JPH0552035A - 床面の施工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床コンクリート又はモルタルの表面に凹凸を
つける。 【構成】 床のコンクリート１又はモルタルに対し、軟
質シート４を押し付ける。このシート４には突起４又は
突条が設けられており、コンクリート面又はモルタル面
に凹穴又は凹条が形成される。突起４等が十分に軟質で
あると、突起４等が先太偏平に変形し、アリ穴又はアリ
溝が形成される。 【効果】 床コンクリートとモルタル又はモルタル同志
の結合が良くなり、タイルやセルフレベリング材を床に
対ししっかりと張りつけることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、モルタルにより床面に
タイルを張り付けたり、セルフレベリング材で仕上げた
りする工法に好適に用いられる床面の施工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】モルタルによりタイルを床面に張り付け
る場合、床面に下地モルタルを塗り付け、この下地モル
タルの上に張付モルタルを用いてタイルを張り付ける。
この場合、タイルの裏面に張付モルタルを盛り付けるよ
うに塗り付け、この張付モルタルを下地モルタルに押し
付け、しっかりと張り付ける。なお、張付モルタルを下
地モルタルの上に層状に塗着し、この下地モルタルの上
にタイル裏面を押し付ける方法もある。

【０００３】上記のタイル張り工法において、床面は、
十分に清掃した後、水でしめらせておく。また、タイル
が吸水性を有するものであるときには、タイルも水でし
めらせておく。

【０００４】このタイルの裏面には凹凸が形成されてお
り、タイルと張付モルタルとの結合強度を高くするよう
にしている。

【０００５】また、セルフレベリング材を躯体床上に流
し、平坦な床面を形成する工法も従来より行なわれてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の床タイル張
り工法においては、躯体のコンクリート床面や、下地モ
ルタルの表面が平坦であるため、床コンクリートと下地
モルタルとの結合強度、あるいは、下地モルタルと張付
モルタルとの結合強度がいま一つ不足するおそれがあ
り、十分な結合強度を得るために入念にきわめて注意深
く施工する必要があり、施工が徒に手間取るものとなり
易かった。

【０００７】また、セルフレベリング材を流す方法にお
いては、躯体床とセルフレベリング材との付着強度が不
足すると、床の表面が剥れ易くなる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の床面の施工法
は床面にセメント混練物を施工する方法において、該床
面上にセメント混練物を均一に展延した後、突起又は突
条を表面に有したシート又は板材の該表面を、展延され
たセメント混練物面に押し付け、該セメント混練物面に
凹凸を形成することを特徴とするものである。

【０００９】請求項２の床面の施工法は請求項１の床面
の施工法において、前記シート又は板材は、軟質の突起
又は突条を有していることを特徴とするものである。

【００１０】請求項３の床面の施工法は請求項１又は２
の床面の施工法において、セメント混練物面に凹凸付け
した後、張付モルタルを用いて床タイルを張付けること
を特徴とするものである。

【００１１】請求項４の床面の施工法は請求項１又は２
の床面の施工法において、セメント混練物面に凹凸付け
した後、セルフレベリング材を流して平坦な床面を形成
することを特徴とするものである。

【００１２】なお、本発明において、セメント混練物と
はコンクリート又はモルタルを示す。

【００１３】

【作用】本発明の方法によると、突起又は突条が押し付
けられることにより、躯体床上に施工されたコンクリー
ト又はモルタルの表面に凹凸が形成される。このため、
該コンクリート又はモルタルと、その上面側に配設され
るモルタル又はセルフレベリング材との結合強度が高ま
る。

【００１４】なお、請求項２の方法によると、コンクリ
ート又はモルタルに押し込まれた突起又は突条が偏平形
状に変形し、コンクリート又はモルタルの表面には入口
側がすぼまった凹穴又は凹溝（所謂アリ穴又はアリ溝）
が形成される。このようなアリ穴又はアリ溝がコンクリ
ート又はモルタルに形成されると、その上側のモルタル
又はセルフレベリング材との結合強度が一段と高いもの
になる。

【００１５】請求項３の方法によると、張付モルタルと
その下側のモルタル又はコンクリートとの付着強度が高
くなり、床タイルの張付強度が高くなる。

【００１６】請求項４の方法によると、セルフレベリン
グ材と、その下側の躯体床との付着強度が高いものとな
る。

【００１７】

【実施例】第１図は実施例方法を示す縦断面図である。

【００１８】打設された直後のコンクリート１の表面が
こてで均一にならされている。このコンクリート１の表
面にゴム又は合成樹脂よりなる軟質シート２が押し付け
られる。この軟質シート２はプレート３の下面に貼着さ
れ、全面的に均一な圧力にてコンクリート１面に押し付
けられ得るようになっている。この軟質シート２の表面
には第２，３図の如く、多数の中空の軟質な突起又は突
条（本実施例では突起）４が突設されている。この軟質
シート２をコンクリート１面に押し付けることにより、
コンクリート１の表面には突起４の跡が残り、多数の凹
穴が形成される。

【００１９】本実施例では、突起４が軟質であるため、
第４図の如くコンクリート１面に押し込まれた際に、該
突起４が先太に広がるように偏平形状に変形する。その
ため、軟質シート２を引き剥すと、コンクリート１の表
面には第５図の如きアリ穴（入口側がすぼまった穴）５
が形成される。このため、該コンクリート１の上側に塗
り付けられるモルタルと該コンクリート１との付着強度
がきわめて高いものとなる。

【００２０】本実施例では突起４に対応してアリ穴５が
形成されるが、第６図の如く突条６を有した軟質シート
２Ａを用いれば、アリ溝がコンクリート１の表面に形成
される。

【００２１】本実施例では、コンクリート１に軟質シー
ト４が押し付けられてアリ穴又はアリ溝が形成されてい
るが、モルタル面についても同様にしてアリ穴やアリ溝
を形成できることは明らかである。

【００２２】なお、上記実施例では、この軟質シート２
として、第３図の如く中空の突起又は突条を有するもの
を用いている。このような中空の突起又は突条は、コン
クリート面又はモルタル面に押し付けられたときにきわ
めて容易に先太偏平形状に変形するため、アリ穴やアリ
溝を確実に形成できる。ただし、突起又は突条が十分に
軟質であれば、中空でなくてもアリ穴やアリ溝を形成で
きる。

【００２３】上記実施例では突起又は突条がシートと一
体に設けられているが、シートと別体であっても良い。
また、ボタン状あるいは棒状の軟質材をプレートに取り
付けたものであっても良い。

【００２４】上記実施例ではアリ穴やアリ溝を形成して
いるが、本発明では、入口側がすぼまらない形状の凹穴
や凹条を形成しても良い。かかる凹穴や凹条は、硬質の
突起又は突条を有するシート又は板材を押し付けること
により形成される。

【００２５】第７図は、上記のいずれかの方法により凹
穴や凹条をコンクリート１の表面に形成し、その上に下
地モルタル７を付着させると共に、さらに上記のいずれ
かの方法により該下地モルタル７の表面に凹穴や凹条を
形成し、その上に張付モルタル８を用いてタイル９を張
り付けた構成を示す模式的な断面図である。

【００２６】第８図は、コンクリート１の表面に凹穴や
凹条を形成し、その上にセルフレベリング材１０を流し
込んで硬化させた状態を示す模式的な断面図である。

【００２７】第７，８図では凹穴や凹条は方形断面形状
となっているが、軟質な突起又は突条を用いることによ
りアリ穴やアリ溝が形成される。

【００２８】第７，８図に示すように、凹穴又は凹条が
モルタルやコンクリートの界面に存在することにより、
タイル９やセルフレベリング材１０の付着強度がきわめ
て高いものとなる。

【００２９】

【発明の効果】以上の通り、請求項１の方法によると、
床コンクリート又は床モルタルの表面に凹凸を形成で
き、それらの上側に配置されるタイル張り付け用のモル
タル又はセルフレベリング材との付着強度がきわめて高
いものとなる。

【００３０】なお、請求項２の方法によると、アリ穴又
はアリ溝が形成されることにより、モルタル又はセルフ
レベリング材の付着強度がさらに高いものとなる。

【００３１】請求項３，４の方法によると、タイルやセ
ルフレベリング材を躯体床に強固に付着させるように施
工できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例方法を示す断面図である。

【図２】軟質シートの斜視図である。

【図３】軟質シートの断面図である。

【図４】実施例方法を示す断面図である。

【図５】実施例方法を示す断面図である。

【図６】別の軟質シートの斜視図である。

【図７】施工例を示す模式的な断面図である。

【図８】施工例を示す模式的な断面図である。

【符号の説明】

１ コンクリート ２，２Ａ 軟質シート ３ プレート ４ 突起 ５ 凹穴 ６ 突条 ７，８ モルタル ９ タイル １０ セルフレベリング材

フロントページの続き (72)発明者 小笠原 和博 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナツクス内 (72)発明者 佐野 直光 東京都目黒区目黒４−23−３

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面にセメント混練物を施工する方法に
   おいて、該床面上にセメント混練物を均一に展延した
   後、突起又は突条を表面に有したシート又は板材の該表
   面を、展延されたセメント混練物面に押し付け、該セメ
   ント混練物面に凹凸を形成することを特徴とする床面の
   施工法。
2. 【請求項２】 請求項１の床面の施工法において、前記
   シート又は板材は、軟質の突起又は突条を有しているこ
   とを特徴とする床面の施工法。
3. 【請求項３】 請求項１又は２の床面の施工法におい
   て、セメント混練物面に凹凸付けした後、張付モルタル
   を用いて床タイルを張付けることを特徴とする床面の施
   工法。
4. 【請求項４】 請求項１又は２の床面の施工法におい
   て、セメント混練物面に凹凸付けした後、セルフレベリ
   ング材を流して平坦な床面を形成することを特徴とする
   床面の施工法。