出孔4が10個形成されている。他
方、パッカー部1の後端のねじ部隣接部分には段部1a
が設けられており、そこに図2(a),(b)に示す静
止ミキサー5がその根元側リング部6を位置させ、先端
側をパッカー部1の先端側に向けた状態で挿入され固定
されている。上記静止ミキサー5には、根元側リング部
6の中心から前方(矢印X方向)に延びる線状中心軸5
aを中心に、左半分にV字状2重羽根5bが一定間隔で
傾斜配設され、右半分には1重羽根5cが一定間隔で傾
斜配設され、ロックボルト内に圧入されたウレタン樹脂
のA液およびB液をそれぞれ左半分,右半分に受け入れ
上記両液を同方向(矢印A,B方向)に旋回させながら
移送するようになっている。この場合、右半分には1重
羽根5c、左半分にはV字状2重羽根5bが設けられ、
ウレタン樹脂が右半分から左半分に旋回移行すると、入
口側が広く出口側が狭隘になっているV字状2重羽根5
bの作用によって流速が速められ、左半分から右半分に
戻ると初期速度に戻る。すなわち、A液,B液は左半
分,右半分の流速の差により同方向に旋回しながらミキ
シングされるのであり、従来のようにA液,B液を相互
に逆方向に回転させその交叉部において両液を衝突させ
てミキシングされるものではないため、注入時の初期流
速を維持したままミキシングされ前方に送られる。すな
わち、上記ロックボルトは、このような特殊な静止ミキ
サー5を装備しているのであり、これによって硬化の著
しく速いウレタン樹脂を途中で硬化させることなくミキ
シング移送し先端から円滑に吐出させうるのである。ま
た、図1に示すように、ロックボルト本体2の後端には
開口部にワンタッチ接続機構(図示せず)を備えた逆止
弁付継手7がねじ継合されている。そして、このロック
ボルトは図3に示すように、トンネル切羽先端の天盤部
8に天盤のアーチに沿って所定間隔で穿設されている孔
9内に、上向き(角度θ=10〜20°)の状態で打ち
込み挿入され、後端の逆止弁付継手7に、接続ユニット
10付ホース11がワンタッチで取付けられるようにな
っている。図3において、12は上記ホース11に二液
型発泡ウレタン樹脂のA液およびB液を送り込むウレタ
ン圧入ポンプである。
【0016】図4は自穿孔タイプのロックボルトを2種
類示している。図4(a)のロックボルトはパッカー部
1およびロックボルト本体2をねじ継手3で継合するこ
とにより構成されているが、パッカー部1の先端が開放
しており、その開放部にドリル部(図5参照)13を嵌
合して構成されている。このドリル部13は先端の端面
に4枚の刃14が円周方向に90°間隔で設けられてお
り、端面の中央部に中心孔15が形成されているととも
に、刃と刃の間にそれぞれ外周孔16が形成されてい
る。なお、逆止弁付継手は、ウレタン樹脂圧入時に取付
けられる。それ以外の部分は図1のロックボルトと同じ
であるから同一部分に同一符号を付している。図4
(b)のロックボルトは、パッカー部1の先端に、ドリ
ル部17が一体形成されている。この場合、ドリルの刃
部18は、根元から2叉に分岐して形成されており、そ
の分岐部分の先端がそれぞれ刃19に形成されている。
上記分岐している刃の根元部には、外周孔20が形成さ
れている。それ以外の部分は図1のロックボルトと同じ
である。
【0017】この発明は、上記ロックボルトを用い、例
えばつぎのようにして岩盤固結を行う。すなわち、打ち
込みタイプのロックボルトを使用するときは、トンネル
切羽先端の天盤部8に、天盤に沿って所定間隔で、図6
に示すように、ジャンボドリル等の削岩機21によって
孔22を穿設(上向きに10〜20°の角度)する。そ
して、穿設された孔22内に図1に示すロックボルト
を、ロックボルト本体2の後端に、図7に示すように打
ち込み用アダプター23を取付けて削岩機・コールビッ
ク24等で打ち込み、ついで打ち込まれたロックボルト
の後端に図8に示すように逆止弁付継手25を取付け、
これに、接続ユニット10付ホース11を、その接続ユ
ニット10を逆止弁付継手25にワンタッチで装着する
ことにより取付ける。ついでそのホース11からウレタ
ン樹脂のA液およびB液をロックボルト内に15〜20
kg/cm2 の圧力で圧入する。このようにして圧入さ
れたA液およびB液はねじ継手3まではA液およびB液
の層流状態で到達し、パッカー部1に到達したのちは静
止ミキサー5(図1参照)により混合されその状態でロ
ックボルト先端の薬液吐出孔4から吐出される。この場
合、最初に吐出されたウレタン樹脂液は孔22の先端側
から開口方向に流れ、その過程で硬化し、孔22の開口
に到達するまでに完全硬化状態になって開口を閉塞し後
から吐出される樹脂の洩れを防ぐ。したがって、従来法
のようにパッキンを使用して孔22の開口を閉塞する必
要はない。そして、上記浸透樹脂が硬化すると、ウレタ
ン圧入ポンプの圧入圧力が急に高くなるため、樹脂の圧
入を止め、接続ユニット10をワンタッチで外す。この
ようにしてロックボルトが孔22内に固定され、かつ孔
22の周囲の地山が硬化樹脂で固結される。この状態を
図9に示す。このようにしてトンネル切羽先端の天盤部
8に所定間隔で穿設された孔22にロックボルトが挿入
され岩盤固結が行われる。26は固結領域である。その
結果、図10に示すように、複数のロックボルトとそれ
ぞれの周囲の固結領域26との相乗効果により天盤部8
全体の補強が行われる。
【0018】また、図4(a),(b)の自穿孔タイプ
のロックボルトを使用するときは、ロックボルトを図1
1に示すように、削岩機28にドリルとして取付け、孔
穿設時に、削岩機28に設けられた水,エアー送入パイ
プ29からロックボルト内に水,エアーを圧入してロッ
クボルト先端の中心孔15,外周孔16から吐出させ、
ロックボルトの刃が削り出す土,砂等を、ロックボルト
の外周に沿って孔内を後方に移行させ孔の開口から外部
に排出しながら孔の穿孔を行う。このようにロックボル
トをドリルとして使用して孔を形成し、その孔の中にロ
ックボルトを残し、ついでロックボルト後端に逆止弁付
継手25を接続し、図12に示すように接続ユニット1
0付ホース11をワンタッチで接続し、二液型発泡ウレ
タン樹脂のA液およびB液を注入し、ロックボルト先端
の刃部に設けられた中心孔15,外周孔16から吐出さ
せ、打ち込みタイプと同様にして岩盤固結(図13参
照)を行う。
【0019】このようにしてトンネル切羽先端の天盤部
に、第10図に示すように、天盤部8のアーチに沿って
所定間隔でロックボルトが打ち込まれ、その周囲にウレ
タン樹脂の固結領域26が形成され天盤部8の補強がな
される。
【0020】
【発明の効果】以上のように、この発明は、岩盤固結用
薬液として2液混合後の硬化時間が5〜30秒と著しく
短い二液型発泡ウレタン樹脂を、岩盤に穿設された孔に
挿入されているロックボルトに圧入するため、ロックボ
ルトの先端側の薬液吐出孔から吐出された上記ウレタン
樹脂が、岩盤に穿設された孔の先端から開口方向に流れ
る過程で硬化し、孔の開口近傍を閉塞してそれ以降吐出
されるウレタン樹脂の洩れを防ぐ。したがって、従来の
ように、ロックボルトにパッキンを設けて孔を閉塞する
という煩雑な作業が不要になる。しかも注入樹脂が岩盤
に適正に浸透して速やかに硬化するため、従来のように
多量のウレタン樹脂を岩盤に必要量以上浸透させるとい
う無駄がなくなり、使用樹脂の大幅な節約を実現できる
と同時に作業時間の大幅な短縮を実現しうるようにな
る。ただし、この発明によれば、ロックボルトの周囲に
形成される固結領域の幅が狭くなるため、図10と図1
6との対比から明らかなように、一定の範囲の天盤部を
固化するに当たり、従来法よりも穿設する孔の数および
それに配挿するロックボルトの数も多くなるが、この発
明では、ロックボルト1本当たりのウレタン樹脂の注入
時間が、従来法の3〜5分に対して5〜30秒と著しく
短いため、全体の施工時間の大幅な短縮を実現しうるよ
うになる。また、ロックボルト1本当たりの樹脂の使用
量が著しく少ないため、ロックボルト数が増加しても使
用薬液量は従来法よりも著しく少なくなる。なお、図1
0と図16との対比からわかるように、ロックボルトの
周囲に形成される円柱状の固結領域の直径はこの発明の
方が従来法より小さくなるのであるが、補強効果はこれ
で充分であり、従来法はいわば過剰品質といいうるので
ある。すなわち、従来法では、ウレタン樹脂の硬化が遅
いために自ずと樹脂液の浸透量が多くなってロックボル
トの周囲に形成される固結領域の直径が大きくなるので
あり、無駄にウレタン樹脂を消費していたといいうるも
のである。また、この発明の方法によれば、ウレタン樹
脂の硬化が極めて速く行われるため、ウレタン樹脂の浸
透領域中において未硬化樹脂の存在による水含み状態を
生じることがない。したがって、砂等の軟弱な岩盤であ
っても従来のようにコンクリート吹き付け処理を行うこ
となく、岩盤固結を行うことができ、軟弱な岩盤に対す
る施工性の向上効果をも奏するようになる。
【0021】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0022】まず、二液型発泡ウレタン樹脂のA液(ポ
リオール成分)としてつぎの表1に示す3種類のA液
I,II,III を準備した。
【0023】
【表1】
【0024】上記3種類のA液I,II,III の特性は表
2のとおりである。
【0025】
【表2】
【0026】また、B液(イソシアネート成分)とし
て、ポリメリックMDIとMDIの二量体,三量体との
配合物(イソシアネート基含有量30%)を準備した。
【0027】つぎに、上記A液およびB液を用い、つぎ
のようにして岩盤固結を行った。
【0028】
【実施例1】トンネル切羽先端の天盤部に天盤のアーチ
に沿って70cm間隔で13個の孔を上向きに(水平面
との傾斜角θが10〜20°)に穿設し、これらの孔の
うち、アーチ状の一端側にあるものから他端側にあるも
のに向かって順次図1に示す打ち込みタイプのロックボ
ルトを挿入し、アーチ状の一端側のロックボルトから接
続ユニット付のホースを用いて上記A液およびB液を、
配合比1:1で圧力20kg/cm2 で圧入し岩盤固結
を行った。この固結状態は図10のようになった。
【0029】
【比較例】従来法に従い、切刃先端の天盤に天盤のアー
チに沿って140cm間隔で合計7個の孔をあけ、その
孔に、根元にパッキンを装着したパッカーを送入し、A
液およびB液の混合後3〜5分で硬化する二液型発泡ウ
レタン樹脂を注入し岩盤固結を行った。その固結状態は
図16のようになった。
【0030】上記実施例1と比較例における孔の穿孔時
間および二液型発泡ウレタン樹脂の圧入時間ならびに総
薬液(ウレタン樹脂)量を対比して表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかなように、実施例1では孔
の数が多いため、穿孔時間は比較例よりも多くなってい
るが、樹脂液の圧入時間が極めて短時間で足りるため、
圧入時間は大幅に短縮でき、その結果、孔の穿孔から圧
入に要する総時間が、比較例1の210分に対し、実施
例1では117分になり、44%の短縮となっている。
しかも総薬液量は比較例が700kgであるのに対し実
施例1では208kgで68%の減少となっている。こ
のことから実施例1によれば従来法よりも施工時間の大
幅な短縮および使用薬液量の大幅な節約を実現しうるこ
とがわかる。しかも、実施例1によれば孔内にロックボ
ルトを挿入して薬液を注入する際、比較例のようにロッ
クボルトにいちいちパッキンを装着する必要がないた
め、パッキン装着の施工の煩雑さもなくなり、施工性の
向上効果も得られるようになる。
【0033】
【実施例2】A液として、上記のIに代えてIIを用い
た。それ以外は実施例1と同様にして岩盤固結を行っ
た。その結果も実施例1と殆ど同様であり、実施例1と
同様の極めて優れた効果が得られた。
【0034】
【実施例3】A液として、上記のIに代えてIII を用い
た。それ以外は実施例1と同様にして岩盤固結を行っ
た。この場合にも実施例1とほぼ同様の極めて優れた効
果が得られた。
【0035】このように、この発明の方法によれば施工
時間の大幅な短縮および使用ウレタン樹脂液の大幅な低
減を実現でき、しかも施工作業の簡素化をも達成しうる
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる打ち込みタイプのロックボル
トの縦断面図である。
【図2】(a)は上記ロックボルト内に装着する静止ミ
キサーの斜視図、(b)はその側面図である。
【図3】上記ロックボルトに樹脂を圧入する説明図であ
る。
【図4】(a)は自穿孔タイプのロックボルトの縦断面
図、(b)は他の自穿孔タイプのロックボルトの縦断面
図である。
【図5】図4(a)の要部拡大斜視図である。
【図6】上記ロックボルトの使用説明図である。
【図7】上記ロックボルトの使用説明図である。
【図8】上記ロックボルトの使用説明図である。
【図9】上記ロックボルトの使用説明図である。
【図10】この発明の一実施例の施工状態を示すためト
ンネル切羽の先端の天盤部を眺めた状態図である。
【図11】図4(a),(b)のロックボルトの使用説
明図である。
【図12】図4(a),(b)のロックボルトの使用説
明図である。
【図13】図4(a),(b)のロックボルトの使用説
明図である。
【図14】従来例の施工状態を示す縦断面図である。
【図15】従来例の施工状態を示す横断面図である。
【図16】図15における固結領域を個別に示すための
説明図である。
【符号の説明】
1 パッカー部 2 ロックボルト本体 3 ねじ継手 4 薬液吐出孔 22 孔 26 固結領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩盤に穿設された孔内に、先端側に薬液
    吐出孔を有するロックボルトを根元まで挿入した状態で
    位置決めし、そのロックボルト内に岩盤固結用薬液を圧
    入し、上記孔内に岩盤固結用薬液を充満させたのち岩盤
    に浸透させ、上記孔内にロックボルトを残した状態で上
    記孔内充満および岩盤浸透の岩盤固結用薬液を硬化させ
    ることにより岩盤固結を行う方法であって、岩盤固結用
    薬液として、2液混合後の硬化時間が5〜30秒の二液
    型発泡ウレタン樹脂を使用することを特徴とする岩盤固
    結工法。
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