JPH0222422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は壁面、床等に目地模様を形成するため
の目地枠材貼着用の、正確な位置決めと、垂れや
あばれを防止でき、しかも取扱いが便利で、安定
した状態で目地枠材を固定するための固定枠に関
するものである。

レンガ積み、タイル貼り、その他適当な図柄模
様の外観を得るために、その目地模様を形成する
ための目地枠材が使用され、目地模様を形成すべ
き壁面、床等に予めこの目地枠材を貼着し、その
上からセメント、モルタル、石膏、石灰等の湿式
左官材料や有機質仕上剤をコテ塗りまたは吹付け
施工し所定の強度を発現した後に枠材を剥がすこ
とにより所要の目地模様を得ている。

通常この目地枠材は紙または合成樹脂などの柔
軟な厚目のシート材料をレンガ、タイル其他の所
要図柄の仕上げ模様に打抜き、裏面に貼着剤を塗
つてあり、これを所定場所に貼着して使用するも
のであるが、とくに壁面の場合には目地枠材の自
重で垂れ下がつたりあばれが大きくなり易いので
これを防止するために貼着する必要がある。

レンガ積みやタイル貼りした壁面や床は一定の
それぞれの趣があり好ましいものであるが、施工
単価が高かく、しかも壁面から剥落する危険もあ
り、最近では、こられの目地模様を残して打抜い
た目地枠材を、前述のようにレンガ積み、タイル
貼り等の目地模様を残して打抜いた目地枠材を予
め壁面や、床面に貼着し、該目地枠材に囲まれた
空間部（打抜部）やまたは全体にセメント、モル
タル、石膏、石灰等の湿式左官材料または有機質
の仕上剤をコテ塗りまたは吹付け施工し、適度な
強度が発現した後で目地枠材を外すことにより、
レンガ積み、タイル貼り等と同様な外観体裁の仕
上がり面が得られる施工方法が行われている。

本考案はこのような施工方法を安定した状態で
楽に便利に実施するために、この目地枠材を使用
するにあたり、従来のような煩雑さと困難さを解
消するもので、その目地枠材の使用に便ならしめ
る方式を提供するもので本考案はそのために使用
する目地枠材と併せて使用する目地枠材貼着用固
定枠に関するものである。

そこで先ず本考案の固定枠を説明するに先立
ち、一般に使用されている目地枠材について述べ
る必要がある。

通常目地枠材は例えばレンガ積み状の目地模様
を得るための目地枠材を第１図の説明図によつて
説明するが、このような目地枠材Ａは紙または合
成樹脂などの柔軟で厚みのあるシートでレンガ状
の打抜部１が打抜かれて空間を形成し、２は目地
を形成するための目地部で材質としては紙、好ま
しくは２〜３倍の発泡率の発泡ポリエチレンなど
がよく、厚さは通常0.1〜3.0mm程度が吹付施工用
によく、またコテ塗り施工の場合には0.5〜10.0
mm程度が好ましい。この目地枠材の大きさは大き
すぎると一人での、とくに貼付作業には適せず、
また小さくても作業能率が低下し、煩雑となるの
で通常（40〜60）cm×（60〜100）cm程度がよい。
そしてこの目地枠材Ａの裏面には貼着剤が塗布し
てある。

このような目地枠材Ａの使用については、先ず
このものを壁、床等の所定部位に貼り付けるが、
目地枠材Ａの割付けのために基準水平線ならびに
基準垂直線を出し、さらに目地枠材の２〜３枚分
毎に墨打ちし、目印をつけ、これに沿つて貼り付
けるのが普通である。しかし目地枠材Ａをこの基
準線に基づいて四方連続に狂いなく貼ることは非
常に難かしく、また特に壁面等への施工に際して
は貼り付ける際に目地枠材自身の重さで垂れ下が
り、また特に目立ちやすい水平方向の目地線が直
線でなくなり、うねり出して見苦しい結果を生ず
ることが多く、この目地枠材の貼り付けには難点
があつた。

本考案の目地模様形成目地枠材を固定するため
の固定枠はこのような従来の難点を解消するるた
めに考案されたもので以下図示の実施例によつて
これを説明する。第２図イは本考案の目地模様形
成目地枠材の貼着用固定枠（以下固定枠と略称す
る）Ｂの説明図であり、ロはイ図のＸ−Ｘ断面図
である。すなわち第１図に示したようなレンガ積
み目地模様の目地枠材Ａを使用するためのもの
で、台板３の上に、第１図の目地枠材Ａの打抜部
１に相当する形状と厚さの凸状部４を目地枠材Ａ
とほぼ同質の材料で形成し、その凸状部４相互間
の凹部５に第１図の目地枠材Ａの目地部２が丁度
一致してすつぽり嵌入するようにして形成すもの
である。従つて目地枠材Ａの目地部２は台板の凹
部５に丁度、“面一”の平面を形成するから目地
枠材Ａは固定枠Ｂ中に“面一”に埋められること
になる。

このようにしてこの目地枠材Ａを粘着剤層を上
にして固定枠Ｂ中に埋め込んだ状態としてＡ，Ｂ
の２枚を重ね壁面、床等に予め墨打ちした基準線
に従つて位置決めし、上から壁面に押圧すること
により目地枠材Ａの裏面の貼着剤により壁面に貼
着できる。次いで固定枠Ｂを取り去ると目地枠材
のみが壁面に貼着さた状態で残る。

第３図イは貼着用固定枠Ｂに目地枠材Ａを面一
に没入させた状態を示す説明図であり、ロはイ図
のＹ−Ｙ断面図である。この場合、固定枠Ｂは１
枚板である必要はなく、また凸状部４は目地枠材
の打抜部１と同一形状でなくてもよく、第３図の
ように適当な切欠部６を設けることにより固定枠
Ｂの軽量化を計り、また壁面や床に貼着の際に壁
面と材料間の空気を抜くことができて壁面に密着
させることができ、従つて目地枠材Ａの貼着剤が
壁面に密着し、接着効果を高める結果となり、さ
らにこの切欠き部６に指をかけて固定枠を扱うこ
とができて便利である。

また第４図イは貼着用固定枠Ｂを４枚組合せた
場合で、下面に目地枠材Ａが重ね合わされている
状態で、それぞれの周囲側縁に互に嵌合する嵌合
突起７と嵌合部８とを複数個設けて嵌合した状態
を台板の方から見た説明図でありロはイのＺ−Ｚ
線の断面図であり、（ ）内は目地枠材Ａの記号
を示す。このような組合せたものはコンクリー
ト、モルタル、軽量気泡コンクリート等の下地の
所定部位に押し付けて貼着した状態で手で離し、
固定枠Ｂごと、かなり強固に壁面に固定すること
ができ、特に垂直方向の力に対しては強く、その
後、目地枠材Ａに対し四方連続に貼り付けるに際
し、固定枠Ｂの嵌入凸起７と嵌入部８を互に嵌合
させることで確実に、しかも容易に精度よく目地
枠材の継ぎ合せを完成することができる。この固
定枠Ｂは１枚または２枚残し、次々と固定枠Ｂの
みを取りり外し、繰返し使用することができる。

この固定枠Ｂはそのかみ合せ部の凹凸部８，７
のない場合には透明または半透明の材料であれば
貼着け作業時に挿入した目地枠材Ａの位置がはつ
きりと目で確認でき、また基準線にも容易に合せ
ることができて便利である。

また固定枠が不透明であるときは継ぎ合せよう
とする上面および例えば左側面は目地枠材Ａより
数mm小さくしておけば固定枠Ｂの裏面から目地枠
材Ａが見え、これに基準線を合せることができ
る。さらに台板の裏側に上下、および左右の中心
にそれぞれ刻線しておけば同様に位置合せに便利
である。

このようにしてレンガ積み、タイル貼り等の目
地枠材Ａの貼り付けが終了したのち、セメント、
モルタル、石膏や有機質仕上材料等の湿式材を目
地枠材Ａの上からその厚さと同じ厚さかやゝ厚目
に塗り付け、または吹付け施工し、適当な強度を
発現した後、目地枠材Ａを取り外すことによりレ
ンガ積み、タイル貼りと同様な外観の仕上げ面が
極めて容易に得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は目地枠材の説明図、第２図はイは目地
枠材貼着用の固定枠の説明図、ロはイのＸ−Ｘ断
面図、第３図イは目地枠材を固定枠の凹部に面一
に挿入した状態の説明図、ロはイのＹ−Ｙ断面
図、第４図イは目地枠材を同様に固定枠中に挿入
し、台板の方から見た固定枠４枚の継ぎ合せ状態
の説明図であり、ロはそのＺ−Ｚ断面図である。 Ａ……目地枠材、Ｂ……目地枠材貼着用固定
枠、１……目地枠材のレンガ状部打抜部、２……
目地部、３……固定枠Ｂの台板、４……凸状部、
５……凹部、６……凸状部の切欠き部、７……嵌
入凸部、８……嵌入部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙または合成樹脂などの柔軟なやゝ厚目のシー
   ト材料にレンガ積み、タイル貼り、その他適当な
   図柄の目地模様を残して打抜いてなる裏面粘着剤
   層付き目地枠材を、壁、床、その他の部位に貼着
   するに際し、上記目地枠材と同程度の大きさの台
   板上に目地枠材と同程度の厚さで目地間の各打抜
   部に丁度嵌入できる凸状部を所定位置に所定数設
   けてなる、目地枠材の貼着用固定枠。