JPH0655800B2 - 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法

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JPH0655800B2
JPH0655800B2 JP2809289A JP2809289A JPH0655800B2 JP H0655800 B2 JPH0655800 B2 JP H0655800B2 JP 2809289 A JP2809289 A JP 2809289A JP 2809289 A JP2809289 A JP 2809289A JP H0655800 B2 JPH0655800 B2 JP H0655800B2
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block copolymer
butadiene
aromatic vinyl
butadiene block
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隆 川田
正夫 吉沢
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【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、優れた耐衝撃性および良好な光沢が要求され
る種々の成形品、例えば電気製品、家具、建材の成形材
料として利用される耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造
方法に関する。
b.従来の技術および問題点 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂は、耐衝撃性のほかに成形
性その他種々の物性に優れているため、耐衝撃性の要求
される成形品の成形材料として汎用されているが、その
用途の拡大および該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂から得
られる製品の品質向上を図る上から、優れた耐衝撃性を
有するとともに良好な光沢を有することが望まれてい
る。
而して、一般に耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の光沢を改
良するには、原料ゴムとして溶液粘度の低いものを用い
る必要がある。
しかしながら、溶液粘度の低い原料ゴムを用いると、得
られる耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の耐衝撃性が低下す
る問題が生じる。このように耐衝撃性芳香族ビニル系樹
脂において、光沢と耐衝撃性とは相反する特性であり、
耐衝撃性を低下させることなく、良好な光沢を有する耐
衝撃性芳香族ビニル系樹脂を得ることは困難であった。
c.発明が解決しようとする課題 本発明者らは、このような事情に鑑み、耐衝撃性と光沢
を高度にバランスさせた耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂を
得ることを目的とし鋭意検討した結果、特定の溶液粘度
と特定の構造を有するスチレン−ブタジエン系ブロック
共重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物をラジカル重
合し、かつ得られる樹脂中の分散ゴム粒子を特定の粒子
径範囲に調節することにより、前記技術的課題を解決で
きることを見い出し、本発明に到達した。
d.課題を解決するための手段 本発明は、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の
存在下に芳香族ビニル化合物を重合する方法において、
上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体として、 ポリスチレン換算重合平均分子量(▲▼)と数平
均分子量(▲▼)の比(▲▼/▲▼)が
1.20以上、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
によって得られるピーク分子量(PM)とポリスチレン
換算重量平均分子量(▲▼)との比(PM/▲
▼)が1.02以上、 25℃で測定した5重量%スチレン溶液の粘度が20
0〜2000センチポイズ、 全スチレン含量が3〜20重量%、 ブロックスチレン含量が全スチレン含量の60%以
上、 ブタジエン部分のビニル結合含量が13〜30% であるスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体を用
い、かつ得られる樹脂中に分散したブロック共重合体粒
子の平均粒子径を0.4〜2.5μmの範囲に調節する
ことを特徴とする耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方
法を提供するものである。
以下、本発明について詳しく説明する。
従来、有機リチウム系触媒を用いて炭化水素溶媒中にお
いて、一般に行なわれている回分重合法あるいは連続重
合法によってスチレンとブタジエンをブロック重合した
場合には、本発明において限定される▲▼/▲
▼とPM/▲▼の値を有するスチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体を得ることはできない。通常、回分
式重合であれば▲▼/▲▼は1.1〜1.3、
PM/▲▼は0.9〜1.0であり、連続重合で
は、▲▼/▲▼は1.8〜2.6、PM/▲
▼は0.7〜0.8である。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、
有機リチウム触媒を用いて、炭化水素溶媒中において以
下に示すごとき方法によって得られるが、この方法以外
であっても、上記特定構造のスチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体が得られる方法であれば、重合による方
法でも、異なる2種以上のブロック共重合体を混合した
ものでも、いかなる方法により得られたものでも利用す
ることができる。
上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の好まし
い製造法の1つは、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合
物を開始剤として、ブタジエンとスチレンを逐次的にブ
ロック共重合するに際し、 (i)−SO基または−OSO基(Kはカリウム
金属原子を示す。)を有するアニオン性界面活性剤の1
種以上、および (ii)一般式:CH=C=CHR (式中、Rは水素原子または1〜3個の炭素原子を含む
アルキル基を表わす。) で表わされる1,2−ジエン化合物の1種以上を共存さ
せる方法である。
この製造方法によると、1,2−ジエン化合物と−SO
K基または−OSOK基を有するアニオン性界面活
性剤の量を調節することによって、目的とする▲▼
/▲▼とPM/▲▼を有するスチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体を得ることができる。
上記炭化水素溶媒は特に制限はないが、重合条件下で液
状である脂肪族、脂環族および芳香族炭化水素化合物を
使用することができる。好ましい炭化水素溶媒として
は、ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオク
タン、n−デカン、シクロヘキサン、メチルシクロペン
タン、ベンゼン、ジエチルベンゼンなどが挙げられ、こ
れらは1種のみならず2種以上の混合物であってもよ
い。
また、上記有機リチウム開始剤は、少なくとも1個のリ
チウム原子が炭化水素に結合したものであり、例えばメ
チルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、シクロヘキ
シルリチウム、リチウムベンゼン、リチウムナフタレ
ン、1,4−ジリチオブダン、1,5−ジリチオペンタ
ン、1,10−ジリチオデカン、1,3,5−トリリチ
オシクロヘキサンなどであり、好ましい例としては、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウムなどのモノリチウム炭化水素化合物である。
上記製造方法においては、製造されるブロック共重合体
中のブタジエン部分のビニル結合含量が30%を超えな
い範囲内であればエーテルや第3級アミン化合物を添加
することができる。エーテルおよび第3級アミンの具体
例としては、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチルアミン、
ピリジン、NNN′N′−テトラメチルエチレンジアミ
ンなどが挙げられる。上記−SOK基あるいは−OS
K基を有するアニオン性界面活性剤としては以下の
ごとき化合物がある。
(a)アルキルアリールスルホン酸カリウム塩;ドデシル
ベンゼンスルホン酸塩、テトラデシルベンゼンスルホン
酸塩、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸塩、オクタデシ
ルベンゼンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン
酸塩、n−ヘキシルナフタリンスルホン酸塩、ジブチル
フェニルスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩のホル
マリン縮合物など。
これらのうち好ましいものは、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸カリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸カリウムおよびオ
クタデシルベンゼンスルホン酸カリウムである。
(b)アミド結合を有するスルホン酸カリウム塩;N−メ
チル−N−オレイルタウレート、N−メチル−N−ラウ
リルタウレート、N−フェニル−N−ステアリルタウレ
ート、N−メチル−N−メタンスルホン酸塩ラウリルア
ミドなど。
これらのうち好ましいものは、N−メチル−N−メタン
スルホン酸カリウムラウリルアミドである。
(c)エステル結合を有するスルホン酸カリウム塩;オキ
シエタンスルホン酸とオレイン酸との縮合物の塩(C17
38COOCHSOK)、スルホコハク酸ジオクチ
ル塩、スルホマレイン酸ジオクチル塩など。
これらのうち好ましいものは、スルホコハク酸ジオクチ
ルのカリウム塩である。
(d)高級アルコール硫酸エステルのカリウム塩; ラリウルアルコールの硫酸エステル塩、オレインアルコ
ールの硫酸エステル塩、ステアリルアルコールの硫酸エ
ステル塩など。
これらのうち好ましいものは、ラウリルアルコールの硫
酸エステルのカリウム塩である。
(e)エステル結合を有する硫酸エステルのカリウム塩; ラウロイルトリメチレングリコール硫酸エステル塩(C
1123COOHCHCHOSOK)、カプロイ
ルエチレングリコール硫酸エステル塩(C11COO
CHCHOSOK)など。
そのほか、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルの硫酸エステル塩などの種々の硫酸エステル塩およ
びスルホン酸塩を使用することができる。
これらのうち好ましいものは、ラウロイルトリメチレン
グリコール硫酸エステルのカリウム塩である。
上記アニオン性界面活性剤は、炭化水素系溶剤への溶解
性を高くするために、Kに対して0.1〜2.0倍モル
のアルコール、アミン、カルボン酸、リン酸などの極性
化合物を添加して用いることができる。
また、これら−SOK基あるいは−OSOK基を有
するアニオン性界面活性剤と同時に使用する一般式: CH=C=CHR (式中、Rは水素原子または1〜3個の炭素原子を含む
アルキル基を表わす。) で表わされる1,2−ジエン化合物の例としては、プロ
パジエン、1,2−ブタジエンなどが挙げられる。
次に、本発明の特定構造を有するスチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体について述べる。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体とし
ては、A−B型のブロック共重合体が好適に用いられ
る。本発明にスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
の▲▼/▲▼は1.2以上、好ましくは1.2
〜1.9、さらに好ましくは1.3〜1.7である。▲
▼/▲▼が1.2未満では、得られる樹脂の耐
衝撃性が劣る。また、本発明のスチレン−ブタジエン系
ブロック共重合体のGPCによって得られるピーク分子
量(PM)と重量平均分子量(▲▼)との比(PM
/▲▼)は1.02以上、好ましくは1.04〜
1.30、さらに好ましくは1.05〜1.25であ
る。PM/▲▼が1.02未満の場合、得られる樹
脂の耐衝撃性が劣る。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体のム
ーニー粘度は80〜180が好ましく、さらに好ましく
は100〜150である。80未満では得られる樹脂中
の分散ゴム粒子径が小さくなって耐衝撃性が劣る場合が
あり好ましくなく、逆に180を超える場合は、分散ゴ
ム粒子の粒子径が不揃いになり、得られる樹脂の光沢が
劣る。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の2
5℃における5重量%スチレン溶液粘度は、200〜2
000センチポイズ、好ましくは300〜1500セン
チポイズ、さらに好ましくは500〜1500センチポ
イズ、特に好ましくは500〜1300センチポイズで
ある。200センチポイズ未満では、耐衝撃性が劣る。
2000センチポイズを超える場合は、分散ゴム粒子の
粒子系が不揃いになり、得られる樹脂の光沢が劣る。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の全
スチレン含量は3〜20重量%、好ましくは5〜18重
量%である。3重量%未満では、得られる樹脂の光沢が
劣る。20重量%を超える場合は、得られる樹脂の耐衝
撃性が劣る。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体のブ
ロックスチレン含量は、全スチレン含量に対して60%
以上である。60%未満の場合は、スチレンとブタジエ
ンのランダム結合が多くなり、得られる樹脂の耐衝撃性
が劣る。
本発明のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体のビ
ニル結合含量は13〜30%、好ましくは14〜25%
である。13%未満では、得られる段階の耐衝撃性と光
沢が劣る。30%を超える場合は、光沢は良好であるが
耐衝撃性が劣る。
本発明においては、上記の特定のスチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体を使用することと同時に、得られる
樹脂中に分散したブロック共重合体粒子の平均粒子径を
0.4〜2.5μmの範囲にする必要があり、好ましく
は0.5〜2.0μmの範囲に調節する。平均粒子径が
0.4μm未満では、アイゾット衝撃強度が劣り、2.
5μmを超える場合は、表面光沢の劣ったものしか得ら
れない。ブロック共重合体粒子の粒子径の調節は、重合
槽の撹拌装置の形状、撹拌機の回転数、撹拌時間、重合
温度などの種々の要因によって左右され、一義的に決定
することはできないが、一般にグラフト重合時の撹拌に
おいて、ゴムに対して応力のかかるような条件、例えば
回転数を上げることにより、粒子径を小さくすることに
よって行なうことができる。
本発明の方法は、前記特定のスチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体を使用し、これに芳香族ビニル化合物を
グラフト重合するものである。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビ
ニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレ
ンなどを挙げることができるが、好ましくはスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレンであり、さら
に好ましくはスチレンである。
前記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体と芳香族
ビニル化合物の混合割合は、前者が3〜25重量%、好
ましくは5〜15%、さらに好ましくは7〜13重量
%、後者が97〜75重量%、好ましくは95〜85重
量%、さらに好ましくは93〜87重量%である。スチ
レン−ブタジエン系ブロック共重合体の使用量が3重量
%未満では、得られる樹脂の耐衝撃性が低下し、本発明
の目的を達成し難く、25重量%を超えるとグラフト重
合溶液の粘度が非常に高くなるため、実際的にグラフト
重合することが困難となる。
前記特定のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体に
芳香族ビニル化合物をラジカル共重合する方法は特に制
限されるものではないが、例えば前記スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体を溶解した芳香族ビニル化合物
を塊状重合するか、塊状重合−懸濁重合を組み合わせて
ラジカル重合する方法により実施することができる。
塊状重合によってスチレン−ブタジエン系ブロック共重
合体と芳香族ビニル化合物をラジカル重合する場合に
は、前記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体を芳
香族ビニル化合物に溶解させ、次いで必要に応じて分子
量調節剤を添加する。
分子量調節剤としては、例えばα−メチルスチレンダイ
マー、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメ
ルカプタン、1−フェニレブテン−2−フルオレン並び
にジペンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テ
ルペン類、ハロゲン化合物などが用いられる。
さらにまた、得られる樹脂の成形加工生を向上させるた
めに、一般的な滑剤が加えられる。その例としては、ス
テアリン酸ブチル、フタル酸ブチルなどのエステル系滑
剤、ミネラルトイル、パラフィンワックスなどの従来の
樹脂加工において用いられる滑剤を使用することができ
る。
これら分子量調節剤および滑剤を前記の重合体溶液に溶
解後、開始剤として、例えばベンゾイルパーオキシサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、キュメンハイドロパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、
ジ−ターシャリーブチルジパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンまたはアゾビスイソブチロニトリルなどを
添加して、不活性ガス雰囲気下で、反応温度を60〜2
00℃にして撹拌しながら反応を完結させる。また、無
触媒で熱重合する場合は、通常100〜200℃におい
て加熱重合し、反応を完結させる。
前記塊状重合反応中においては、通常、芳香族ビニル化
合物の重合率が約30%になるまでの段階において効果
的に撹拌することが好ましく、特に本発明においては、
ブロック共重合体の粒子径が本発明の範囲内となるよう
に撹拌を調整する必要がある。一方、該芳香族ビニル化
合物の重合率が約30%を超えて進んだ後には、撹拌を
緩和することが好ましい。
またこの際、重合系の粘度を低下させるために、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒を加
えてもよい。
重合終了後、ベント式ルーダーまたはスチームストリッ
ピングなどによって、脱モノマー、脱溶媒することによ
り、モノマーおよび溶媒が回収される。
塊状重合−懸濁重合の組み合わせによってラジカル重合
する場合においては、まずモノマー(芳香族ビニル化合
物)の約10〜45重量%が重合体に転化するまで塊状
重合を行なった後、反応溶液をポリビニルアルコール、
ポリメタクリル酸塩、第三燐酸カルシウムなどの懸濁安
定剤を溶解した水溶液中に分散させ、懸濁状態を保ちな
がら反応温度を60〜160℃にして重合を完結させ
る。重合完了後、懸濁安定剤を十分に水洗して除去し、
乾燥した後、芳香族ビニル系樹脂を回収する。
なお、前記塊状重合あるいは塊状−懸濁重合によりラジ
カル重合する際に、使用するモノマーの50重量%以上
が前記芳香族ビニル化合物であることが好ましく、モノ
マーの50重量%未満を該化合物以外のアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族ビニ化合物で置き
換えてもよい。
また、前記各重合法で得られた樹脂には、既知の酸化防
止剤、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−
4,6−ジメチルフェノール、2,2′−メチレン−ビ
ス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4′−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メ
チルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート、
トリス(ジ−ノニルフェニル)ホススァイト、ワック
ス;既知の紫外線吸収剤、例えばp−tert−ブチル
フェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−
4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾチアゾール;既
知の滑剤、例えばパラフィンワックス、ステアリン酸、
硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミ
ド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステア
リン酸トリグリセリド;既知の難燃剤、例えば酸化アン
チモン、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、トリクレジル
ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタ
ン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノー
ルA;既知の帯電防止剤、例えばステアロアミドプロピ
ルジチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレー
ト;既知の着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク、その他の無機あるいは有機含量:既知の充填剤、例
えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガ
ラス球、カーボン繊維などを必要に応じて添加すること
ができる。
e.実施例 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
なお、実施例中、部および%は特に断らない限り、重量
部および重量%を示す。
また、実施例中に示すデータは、下記の方法に従って測
定した。
スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体のミクロ構造
は赤外法(モレロ法)により、スチレン溶液粘度はキャ
ノンフェンスケ型粘度計により測定した。
スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の結合スチレ
ン量は、波数699cm-1におけるフェニル基による赤外
線吸収ピークの強度を測定し、あらかじ求めておいた検
量線からその量を求めた。
また、スチレン−ブタジエンブロック系共重合体の分子
量分布は、東洋曹達工業(株)製HLC−802A型G
PCを用い、次の条件で測定した。
カラム;東洋曹達工業(株)製カラム GMHXL×2本 移動相;テトラヒドロフラン 試料濃度;0.1重量% 測定温度;40℃ 検知器;示差屈折計 ▲▼/▲▼およびPM/▲▼は、標準ポリ
ステレン換算した▲▼、▲▼、PMをそれぞれ
求めて計算した。スチレン−ブタジエン系ブロック共重
合体のブロックスチレン量は、H−NMRにてRubb.C
hem.Tech.,54,685(1981)に従い測定し、算出した。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の物性は、次の方法に従っ
て測定した。
アイゾット緩衝強度(1/4インチ、ノッチ付):8oz
射出成形機を用い、シリンダー温度200℃で成形した
得られた成形品について、ASTMD−256に準じて
測定した。
引張強度:8oz射出成形機を用い、シリンダー温度20
0℃で成形して得られた成形品について、ASTM D
−638に準じて測定した。
光沢:8oz射出成形機を用い、シリンダー温度200℃
で成形して得られた成形品について、ASTM D−5
23に準じ、60℃の反射光沢度を測定した。
分散ゴム粒子のメジアン粒子径測定:樹脂ペレット1〜
2粒をジメチルホルムアミド約50ml中に入れ、約3時
間放置し、次にこのジメチルホルムアミド溶解液を電解
液(ISOTONII)に添加し、適度の粒子濃度とし
てコールターカウンターにて測定し、得られた粒径分布
から50%のメジアン径を算出することにより求めた。
粒子径が0.4μm以下の場合は、このジメチルホルム
アミド溶解液をコールターN4型サブミクロン粒子アナ
ライザーにて測定した。
実施例1 内容積50のジャケット・撹拌機付反応機にシクロヘ
キサン18kg、ブタジエン2.7kg、テトラヒドロフラ
ン1.3g、1,2−ブタジエン0.4gおよびドデシ
ルベンゼンスルホン酸カリウム0.35gを仕込み、温
度を45℃に調節した後、n−ブチルリチウム1.2g
を添加して重合した。最高温度に達してから10分後に
スチレン0.3kgを添加し、さらに30分間重合を継続
した。このポリマー溶液に、安定剤として2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノールをポリマーに
対して0.5%の割合で添加してから、スチームストリ
ッピングにより溶媒を除去し、100℃の熱ロールにて
乾燥してブロックポリマーを得た。得られたポリマーの
性状を表−1に示す。このブロックポリマー7部とスチ
レン93部の混合物を室温で8時間撹拌し、均一に溶解
した。この溶液を内容積10のジャケット・撹拌機付
反応機に移し、tert−ドデシルメルカプタン0.0
2部を添加し、110℃でスチレンの重合率が約30%
になるまで重合させた。なお、このときの撹拌は500
rpmの回転数で行なった。次いで、この重合溶液100
部当たり0.05部のクミルパーオキサイドを添加し、
さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム3部、界
面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.005部を含む水150部を加え、撹拌下に溶液を
懸濁させた。この懸濁混合物を撹拌しつつ120℃にて
4時間、140℃にて4時間加熱して重合した。得られ
たビーズ状の樹脂を別し、水洗処理した後、熱風乾燥
し、次いで押出機を用いてペレット化した。かくして得
られた耐衝撃性スチレン樹脂を射出成形して、物性測定
用の試験片とした。各物性の測定結果を表−2示す。
実施例2 実施例1において、n−ブチルリチウムを0.9gにド
デシルベンゼンスルホン酸カリウム0.24gに変更し
た以外は実施例1と同じ方法で実施した。ポリマーの性
状を表−1に、得られた樹脂の物性を表−2に示した。
比較例1 実施例1においてブタジエンを2.85kg、n−ブチル
リチウムを1.65g、ドデシルベンゼンスルホン酸カ
リウムを0.48g、スチレンを0.15gに変更した
以外は実施例1と同じ方法で実施した。ポリマーの性状
を表−1に、得られた樹脂の物性を表−2に示した。
実施例3〜5、比較例2〜5 実施例1においてそれぞれの薬品の量を次表のようにし
てポリマーを得、物性を測定した。結果を表−1、表−
2に示す。
実施例1〜5のベースポリマーを用いた場合、優れた耐
衝撃性と光沢のバランスを示すとともに引張強度も良好
である。
比較例1は、溶液粘度が低いためゴム粒径が小となり耐
衝撃性に劣り、比較例2のスチレン含量が本発明の範囲
を外れるため耐衝撃性に劣る。比較例3は、ビニル含量
が本発明の範囲を外れるため耐衝撃性に劣り、比較例4
は、▲▼/Mn、PM/▲▼の比が本発明の範
囲を外れるため光沢に劣る。比較例5は、スチレンのブ
ロック率が本発明の範囲を外れるため耐衝撃性と光沢の
バランスが劣る。
f.発明の効果 本発明によれば、耐衝撃性、光沢に優れた耐衝撃性芳香
族ビニル系樹脂を得ることができ、テレビ、冷蔵庫、エ
アーコンディショナー、洗濯機などの家庭用電器製品の
部品、パソコン、ワードプロセッサーなどの事務機器の
部品、建材、雑貨などに有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    の存在下に芳香族ビニル化合物を重合する方法におい
    て、上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体とし
    て、 ポリスチレン換算重量平均分子量(▲▼)と数平
    均分子量(▲▼)の比(▲▼/▲▼)が
    1.20以上、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
    によって得られるピーク分子量(PM)とポリスチレン
    換算重量平均分子量(▲▼)との比(PM/▲
    ▼)が1.02以上、 25℃で測定した5重量%スチレン溶液の粘度が20
    0〜2000センチポイズ、 全スチレン含量が3〜20重量%、 ブロックスチレン含量が全スチレン含量の60%以
    上、 ブタジエン部分のビニル結合含量が13〜30% であるスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体を用
    い、かつ得られる樹脂中に分散したブロック共重合体粒
    子の平均粒子径を0.4〜2.5μmの範囲に調節する
    ことを特徴とする耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重
    合体が、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始剤
    としてブタジエンとスチレンを逐次的にブロック共重合
    するに際し、 (i)−SOK基または−OSOK基(Kはカリウム
    金属原子を示す。)を有するアニオン性界面活性剤の1
    種以上、および (ii)一般式:CH=C=CHR (式中、Rは水素原子または1〜3個の炭素原子を含む
    アルキル基を表わす。) で表わされる1,2−ジエン化合物の1種以上を共存さ
    せて製造されるスチレン−ブタジエン系ブロック共重合
    体であることを特徴とする請求項(1)記載の製造方法。
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