JPH0657911A - 裏目地タイル張り工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 目地が均一幅、均一深さの美麗且つ高精度の
タイル壁面を構築する。 【構成】 １８０度反転させた複数のタイルをシート材
裏面に規則的に配列接着し、かかるタイル間の間隔部に
仮目地材を嵌入接着してタイルユニット５と成し、該タ
イルユニット５裏面に目地モルタル１２を塗込むと共に
壁部に塗付けた張付モルタル１１に順次圧着し、その後
シート材を剥離して均一幅、均一深さの目地を形成した
タイル壁面を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタイル張りと目地詰めを
同時に行う様にした裏目地タイル張り工法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンクリート構築物における壁面
へのタイル張り工法で代表的なものとしては、第１に壁
面に塗付けた張付モルタルにタイルを一枚毎圧着する工
法、第２に碁盤目状に配列した複数のタイルの表面に連
結紙を接着して成るユニットを壁面に塗付けた張付モル
タルに圧着すると共に、該張付モルタルの養生硬化後に
連結紙を剥離する工法が挙げられる。

【０００３】しかし、第１のタイル張り工法においては
作業効率が非常に悪い欠点を有し、而もその作業はタイ
ル職人の感覚、経験に基づいて行われるために熟練職人
でなければ出来ないが、その熟練職人であっても目地幅
が不均一となったり、タイル自体が歪んで張り付けられ
ることが多く、構築されたタイル壁面の精度が劣る欠点
を有し、又第２のタイル張り工法においては連結紙の伸
縮が大きく、而も各ユニット毎にその伸縮量が異なるた
め、目地並びが不均一となる欠点を有していた。

【０００４】又、上記両工法において張り付けられたタ
イルへの目地詰め工法としては、第１に先ずタイルを張
り付けた壁面全面に目地モルタルを塗付けると共に、該
目地モルタルが半硬化した後にタイル表面に付着した目
地モルタルを除去し、タイル間に残った目地モルタルを
目地と成す工法、第２に目地の一本毎に目地モルタルを
詰める工法のどちらかが採られていた。

【０００５】しかし、例えばタイル表面が粗面又は凸凹
状であった場合、第１の目地詰め工法においてはその凹
部に目地モルタルが詰まったり、又第２の目地詰め工法
においても作業中に目地モルタルが凹部に落下付着した
り、詰め込んだ目地モルタルが食み出して凹部に入り込
むことが容易に起こるため、不要な目地モルタルの除去
作業が余分に必要となって二度手間と成り、タイル壁面
の構築作業の長期化を招来する欠点を有し、又第２の目
地詰め作業においては目地一本毎に目地モルタルを詰め
る作業自体が非効率的であった。

【０００６】又、最近では工場にて予めタイルを打ち込
んだＰＣタイル版を外壁面に使用するケースが多くな
り、よって同一壁面にてＰＣタイル版と従来の手張り工
法を併用する場合には、該ＰＣタイル版の既製の目地と
手張り工法のタイルの目地が直線的に揃う様に確認しな
がら作業しなければならず甚だ面倒であった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は裏側から目地
モルタルを塗込んでタイル間に目地を形成したタイルユ
ニットを順次張り付けるだけでタイル壁面を構築出来、
而も既設のＰＣタイル版にも対応出来る裏目地タイル張
り工法を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、１８０度反転
させた複数のタイルを該タイル間に所定幅の間隙部を形
成する様に規則的に配列した状態でシート材裏面に接着
し、間隙部に仮目地材を嵌入すると共に、該仮目地材を
シート材に接着してタイルユニットと成し、該タイルユ
ニットの裏側より目地モルタルを塗込むことによって、
該目地モルタルが間隙部における仮目地材まで到達する
様に塗込まれて均一幅、均一深さの目地を形成すると共
に、該目地を形成する目地モルタルがタイル表面側に滲
出することを防止してタイル表面に目地モルタルが付着
しない様にして、前記欠点を解消せんとしたものであ
る。

【０００９】又、裏面に目地モルタルを塗込んだタイル
ユニットを、先に壁面に塗付けた張付モルタルに圧着す
ることによって、タイル張り作業及び目地詰め作業が同
時に出来る様にして、前記欠点を解消せんとしたもので
ある。

【００１０】又、ＰＣタイル版の目地と同一幅、同一深
さとなる様に仮目地材を設定し、最初のタイルユニット
の間隙部をＰＣタイル版の目地と揃える様に位置決めし
て壁部に圧着し、後は順次タイルユニットを圧着すれ
ば、自ずとＰＣタイル版の目地とタイルユニットの目地
が直線的に連続する様にして、前記欠点を解消せんとし
たものである。

【００１１】

【作用】本発明にあっては、先ずシート材裏面に１８０
度反転させたタイルを碁盤目状に配列接着し、該タイル
間に形成された間隙部に仮目地材を嵌入すると共にシー
ト材に接着してタイルユニットを形成し、該タイルユニ
ット裏面全面に目地モルタルを塗込み、かかるタイルユ
ニットの下辺を壁部下方に水平配設した定規上面に当て
ると共に、先に壁面に塗付けた張付モルタルに圧着し、
そのタイルユニットの上方に順次タイルユニットを圧着
する。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、１は伸縮が小さい合成樹脂製のシート材であ
り、該シート材１の裏面には接着剤（図示せず）が塗布
されており、その裏面に１８０度反転させたタイル２、
2a…を碁盤目状に配列接着すると共に、隣接するタイル
２、2a…間には所定幅の間隙部３、3a…を形成してい
る。

【００１３】尚、シート材１はタイル２、2a…の接着部
位より縦及び横方向に、間隙部３、3a…の幅寸法分大き
く設定されている。

【００１４】又、本実施例においてタイル２、2a…はシ
ート材１に碁盤目状に配列されているが、かかる形態に
限定されず、例えば千鳥状に配列しても良い。

【００１５】４、4a…は弾性を有する発泡ポリエチレン
フォーム製の仮目地材であり、該仮目地材４、4a…は間
隙部３、3a…と略同幅にしてタイル２、2a…の厚みより
薄厚の細棒状体であったり、或いは該細棒状体を間隙部
３、3a…に合致する様に格子状に一体形成したものであ
り、かかる仮目地材４、4a…を間隙部３、3a…に嵌入し
てシート材１に接着すると共に、その側面とタイル２、
2a…の側端面を密着状態と成し、そしてシート材１、タ
イル２、2a…及び仮目地材４、4a…によりタイルユニッ
ト５を形成している。

【００１６】６はタイルユニット５のガイド定規であ
り、該ガイド定規６は矩形状の底板７上面に矩形枠８を
固設して成り、該矩形枠８の内周寸法はシート材１の外
周寸法と同寸とすると共に、厚みはタイルユニット５の
それより若干厚く設定されている。

【００１７】次に、本発明に係る裏目地タイル張り工法
について説明すると、先ず、シート材１を１８０度反転
させて裏面を表側とし、該裏面に１８０度反転したタイ
ル２、2a…を該タイル２、2a…間に格子状の間隙部３、
3a…を形成する様に碁盤目状に配列接着し、該間隙部
３、3a…に仮目地材４、4a…を嵌入すると共に、該仮目
地材４、4a…をシート材１に接着しタイルユニット５を
形成する。

【００１８】次に、コンクリート躯体９の壁面10、或い
は該壁面10に塗付けた下地モルタル10a の表面における
上記タイルユニット５の張付部位に張付モルタル11を塗
付け、その後直ちにガイド定規６の矩形枠８内にタイル
ユニット５を嵌め込むと共に、タイルユニット５の裏面
全体に目地モルタル12を塗込み、該目地モルタル12は間
隙部３、3a…及び各タイル２、2a…の裏足に充分行き渡
らせると共に、上面を矩形枠８上面と同レベルと成す。

【００１９】次に、張付モルタル11及び目地モルタル12
が未硬化状態の間に、壁面10の下方に水平配設した定規
13の上面にタイルユニット５の下辺を当てる様にしてタ
イルユニット５を張付モルタル11に圧着し、張付モルタ
ル11及び目地モルタル12を同一化する。

【００２０】そして、上記の様にして横方向に順次タイ
ルユニット５を圧着して壁面10下方全体にタイルユニッ
ト５を圧着した後に、その上方に順次タイルユニット５
を圧着する様にして壁面11全面にタイルユニット５を圧
着する。

【００２１】最後に、張付モルタル11及び目地モルタル
12の養生硬化後、充分にタイルユニット５の付着強度が
得られた後にシート材１を剥離し、それに伴い仮目地材
４、4a…も取り除かれて均一幅、均一深さの目地14、14
a …が露出し、美麗且つ高精度なタイル壁面15が構築さ
れる。

【００２２】

【発明の効果】要するに本発明は、１８０度反転させた
複数のタイル２、2a…をシート材１裏面に規則的に配列
接着し、タイル２、2a…間に形成された間隙部３、3a…
に仮目地材４、4a…を嵌入接着してタイルユニット５と
成したので、一度に複数のタイル２、2a…が壁面10に張
り付け出来、而もタイルユニット５裏面に目地モルタル
12を塗込んだので、該目地モルタル12が間隙部３、3a…
に入り込んでタイル張り作業の前に均一幅、均一深さの
目地14、14a …が形成出来、又仮目地材４、4a…はタイ
ル２、2a…の側端面に密着状態であるため、裏側から塗
込んだ目地モルタル12がタイル２、2a…の表面側に滲出
せず、よって表面が粗面又は凸凹状のタイル２、2a…の
凹部に目地モルタル12が入り込まず、かかるタイル２、
2a…の施工法としては最適であると共に、従来の施工法
の様な目地詰め作業及び不要な目地モルタルの除去作業
が不要で、作業期間の短縮を図ることが出来る。

【００２３】又、タイルユニット５裏面に目地モルタル
12を塗込んだ後に、その下辺を壁面10下方部に水平配設
した定規13上面に当てると共に、先に壁面10に塗付けた
張付モルタル11に圧着し、そしてその上方に順次タイル
ユニット５を圧着する様にしたので、既に目地14、14a
…が形成されたタイルユニット５を張付モルタル11に圧
着するため、目地詰め作業とタイル張り作業が同時に出
来、よって上記効果と相俟って更に作業時間が短縮出
来、又上記方向により形成されるタイルユニット５は各
々が正確に形成されているため、最初に張り付けたタイ
ルユニット５を基準として順次張り付けて行けば、各タ
イルユニット５の目地14、14a …が直線的に連続した美
麗且つ高精度のタイル壁面15が容易に構築出来る。

【００２４】又、ＰＣタイル版においては、型枠の仮目
地間の目地枡内にタイルを嵌入固定して製造するもので
あり、仮目地材４、4a…を型枠の仮目地と同幅、同厚と
すればＰＣタイル版の目地とタイル壁面15の目地14、14
a …の同一幅、同一深さに容易に統一出来るため、最初
に壁部12に圧着するタイルユニット５の位置決めさえ正
確に行えば、その後のタイルユニット５を機械的に圧着
しても目地同志が直線的に連続し、よって一面的で見栄
えの良いタイル壁面が構築出来る等その実用的効果甚だ
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】シート材にタイルを接着した状態の裏面図であ
る。

【図２】タイルユニットの形成工程を示す断面図であ
る。

【図３】タイルユニットをガイド定規に嵌め込んだ状態
を示す裏面図である。

【図４】タイルユニットへの目地モルタルの塗込み工程
を示す断面図である。

【図５】タイル壁面の構築工程を示す断面図である。

【符号の説明】

１ シート材 ２、2a… タイル ３、3a… 間隙部 ４、4a… 仮目地材 ５ タイルユニット 10 壁面 11 張付モルタル 12 目地モルタル 13 定規

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １８０度反転させた複数のタイルをシー
   ト材裏面に規則的に配列接着し、タイル間に形成された
   間隙部に仮目地材を嵌入接着してタイルユニットと成
   し、該タイルユニット裏面に目地モルタルを塗込んだ後
   に、その下辺を壁部下方部に水平配設した定規上面に当
   てると共に、先に壁面に塗付けた張付モルタルに圧着
   し、そしてその上方に順次タイルユニットを圧着する様
   にしたことを特徴とする裏目地タイル張り工法。