JPH065937Y2 - 移動台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は移動台車、詳しくは、下部に走行輪をもつ台車
本体をガイドレールに沿って移動させ、該台車本体の上
部に設ける棚上に収容物を出し入れするようにした移動
台車に関する。

（従来の技術） この種移動台車として、先に、下部に床面上を走行する
走行輪をもつ台車本体の一側方に前後方向に延びるガイ
ド溝を備えたガイドレールを配設する一方、前記台車本
体に前記ガイド溝の側壁に案内されるガイドローラをも
つ支持軸を固定して、前記台車本体を前記ガイドレール
に沿って案内させながら、前記棚上に載置する荷物の荷
重を前記走行輪で受けて移動させるようにしたものを提
案した。（実願昭６１−２１３２１号） （考案が解決しようとする問題点） ところが、以上の如き従来例によると、前記ガイドロー
ラをもつ支持軸が前記台車本体に対し上下方向に移動不
能に固定された構成であることから、例えば、走行輪が
走行する床面に凹凸があって平坦でない場合など前記台
車本体が傾き、この傾きにより前記ガイドローラが前記
ガイドローラのガイド溝から浮上って脱輪する問題があ
った。

本考案の目的は、ガイドローラの支持部材を台車本体に
対し上下方向に移動自由に支持して、該支持部材を弾性
手段により前記ガイドローラがガイドレールのガイド溝
内に正確に位置するよう前記台車本体に対し移動させ、
該台車本体の傾きなどに伴うガイドローラのガイドレー
ルからの脱輪を防止できる移動台車を提供せんとするも
のである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、下部に床面を転動する走行車輪（３）をもつ
台車本体（２）の一側方に前後方向に延びるガイド溝
（８１）を備えたガイドレール（８）を配設する一方、
前記台車本体（２）に前記ガイド溝（８１）の側壁に案
内されるガイドローラ（９）をもつ支持部材（１０）を
設けて成る移動台車であって、前記支持部材（１０）
を、前記台車本体（２）に対し上下方向に移動自由に支
持して、前記支持部材（１０）と前記台車本体（２）と
の間に、前記支持部材（１０）を前記ガイド溝（８１）
の溝底方向に付勢する弾性手段を設けると共に、前記支
持部材（１０）に、前記ガイド溝（８１）の溝底と接触
して前記支持部材（１０）の移動位置を設定し、前記ガ
イドローラ（９）の前記ガイド溝（８１）に対する位置
を、該ガイド溝（８１）の側壁における上下方向中間位
置に規制する規制体（２０）を設けたことを特徴とする
ものである。

（作用） 上記構成により、凹凸のある床面を走行する前記台車本
体（２）が傾いて前記ガイドローラ（９）が前記ガイド
レール（８）のガイド溝（８１）がらはずれようとする
ときには、前記弾性手段により前記支持部材（１０）
を、前記規制体（２０）と前記ガイド溝（８１）の溝底
とが接触する位置まで上下方向に移動させ、前期台車本
体（２）の走行時前記ガイドローラ（９）がガイドレー
ル（８）から脱輪するのを防止できるし、また、前記弾
性手段により前記支持部材（１０）を上下方向に移動さ
せるとき、前記規制体（２０）により前記ガイドローラ
（９）が前記ガイド溝（８１）の溝底に接触するのを防
止することができるのである。

（実施例） 図面は本考案にかゝる移動台車に棚を組合わせた無軌条
移動棚を示し、第３図及び第４図において、（１）は台
車本体（２）の上部で前後に対をなす複数の棚（１ａ）
を組付けた移動棚枠であり、前記台車本体（２）の底部
には、床面を転動する走行車輪（３）となる遊転輪（３
１）と駆動車輪（４）とを備えている。そして、前記台
車本体（２）は例えば一対の固定棚（５）（６）間に、
前後方向に複数個列設し、かつ、これら各台車本体
（２）を台車本体（２）のほゞ１幅分前後方向に移動可
能に配設している。

又前記台車本体（２）の側方空間部には、床面又は側壁
に固定するフレーム（７）を介して前後方向に延びるガ
イド溝（８１）を備えたガイドレール（８）を配設する
一方、前記各台車本体（２）のガイドレール対向側壁に
は、前記ガイド溝（８１）の側壁に案内されるガイドロ
ーラ（９）をもつ支持部材（１０）を設けて、前記台車
本体（２）の移動時、各台車本体（２）を前記ガイドレ
ール（８）に沿わせて移動させるべく構成している。

しかして、以上の如く構成し、主として前記棚（１ａ）
を組合わせて用いた移動台車における前記ガイドローラ
（９）のガイドレール（８）のガイド溝（８１）からの
脱輪防止手段として、前記支持部材（１０）を、前記台
車本体（２）に対し上下方向に移動自由に支持して、前
記支持部材（１０）と台車本体（２）との間に、前記支
持部材（１０）を前記ガイド溝（８１）の溝底方向に付
勢する主としてばね（１６）から成る弾性手段を設ける
と共に、前記支持部材（１０）に、前記ガイド溝（８
１）の溝底と接触して前記支持部材（１０）の移動位置
を設定し、前記ガイドローラ（９）の前記ガイド溝（８
１）に対する位置を、該ガイド溝（８１）の側壁におけ
る上下方向中間位置に規制する規制体（２０）を設けた
のである。

具体的には、前記支持部材（１０）を下面中央に外輪に
ゴムを被着したベアリングから成るガイドローラ（９）
を支軸（１１ａ）を介して支持した支持板（１１）と該
支持板（１１）の上面両端部に立設される一対のスライ
ド杆（１２）（１２）とから形成する一方、前記各台車
本体（２）のガイドレール対向壁に、第４図に示す如く
前記台車本体（２）の前後方向に延出する支持アーム
（１３）を設けると共に、該支持アーム（１３）の両端
部に、前記スライド杆（１２）（１２）の挿通孔（１４
ａ）（１４ａ）をもつ取付板（１４）を取付杆（１４
ａ）を介して設ける。そして該取付板（１４）の挿通孔
（１４ａ）（１４ａ）に前記スライド杆（１２）（１
２）の上端部を挿通させると共に、該上端部にナット
（１５）（１５）を螺着して、前記支持部材（１０）
を、前記取付板（１４）に対し上下方向に移動自由に支
持させ、かつ、前記スライド杆（１２）の外周で、前記
支持板（１１）と取付板（１４）との間にばね（１６）
を介装して、前記支持部材（１０）を前記ガイド溝（８
１）の溝底方向に付勢すべく成す。

更に、前記規制体（２０）として、保持体（２２）に回
転自在に保持され円板状回転体（２１）を用い、該規制
体（２０）を前記支持板（１１）の下面で前記ガイドロ
ーラ（９）の前後位置に配設すると共に、これら両規制
体（２０）（２０）における前記回転体（２１）（２
１）が前記ガイドローラ（９）よりも下方に位置すべく
設け、前記ガイドローラ（９）が前記ガイド溝（８１）
の溝底に接触しないようにしたのである。

図に示す実施例では、ガイドレール（８）として第１，
２図に示す如く上下にガイド溝（８１）（８１）をもつ
Ｈ形の型鋼を用いる一方、前記台車本体（２）に設ける
支持アーム（１３）を前記台車本体（２）の前後方向に
延出して、前記前後ガイドローラ（９）（９）の間隔を
前記台車本体（２）の幅のほゞ２倍と成し、かつ、隣合
う前記台車本体（２）における前記支持アーム（１３）
の取付位置を上下に偏位させて、隣合う前記台車本体
（２）における前後ガイドローラ（９）（９）を異なる
ガイドレール（８）に装入させて、前記台車本体（２）
の走行時に該台車本体（２）が傾いて前記ガイドレール
（８）側に、つまり、ガイドローラ（９）（９）に大き
な偏位抵抗が作用するのを軽減すべく成している。

又、前記遊転輪（３１）としては、第５，６図に示す如
く両端部に一対の車輪（３１）（３１）を回転可能に支
持した軸受部材（３２）を用い、該軸受部材（３２）を
両車輪（３１）（３１）の中間部位で車軸と同一方向の
軸（３３）により揺動自在に前記台車本体（２）の両端
二箇所に取付けている。

又、前記駆動車輪（４）の駆動構造は、第４，５，６図
に示す如く、駆動モータ（４１）により回転駆動する共
通駆動軸（４２）を前記台車本体（２）の中間部に回転
可能に貫通支持させ、該駆動軸（４２）の各台車（２）
内位置に駆動スプロケット（４３）を固設すると共に、
該スプロケット（４３）の半径方向外方に、従動スプロ
ケット（４４）をもつ駆動車輪（４）を一対の支持アー
ム（４５）（４５）を介して前記駆動軸（４２）上に揺
動自在に支持する一方、前記駆動スプロケット（４３）
と従動スプロケット（４４）とをチェン（４６）で連動
すべく掛設し、かつ、前記各支持アーム（４５）（４
５）と台車本体（２）との間に前記駆動車輪（４）を床
面側へ付勢するスプリング（４７）（４７）を介装し
て、該駆動車輪（４）に前記台車本体の全重量が作用す
ることのないように構成している。

本考案は以上の如く構成するもので、移動棚枠（１）の
棚（１ａ）に収容物を出入れするには、前記台車本体
（２）の駆動モータ（４１）を駆動して、共通駆動軸
（４２）、駆動スプロケット（４３）、チェン（４
６）、従動スプロケット（４４）を介装して台車本体
（２）の駆動車輪（４）を回転駆動させて、これら各駆
動車輪（４）により各棚枠（１）を前記ガイドレール
（６）に沿わせて前後方向に走行移動させ、所望の移動
棚枠（１）の棚（１ａ）に物品が出入れできるよう移動
させるのである。

しかして、走行輪（３）が走行する床面が平滑でない場
合など、前記台車本体（２）が傾くと、該台車本体
（２）に設ける支持アーム（１３）が前記ガイドレール
（８）に対し浮上がることになるが、このとき、前記支
持アーム（１３）に支持するガイドローラ（９）も前記
ガイドレール（８）のガイド溝（８１）から浮上がろう
とするのである。

所が、この場合前記支持板（１１）と取付板（１４）と
の間に介装したばね（１６）の押付け作用により前記支
持部材（１０）は、前記規制体（２０）と前記ガイド溝
（８１）の溝底とが接触する位置まで押下げられるの
で、前記ガイドローラ（９）がガイドレール（８）のガ
イド溝（８１）から浮上って脱輪するのを確実に防止で
きるし、また、前記支持部材（１０）の押し下げ時、前
記回転体（２１）が前記溝底に接触して前記ガイドロー
ラ（９）がガイド溝（８１）の溝底に接触するのを防止
できるのである。

また、前記支持部材（１０）の移動位置を設定し、前記
ガイドローラ（９）の前記ガイド溝（８１）に対する位
置を、前記ガイド溝（８１）の側壁における上下方向中
間位置に規制する規制体（２０）として、保持体（２
２）に回転自在に支持された回転体（２１）を用いてい
るので、前記台車本体（２）の走行時、前記回転体（２
１）とガイド溝（８１）との接触による走行抵抗を低く
抑えることができるのである。

尚、前記規制体（２０）の円板状回転体（２１）に代え
て、例えばボールを用いてもい。

又、前記支持部材（１０）の構成として、例えば支持板
（１１）の下方に支軸（１１ａ）を介してガイドローラ
（９）を回転自由に支持する一方、前記支持板（１１）
に固定する支軸（１１ａ）を支持板（１１）上方に延出
して該支軸（１１ａ）をスライド杆として兼用してもよ
い。この場合、該支軸（１１ａ）の上端部を前記取付板
（１４）に対し上下方向に移動自由に支持させ、前記支
持板（１１）と取付板（１４）との間にばね（１６）を
介装する一方、前記支軸（１１ａ）の下端部に規制体
（２０）を設けるのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、下部に床面を転動する走向車輪
（３）をもつ台車本体（２）の一側方に前後方向に延び
るガイド溝（８１）を備えたガイドレール（８）を配設
する一方、前記台車本体（２）に前記ガイド溝（８１）
の側壁に案内されるガイドローラ（９）をもつ支持部材
（１０）を設けて成る移動台車であって、前記支持部材
（１０）を、前記台車本体（２）に対し上下方向に移動
自由に支持して、前記支持部材（１０）と前記台車本体
（２）との間に、前記支持部材（１０）を前記ガイド溝
（８１）の溝底方向に付勢する弾性手段を設けると共
に、前記支持部材（１０）に、前記ガイド溝（８１）の
溝底と接触して前記支持部材（１０）の移動位置を設定
し、前記ガイドローラ（９）の前記ガイド溝（８１）に
対する位置を、該ガイド溝（８１）の側壁における上下
方向中間位置に規制する規制体（２０）を設けたもので
あるから、凹凸のある床面を走行する前記台車本体
（２）が傾いて、前記ガイドローラ（９）がガイドレー
ル（８）のガイド溝（８１）からはずれようとするとき
には、前記弾性手段により前記支持部材（１０）を、規
制体（２０）と前記ガイド溝（８１）の溝底とが接触す
る位置まで上下方向に移動させることができ、前記ガイ
ドローラ（９）が前記ガイド溝（８１）から脱輪するの
を防止できるし、また、前記弾性手段により前記支持部
材（１０）を上下方向に移動させるとき、前記規制体
（２０）により前記ガイドローラ（９）が前記ガイド溝
（８１）の溝底に接触するのを防止することができる。

従って、前記台車本体（２）の前記ガイドレール（８）
に沿う移動が行なえなくなるのを確実に防止できるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動台車の実施例を示す要部の側
面図、第２図は同正面図、第３図は移動台車の側面図、
第４図は移動台車の一部拡大側面図、第５図は台車本体
の側面図、第６図は同じく一部省略平面図である。 （１）……移動棚枠 （２）……台車本体 （３）……走行輪 （８）……ガイドレール （８１）……ガイド溝 （９）……ガイドローラ （１０）……支持部材 （２０）……規制体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に床面を転動する走行車輪（３）をも
   つ台車本体（２）の一側方に前後方向に延びるガイド溝
   （８１）を備えたガイドレール（８）を配設する一方、
   前記台車本体（２）に前記ガイド溝（８１）の側壁に案
   内されるガイドローラ（９）をもつ支持部材（１０）を
   設けて成る移動台車であって、前記支持部材（１０）
   を、前記台車本体（２）に対し上下方向に移動自由に支
   持して、前記支持部材（１０）と前記台車本体（９）と
   の間に、前記支持部材（１０）を前記ガイド溝（８１）
   の溝底方向に付勢する弾性手段を設けると共に、前記支
   持部材（１０）に、前記ガイド溝（８１）の溝底と接触
   して前記支持部材（１０）の移動位置を設定し、前記ガ
   イドローラ（９）の前記ガイド溝（８１）に対する位置
   を、該ガイド溝（８１）の側壁における上下方向中間位
   置に規制する規制体（２０）を設けたことを特徴とする
   移動台車。