JPH0658237U - 小型モータの焼結含油軸受 - Google Patents
小型モータの焼結含油軸受Info
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- JPH0658237U JPH0658237U JP920493U JP920493U JPH0658237U JP H0658237 U JPH0658237 U JP H0658237U JP 920493 U JP920493 U JP 920493U JP 920493 U JP920493 U JP 920493U JP H0658237 U JPH0658237 U JP H0658237U
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- impregnated bearing
- sintered oil
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型モータのロータ軸を回転自在に支持する
焼結含油軸受の構造を、かしめによりモータフランジ等
へ取り付ける際、軸穴に軸穴矯正ピンを挿入しなくて
も、かしめによって発生する応力によって軸穴が変形し
ないようにする。 【構成】 焼結含油軸受1の一面または両面に、一また
は二以上の連続した溝3を軸穴2に対して同心円状に形
成した。
焼結含油軸受の構造を、かしめによりモータフランジ等
へ取り付ける際、軸穴に軸穴矯正ピンを挿入しなくて
も、かしめによって発生する応力によって軸穴が変形し
ないようにする。 【構成】 焼結含油軸受1の一面または両面に、一また
は二以上の連続した溝3を軸穴2に対して同心円状に形
成した。
Description
【0001】
この考案は、OA機器のプリンタの紙送りや自動車のオドメータ駆動等に使用 される永久磁石型ステッピングモータ等の小型モータの軸受部に関するものであ る。
【0002】
従来の小型モータ用の軸受は、通常、油分を含んだ銅系粉末あるいは鉄系粉末 の焼結体でできており、焼結含油軸受と呼ばれ第6図に示すように中央にロータ 軸を回転自在に支持するための軸穴をもった円筒形あるいは段付部のある円筒形 をしていて、かしめによりモータフランジ等へ取り付けられていた。
【0003】
例えば、段付部のある円筒形をした焼結含油軸受をステンレス鋼や電磁軟鉄等 で出来たモータフランジへ取り付けるには、第8図に示すように、まず、下型1 1に焼結含油軸受1を挿入し、その小径部1aにモータフランジ13の内径穴を 通し、ストッパー12でモータフランジ13を固定しつつ、かしめパンチ15を 押下して、かしめパンチ15と一体化している軸穴矯正ピン14を軸穴2に挿入 してから、かしめパンチ15により焼結含油軸受1の小径部1a端部を張り出さ せるように変形させてモータフランジ13から抜けなくすることによって行われ る。そして、かしめた後かしめパンチ15を上に引き上げるとともに軸穴2から 軸穴矯正ピン14を引き抜いて取り付けが終了する。
【0004】 この時、軸穴2に軸穴矯正ピン14を挿入するのは、かしめの応力がかしめパ ンチ15の当たる小径部1a端部より軸穴2に向かって働き軸穴2が変形するの を防ぐためである。 しかし、これには次のような問題がある。それは、焼結含油軸受は細かい気孔 を持った焼結体であり、この気孔に潤滑油を含油した構造になっており、この潤 滑油が軸穴の内径面に形成された微細な気孔組織より滲みだし、ロータ軸を回転 自在に支持するとき、ロータ軸と軸穴の内径面に油膜を形成し円滑なロータ軸の 回転作用を助長しているのであるが、軸穴矯正ピンを軸穴から引き抜く時に摩擦 により気孔組織をつぶしてしまうのである。 これにより、潤滑油の滲みだしが阻害されロータ軸と軸穴の内径面の間の油膜 が十分に形成できなくなり、ロータ軸は勿論、焼結含油軸受自身の磨耗が早めら れモータの品質を低下させることになるのである。
【0005】 本考案は、上記した背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ は、焼結含油軸受をかしめによってモータフランジ等へ取り付けるのに、軸穴矯 正ピンを使用しなくても、かしめの応力によって軸穴の変形をきたさない小型モ ータの焼結含油軸受を提供することにある。
【0006】
そこで、上記した目的を達成するために、本考案では、ロータ軸を回転自在に 支持する小型モータの焼結含油軸受の一面または両面に一または二以上の連続し た溝を軸穴に対して同心円状に形成した。
【0007】
このような構造にしたものの一例として段付部のある焼結含油軸受1をモータ フランジ13へかしめによって取り付ける様子を第7図に示しているが、これに よれば、第8図に示すように従来のように軸穴矯正ピン14を軸穴2に挿入しな くても、かしめによる応力がかしめパンチ15のかかる小径部1a端部より軸穴 2へ向かう間に軸穴2の周囲に同心円状に形成された溝3のもつ緩衝効果によっ て弱められてしまい、軸穴2が変形することがなくなるので軸穴2内径面の気孔 組織が正常に温存され円滑な潤滑油の滲みだしが行われる。
【0008】
以下、本考案に係わる小型モータの焼結含油軸受の好適な実施例を添付図面を 参照にして詳しく説明する。 尚、各実施例では代表的なものとして銅系の含油焼結合金で出来た段付部のあ る焼結含油軸受の例について説明する。 実施例1 図1(a)は実施例1を示す平面図であり、図1(b)は(a)のA−A’断 面図である。これらの図から明らかなように、実施例1のものは焼結含油軸受1 の小径部1aの平面に連続した1つの溝3を軸穴2に対して同心円状に形成して いる。 そしてこの溝3の断面形状は前記焼結含油軸受1を中心軸を含む平面で切断し た場合には、中心軸に対して平行でやや深めの縦長の長方形をしている。
【0009】 このようにした焼結含油軸受1をかしめによってモータフランジ13へ取り付 けるにあたっては、かしめの応力によって軸穴2が変形するのを防ぐために、軸 穴矯正ピン14を軸穴2に挿入する必要がなくなる。
【0010】 すなわち、かしめによる応力がかしめパンチ15の当たる焼結含油軸受1の小 径部1a端部より軸穴2に向かって作用するとき、途中にある溝3の持つ緩衝効 果により弱められてしまうからである。
【0011】 それゆえ、軸穴2は軸穴矯正ピン14が不要になり、そのために軸穴矯正ピン 14を引き抜く際に起きるような軸穴2内径面に形成された気孔組織をつぶすこ とがなく円滑な潤滑油の滲みだしが行われる。
【0012】 実施例2 図2(a)は実施例2を示す平面図であり、図2(b)は(a)のA−A’断 面図である。これらの図から明らかなように、実施例2のものは実施例1と同じ ように形成された溝3の断面形状を変えたものである。
【0013】 これは、焼結含油軸受1を中心軸を含む平面で切断した場合に、断面形状を中 心軸側の面を中心軸に対して平行に外径よりの面を中心軸に対して急角度を持た せたやや深めの縦長の直角三角形にしている。
【0014】 この場合も、かしめによる応力がかしめパンチ15の当たる焼結含油軸受1の 小径部1a端部より軸穴2に向かって働くとき、上記した溝3により弱められて しまうので軸穴2に軸穴矯正ピン14を挿入する必要がなくなり実施例1のもの と同様に軸穴2内径面に形成された気孔組織を正常に温存できる。
【0015】 実施例3 図3(a)は実施例3を示す平面図であり、図3(b)は(a)のA−A’断 面図である。これらの図から明らかなように、実施例3のものは実施例1及び実 施例2で示した溝3の形状をさらに工夫したものである。
【0016】 この例では、1つの連続した溝3を焼結含油軸受1の小径部1aの平面に軸穴 2に対して同心円状に形成したのは実施例1及び実施例2の場合と同じであるが 、実施例1及び実施例2のものは溝3を軸穴2と外径の間に形成しているのと違 って溝3の軸穴2側は小径部1aの外径と軸穴2の間に、溝3の外径側は小径部 1aの端より形成されている。
【0017】 そして溝3の断面形状は、この焼結含油軸受1を中心軸を含む平面で切断した 場合に、軸穴2側の面は中心軸に対して平行に外径よりの面は中心軸に対して緩 やかな傾斜をもたせたやや浅めの横長の直角三角形にしている。 実施例1及び実施例2のものの溝3は幅よりも深さの方が大きいのに比べ実施 例3のものの溝3は深さより幅の方が大きいのが特徴である。
【0018】 この場合も軸穴2に軸穴矯正ピン14を挿入しないでかしめによりモータフラ ンジ13へ取り付けても溝3のもつ緩衝効果により軸穴2の変形をきたすことが なく、軸穴2内径面に形成された気孔組織を正常に温存することが出来る。
【0019】 実施例4 図4(a)は実施例4を示す平面図であり、図4(b)は(a)のA−A’断 面図である。これらの図から明らかなように、実施例4のものは実施例1、2、 3のものが焼結含油軸受1の小径部1aの平面に1つの溝3を形成したものであ るのに対して同じような溝3を軸穴2と小径部1aの外径の間に軸穴2に対して 同心円状に2つ形成したものである。
【0020】 そしてこの場合の溝3の断面形状は、この焼結含油軸受1を中心軸を含む平面 で切断した場合に、2つの溝3はそれぞれ中心軸に対して平行でやや深めの縦長 の長方形をしているが、軸穴2側の溝3より外径側の溝3の方が深さが深くなっ ている。
【0021】 これは、焼結含油軸受1をモータフランジ13へかしめにより取り付けた際に かしめによる応力がかしめ位置の小径部1a端部より軸穴2方向へ向かって働く とき、外径側の溝3のほうにより大きく作用するから、その応力を弱めるために 外径側の溝3の方の深さを深くしたのである。 軸穴2側の溝3は外径側の溝3により弱められた応力がわずかに作用するだけ なので、溝3の深さは外径側ほど深くなくてもよい。
【0022】 この実施例の場合も2つの溝3のもつ緩衝効果により焼結含油軸受1をモータ フランジ13へかしめにより取り付ける際に軸穴2に軸穴矯正ピン14を挿入し ないでも軸穴2の変形が起きず、軸穴2内径面に形成された気孔組織を正常に温 存できる。
【0023】 実施例5 図5(a)は実施例5を示す平面図であり、図5(b)は(a)のA−A’断 面図である。これらの図から明らかなように、実施例5のものは実施例4で形成 したような2つの溝3を焼結含油軸受1の小径部1a側の平面と大径部1b側の 平面の軸穴2と外径の間にそれぞれ1つずつ軸穴2に対して同心円状に形成した ものであり、小径部1a側の平面に形成された溝3の方が大径部1b側の平面に 形成された溝3よりも軸穴2に対して遠い位置にある。
【0024】 そしてこれらの溝3の断面形状は、焼結含油軸受1を中心軸を含む平面で切断 したときに、それぞれ中心軸に対して平行でやや深めの縦長の長方形をしていて 、小径部1a側の平面に形成された溝3の方が大径部1b側の平面に形成された 溝3よりも深さが深くなっている。
【0025】 このようにした溝3を設けると実施例4と同様なかしめの応力緩衝効果を得る ことができ、かしめ時に軸穴2に軸穴矯正ピン14を挿入しなくても軸穴2の変 形をきたすことがなく、軸穴2内径面に形成されている気孔組織を正常に温存で きる。
【0026】 以上本考案の実施例を説明したが、本考案はこのような実施例のみに限定され るものではない。焼結含油軸受の形状は本実施例のような段付部のある円筒形の ものでも、ストレートな円筒形の物でもよいし、溝の形状や個数についても焼結 含油軸受の大きさ、外形、材質に応じて適宜変更することができる。
【0027】
これまで詳細に説明してきたように、本考案に係わる焼結含油軸受を使用すれ ば、かしめによってモータフランジ等へ取り付ける際、かしめにより発生する応 力がかしめ位置から軸穴に届く前に軸穴の周囲に形成された溝の持つ緩衝効果に より弱められてしまい軸穴に軸穴矯正ピンを挿入しなくても軸穴の変形をきたす ことなく取り付けることができる。
【0028】 従って、従来の軸穴矯正ピンを必要とする焼結含油軸受が軸穴矯正ピンを引き 抜く際、軸穴内径面に形成されている気孔組織をつぶすような事態は発生せず、 円滑な潤滑油の滲みだしがこの気孔組織から行われ、焼結含油軸受内径面とロー タ軸の間に正常な油膜形成が行われ、ロータ軸の滑らかな回転を助長することに なり小型モータそのものの品質を向上させることになる。 併せて、かしめ工程において、軸穴矯正ピンを挿入する必要がなくなるため、 金型、治工具等の設備が簡略になり作業能率も向上する。
【図1】(a)は本考案の第1実施例による焼結含油軸
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図2】(a)は本考案の第2実施例による焼結含油軸
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図3】(a)は本考案の第3実施例による焼結含油軸
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図4】(a)は本考案の第4実施例による焼結含油軸
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図5】(a)は本考案の第5実施例による焼結含油軸
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
受の平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図6】(a)は従来の焼結含油軸受の平面図、(b)
は(a)のA−A’断面図である。
は(a)のA−A’断面図である。
【図7】本考案による焼結含油軸受を使用した場合のか
しめ工程の断面図である。
しめ工程の断面図である。
【図8】従来の焼結含油軸受を使用した場合のかしめ工
程の断面図である。
程の断面図である。
1.焼結含油軸受 1a.小径部 1b.大径部 2.軸穴 3.溝 11.下型 12.ストッパー 13.モータフランジ 14.軸穴矯正ピン 15.かしめパンチ
Claims (1)
- 【請求項1】 小型モータの軸受部において、一面また
は両面に軸穴に対して一又は二以上の同心円状の溝を形
成したことを特徴とする小型モータの焼結含油軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP920493U JPH0658237U (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 小型モータの焼結含油軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP920493U JPH0658237U (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 小型モータの焼結含油軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0658237U true JPH0658237U (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=11713954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP920493U Pending JPH0658237U (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 小型モータの焼結含油軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0658237U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008008401A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Sanyo Electric Co Ltd | 含油メタル軸受 |
JP2023505546A (ja) * | 2020-09-03 | 2023-02-09 | 安徽威▲靈▼汽▲車▼部件有限公司 | ポンプ装置及び車両 |
-
1993
- 1993-01-27 JP JP920493U patent/JPH0658237U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008008401A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Sanyo Electric Co Ltd | 含油メタル軸受 |
JP2023505546A (ja) * | 2020-09-03 | 2023-02-09 | 安徽威▲靈▼汽▲車▼部件有限公司 | ポンプ装置及び車両 |
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