JPH0655497B2 - 化粧シート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、弱電関係のハウジングやキャビネット等に使
用される化粧シートに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、この種の化粧シートとしては第３図に示すように
下地原版（ａ）（通常は着色）の上に裏刷り（ｂ）（バ
ックプリント）した透明な合成樹脂（一般にポリ塩化ビ
ニリデン）シート（Ｃ）を貼り合わせたものが知られて
いる。

また、最近ではワイピング塗装を利用したものとしては
実公平1-18639号、実公平1-18640号に示されるものも知
られている。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、第３図に示されるものにおいては全体の
シート厚も薄く、光の反射する位置も二面しかないので
立体感に乏しい。

また、実公平1-18639号、実公平1-18640号に示されるも
のは何れも深みがあり、溝の深浅の階調のある外観は得
られるが、最表面の保護層は平滑であるために立体感が
まだ、不充分であり、しかも本発明と異なり、ワイピン
グによる着色層が印刷層よりも上にあるので外観上の効
果が異なる。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記従来技術の問題点を解決すべく考えられた
もので、表面に凹凸を有する基材の該凹部に、インキ層
を設け、該インキ層を含めて基材の表面上に、裏面に印
刷層を有し、表面に凹部を有する合成樹脂フィルムを、
印刷層を下にして積層して成る化粧シートである。

〈作用〉 本発明は以上の構成になっており、透明な合成樹脂層に
設けた印刷層と同調した凹みが透明な合成樹脂層表面に
形成されているので立体感のある外観が得られる。

以下、図面に基いて詳細な説明する。

第１図は本発明の断面図であり、表面にエンボス（１）
を有する基材（２）（ポリ塩化ビニル等のメタリック又
は着色合成樹脂フィルム）のエンボス（１）の凹部にパ
ールインキ、又は不透明インキ等のインキ（３）をワイ
ピング加工により埋込んである。

そして、このインキ（３）を含めて基材（２）の表面上
に裏面に印刷層（４）を、表面にエンボス（５）を有す
る透明な合成樹脂フィルム（６）（ポリ塩化ビニル等）
を熱ラミネートして成る。

ここで、上記エンボス（１）はヘアーライン状等の模様
状に設けることができ、エンボスの深さは20μ〜200μ
の範囲が良く、この深さに合わせて基材（２）の厚みは
0.05ｍ／ｍ〜0.20ｍ／ｍの範囲のものが適当である。ま
た、合成樹脂フィルム（６）も後加工のことを考慮して
0.05ｍ／ｍ〜0.15ｍ／ｍ位の範囲のものが適当である。

フィルムの硬さは基材（２）、合成樹脂フィルム（６）
ともに数パーツから40パーツ位で良く、場合によっては
０パーツでもよい。

〈実施例〉 基材（２） 厚さ0.15ｍ／ｍの着色ポリ塩化ビニルフィルムエンボス
深さ60ｍ／ｍのヘアーライン状 合成樹脂フィルム（６） 厚さ0.1ｍ／ｍの透明ポリ塩化ビニルフィルムエンボス
深さ20μの木目導管状 インキ（３） 通常のグラビア用パールインキ又は不透明インキ 上記基材のエンボスにインキをワイピング加工により埋
込み、一方、合成樹脂フィルムのエンボス面と反対側に
木目柄の印刷した後、基材と合成樹脂フィルムをラミネ
ートして化粧シートを作製した。

このようにして得られた化粧シートはシート内部にヘア
ーライン状に多量のインキが載り、ボリューム感、立体
感が向上する。

〈発明の効果〉 本発明は以上の構成になっているので、印刷層と同調し
た凹みが、合成樹脂フィルム表面に形成されるため化粧
シート内部のエンボスと表面のエンボスの相乗効果によ
り印刷柄に立体感、ボリューム感が得られる。しかも基
材のエンボス内のインキはワイピング加工により設けら
れているのでインキ量が従来の印刷に比べて約10倍程
度、多く盛ることができ、力強さ、ボリューム感が優れ
ている。

さらに、接着剤を用いていないので、品質の安定が計
れ、収率も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図は同じ
く、作製過程を示す説明図、第３図は従来技術を示す断
面図である。 （１）……エンボス、（２）……基材 （３）……インキ、（４）……印刷層 （５）……エンボス、（６）……合成樹脂フィルム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に凹凸を有する基材の該凹部に、イン
   キを設け、該インキ層を含めて基材の表面上に、裏面に
   印刷層を有し、表面に凹部を有する透明な合成樹脂フィ
   ルムを、印刷層を下にして積層して成る化粧シート。