JP2572046B2 - ウェザーストリップの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はウェザーストリップの取付構造に関する。

従来の技術 サッシュレスドアを備えた自動車のセンターピラー部
のシール構造としては、例えば実願昭61−16948号公報
に示されているものがある。

これを第2,3図によって説明すると、１はセンターピ
ラーを示し、このセンターピラー１の外側面には、リテ
ーナ２を図外のビスによって固定してある。

上記リテーナ２は前後縁部に折曲部３を設けると共
に、中央部を車外側に延出してあって、この延出部４に
は前記各折曲部３に対応する折曲部５を形成してある。

そして、上記リテーナ２の延出部４と前後縁に設けら
れた各折曲部3,5に一対のウェザーストリップ６を嵌着
し、各ウェザーストリップ６の外側面にドアウィンドウ
ガラス７の端部を密接させることで、水密性を確保する
ようになっている。

発明が解決しようとする問題点 上記のセンターピラー部構造にあっては、リテーナ２
をビス止めし、かつ、リテーナ２にウェザーストリップ
６を取り付ける構造であったため、組み付け作業のため
の工数が多くかかると共に、部品点数が増加し、コスト
アップにつながるという問題点がある。

そこで、この発明は部品点数を減少でき、かつ組み付
け作業性を向上させてコストダウンを図ることができる
ウェザーストリップの取付構造を提供するものである。

問題点を解決するための手段 インナパネルとアウタパネルとの前後側縁をフランジ
接合してなるセンターピラーにウェザーストリップを取
り付ける構造であって、前記アウタパネルの中央部位に
長手方向に沿って取付フランジ部を形成する一方、前記
ウェザーストリップは、断面略Ｕ字状の芯材を内包する
硬質のウエルト部と、該ウエルト部の両側縁からそれぞ
れ前後に延出する硬質のベース部と、これらベース部の
側縁からそれぞれ車内側に向かって湾曲しながら延出す
る硬質の係止部と、前記ウエルト部とベース部の車外側
に配置され、前後のドアウィンドガラスのセンターピラ
ー側の側縁部に密接する軟質のシール部とを一体に備
え、前記アウタパネルの中央部位の取付フランジ部に前
記ウェザーストリップのウエルト部を嵌着固定するとと
もに、前記センターピラーの前後のフランジ部に前記ウ
ェザーストリップの係止部を巻き付けるようにして係着
してある。

作 用 センターピラーのアウタパネルの中央部位に形成され
た取付フランジ部にウェザーストリップのウェルト部を
嵌着し、このウェザーストリップの前後の係止部を上記
センターピラーの前後のフランジ部に巻き付けてウェザ
ーストリップを取付ける。

実施例 以下、この発明の一実施例を図面と共に前記従来の構
成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第1,2図において、１はセンターピラーを示し、この
センターピラー１はインナパネル10とアウタパネル20と
を各々前後側縁に形成されたフランジ部1aで接合して閉
断面構造に形成してある。

上記アウタパネル20は前側部と後側部とで分割構成し
てあって、中央部位には、両者を接合して長手方向に沿
う取付フランジ部20aを立ち上げ形成してある。

そして、上記取付フランジ部20aには、隣接する前後
のドアウィンドウガラス7,7のセンターピラー側の側縁
部が密接するウェザーストリップ６のウェルト部6aを嵌
着してある。

上記ウェザーストリップ６は、上記センターピラー１
に嵌着するウェルト部6aと、このウェルト部6aの両側縁
からそれぞれセンターピラー１のアウタパネル20面に沿
って前後側へ延出するベース部6f,6fと、これらベース
部6f,6fの側縁からそれぞれ車内側に向かって湾曲しな
がら延出する係止部6b,6bと、ウェルト部6aとベース部6
b,6bの車外側に配置され、かつ空隙部6cによりドアウィ
ンドウガラス７に弾性的かつ滑らかに密接する弧状のシ
ール部6gとで一体形成してある。尚、ウェルト部6a、ベ
ース部6f,6f及び延出部6b,6bは硬質材で成形してある
が、シール部6gは軟質材で成形してある。

そして、上記ウェルト部6aの内面に前記アウタパネル
20の取付フランジ部20aに係着する突出部6dと、この突
出部6dを取付フランジ部20aに押し付ける断面Ｕ字状の
芯材6eとを設けて、ウェザーストリップ６をセンターピ
ラー１に対して確実に取付けられるようになっている。

尚、上記ウェザーストリップ６を成形する場合には、
ウェルト部6aの芯材6eを同時に押し出し成形しても、後
において接着により取り付けても良い。

以上の実施例構造によれば、センターピラー１の取付
フランジ部20aにウェザーストリップ６のウェルト部6a
を嵌着させてから、ウェザーストリップ６の係止部6bを
センターピラー１のフランジ部1aに巻き付けるだけで、
ウェザーストリップ６の取り付けが行え、リテーナ等の
他の部品は必要としないため、組み付け作業を行い易
く、またリテーナを用いる場合に比較して、組み付け精
度を高く確保できるため、水密性の点でも問題を生じ難
い。

また、ウェザーストリップ６の係止部6bによって、セ
ンターピラー１を外側から覆い隠すことができるため、
外観品質が高められ、ウェザーストリップ６の取付強度
も高まる。

また、上記実施例においては、ウェザーストリップ６
のドアウィンドウガラス７に密接するシール部6gを軟質
材で形成し、その他の部分は硬質材で成形してあるた
め、センターピラー１への取付強度を硬質部分によって
十分確保しつつ、ドアウィンドウガラス７に対しては軟
質分部分でソフトに対応し、ドアウィンドウガラス７の
外面に沿う面の一体感を損なうことがない。

発明の効果 以上説明してきたように、この発明によれば、センタ
ーピラーの取付フランジ部にウェザーストリップのウェ
ルト部を嵌着させてから、センターピラーの前後のフラ
ンジ部に係止部を巻き付けるだけで、ウェザーストリッ
プの取付けが完了するので、組付作業性を向上させるこ
とができるとともに、部品点数を削減できるため、大幅
なコストダウンを実現することができるという実用上多
大な効果を有する。

また、ウエルト部に芯材を内包させて、センターピラ
ーへの固定を主にこのウエルト部で行っているため、ド
アウィンドガラスの閉時にウェザーストリップに強い力
が作用した場合でも、ウェザーストリップの取付け状態
がずれることはなく、安定したシール性を確保すること
ができる。

さらに、ウエルト部よりも車外側に軟質のシール部が
配置されているため、前後のドアウィンドガラスのセン
ターピラー側側縁の間隔を狭くして、外観の向上を図る
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す第２図のＩ−Ｉ線に沿
う断面図、第２図はサッシュレスドアを備えた自動車の
部分側面図、第３図は従来のウェザーストリップの取付
構造を示す第２図のIII−III線に沿う断面図である。 １……センターピラー、1a……フランジ部、６……ウェ
ザーストリップ、6a……ウエルト部、6b……係止部、6e
……芯金、6f……ベース部、6g……シール部、７……ド
アウィンドウガラス、10……インナパネル、20……アウ
タパネル、20a……取付フランジ部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−33341（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−106461（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−16646（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭52−15534（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インナパネルとアウタパネルとの前後側縁
   をフランジ接合してなるセンターピラーにウェザースト
   リップを取付ける構造であって、 前記アウタパネルの中央部位に長手方向に沿って取付フ
   ランジ部を形成する一方、 前記ウェザーストリップは、断面略Ｕ字状の芯材を内包
   する硬質のウエルト部と、該ウエルト部の両側縁からそ
   れぞれ前後に延出する硬質のベース部と、これらベース
   部の側縁からそれぞれ車内側に向かって湾曲しながら延
   出する硬質の係止部と、前記ウエルト部とベース部の車
   外側に配置され、前後のドアウィンドガラスのセンター
   ピラー側の側縁部に密接する軟質のシール部とを一体に
   備え、 前記アウタパネルの中央部位の取付フランジ部に前記ウ
   ェザーストリップのウエルト部を嵌着固定するととも
   に、前記センターピラーの前後のフランジ部に前記ウェ
   ザーストリップの係止部を巻き付けるようにして係着し
   たことを特徴とするウェザーストリップの取付構造。