JPH0711086B2 - 高強度、高弾性率アクリル系繊維の製造法 - Google Patents

高強度、高弾性率アクリル系繊維の製造法

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JPH0711086B2
JPH0711086B2 JP58128006A JP12800683A JPH0711086B2 JP H0711086 B2 JPH0711086 B2 JP H0711086B2 JP 58128006 A JP58128006 A JP 58128006A JP 12800683 A JP12800683 A JP 12800683A JP H0711086 B2 JPH0711086 B2 JP H0711086B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高強度、高弾性率アクリル系繊維の製造法に関
する。
[従来技術] 従来、アクリル系繊維はその優れた耐光性、染色性およ
び高収縮性等の繊維特性並びにウール・ライクの風合い
によって、衣料用はもちろんカーテン、カーペット等の
建装用繊維素材として大量に生産、販売されている。し
かしながら、このアクリル系繊維は、ポリエステルやポ
リアミド系繊維に比べて発色性や耐光性などに優れてい
るにもかかわらず、機械的強度が低く、産業用途には殆
ど使用されていないのが現状である。
改良されたアクリル系繊維またはその製造法としては、
これまで多くの提案がなされている。例えば、特開昭51
-75119号公報には、紡糸原液として、アクリロニトリル
(以下ANと略す)とそのコモノマーを無機塩濃厚水溶液
に溶解し、触媒の存在下、紫外線を照射して重合せしめ
て得られたAN系重合体(以下、AN系ポリマーという)溶
液を用い、このポリマー溶液を湿式紡糸し、凝固時に延
伸する、具体的には、紡糸口金の開口部の総断面積に対
する単位時間に吐出されるポリマーの量より計算され
る、吐出速度に対する凝固1浴引取速度の比(即ち、紡
糸ドラフト)を3〜4と大きくすることによって、繊維
の表皮部分に方向性組織を生成させた12g/d以上、最大1
6g/dに達する高強度アクリル系繊維が得られることが開
示されている。
また、特開昭57-51810号公報および同57-161117号公報
には、溶液の相対粘度が2.5〜6.0(極限粘度で約1.2〜
3.3)の範囲内であるAN系ポリマーの紡糸原液を湿式紡
糸もしくは乾式紡糸し、湿熱延伸した後、緊張下に加熱
ロール上で乾燥し、次いで140〜200℃の乾熱下に少なく
とも1:1.5の延伸(接触延伸)を行い、有効全延伸倍率
を少なくとも1:9にすること、並びにその後170〜280℃
の乾熱処理を行うことによって、初期モジュールが100
%の伸び率に関して1300CN/tex(147.8g/d)より大きい
アクリル系繊維並びに強度が50CN/tex(5.65g/d)、5
%以下の煮沸巻縮、最大15%引き裂き伸び率を有する耐
アルカリ性のアクリル系繊維が得られることが開示され
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記特開昭51-75119号公報に記載するア
クリル系繊維においては、AN系ポリマーの平均重合度が
大きくなるなると、得られるアクリル系繊維の強度が向
上するが、重合度の増大はポリマーの溶液粘度を増大さ
せるために、技術的に溶液の取扱いが難しくなり、紡糸
が困難になるという問題がある。本発明者らの検討によ
ると、この方法はポリマー溶液(すなわち、紡糸原液)
の製造手段として塩化亜鉛と塩化ナトリウム水溶液中で
紫外線照射ラジカル重合という特殊な重合法を採用して
いるため、ガラスライニングを施した耐蝕性の重合槽を
必要とすること及び重合熱を除去するために特殊な手
段、設備を必要とすることなどの理由で、工業的に採用
された事実はない。さらに、湿式紡糸に際して紡糸ドラ
フトを上記のように大きくすると、紡糸原液中のポリマ
ー濃度を小さくし、溶液粘度を低下させない限り、安定
した紡糸ができないこと、特に重合度が増大すると、溶
液粘度が急激に増大するために、これに対応して紡糸原
液のポリマー濃度を低下せしめる必要がある。そして、
このような紡糸原液のポリマー濃度の減少は、得られる
繊維を失透化させたり、繊維内部でボイドが多発し易く
なるため、必ずしも高強度化をもたらすものではない。
さらに、上記特開昭の方法で得られるアクリル系繊維
は、炭素原子繊維製造用を一つの主用途にしており、当
然のことながら、熱水中で一次延伸し、乾燥した後、無
張力下、加熱ロールを通過させ、弛緩乾熱処理すること
を要件としているため弾性率の向上は望めないという欠
点がある。
一方、前記特開昭57-51810号公報および同57-161117号
公報におけるアクリル系繊維においては、AN系ポリマー
の重合度の増大が、該ポリマーからなる紡糸原液の紡糸
性を急激に低下させ、安定した紡糸を著しく困難にする
また、この紡糸性改良のために溶液濃度を小さくする
と、得られる繊維の物性、性能が低下するなどの問題が
ある。
また、上記特開昭で得られる繊維の物性は弾性率は高い
値を示しているが、引張強度は増大9.3g/dにすぎない。
本発明物らは、このような高重合度AN系重合体の紡糸、
延伸方法について鋭意研究、検討を進めた結果、本発明
の新規な高強度、高弾性率アクリル系繊維の製造法を見
出すに至ったものである。
すなわち、本発明の課題は、従来の汎用紡糸手段である
湿式または乾式紡糸法をもって紡糸が困難であり、しか
も良好な物性、性能を有する繊維の形成が難しい高重合
度AN系ポリマー、特に、極限粘度が2.0以上3.5以下のAN
系ポリマーからなるアクリル系繊維提供するにある。ま
た他の課題は、上記の高重合度AN系ポリマーから工業用
または産業用あるいは補強用繊維として要求される高強
度、高弾性率を有するアクリル系繊維を生産性よく、す
なわち商業的に製造する方法を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の上記課題は、 極限粘度が2.0以上3.5以下であるアクリロニトリル系重
合体を該アクリロニトリル系重合体の溶媒にポリマー濃
度が10〜15重量%になるように溶解し、45℃における溶
液粘度が2000ポイズ以上5200ポイズ以下の紡糸原液を作
製し、この紡糸原液を乾湿式紡糸した後、湿熱または蒸
熱下2〜8倍の一次延伸を行い、水洗、乾燥の各工程を
経由せしめた後、乾熱で1.5倍以上の延伸を施し、有効
全延伸倍率を乾湿式紡糸出の未延伸糸条の12倍以上とす
ることを特徴とする引張強度が10g/d以上、弾性率が180
g/d以上およびX線結晶配向度が93%以上である高強
度、高弾性率アクリル系繊維の製造法、によって解決す
ることができる。
すなわち、本発明の製造法により得られるアクリル系繊
維における特徴の一つは、ANポリマーとして、その極限
粘度が2.0以上3.5以下の高重合度を有するポリマーを用
いることにある。極限粘度が2.0に満たないと引張強度1
0g/d以上、弾性率が180g/d以上の繊維物性を達成するこ
とが困難となり、極限粘度が3.5を超える原液粘度の著
しい低下を招き、12倍以上の延伸を行なうことが困難と
なるため目的とする物性が得られない。
本発明の製造法により得られるアクリル系繊維の引張強
度が10g/d以上、弾性率は180g/d以上とするものであ
る。引掛強度が10g/d未満、弾性率180g/d未満では、本
発明で目的とする工業用、産業用、特に石綿代替繊維用
度に用いるには不十分である。
このような高重合度ポリマーは、好ましくは98重量%
(以下、wt%という)以上のアクリロニトリルと、3wt
%以下のアクリロニトリルと共重合体を有するビニル化
合物からなるAN系ポリマーであって、極めて特異な紡糸
性を示し、通常の紡糸手段を以てしては安定、かつ生産
性良く紡糸することができない。たとえば、上記高重合
度AN系ポリマーは溶媒に対する溶解性が低下し、慣用の
溶媒の一つであるロダンソーダ、塩化亜鉛等の濃厚水溶
液、硝酸などに溶解した場合に、溶液がゲル化しやす
く、均一で安定な紡糸原液が得られず、紡糸性が著しく
低い。
また、ジメチルホスホキシド(以下、DMSOという)のよ
うな溶解性に優れた溶媒を使用した場合は、紡糸原液の
濃度が大きくなると、紡糸口金からの吐出が困難とな
り、通常の紡糸手段では紡糸ができず、他方、紡糸性を
得るために紡糸原液のポリマー濃度を低下させると、凝
固糸条中にボイドが形成され、延伸による糸切れが生じ
たり、毛羽の多い繊維糸条しか得られず、しかも繊維の
物性も従来のアクリル系繊維に比べて必ずしも高強度、
高弾性率を示すものではないのである。
このような物性、延伸性の低下は、AN系重合体の極限粘
度が高くなると、通常の湿式紡糸をもっては、少なくと
も生産性よく紡糸することが技術的に著しく困難になる
のである。
このような重合度(極限粘度)の増大に伴う紡糸もしく
は製糸上の欠陥が、繊維の引張強度や弾性率の大幅な向
上を困難にするものと推定されるが、本発明において
は、後述する特定の紡糸手段をこの高重合度AN系重合体
の紡糸に適用することによって、上記問題を解消し、本
発明の卓越した高物性AN系繊維の製造を可能にしたもの
である。
すなわち、前記極限粘度が2.0以上3.5以下のAN系重合体
からなる、強度が10g/d以上、弾性率が180g/d以上およ
びX線結晶配向度が93%以上の高強度高弾性率AN系繊維
は、前記重合体を乾湿式紡糸することによって初めて工
業的に得ることができ、工業的な汎用紡糸法である湿式
あるいは乾式紡糸法によっては得ることができないので
ある。
乾湿式紡糸、すなわち紡糸原液を直接凝固液体浴に吐出
しないで、一旦空気あるいは他の不活性雰囲気の微小空
間に吐出し、次いでこの吐出糸条を凝固浴中に導いて糸
条を形成させる紡糸法そのものは公知であるが、前記特
定の高強度、高弾性率および高X線結晶配向度のAN系繊
維が特定の極限粘度を有するAN系重合体を乾湿式紡糸す
ることによってのみ得られるという事実は、これまでの
当技術分野では全く知られていない。
以下、本発明における乾湿式紡糸の具体的態様について
詳述する。
まず、極限粘度が2.0以上3.5以下のAN系重合体の製造法
としては、公知の懸濁重合、乳化重合及び溶液重合など
が、いずれも用いられるが、これらのうち最も好ましい
重合法は、溶液重合である。
ここで、該AN系重合体はその重合度が大きいために溶解
性が低下し、紡糸安定性の良好な紡糸原液が得られない
ことがある。このため上記高粘度ポリマーにおいては、
溶剤の選択が重要である。その溶剤としては、たとえ
ば、DMSO,N、N′−ジメチルアセトアミド(DMA),N,
N′−ジメチルホルムアミド(DMF),ロダンソーダ,塩
化亜鉛の水溶液、硝酸などであるが、好ましくはDMSOで
ある。
また、45℃における溶液粘度は2000ポイズ以上5,200ポ
イズ以下の範囲内とするものである。45℃における溶液
粘度が2,000ポイズよりも小さくなると、ポリマー濃度
が低すぎるため強伸度的性質が低下するし、製造コスト
面でも不利になることがある。一方、この溶液粘度が5,
200ポイズを越えると、紡糸性が低下し、生産性が低下
する。
ポリマー濃度としては、10〜15wt%の範囲内にするもの
である。ポリマー濃度が10wt%未満の場合には、粘度が
低くなり曳糸性が劣るうえ、得られる繊維の緻密性が低
下し、十分な繊維強度が得られないという問題があり、
一方、ポリマー濃度が15wt%を越える場合には粘度が高
くなりすぎて紡糸性、延伸性が低下し、所望の引張強
度、弾性率が得られない。
本発明における極限粘度は、次の測定法によって測定さ
れる値である。すなわち、75mgの乾燥したポリマー(サ
ンプル)を25mlのフラスコに入れ、0.1Nチオシアン酸ソ
ーダを含むジメチルホルムアミドを加えて溶解する。得
られた溶液をオストワルド粘度計を用いて25℃で比粘度
を測定し、次式に従って極限粘度を算出する。
このような極限粘度、溶液粘度を有する紡糸原液は、凝
固浴面上に設置された紡糸口金を通して吐出され、吐出
糸条は不活性雰囲気中、たとえば、空気中を走行した
後、凝固浴中に導かれる。
ここで、吐出糸条が不活性雰囲気中を走行する距離(す
なわち、口金面から凝固浴面までの距離)は、紡糸原液
の溶媒、粘度などにより異なるが、通常1〜200mm、好
ましくは3〜20mmに設定するのがよい。特に、本発明の
高強度、高弾性率繊維を安定的に製造するためには、上
記不活性雰囲気走行距離が1mm以下では好ましくない
し、他方200mmを越えると紡糸安定性が低下し、一定品
質の繊維が得られなくなるので好ましくない。
凝固浴としては、湿式紡糸法と同様にポリマーの溶剤と
共通の溶媒水溶液が用いられ、ここで凝固した糸条は、
熱水中および/または蒸熱下で洗浄、脱溶媒されながら
2〜8倍に延伸される。延伸倍率が2倍に満たないと、
延伸による繊維の緻密化が不完全となり、また延伸倍率
が8倍を越えると、延伸時の糸切れが多発し、目的とす
る繊維物性を得ることは困難となる。
更に乾燥緻密化を行った後、乾熱で1.5倍以上の延伸を
行い、全延伸倍率を12倍以上とする。乾熱延伸の倍率
が、1.5倍未満の場合には、繊維の実質的な配向が不十
分となり、引張強度10g/d以上、弾性率が180g/d以上を
達成することが困難になるという問題があり、全延伸倍
率が12倍未満の場合にも同様の問題がある。
この際の乾熱延伸温度としては、好ましくは150〜270
℃、より好ましくは200〜250℃である。
かくして得られる本発明の製造法によるAN系繊維は、引
張強度が10g/d以上、弾性率が180g/d以上という,従来
のAN系繊維とは比較にならない極めて大きい機械的性質
を有している。
本発明の製造法によりAN系繊維がこのような高強度高弾
性を示す理由は十分に明らかではないが、該繊維を構成
する高重合度AN系重合体が繊維軸方向に高度に配向され
ているためと考えられ、その根拠として本発明の製造法
によるAN系繊維は、X線結晶配向度が93%以上の値を示
すことが挙げられる。
従来の衣料用の汎用AN系繊維においても、高度に延伸を
行ったときは、90%を越えるX線結晶配向度を示すこと
があるが、重合度の増大に伴ってAN系繊維のX線結晶配
向度を向上させることは著しく困難になり、本発明の製
造法によるAN系繊維が2.0以上3.5以下の極限粘度を有す
るポリマーから構成されているにも拘らず、93%以上の
X線結晶配向度を示すことは驚くべきことである。X線
結晶配向度が93%未満であると、目的とする配向度が達
成されず、本発明の引張強度、弾性率を満足する繊維を
得ることが困難となる。
ここでいうX線結晶配向度とは、高分子化学(高分子学
会編)、第23巻、第252号、第197頁に記載するX線回折
法に準じて求めて値である。すなわち、X線回折は理学
電機製自記記録装置によって行なった。試料繊維を少量
のコロジオンで幅2.5mm,長さ40mm、厚み60mg/cm2の棒状
に成形し、透過法で測定する。測定条件はCuKα(Niフ
ィルターのみ),35Kv15mA,入射スリットピンホール径1m
m、受光スリット発散角1°。
デバイ環上のパラトロープ干渉強度をGMカウンターを走
査させて測定し、その半価幅Hから次式によりX線結晶
配向度(%)を求めた。
X線結晶配向度(%)=[(180−H)/180]×100 [実施例] 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1、比較例1 AN97wt%、アクリル酸メチルwt%の仕込み組成で水系乳
化重合を行い、極限粘度を変更したAN系重合体を作製し
た。得られた重合体の極限粘度は、それぞれ1.2、1.8、
2.0、2.2、3.1、3.5、3.8であった。この重合体を各々D
MSOに溶解し、溶液粘度が2000ポイズとなるように紡糸
原液を作製した。
これらの紡糸原液を用いて、湿式および乾湿式紡糸を行
い、得られた繊維の強度、弾性率およびX線結晶配向度
を測定し、その結果を第1表に示した。
なお、凝固浴は20℃の55wt%DMSO水溶液を用い、1浴引
取速度2m/minとした。また、乾湿式紡糸の場合の空間部
分の長さは10mmとした。得られた未延伸糸は熱水中で6
倍延伸し、水洗後、110℃で乾燥を行い、乾熱チューブ
で最高延伸率で延伸し、評価した。
極限粘度が2.0以上3.5以下のAN系重合体を用いた乾湿式
紡糸品は、すぐれた強度、弾性率およびX線結晶配向度
を有していることがわかる。
実施例2、比較例2 AN99wt%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ナトリウム1wt%の組成比でDMSO中の溶液重合
を行い、極限粘度3.3のAN系重合体を得た。
濃縮によってポリマー濃度を変更し、9wt%,12wt%,15w
t%,17wr%の紡糸原液を作製した。45℃の粘度は、それ
ぞれ500、2,100、5,200、10,500ポイズであった。
この紡糸原液を80℃に加温し、空間部の長さを10mmとし
て、10℃,50wt%DMSO水溶液中に吐出し、凝固糸を得
た。凝固糸を熱水中で7倍延伸し、100℃で緊張乾燥
後、さらに乾熱チューブを用いて、220℃で1.8倍延伸を
行った。得られた繊維の物性評価を行い、第2表にまと
めた。
実施例3〜6、比較例3〜4 極限粘度3.2のポリアクリロニトリルをDMSOにポリマー
濃度が14重量%になるように溶解し、溶液粘度が3500ポ
イズの紡糸原液を作製した。得られた紡糸原液を、原液
温度80℃に保ち、孔径0.15mm、孔数1000の口金を通し
て、温度15℃の50wt%DMSO水溶液からなる凝固浴中に乾
湿式紡糸を行なった。なお、この時の口金面と凝固浴液
面の距離は6mmに設定した。
得られた凝固糸を30℃の水中で水洗し、90℃の熱水中で
第3表に示すように延伸倍率を変更し、さらに温度130
℃の乾燥ロールで乾燥後、190℃の加熱空気チューブを
用いて2次延伸を行なった。結果を第3表に示す。比較
例3の乾燥糸はやや失透気味で2次延伸倍率が上がら
ず、また、比較例4では、熱水延伸中に延伸切れとみら
れるケバが発生し、2次延伸を安定に行なうことができ
なかった。
[発明の効果] 本発明の製造法によるAN系繊維は、AN系繊維の特長であ
る染色堅牢性および耐光、耐候性に加えて、その引張強
度が10g/d以上、弾性率が180g/d以上およびX線結晶配
向度が93%以上と著しく大きいために、従来のAN系繊維
を使用できなかった産業資材用途はもちろんのこと、繊
維を補強材もしくは強化材とする各種の複合材料(コン
ポジット)用として、あるいは炭素繊維製造用プレカー
サとしてAN系繊維の用途を大きく拡大することができ
る。
また、上記した高強度,高弾性率および高X線結晶配向
度のアクリル系繊維を工業的規模で,容易に,生産性よ
く,製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−161117(JP,A) 特開 昭57−51810(JP,A) 特開 昭53−81724(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度が2.0以上3.5以下であるアクリロ
    ニトリル系重合体を該アクリロニトリル系重合体の溶媒
    にポリマー濃度が10〜15重量%になるように溶解し、45
    ℃における溶液粘度が2000ポイズ以上5200ポイズ以下の
    紡糸原液を作製し、この紡糸原液を乾湿式紡糸した後、
    湿熱または蒸熱下2〜8倍の一次延伸を行い、水洗、乾
    燥の各工程を経由せしめた後、乾熱で1.5倍以上の延伸
    を施し、有効全延伸倍率を乾湿式紡糸出の未延伸糸条の
    12倍以上とすることを特徴とする引張強度が10g/d以
    上、弾性率が180g/d以上およびX線結晶配向度が93%以
    上である高強度、高弾性率アクリル系繊維の製造法。
  2. 【請求項2】アクリロニトリル系重合体が97重量%以上
    のアクリロニトリルと3重量%以下の共重合性を有する
    ビニル系化合物からなるアクリロニトリル系重合体であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の引
    張強度が10g/d以上、弾性率が180g/d以上およびX線結
    晶配向度が93%以上である高強度、高弾性率アクリル系
    繊維の製造法。
  3. 【請求項3】アクリロニトリル系重合体の溶媒がジメチ
    ルスルホキシドであることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項記載の引張強度が10g/d以上、弾性率が180g/
    d以上およびX線結晶配向度が93%以上である高強度、
    高弾性率アクリル系繊維の製造法。
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