JPH065754Y2 - 餅入り簡易ぜんざい - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はつきたての餅入りぜんざいとして短期間に且つ
簡便に美味しく賞味出来る餅入り簡易ぜんざいに関す
る。

従来の技術 従来より即席ぜんざい或いは即席しること称して、開封
された袋体より取出したぜんざい等を所望容器へ移した
後、熱湯を注入して賞味するもの、または合成樹脂製フ
イルムを以って密封された調味済みぜんざい汁或いはし
るこ汁を、袋状態のまま湯煎し、然る後に中味を取出し
て賞味するもの等が周知されている。

これ等のものは、家庭内で製出されるぜんざい、即ち鍋
の中に水とあずきを入れてこれを煮立て、砂糖を加えた
後、所望の切り餅をそのまま、或いは焼き上げて搬入し
て賞味する方法と異なり、頗る簡単で且つ短時間に煩雑
さを要求されずに賞味出来る利便を有するものである
が、調味済みのぜんざい汁等はとも角、これに搬入され
る餅片を如何につきたて状態に復帰させて美味しく賞味
させるかが、商品価値を向上させる上で必要不可欠とな
るものである。

餅米を水に浸漬してせいろうで蒸し、蒸し上がった餅米
を臼に入れてつき、十分に粘りを出した所謂切り餅等の
餅片を、ぜんざい汁等の中へ予め搬入し、これを密封し
て成る簡易ぜんざいでは、ぜんざい汁中に浸漬された餅
片のデンプン化によって、袋状態のまま湯煎しても表面
のみ柔らかくなり、餅片の中心部分には芯が存在して剛
く、餅片がつきたて状態に戻らぬ欠陥があった。

これがために餅片とぜんざい汁との密封部位を区分した
簡易ぜんざいも開発されているが、この区分された簡易
ぜんざいを袋状態のまま湯煎した場合、ぜんざい汁の部
分は湯煎に伴い煮え上がる反面、餅片の密封部分は湯煎
により柔らかく成るが、その柔らかさが袋体の内壁面に
粘着して離脱し難く、更には所期の切り餅の形状が歪で
形崩れが招来し、すっきりとした形状の餅片でないた
め、非常に体裁の悪化した餅片を賞味することとなり、
接客時等に於いて差出すことに甚だ抵抗がある等の欠陥
を有するものであった。

斯かる欠陥に鑑みて、餅片に代わる栗片その他代用物を
使用されている場合も多く見られる。

考案が解決しようとする問題点 然るに本考案による餅入り簡易ぜんざいにあっては、前
記した在来欠陥を解消して、袋状態のまま湯煎しても、
つき餅等の餅片に芯が残存せず且つ餅片が形崩れにより
歪となること無く、常に整状で切りたての餅片形状を維
持せしめたぜんざいの提供を可能となし、接客用として
供することも出来る餅入り簡易ぜんざいを提供すること
を目的とする。

そうして即席の簡易ぜんざいであるに拘らず、恰も出来
たての餅入りぜんざいと同等の美味しさが賞味出来る餅
入り簡易ぜんざいを提供することを目的とする。

また餅片とぜんざい汁との夫々区画部を真空状態に維持
したり、或いは該区画部にチッ素を注入して殺菌効果を
向上させることで比較的長期間に亘り、美味しく賞味出
来る餅入り簡易ぜんざいを提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記した目的を達成するがために、本考案に於ける餅入
り簡易ぜんざいにあっては、一方区画部１と他方区画部
２とに区分された合成樹脂製フイルムより成る袋体Ａで
あって、一方区画部１には餅片３を、他方区画部２には
ぜんざい汁４を夫々密封すると共に、両区画部１、２に
沿う境界線５は貫通可能に閉合している餅入り簡易ぜん
ざいを特徴としており、そうして、両区画部１、２に沿
う境界線５を仮着状態にヒートシール６して貫通可能に
閉合させた餅入り簡易ぜんざいを特徴としており、そう
して、仮着状態にヒートシール６した境界線５に沿っ
て、押圧バンド７を締結自在に捲廻して固定させた餅入
り簡易ぜんざいを特徴としており、そうして、両区画部
１、２の境界線５に沿う袋体Ａの内壁対向面に、互いに
嵌合する雄型８と雌型９の突条片１０により貫通可能に
閉合させた餅入り簡易ぜんざいを特徴としているもので
ある。

作用 本考案の餅入り簡易ぜんざいにあっては、一方区画部１
に密封された餅片３を、当該ぜんざい賞味時に他方区画
部２に密封されたぜんざい汁４内へ、両区画部１、２の
境界線５に沿って餅片３を一方向へ押圧して貫通させる
ことで餅片３を落下させて、ぜんざい汁４内に搬入し、
然る後この状態のまま湯煎することで、形崩れのないつ
きたての餅入りと同等のぜんざいが得られるものとな
る。

実施例 次いで本考案の餅入り簡易ぜんざいに関する実施の一例
について詳述する。

Ａは柔軟且つ強靱な合成樹脂製フイルム、例えばポリプ
ロピレンフイルム等を基材とし、その面上にアルミニウ
ムその他の金属蒸着層を形成するか或いはアルミ箔を貼
着された透過性のない合成樹脂製フイルムより成る矩形
状をした袋体であって、その全周縁はヒートシールされ
るものである。

１は前記袋体Ａに区分されて設けられる一方区画部であ
って、該一方区画部１には餅米をつき上げて乾燥せしめ
た切り餅等の餅片３が所望個数密封されている。

２は前記袋体Ａに区分されて設けられる他方区画部であ
って、該他方区画部２には調味済みのぜんざい汁４の一
人前或いは数人前分が搬入され密封されている。この他
方区画部２の底部は広幅状に形設され、ぜんざい汁４の
分量に伴う袋体Ａの大きさを可及的に小形化なさしめ、
また他方区画部２は、一方区画部１に比して大形となる
ものである。

５は袋体Ａに形設される一方区画部１と他方区画部２の
対向面に沿う境界線であって、この境界線５は通常時は
一方区画部１と他方区画部２とを確実に分断して混じり
合わない構造とされており、必要時には両区画部１、２
に亘って貫通出来るように閉合されている。

斯様に境界線５は貫通可能に閉合されるのであるが、こ
の際一方区画部１と他方区画部２に沿う境界線５を、強
靱にヒートシールすることなく、所望仮着状態にヒート
シール６することによって、ぜんざい賞味時に一方区画
部１に介在する餅片３を強制的に他方区画部２に向って
押圧し、これにより境界線５のヒートシール６を剥離さ
せ、餅片３をぜんざい汁４中に落下混入させることが出
来る。

更には前記仮着状態下にヒートシール６されている境界
線５の部位に沿って、合成樹脂製帯片等による押圧バン
ド７を囲繞させ、所望の掛止片７ａを以って締結自在に
固定させることにより商品を雑に取扱っても、仮着状態
下のヒートシール６の部位は安全に保持され、両区画部
１、２が挿通する虞れはない。

また、両区画部１、２を貫通可能に閉合する手段として
は、一方区画部１と他方区画部２が対向する境界線５に
沿う袋体Ａの内壁対向面に、互いに嵌合しあう雄型８と
雌型９との一組の突条片１０を用いて貫通可能に閉合さ
せることも出来る。

考案の効果 本考案によれば、予め餅片３とぜんざい汁４とが夫々一
方区画部１と他方区画部２とに分離して密封されてお
り、これを湯煎して簡易に賞味する際に、当該一方区画
部１内の餅片３を強制的に他方区画部２に向って押圧せ
しめ、これにより境界線５が剥離または開通することと
なり、而して、ぜんざい汁４に搬入された餅片３が混っ
たぜんざいを湯煎すれば、恰も賞味直前に切断された切
り餅と同等の外観並びにつきたての餅片３をぜんざい汁
４と共に美味しく賞味出来るものとなり、接客用として
も利用出来、即席物とは感得させぬ美味しさが出現する
ものである。

また餅片３とぜんざい汁４とが通常時は確実に区分され
ているので、長期に亘る賞味期間を設けることも出来、
更には当該袋体Ａは一度のみの開封により餅入り簡易ぜ
んざいとして賞味可能であるため、煩雑さは全く招来し
ない利便を具備するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
一部切欠全体斜視図、第２図は要部の正面図、第３図は
第２図ａ−ａ線断面図、第４図は他の実施例による要部
の正面図、第５図は第４図ｂ−ｂ線断面図、第６図は他
の実施例による要部の正面図、第７図は第６図ｃ−ｃ線
拡大断面図である。 １……一方区画部、２……他方区画部、３……餅片 ４……ぜんざい汁、５……境界線 ６……ヒートシール

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方区画部１と他方区画部２とに区分され
   た合成樹脂製フイルムより成る袋体Ａであって、一方区
   画部１には餅片３を、他方区画部２にはぜんざい汁４を
   夫々密封すると共に、両区画部１、２に沿う境界線５は
   貫通可能に閉合していることを特徴とする餅入り簡易ぜ
   んざい。
2. 【請求項２】両区画部１、２に沿う境界線５を仮着状態
   にヒートシール６して貫通可能に閉合させた請求項１記
   載の餅入り簡易ぜんざい。
3. 【請求項３】仮着状態にヒートシール６した境界線５に
   沿って、押圧バンド７を締結自在に捲廻して固定させた
   請求項２記載の餅入り簡易ぜんざい。
4. 【請求項４】両区画部１、２の境界線５に沿う袋体Ａの
   内壁対向面に、互いに嵌合する雄型８と雌型９の突条片
   １０により貫通可能に閉合させた請求項１記載の餅入り
   簡易ぜんざい。