JPH0659776B2 - 分割式ウインドガラスのシール構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車用ウインドガラスのシール構造に関し、
特には該ウインドガラスが、任意中途部で分割されてい
る車両に適用される分割式ウインドガラスのシール構造
に関するものである。

従来の技術 近時、車両のデザイン上及びユーザの要求等により、ウ
インドガラスがその任意中途部分で分割され、この分割
部分にセンターシール部材を嵌合固定した車両が知られ
ている。例えば第４図に示す車両１のリヤサイドウイン
ド２は、分割部３により下部ウインドガラス２ａと上部
ウインドガラス２ｂとに分割されており、第５図に示し
た如く、センターシール部材４の溝部４ａに下部ウイン
ドガラス２ａの上端部が嵌合固定されている一方、この
センターシール部材４の上方に形成されたリップ４ｂが
上部ウインドガラス２ｂの内側表面に当接している。６
は車体開口縁に装着されるウエザーストリップであり、
このウエザーストリップ６は、第６図の拡大断面図に示
した如く、図示しない車体側パネルが嵌合される断面略
Ｕ字状のウエルト７と、このウエルト７の一方側表面７
ａに固着された軟質性ゴムで成る中空シールリップ８と
を主体に構成されている。７ｂ，７ｂはウエルト７内に
挿入される車体側パネルを把持する支持リップ，７ｃは
ウエルト７の内部に埋設された芯材である。

このような構成によれば、リヤサイドウインド２を構成
する下部ウインドガラス２ａと上部ウインドガラス２ｂ
とがセンターシール部材４を介して連係されており、且
つ該リヤサイドウインド２の周縁部は、車体開口縁に装
着支持されたウエザーストリップ６の中空シールリップ
８により気密封止された分割式ウインドガラスのシール
構造が得られる。

発明が解決しようとする課題 しかしならこのような従来の分割式ウインドガラスのシ
ール構造にあっては、ウエザーストリップ６を車体開口
縁に装着した際に、前記センターシール部材４のために
該ウエザーストリップ６を構成する中空シールリップ８
とリヤサイドウインド２間の気密性が低下してしまうこ
とがあるという課題があった。即ち上記ウエザーストリ
ップ６を車体開口縁に装着した際に、このウエザースト
リップ６を構成する中空シールリップ８が第６図に示す
屈曲ラインＬを中心として屈曲して車両の内外を気密シ
ールするものであるが、この中空シールリップ８が当接
する部位にあるリヤサイドウインド２に前記センターシ
ール部材４があった場合には、このセンターシール部材
の凹凸形状に起因して、該中空シールリップ８とリヤサ
イドウインド２との間に第５図に示す隙間１０が発生し
易くなり、この隙間１０のためにリヤサイドウインド２
の周縁部における気密性が低下してしまうことになり易
い。

そこで本発明はこのような従来の分割式ウインドガラス
のシール構造が有している問題点を解消して、ウインド
ガラスの中途部に前記センターシール部材があっても、
ウエザーストリップの中空シールリップとリヤサイドウ
インド間の気密性を良好に保持することができる分割式
ウインドガラスのシール構造の提供を目的とするもので
ある。

課題を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、車両用ウインド
ガラスが任意中途部で分割されているとともに、一方側
のウインドガラスにセンターシール部材が嵌合固定さ
れ、他方側のウインドガラスに該センターシール部材の
リップが当接されている一方、車体側部材に支持される
ウエルト部及び該ウエルト部に固着された中空シールリ
ップとを有するウエザーストリップを用いて前記センタ
ーシール部材が固定されたウインドガラスを車体開口縁
に装着するようにした分割式ウインドガラスのシール構
造において、上記ウエザーストリップを構成する中空シ
ールリップの所定の位置で、且つ該ウエザーストリップ
を車体開口縁に装着した際に前記センターシール部材に
当接しない部位に、先端部がウインドガラスの表面に当
接して、該ウインドガラス内外の気密性を保持するサブ
リップを突設した構成にしてある。

作用 かかる構成によれば、分割されたウインドガラスが前記
センターシール部材により連係され、且つ該ウインドガ
ラスの周縁部は、車体開口縁に装着支持されたウエザー
ストリップの中空シールリップにより気密封止される
が、この時前記ウエザーストリップを構成する軟質性ゴ
ムで成る中空シールリップがセンターシール部材の一端
部に当接している一方、該中空シールリップの所定の位
置に突設されたサブリップは前記センターシール部材に
当接せず、該サブリップの先端部がウインドガラスの一
端部に直接当接して、センターシール部材の凹凸形状に
起因する分割部分のシール不良をなくすことができると
いう作用がもたらされる。

実施例 以下図面に基づいて、本発明にかかる分割式ウインドガ
ラスのシール構造の一実施例を、前記従来の構成と同一
の構成部分に同一の符号を付して詳述する。

第１図は本発明で用いたウエザーストリップ６の形状例
を示す断面図であり、このウエザーストリップ６は図示
しない車体側パネルが嵌合される断面略Ｕ字状のウエル
ト７と、このウエルト７の一方側表面７ａに固着された
軟質性ゴムで成る中空シールリップ８と、この中空シー
ルリップ８の所定の位置に突設されたサブリップ８ａと
を主体に構成されている。尚、７ｂ，７ｂは前記ウエル
ト７の内方に突設されて、車体側パネルを把持する支持
リップ，７ｃはウエルト７の内部に埋設された芯材であ
る。

上記のサブリップ８ａは、後述する如くウエザーストリ
ップ６を車体開口縁に装着した際に、前記センターシー
ル部材４に当接しない部位にあり、且つその先端部８ｂ
がウインドガラスの表面に当接して、該ウインドガラス
内外の気密性を保持する機能を有している。

第２図は組付時の状態を示す要部側断面図，第３図は更
にその要部（第２図のIII−III線に沿う水平方向の断面
図）を示しており、図示したようにセンターシール部材
４の溝部４ａに下部ウインドガラス２ａの上端部が嵌合
固定されている一方、このセンターシール部材４の上方
に形成されたリップ４ｂが上部ウインドガラス２ｂの内
側表面に当接している。又車体開口縁に装着されるウエ
ザーストリップ６は、第３図に示した如くウエルト７に
車体側パネル１２，１２のフランジ１２ａが嵌合され、
且つ支持リップ７ｂ，７ｂにより固定されている。

このような構成によれば、リヤサイドウインド２を構成
する下部ウインドガラス２ａと上部ウインドガラス２ｂ
とがセンターシール部材４により連係され、且つ該上部
ウインドガラス２ｂの周縁部は、車体開口縁に装着支持
されたウエザーストリップ６の中空シールリップ８によ
り気密封止されたシール構造が得られる。この時、前記
ウエルト７の一方側表面７ａに固着された軟質性ゴムで
成る中空シールリップ８の上端部８ａが、センターシー
ル部材４の一端部に当接している一方、該中空シールリ
ップ８の所定の位置に突設されたサブリップ８ａの先端
部８ｂが上部ウインドガラス２ｂの一端部に当接してい
る。即ちこのサブリップ８ａは、ウエザーストリップ６
を車体開口縁に装着した際にセンターシール部材４には
当接せず、その先端部８ｂが上部ウインドガラス２ｂの
表面に直接当接する部位に形成されていることが特徴と
なっている。従って中空シールリップ８と上部ウインド
ガラス２ｂとの間に隙間１０が発生した場合にあって
も、前記サブリップ８ａの存在により、この隙間１０の
ために上部ウインドガラス２ｂの周縁部における気密性
が低下してしまうことを防止することができる。従って
センターシール部材４の凹凸形状に起因する分割部分の
シール不良をなくすことができるという作用が得られ
る。

発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかる分割式ウイン
ドガラスのシール構造によれば、車両用ウインドガラス
が任意中途部で分割されているとともに、一方側のウイ
ンドガラスにセンターシール部材が嵌合固定され、他方
側のウインドガラスに該センターシール部材のリップが
当接されている一方、車体側部材に支持されるウエルト
部及び該ウエルト部に固着された中空シールリップとを
有するウエザーストリップを用いて前記センターシール
部材が固定されたウインドガラスを車体開口縁に装着す
るようにした分割式ウインドガラスのシール構造におい
て、上記ウエザーストリップを構成する中空シールリッ
プの所定の位置で、且つ該ウエザーストリップを車体開
口縁に装着した際に前記センターシール部材に当接しな
い部位に、先端部がウインドガラスの表面に当接して、
該ウインドガラス内外の気密性を保持するサブリップを
突設した構成にしたので、以下に記す作用効果がもたら
される。即ちウエザーストリップを車体開口縁に装着し
て、中空シールリップを屈曲ラインを中心として屈曲さ
せ、車両の内外を気密シールした際に、分割されたウイ
ンドガラスが前記センターシール部材により連係され、
且つウエザーストリップを構成する中空シールリップが
当接する部位にあるウインドガラスに前記センターシー
ル部材があった場合にあっても、中空シールリップがセ
ンターシール部材の一端部に当接している一方、該中空
シールリップの所定の位置に突設されたサブリップは前
記センターシール部材に当接せず、該サブリップの先端
部がウインドガラスの一端部に直接当接しているので、
センターシール部材の凹凸形状に起因して、前記中空シ
ールリップとウインドガラスとの間に発生する隙間のた
めに該ウインドガラスの周縁部における気密性が低下す
ることが防止されて、ウエザーストリップの中空シール
リップとウインドガラス間の気密性を良好に保持するこ
とができる。従ってウエザーストリップを構成する中空
シールリップとウインドガラス間の気密性が常時良好に
保持された分割式ウインドガラスのシール構造を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる分割式ウインドガラスのシール
構造に使用されるウエザーストリップの形状例を示す断
面図、第２図は同組付状態を示す要部断面図、第３図は
第２図のIII−III線に沿う水平方向の断面図、第４図は
本発明を適用する自動車の一例を示す側面図、第５図は
従来の構造例を示すとともに、第４図のＶ−Ｖ線に沿う
断面図、第６図は従来のウエザーストリップの形状例を
示す断面図である。 ２…リヤサイドウインド、２ａ…下部ウインドガラス、
２ｂ…上部ウインドガラス、 ３…分割部、４…センターシール部材、 ４ａ…溝部、４ｂ…リップ、 ６…ウエザーストリップ、７…ウエルト、 ７ｂ…支持リップ、７ｃ…芯材、 ８…中空シールリップ、８ａ…サブリップ、 １０…隙間、１２…車体側パネル、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両用ウインドガラスが任意中途部で分割
   されているとともに、一方側のウインドガラスにセンタ
   ーシール部材が嵌合固定され、他方側のウインドガラス
   に該センターシール部材のリップが当接されている一
   方、車体側部材に支持されるウエルト部及び該ウエルト
   部に固着された中空シールリップとを有するウエザース
   トリップを用いて前記センターシール部材が固定された
   ウインドガラスを車体開口縁に装着するようにした分割
   式ウインドガラスのシール構造において、 上記ウエザーストリップを構成する中空シールリップの
   所定の位置で、且つ該ウエザーストリップを車体開口縁
   に装着した際に前記センターシール部材に当接しない部
   位に、先端部がウインドガラスの表面に当接して、該ウ
   インドガラス内外の気密性を保持するサブリップを突設
   したことを特徴とする分割式ウインドガラスのシール構
   造。