JPH0659468A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0659468A
JPH0659468A JP4229391A JP22939192A JPH0659468A JP H0659468 A JPH0659468 A JP H0659468A JP 4229391 A JP4229391 A JP 4229391A JP 22939192 A JP22939192 A JP 22939192A JP H0659468 A JPH0659468 A JP H0659468A
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charge
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layer
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JP4229391A
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Inventor
Seiji Ashitani
誠次 芦谷
Takahiro Suzuki
貴弘 鈴木
Masanori Murase
正典 村瀬
Sadao Okano
貞夫 岡野
Koji Bando
浩二 坂東
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高光感度で耐環境安定性に優れ、繰り返し使
用時における残留電位及び白地部電位の繰り返し使用時
における増加が少なく、光感度の減感が抑えられた電子
写真感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、電荷発生材を結着樹脂中に
分散させた電荷発生層及び複数種の電荷輸送材を含む電
荷輸送層を設けてなる積層型電子写真感光体であって、
主たる電荷輸送材が全電荷輸送材重量の少なくとも60
重量%を占め、複数種の電荷輸送材間のイオン化ポテン
シャルの最大−最小の差が0.4eV以下であり、か
つ、(1)いずれの電荷輸送材のイオン化ポテンシャル
も電荷発生材のそれよりも小さいか、または、(2)主
たる電荷輸送材のイオン化ポテンシャルが電荷発生材の
それよりも小さく、従となる電荷輸送材のイオン化ポテ
ンシャルが、電荷発生材のそれよりも0.2eV以上高
いことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、特に、電荷発生層及び電荷輸送層を設けてなる積層
型電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カールソン方式の電子写真複写機におい
ては、感光体表面に帯電させた後、露光によって静電潜
像を形成すると共に、その静電潜像をトナーによって現
像し、次いで、その可視像を紙等に転写、定着させ、ま
た同時に、感光体は、付着トナーの除去や、除電、表面
の清浄化が施され、長期に亘って反復使用される。した
がって、電子写真感光体としては、帯電特性および感度
が良好で、さらに暗減衰が小さい等の電子写真特性は勿
論であるが、加えて繰り返し使用に際しての耐刷性、耐
摩耗性、耐湿性等の物理的性質や、コロナ放電時に発生
するオゾン、露光時の紫外線等への耐性(耐環境性)に
おいても良好であることが要求される。電荷発生機能と
電荷輸送機能とを異なる物質に個別に分担させることに
より、感度が高くて耐久性の大きい有機感光体を開発す
る試みがなされている。この様ないわば機能分離型の電
子写真感光体においては、各機能を発揮する物質を広い
範囲のものから選択することができるので、任意の特性
を有する電子写真感光体を比較的容易に作製することが
可能である。しかしながら、これら電子写真感光体を繰
り返し使用した場合に発生する問題として、 (1)帯電性の低下、残留電位の上昇、白地部(露光
部)電位の増加、光感度の低下等の電子写真特性の劣化
を生じる。 (2)電子写真プロセスにおいては、コロナ放電による
帯電時に、オゾン、その他の活性物質の発生を伴うた
め、これらの活性な物質の影響を受けて、画像ボケの発
生等の画質劣化が生じる。 と言う問題がある。
【0003】これらの問題点を改善するために種々のも
のが提案されており、特開平2−293853号公報に
は、電荷発生材のイオン化ポテンシャルよりも大きいイ
オン化ポテンシャルと、小さいイオン化ポテンシャルと
の二つの電荷輸送材を用いた電子写真感光体が開示され
ている。しかしながら、上記公報に開示のものにおいて
は、上記問題が十分に解決されない場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来の技術における問題点を解決することを目的として
なされたものである。したがって、本発明の目的は、高
光感度で耐環境安定性に優れ、繰り返し使用時における
残留電位及び白地部電位の繰り返し使用時における増加
が少なく、光感度の減感が抑えられた電子写真感光体を
提供することにある。本発明の他の目的は、オゾンによ
る画像ボケ、クリーニング不良による画質汚れ、表面層
である電荷輸送層の耐摩耗性等が改善された電子写真感
光体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意探求
の結果、電荷輸送材を複数種混合して使用し、かつ、こ
れらのイオン化ポテンシャルの差を0.4eV以下に抑
えることにより、電子写真感光体が電子写真特性に優れ
たものとなるばかりでなく、耐オゾン安定性および機械
的な特性が向上することを見出だし、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、導電性基体上に、少なくと
も電荷発生層及び電荷輸送層を設けてなる積層型電子写
真感光体において、電荷発生層が電荷発生材を結着樹脂
中に分散させてなり、該電荷輸送層が結着樹脂と複数種
の電荷輸送材との混合物より、主たる電荷輸送材が全電
荷輸送材重量の少なくとも60重量%を占め、複数種の
電荷輸送材間のイオン化ポテンシャルの最大−最小の差
が0.4eV以下であり、かつ、(1)いずれの電荷輸
送材のイオン化ポテンシャルも該電荷発生材のイオン化
ポテンシャルよりも小さいか、または(2)主たる電荷
輸送材のイオン化ポテンシャルが該電荷発生材のイオン
化ポテンシャルよりも小さく、従となる電荷輸送材のイ
オン化ポテンシャルが、前記電荷発生材のイオン化ポテ
ンシャルよりも0.2eV以上高いことを特徴とする。
【0006】本発明におけるイオン化ポテンシャル(以
下、「Ip」という)とは、電荷輸送材の化合物に光を
照射し、その波長(エネルギー)を変化させながら光電
子を測定した際に、光電子が発生し始めたエネルギーを
その化合物のIpと定義する。
【0007】電荷輸送材のIpを測定する具体的方法と
して、下記の条件による方法を用いることができる。 Ip測定装置:理研計器(株)製、表面分析装置AC−
1(この装置は、大気中において、紫外線励起による光
電子を計数し、サンプル表面を分析するもので、低エネ
ルギー電子計数装置を用いたものである。) 測定時の環境温度及び相対湿度:20℃、60% 計数時間:10秒/1ポイント 光量設定:50μW/cm2 光量補正:上記設定で付属プログラムで補正 エネルギー走査範囲:3.4〜6.2eV 紫外線スポット径:1mmSQ 単位光量子:1×1010個/cm2 ・秒 測定サンプルは、深さ1mm、直径7mmのアルミニウ
ム製のパンに、電荷輸送材の粉末を入れ、電荷輸送材の
粉末表面と紫外線照射位置との距離が2mmとなるよう
に設定する。Ipの算出は、付属の仕事関数算出プログ
ラムに従い、計数値(CPS)の平方根対紫外線励起エ
ネルギーから得た直線部分をバックグラウンドと交わる
点へ外挿し、その点をIpとする。
【0008】図1は、上記方法によって測定されるCP
Sの平方根対紫外線励起エネルギー(eV)の関係を示
す曲線の例、及び該曲線からIpを求める方法を示すグ
ラフである。図1中、10は測定されたCPSの平方根
対紫外線励起エネルギー(eV)の関係を示す曲線、1
1は曲線10の直線部分、12は曲線10のバックグラ
ウンド部分、13は直線部分11の延長線とバックグラ
ウンド部分12の延長線との交点であり、交点13の横
軸(紫外線励起エネルギー軸)上の値がIpである。
【0009】一般に、電荷発生層中で発生したキャリア
の電荷輸送層への有効な注入と、電荷輸送材のイオン化
ポテンシャルとの間には、相関性があることが報告され
ている(例えば、「Photographic Science and Enginee
ring」第21巻、第73頁(1977)及び「IEEE Tra
ns」IA−17巻、第382頁参照)。キャリア注入効
率に最も重要な因子と考えられるイオン化ポテンシャル
は、電荷発生材のイオン化ポテンシャル自体にも非常に
関連しているが、一般には、電荷発生材のイオン化ポテ
ンシャルと電荷輸送材のイオン化ポテンシャルとが近い
と、電子写真特性が定性的に良好になるとされている。
しかしながら、本発明の前記目的を達成するためには、
混合する複数種の電荷輸送材間のイオン化ポテンシャル
の最大−最小の差が0.4eV以下であることが必要で
あり、そして、少なくとも、主たる電荷輸送材のイオン
化ポテンシャルが、電荷発生材のイオン化ポテンシャル
よりも小さいことが必要である。即ち、電荷発生材のイ
オン化ポテンシャルが主たる電荷輸送材のイオン化ポテ
ンシャルよりも大きい場合には、上記構成をとることに
より、本発明の効果は充分発揮される。
【0010】次に、本発明の電子写真感光体を構成する
各層について詳記する。本発明の電子写真感光体におい
て、導電性支持体としては、公知のものならばいかなる
ものでも使用することができる。
【0011】導電性支持体の上には、電荷発生層が形成
されるが、電荷発生層は、電荷発生材を結着樹脂中に分
散させた構成を有する。電荷発生材としては、例えば、
セレン及びセレン合金、CdS、CdSe、CdSS
e、ZnO及びZnS等の無機光導電体;金属または無
金属フタロシアニン顔料;スクエアリウム化合物;アズ
レニウム化合物;ペリレン顔料;インジゴ顔料;キナク
リドン顔料;多環キノン顔料;シアニン色素;キサンテ
ン顔料;ポリビニルカルバゾールとニトロフルオレノン
等からなる電荷移動錯体;ピリリウム塩染料とポリカー
ボネート樹脂からなる共晶錯体等があげられる。
【0012】次に電荷発生材とそのイオン化ポテンシャ
ルを例示する。
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】結着樹脂としては、周知のもの、例えば、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルブチラール、メタクリル
酸エステル重合体または共重合体、酢酸ビニル重合体ま
たは共重合体、セルロースエステルまたはエーテル、ポ
リブタジエン、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いら
れる。電荷発生層の膜厚は、一般に0.01〜5μmの
範囲が好ましい。
【0015】電荷発生層の上には、電荷輸送層が形成さ
れるが、電荷輸送層は、結着樹脂と複数種の電荷輸送材
との混合物より構成される。結着樹脂としては、公知の
ものならば如何なるものでも使用することができ、例え
ば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エステル、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体等があげられる。電
荷輸送材としては、可視光に対して透明であり、かつ、
電荷輸送能力を有するものであれば、特に制限されるも
のではなく、具体的には、イミダゾール、ピラゾリン、
チアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラ
ゾン、ケタジン、アジン、カルバゾール、ポリビニルカ
ルバゾールなど、及びそれらの誘導体、トリフェニルア
ミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体等が
あげられる。以下に、具体的な化合物とそのイオン化ポ
テンシャルを例示する。
【0016】(1)ヒドラゾン化合物
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】(2)スチリルトリフェニルアミン化合物
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】(3)N,N,N′,N′−テトラフェニ
ルベンジジン化合物
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】(4)その他の化合物
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】本発明においては、これらの電荷輸送材の
2種以上が使用されるが、その場合混合する複数種の電
荷輸送材間のイオン化ポテンシャルの最大−最小の差が
0.4eV以下であることが必要である。その差が0.
4eVよりも大きくなると、繰り返し使用時において残
留電位の増加が著しくなり、画像にカブリが生じるよう
になる。本発明においては、また、従となる電荷輸送材
のイオン化ポテンシャルが、前記電荷発生材のイオン化
ポテンシャルよりも0.2eV以上高い組み合わせも使
用できる。本発明において、複数種の電荷輸送材の混合
比率は、主たる電荷輸送材の電荷輸送材全量に占める比
率が、60重量%以上になるようにすることが必要であ
る。主たる電荷輸送材の混合比率が60重量%に満たな
い場合には、相互トラップによる光感度の低下や電荷輸
送材間の分子相溶性の不足による機械的強度の低下など
の不具合が生じる。このことは、混合する複数種の電荷
輸送材の間で、主たる電荷輸送材を含有することが電子
写真特性の改善に効果的であることを示している。電荷
輸送材と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜
1:5の範囲が好ましい。電荷輸送層の膜厚は、一般に
は5〜70μm、好ましくは10〜50μmの範囲に設
定される。電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送できる限
界があるので、膜厚を厚くするのには限界があるが、本
発明における電荷輸送層は、電荷易動度が高く、厚膜の
電荷輸送層にも適している。
【0026】電荷輸送層は、上記の電荷輸送材と結着樹
脂を適当な溶剤に溶解して電荷輸送層形成用塗布液を作
製し、電荷発生層の上に塗布することによって形成する
ことができる。塗布液を形成するための溶剤としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳
香族系炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン
類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハ
ロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテル等の環状または直鎖状のエーテル類等の通常
の有機溶剤があげられ、これらは単独或いは2種以上混
合して用いることができる。塗布方法としては、ブレー
ドコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプ
レーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコー
ティング法、カーテンコーティング法等、公知の方法を
用いることができる。
【0027】本発明の電子写真感光体において、導電性
支持体と電荷発生層との間には、下引き層を設けてもよ
い。下引き層は、帯電時に導電性支持体から電荷発生層
への電荷の注入を阻止すると共に、電荷発生層を導電性
支持体に対して一帯的に接着保持させる作用、或いは場
合によっては支持体からの光の反射光の防止作用を示
す。下引き層に用いる材料としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルアルコール、水溶性ポリエステル、ニトロセルロー
ス、カゼイン、ゼライン等の公知の樹脂を用いることが
できる。また、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニ
ウムアルコキシド等の有機ジルコニウム化合物およびシ
ランカップリング剤を使用して下引き層を形成してもよ
い.ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラブ
トキシド、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネ
ート等があげられる。シランカップリング剤としては、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメ
トキシシラン等をあげることができる。下引き層の膜厚
は、一般には0.01〜5μm、好ましくは0.2〜2
μmに設定される。
【0028】
〔下引き層の形成〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネートの 100重量部 トルエン溶液(ZC540、松本交商社製) (トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート /トルエン=1/1(重量比)) γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 11重量部 H2 NC3 6 Si(OCH3 3 (A1110、日本ユニカー(株)) エチルアルコール 600重量部 n−ブチルアルコール 150重量部 上記成分をスターラーで攪拌し、下引き層形成用塗布液
を調製した。この塗布液を、直径84mmのアルミニウ
ムパイプ上に浸漬塗布法によって塗布し、100℃で5
分間加熱乾燥して、膜厚0.2μmの下引き層を形成し
た。
【0029】〔電荷発生層の形成(1)〕粒状三方晶セ
レン87重量部と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(商品名:ソリューション・ビニル・VMCH、ユニオ
ン・カーバイド社製)13重量部を、酢酸n−ブチル2
00重量部に溶解した溶液とを、アトライターで48時
間分散処理した。次いで、得られた分散液30重量部に
対して酢酸n−ブチル57重量部を加えて稀釈し、浸漬
塗布液を得た。この浸漬塗布液を用い、アルミニウムパ
イプ上の下引き層の上に浸漬塗布し、100℃において
5分間加熱乾燥して、膜厚約0.1μmの電荷発生層を
積層した。
【0030】 〔電荷発生層の形成(2)〕 x型無金属フタロシアニン 2.0重量部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、 積水化学(株)製) 3.0重量部 n−ブチルアルコール 45.0重量部 上記成分からなる混合物をボールミルポットにとり、ミ
ル部材として1/8インチφSUSボールを使用し、2
0時間ボールミーリングした後、さらにn−ブチルアル
コール50重量部を加えて稀釈し、攪拌して電荷発生層
形成用の分散液を調製した。得られた分散液を、下引き
層が形成されたアルミニウム基材上に浸漬塗布法により
塗布し、乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成
した。
【0031】〔電荷発生層の形成(3)〕ポリビニルブ
チラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学
工業(株)製)1重量部をシクロヘキサノン19重量部
に予め溶解した溶液に、ジブロモアントアントロン顔料
(C.I.ピグメントレッド168)8重量部を混合し
た。さらに、1mmφガラスビーズを分散媒として、サ
ンドミルによって分散を行い、分散後にさらにシクロヘ
キサノンを加えて、固形分濃度が約10重量%の塗布液
を作成した。この塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布法
によって塗布し、100℃で10分間加熱乾燥を行い、
膜厚0.8μmの電荷発生層を形成した。
【0032】〔電荷輸送層の形成(4)〕合計10重量
部の電荷輸送材、およびポリカーボネートZ樹脂10重
量部をモノクロルベンゼン80重量部に溶解し、電荷輸
送層形成用塗布液を調製した。この塗布液を、前記電荷
発生層の上に塗布し、100℃で60分間熱風乾燥し
て、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。なお、使用
する電荷輸送材およびその混合割合については、表1お
よび表2(比較例)に示す通りであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】このようにして製造された電子写真感光体
を複写機(VIVACE 500型、富士ゼロックス
(株)製)に装着し、暗部電位(帯電電位)VD が−8
00Vに、また、白地電位VL が−150Vになるよう
に帯電した。その後、100,000枚のコピーの耐久
試験を行い、暗部電位VD と白地電位VL の変化を測定
した。同時に画質評価を行った。その結果を表3および
表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記の構成
を有するから、高光感度で耐環境安定性に優れ、繰り返
し使用時における残留電位が低く、また白地部電位の繰
り返し使用時における増加が少なく、光感度の減感が抑
えられる。さらに、オゾンによる画像ボケやクリーニン
グ不良による画質汚れがなく、電荷輸送層の耐摩耗性も
改善されるので、繰り返し使用した場合に、長期間にわ
たって優れた画質のコピー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定されるCPSの平方根と紫外線励起エネ
ルギーとの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10…測定されたCPSの平方根対紫外線励起エネルギ
ーの関係を示す曲線、11…直線部分、12…バックグ
ラウンド部分、13…交点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 貞夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 坂東 浩二 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層
    及び電荷輸送層を設けてなる積層型電子写真感光体にお
    いて、該電荷発生層が電荷発生材を結着樹脂中に分散さ
    せてなり、該電荷輸送層が結着樹脂と複数種の電荷輸送
    材との混合物よりなり、主たる電荷輸送材が全電荷輸送
    材重量の少なくとも60重量%を占め、複数種の電荷輸
    送材間のイオン化ポテンシャルの最大−最小の差が0.
    4eV以下であり、かつ、いずれの電荷輸送材のイオン
    化ポテンシャルも該電荷発生材のイオン化ポテンシャル
    よりも小さいことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層
    及び電荷輸送層を設けてなる積層型電子写真感光体にお
    いて、該電荷発生層が電荷発生材を結着樹脂中に分散さ
    せてなり、該電荷輸送層が結着樹脂と複数種の電荷輸送
    材との混合物よりなり、主たる電荷輸送材が全電荷輸送
    材重量の少なくとも60重量%を占め、複数種の電荷輸
    送材間のイオン化ポテンシャルの最大−最小の差が0.
    4eV以下であり、かつ、主たる電荷輸送材のイオン化
    ポテンシャルが該電荷発生材のイオン化ポテンシャルよ
    りも小さく、従となる電荷輸送材のイオン化ポテンシャ
    ルが、前記電荷発生材のイオン化ポテンシャルよりも
    0.2eV以上高いことを特徴とする電子写真感光体。
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