JP2003011482A - トレーディングカード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な手法により画面全体が派手な色調と立
体感で絢爛豪華に輝いて見えるような質感をもったトレ
ーディングカードを提供する。 【解決手段】 厚紙２の上面に金属蒸着フィルム等の樹
脂層３を被覆して台紙４を形成し、この台紙４の樹脂層
３の表面に適宜の図柄の印刷面５を設けて、この印刷面
の図柄形状と一致する図柄を凸部によって表した押版６
により前記印刷面５の表面を型押しして、印刷面５に図
柄の輪郭などを明確に表現する凹部７を形成し、この凹
部７を設けた印刷面５の表面に透明プラスチックシート
９を接着被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、有名なスポーツ選
手やタレントなどの写真、漫画のキャラクターなどが印
刷されたカードであって、希少価値のあるカードを個人
的に蒐集したり、相互に交換して楽しむためのトレーデ
ィングカードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種のトレーディングカー
ドは、人気のあるスポーツ選手やタレントなどの写真が
印刷され、これらのカードがファンの間で蒐集や交換が
行われることで付加価値が生ずるものであるため、表さ
れる画像としては、単なるスポーツ選手の写真や文字を
印刷したありふれた平面的なカードではなく、手にもっ
た瞬間におもわず魅力を感じるような、画面全体が派手
な色調と立体感で絢爛豪華に輝いて見えるような質感の
ものが求められることになる。

【０００３】そのため、一般的には、厚紙の表面に精巧
な印刷面が得られるように、樹脂をコーティングした
り、アルミ蒸着フィルムを設けて台紙を形成し、この台
紙の表面に図柄・写真等を印刷して、この印刷面を保護
するために印刷面の表面に樹脂をさらにコーティングし
たものが広く知られている。

【０００４】このようなカードの一例としては、例え
ば、特開平１１−２４６１７号のカードのように、ポリ
塩化ビニル等の基材シートの一方の面にアルミニウム蒸
着層を設けて、このアルミニウム蒸着層の表面に紫外線
硬化型インクによって印刷を施すと共に、その印刷面の
表面に紫外線硬化型接着剤層を介して透明プラスチック
シートを積層被覆し、また、前記基材シートの一方の別
の面に裏面層としてポリ塩化ビニルシート、または紙及
びポリプロピレンフィルムを接着剤層を介して積層する
ことによって、印刷面に深みと立体感が得られるように
構成した鏡面印刷カードが知られている。

【０００５】

【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記の発明の
トレーディングカードは、従来からこの種のカードとし
て広く一般的に知られているところの、台紙の一方の面
にアルミ蒸着フィルムを設けて、このアルミ蒸着フィル
ムに印刷面を施し、さらにこの印刷面の表面に樹脂をコ
ーティングするというカードとその構成を比較した場
合、紫外線硬化型インクによる印刷面を設けること、及
びその印刷面の表面に紫外線硬化型接着剤層を介して透
明プラスチックシートを積層するという点で相違するだ
けに過ぎず、特に目新しいものであるとはいえなかっ
た。

【０００６】上記発明のように、紫外線硬化型インクに
よる印刷面を設けたり、その印刷面の表面に紫外線硬化
型接着剤層を介して透明プラスチックシートを積層する
という構成による場合には、製造作業が迅速に行えると
か、表面の耐久性が増すなどの効果を有するとされてい
るが、従来の一般的なカードにおける印刷面をコーティ
ングするための樹脂を、紫外線硬化型接着剤層を介して
被覆する透明プラスチックシートに代えただけでは、印
刷面の画質をさほど変化に富んだものとすることは難し
く、かならずしも鏡に写したような深みであるとか、立
体感が得られるとはいえなかった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来におけるトレーディングカードの問題点に鑑み、簡
単な手法により画面全体が派手な色調と立体感で絢爛豪
華に輝いて見えるような質感をもったトレーディングカ
ードの提供を目的としたものである。

【０００８】本発明はそのための具体的手段として、厚
紙の上面に金属蒸着フィルム等の樹脂層を被覆して台紙
を形成し、この台紙の樹脂層の表面に適宜の図柄の印刷
面を設けると共に、前記印刷面の図柄形状と一致するよ
うな図柄を凸部によって表した押版により前記印刷面の
表面を型押しして、前記印刷面に図柄の輪郭などを明確
に表現する凹部を形成し、この凹部の形成された印刷面
の表面に透明プラスチックシートを接着被覆してなるこ
とを特徴とする。

【０００９】また、台紙の印刷面へ押版による型押しを
行う際には、印刷面と押版との間に箔シートを配置し
て、押版により箔シートを印刷面へ圧着し、印刷面に形
成される凹部内へ前記箔シートの片面から剥離する箔を
充填させることが好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明に係るトレーディングカー
ドの構造を図面に示す実施例により説明すると、図１に
示すように、このトレーディングカード１は、裏面に予
め反り返り防止用のポリエチレンフィルム１３を貼り合
わせてなる厚紙２の表面に、金属蒸着フィルム製の樹脂
層３を接着被覆させて、前記フィルム１３と厚紙２と樹
脂層３との重合による台紙４を形成し、さらに、この台
紙４の樹脂層３の表面に適宜数の色インクからなるスポ
ーツ選手の写真、文字等の印刷面５を形成する。

【００１１】次に、前記樹脂層３における印刷面５の上
に、図３に示すような印刷面５の図柄形状と一致するよ
うな図柄を凸部１０により表した金属製の押版６を用い
て、前記印刷面５の表面に型押しを行い、図２のように
前記印刷面５の図柄の輪郭部分に前記凸部１０を押し込
むことで凹部７を形成し、この凹部７によって印刷面５
の図柄輪郭部分をその周囲の背景部分と明確に識別でき
るように浮き立たせる。そして，最後に前記凹部７の形
成された印刷面５の表面に透明の接着剤８を介して透明
プラスチックシート９を接着し印刷面５を被覆保護す
る。

【００１２】前記台紙４に使用される厚紙２としては、
アート紙あるいはコート紙などのような比較的硬めで表
面が平滑に処理されたものが好ましく、また、樹脂層３
としては樹脂フィルムにアルミニュウムを蒸着させたア
ルミ箔のような質感の金属蒸着フィルムが好ましい。な
お、この樹脂層３としては、必ずしもアルミニュウムを
蒸着させた金属蒸着フィルムでなくてもよく、他の金属
色を蒸着させたフィルムであってもよい。

【００１３】樹脂層３に印刷される印刷面５の図柄は、
例えば、スポーツ選手などの写真をオフセット印刷、グ
ラビア印刷、シルクスクリーン印刷などの適宜の印刷手
段により印刷して、樹脂層３の表面にこの印刷面５のイ
ンク層を形成する。

【００１４】印刷面５の表面に凹部７を形成するための
押版６としては、亜鉛板の表面に、通常の印刷製版の技
法によって、樹脂層３に印刷される図柄の特に強調した
い線や面、例えば、図２の例でいえば、選手の身体の輪
郭に沿った線などを、凸部１０として突設したものから
なっており、この押型６の凸部１０を印刷面５の図柄と
合致するように押圧することで、印刷面５の図柄輪郭に
沿って溝状の凹部７が形成されるようになっている。

【００１５】このようにして印刷面５における図柄の輪
郭部分等に凹部７が形成されたのち、前記印刷面５の表
面に透明の接着剤８を介して透明のプラスチックフィル
ム９を被覆して印刷面５が保護される。なお、前記接着
剤８としては、透明プラスチックフィルム９に予め塗布
されている感圧接着剤であってもよく、また、フィルム
が接着剤を用いずに熱圧着により印刷面５の表面へ接着
されるようなものであってもよい。

【００１６】本発明の実施形態は上記の構成を基本とす
るが、図４はこの基本形態に加えられる別の実施例を示
している。この実施例では、押版６によって印刷面５に
凹部７を形成する際に、図４ａのように、押版６と印刷
面５との間に樹脂フィルムの片面に透明箔１２を付着さ
せた透明箔シート１１を配置しておき、図４ｂのように
押版６を加圧することで、印刷面５に凸部１０の食い込
みによる凹部７が設けられるときに、凸部１０によって
透明箔シート１１の一部を凹部７内に押し込んで、凹部
７内に透明箔シート１１から剥離させた雲母のような透
明な薄い細片からなる透明箔１２が充填付着するように
構成する。透明箔１２の充填付着後は、図４ｃのように
押版６は上方へ引き上げられる。

【００１７】上記の実施例では、印刷面５の凹部７内に
透明箔シート１１から剥離した雲母のような透明な箔１
２を充填付着されるように構成したが、凹部７内に充填
される箔としては、必ずしも透明である必要はなく、金
箔、銀箔、ホログラム箔、各種の色箔をトレーディング
カードの表現目的や画面効果に応じて適宜使用すること
ができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明に係るトレーディングカードで
は、厚紙２の表面にアルミニウムなどの金属蒸着フィル
ム製の樹脂層３を接着被覆して、この樹脂層３の表面に
適宜数の色インクからなるスポーツ選手の写真、文字等
の印刷面５を形成するので、台紙４の表面全体の色調が
派手な銀色等の金属色の基調をもって彩られ、その表面
に印刷面５を設けた場合に、その印刷面５に表面のイン
ク層を通して基調となる金属色が浮き出るので、画面が
見る角度によって光の屈折が異なり、きわめて絢爛豪華
な画像を設けることができる。

【００１９】本発明では、前記のようにして形成される
金属色の基調をもつ印刷面５の表面に、印刷面５の図柄
形状と一致するような図柄を凸部１０により表した金属
製の押版６を用いて、前記印刷面５の表面に型押しを行
い、前記印刷面５の図柄の輪郭部分に前記凸部１０によ
る凹部７を形成するので、この凹部７により印刷面５の
図柄輪郭部分、つまり選手の身体の画像をその周囲の背
景画面と明確に区画して識別できるように浮き立たせる
ことができ、立体感のある画像を形成することができ
る。

【００２０】印刷面５の図柄の輪郭部分に凸部１０によ
る凹部７を設けることで、選手の画像などの図柄輪郭部
分を、その周囲の背景画面と明確に区画して浮き立たせ
ることができる。しかし、図柄輪郭部分に単に凹部７を
設けただけでは、例えば、図柄輪郭部分の内側の画像と
その周囲の背景画面とが同色系の場合には、凹部７が図
柄輪郭部分の内側もしくは外側の画像の色に溶け込んで
しまって、凹部７の色が判然としないことがある。

【００２１】このような問題に対し、図４の実施例で示
したように、印刷面５の表面に押版６によって凹部７を
形成する際に、押版６と印刷面５との間に箔シート１１
を配置して、凸部１０の食い込みによって設けられる凹
部７内に箔シート１１から剥離する箔１２を充填した場
合には、印刷面５の選手の画像を表す図柄輪郭部分が、
薄い細片からなる箔１２によって光を的確に反射し、図
柄輪郭部分の内側の画像とその周囲の背景画面とを光沢
のある輪郭線で明確に表現することができ、画面全体を
明るい色調と立体感とにより絢爛豪華に仕上げることの
できる質感をあるトレーディングカードとすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るトレーディングカードの構成を示
す拡大断面図。

【図２】図１のトレーディングカードの平面形状を示す
斜視図。

【図３】このトレーディングカードの製造に使用する押
版の斜視図。

【図４】このトレーディングカードの一つの態様におけ
る製造工程順を示す断面図。

【符号の説明】 １：トレーディングカード ２：厚紙 ３：樹脂層 ４：台紙 ５：印刷面 ６：押版 ７：凹部 ８：接着剤 ９：透明プラスチックシート １０：凸部 １１：箔シート １２：箔 １３：反り返り防止用フィルム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H113 AA01 AA04 AA06 BA03 BA05 BA09 BA28 BB07 FA04 FA05 FA28 4F100 AB01C AK01B BA03 BA07 BA10A BA10C DG10A EH66C GB90 HB00

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 厚紙の上面に金属蒸着フィルム等の樹脂
   層を被覆して台紙を形成し、この台紙の樹脂層の表面に
   適宜の図柄の印刷面を設けると共に、前記印刷面の図柄
   形状と一致するような図柄を凸部によって表した押版に
   より前記印刷面の表面を型押しして、前記印刷面に図柄
   の輪郭などを明確に表現する凹部を形成し、この凹部の
   形成された印刷面の表面に透明プラスチックシートを接
   着被覆してなることを特徴とするトレーディングカー
   ド。
2. 【請求項２】 台紙の印刷面へ押版による型押しを行う
   際に、印刷面と押版との間に箔シートを配置して、押版
   により箔シートを印刷面へ圧着し、印刷面に形成される
   凹部内へ前記箔シートの片面から剥離する箔を充填させ
   た請求項１に記載のトレーディングカード。