JPH066043Y2 - 位置合せ機構付き容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はキャップ位置合せ機構付きの容器に係る。

「従来の技術」 位置合せ機構付きのキャップとして、例えば実開昭61−
132253号公報の考案が知られている。該キャップは、容
器体口頸部に螺合する内キャップと、該内キャップを内
装させた外キャップとを、互いに回動不能に係合させる
と共に外キャップに対して内キャップを上方へ付勢させ
ておき、キャップを締付けして外キャップ周壁下端が容
器体肩部の上面へ接するに拘らずなお容器体胴部の位置
と外キャップ周壁の位置とが不一致の場合は、上記状態
から更に外キャップを下降させることなく、所定位置に
達するまで空転させ、又外キャップに対して内キャップ
だけを螺降させることで、その位置合せを行えるように
したものがある。

「考案が解決しようとする課題」 従来の位置合せ機構付きのキャップは、内外キャップを
別部材とするからその嵌合が不安定となり易く、又キャ
ップ締付け時での容器体口部に対する内キャップ頂壁の
位置が一定とならないため、その口部密閉が不確実とな
り易い欠点があった。

本案は主として上記欠点を除去すると共にその他の改良
を加えたものである。

「課題を解決するための手段」 請求項１においては、胴部上端から肩部３を介して口頸
部４を起立する非軟材質の容器本体１と、上記口頸部の
外面へ螺合させた雌ねじ筒11を、頂壁12周縁から垂下す
る周壁13内へ挿入させて、該周壁と上記雌ねじ筒11とを
フランジ状の弾性薄板14で連結し、かつ上記雌ねじ筒上
端に内向きフランジ15を付設した非軟材質合成樹脂製の
キャップ本体10と、上記容器本体の口頂面を閉塞する弾
性蓋板20の外周部を上外方へ突出して該外周部先端を上
記内向きフランジ15下面へ係合させると共に、該弾性蓋
板20から内向きフランジ孔を通って起立する脚筒22の上
端部外面に付設した突条23を内向きフランジ15の内周部
上面へ係合させた蓋部材20とからなり、上記肩部３の外
周部を除く部分を起立壁５が囲成する非眞円形状の隆起
部６として、キャップ本体締付け時にその隆起部の外周
部分が回動不能に嵌合する凹部13aを、キャップ本体周
壁下端面の内周部に付形した。

請求項２においては、隆起部６を口頸部４の基端部に固
着した非軟材質合成樹脂製の弾性変形可能な鍔状部材16
で形成され、キャップ本体取外し時には、鍔状部材外周
部と容器本体の肩部上面との間に小間隙が形成されるよ
うに付勢した。

請求項３においては、胴部上端から肩部３を介して口頸
部4aを起立する軟材質合成樹脂製のチューブ容器本体1a
と、上記口頸部外面へ嵌着させた雄ねじ筒17下端から非
眞円形状の第一外向きフランジ18を突出する非軟材質合
成樹脂製のカバー筒19と、上記雄ねじ筒17外面へ螺合さ
せた雌ねじ筒11を、頂壁12から垂下する周壁13内へ挿入
させて、該周壁と上記雌ねじ筒11とをフランジ状の弾性
薄板14で連結し、かつ上記雌ねじ筒上端に内向きフラン
ジ15を付設した非軟材質合成樹脂製のキャップ本体10
と、上記容器本体の口頂面を閉塞する弾性蓋板21の外周
部を上外方へ突出して該外周部先端を上記内向きフラン
ジ15下面へ係合させると共に、該弾性蓋板21から内向き
フランジ孔を通って起立する脚筒22の上端部外面に付設
した突条23を内向きフランジ上面へ係合させた蓋部材20
とからなり、キャップ本体締付け時に上記第一外向きフ
ランジ外周部分が回動不能に嵌合する凹部13aをキャッ
プ本体周壁13下端面の内周部に付形した。

「作用」 第１図から第４図までの第一実施例にあっては、周壁13
が隆起部６上面に接した後、続けて回動させることで雌
ねじ筒だけが下降して隆起部６外周が凹部13a内へ嵌合
するまでは弾性薄板14が弾性変形し、その弾性復元によ
って周壁が下降して隆起部外周が凹部内へ嵌合する。雌
ねじ筒11下降途中で弾性蓋板20下面が口頸部上端面に接
したときは、続けて雌ねじ筒11が下降することで弾性蓋
板外周部が弾性変形する。

第５図、第６図が示す第二実施例の場合は、第一実施例
における隆起部を鍔状部材16が形成する。キャップを螺
合しない状態で鍔状部材外周部は肩部３との間に小隙間
を有し、該鍔状部材外周部が凹部13a内へ嵌合するまで
は該鍔状部材も弾性変形でき、既述弾性蓋板14と同一機
能を達する。

第７図、第８図が示す第三実施例の場合は、第二実施例
の場合とほゞ同様であるが、該実施例では軟材質合成樹
脂製のチューブ容器本体1aであるため、第一外向きフラ
ンジ18は肩部３に接しており、第一外向きフランジ外周
部が凹部13aに嵌合するまでは第一外向きフランジ18と
共に肩部３が弾性変形する。

「実施例」 第１図から第４図が示す実施例において、１は非軟質材
料で形成した容器本体であって、胴部２上端から肩部３
を介して外面に螺条を有する口頸部４を起立する。

胴部２は第２図から理解されるように楕円形状に形成し
てあり、又肩部３は、その外周部を除く部分を起立壁５
が囲成する隆起部６としている。図示例でその隆起部は
楕円形状をなす。

上記口頸部４には非軟材質合成樹脂製のキャップ本体10
が螺合させてある。該キャップ本体は、口頸部に螺合さ
せた雌ねじ筒11を有し、該雌ねじ筒を、頂壁12周縁から
垂下する周壁13内へ挿入させて、該周壁下部内面と雌ね
じ筒11の下端部とをフランジ状の弾性薄板14で連結して
いる。又雌ねじ筒上端からは内向きフランジ15を突出す
る。図示のように該キャップ本体は二部材で形成させて
もよく、この場合は図示のように周壁13を二重として、
頂壁12から垂設した周壁部分と雌ねじ筒11と一体成形し
た弾性薄板14を有する周壁部分とを一体に嵌着させれば
よい。

20は蓋部材で、既述容器本体の口頸部上端が形成する口
頂面を閉塞する弾性蓋板21を有し、該弾性蓋板外周部を
上外方へ突出して、既述内向きフランジ15下面へ係合さ
せ、又弾性蓋板上面から内向きフランジ孔を通って脚筒
22を起立し、該脚筒の上端部外面に周設した突条23を内
向きフランジ15の内周部上面へ係合させている。

尚既述周壁13の下端面には隆起部６の外周部分が回動不
能に嵌合する凹部13aが穿設させてあって、その凹部内
へ隆起部の外周部が嵌合したとき、容器本体胴部とキャ
ップ本体の周壁13とが位置合せ、例えばそれ等が共に楕
円形状のときは第２図が示すように各長径部と短径部と
が共に一致するように設けてある。

上記以外の部分は第一実施例と同様でよい。

第５図と第６図が示す第二実施例は、既述第一実施例の
隆起部６を別部材である非軟材質合成樹脂製の鍔状部材
16で形成したもので、この場合は口頸部４の下端部外面
に凹溝を周設しておき、該凹溝内へ鍔状部材16の内周部
を嵌着させている。該鍔状部材の外周部下面には突条が
周設されていて、キャップを外した状態では、その突条
下面と肩部３上面との間に小隙間が形成されるよう設け
てあり、キャップ本体周壁が押下げることで上記突条は
肩部上面へ圧接する。

第７図、第８図は第三実施例を示す。該実施例では容器
本体を軟材質合成樹脂製のチューブ容器1aとしている。
又その口頸部4a外面には突条4bを縦設し、かつその口頸
部の上部外面に凹溝4cを周設している。

上記口頸部には雄ねじ筒17下端から非眞円形状の第一外
向きフランジ18を突出するカバー筒19を嵌着させる。雄
ねじ筒17の内面には上記突条4bを嵌合させる溝が縦設さ
れ、又上記凹溝4c内へ嵌着させる突条を雄ねじ筒の上端
部内面に付設している。第一外向きフランジ18は、第一
実施例の隆起部６、又第二実施例の鍔状部材16と同様の
もので、キャップ締付け時にその外周部がキャップ本体
周壁の凹部13a内へ嵌合するよう設けたものである。カ
バー筒は非軟材質の合成樹脂製とする。

上記構成以外は第一実施例と同様とする。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、第１図から第４図までの
第一実施例が示す請求項１の場合は、雌ねじ筒11とキャ
ップ本体の周壁13とを弾性薄板14で連結したから、容器
本体口頸部に対するキャップ締付け時において、その弾
性薄板が弾性変形することで、キャップ本体の周壁13に
対して雌ねじ筒11だけを螺降させることが出来、よって
容器本体に対するキャップの位置合せが容易となり、又
蓋部材20を設け、その弾性蓋板21の外周部を雌ねじ筒11
の内向きフランジ15下面へ係合させたから、弾性蓋板21
に対して雌ねじ筒11だけを螺降させることが出来、又弾
性蓋板上面から内向きフランジ孔を通って起立する脚筒
22の上端部外面に付設した突条23を内向きフランジ15の
内周部上面へ係合させたから、キャップ取外し時にも蓋
部材20が脱落するおそれが全くない。

第５図と第６図の第二実施例が示す請求項２の場合は、
上記請求項１の効果のほか、弾性変形可能な鍔状部材20
で第一実施例の隆起部を形成したから、キャップ本体周
壁13に対する雌ねじ筒11の下降を弾性薄板14と鍔状部材
16との両方の弾性変形で行わせることが出来て弾性薄板
14だけで行う場合に比べて無理がなく、又キャップ本体
の周壁13下端は容器本体肩部３に対して接触しないか
ら、容器本体とは関係なく鍔状部材16の材質を選ぶこと
で、該鍔状部材に対するキャップ本体の滑りをよくして
キャップ締付け時における鍔状部材に対するキャップ本
体の圧接状態での空転を容易とすることが出来る。

更に第７図、第８図の第三実施例が示す請求項３の場合
は、軟材質合成樹脂製のチューブ容器本体であるに拘ら
ず、非軟材質合成樹脂製のカバー筒19をチューブ容器本
体の口頸部に嵌着させたから、チューブ容器本体が軟か
いことで本来請求項１、および２が示す位置合せ機構付
きキャップを使用することが困難であるに拘らず、その
使用が可能となり、又請求項１の隆起部６と同様、非眞
円形状の第一外向きフランジ18の外周部が、キャップ締
付け時にキャップ本体周壁下端面の凹部13a内へ回動不
能に嵌合するよう設けたから、チューブ容器本体1aとキ
ャップとの位置合せを確実かつ容易とすることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本案第一実施例を示すもので、第１
図はその容器の半断面図、第２図は平面図、第３図は一
部を切欠いて示す容器本体の斜視図、第４図はその側面
図、第５図、第６図は第二実施例を示すもので、第５図
はその容器の半断面図、第６図はその容器の容器本体と
鍔状部材との分解斜視図、第７図と第８図は第三実施例
を示すもので、第７図はその容器の半断面図、第８図は
その容器のチューブ容器本体要部と一部を切欠いたカバ
ー筒との分解斜視図である。 １…容器本体、10…キャップ本体 11…雌ねじ筒、20…蓋部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部上端から肩部３を介して口頸部４を起
   立する非軟材質の容器本体１と、上記口頸部の外面へ螺
   合させた雌ねじ筒11を、頂壁12周縁から垂下する周壁13
   内へ挿入させて、該周壁と上記雌ねじ筒11とをフランジ
   状の弾性薄板14で連結し、かつ上記雌ねじ筒上端に内向
   きフランジ15を付設した非軟材質合成樹脂製のキャップ
   本体10と、上記容器本体の口頂面を閉塞する弾性蓋板20
   の外周部を上外方へ突出して該外周部先端を上記内向き
   フランジ15下面へ係合させると共に、該弾性蓋板20から
   内向きフランジ孔を通って起立する脚筒22の上端部外面
   に付設した突条23を内向きフランジ15の内周部上面へ係
   合させた蓋部材20とからなり、上記肩部３の外周部を除
   く部分を起立壁５が囲成する非眞円形状の隆起部６とし
   て、キャップ本体締付け時にその隆起部の外周部分が回
   動不能に嵌合する凹部13aを、キャップ本体周壁下端面
   の内周部に付形したことを特徴とする位置合せ機構付き
   容器。
2. 【請求項２】隆起部６を口頸部４の基端部に固着した非
   軟材質合成樹脂製の弾性変形可能な鍔状部材16で形成さ
   せ、キャップ本体取外し時には、鍔状部材外周部と容器
   本体の肩部上面との間に小間隙が形成されるよう付勢し
   た、請求項１記載の位置合せ機構付き容器。
3. 【請求項３】胴部上端から肩部３を介して口頸部4aを起
   立する軟材質合成樹脂製のチューブ容器本体1aと、上記
   口頸部外面へ嵌着させた雄ねじ筒17下端から非眞円形状
   の第一外向きフランジ18を突出する非軟材質合成樹脂製
   のカバー筒19と、上記雄ねじ筒17外面へ螺合させた雌ね
   じ筒11を、頂壁12から垂下する周壁13内へ挿入させて、
   該周壁と上記雌ねじ筒11とをフランジ状の弾性薄板14で
   連結し、かつ上記雌ねじ筒上端に内向きフランジ15を付
   設した非軟材質合成樹脂製のキャップ本体10と、上記容
   器本体の口頂面を閉塞する弾性蓋板21の外周部を上外方
   へ突出して該外周部先端を上記内向きフランジ15下面へ
   係合させると共に、該弾性蓋板21から内向きフランジ孔
   を通って起立する脚筒22の上端部外面に付設した突条23
   を内向きフランジ上面へ係合させた蓋部材20とからな
   り、キャップ本体締付け時に上記第一外向きフランジ外
   周部分が回動不能に嵌合する凹部13aをキャップ本体周
   壁13下端面の内周部に付形したことを特徴とする位置合
   せ機構付き容器。