JPH0655133B2 - 制癌作用のある菌糸体の培養方法 - Google Patents

制癌作用のある菌糸体の培養方法

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JPH0655133B2
JPH0655133B2 JP1313821A JP31382189A JPH0655133B2 JP H0655133 B2 JPH0655133 B2 JP H0655133B2 JP 1313821 A JP1313821 A JP 1313821A JP 31382189 A JP31382189 A JP 31382189A JP H0655133 B2 JPH0655133 B2 JP H0655133B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、担癌患者の免疫療法薬の原料となる、制癌
作用のあるキコブタケ科のメシマコブ菌糸体の培養方法
に関するものである。
(従来の技術) キコブタケ科のメシマコブが強い抗腸瘍性を有する事は
広く知られている。
このメシマコブは、サルノコシカケ科に属するものとさ
れていたが、今関六也、本郷次雄共著、「原色日本菌類
図鑑」(保育社発行、1974年)の分類において、キ
コブタケ科のキコブタケ属に属すとされ、Phellinus yu
catensis(Murr.)Imaz.ともよばれている。
この外にFomes yucatensis Murrill,Pyropolyporus yuc
atensis Murr.などの異名がある。
また、「中薬大辞典」(上海科学技術出版社)にみるPh
ellinus igniarius(L.ex Fr.)Q−uelの薬物名を
「桑黄」といつているが、劉波著「中国の薬用菌類」に
よると、真正の「桑黄」は桑の樹の幹に生じたものに限
ると定義し、Pyropolyporus yucatensis Murr.なる学名
をあたえている。すなわち、Phellinus igniarius(桑
黄)は、長い歴史の間に、かなり広い解釈がなされてき
ている。川村清一著「原色日本菌類図鑑」第一巻(風間
書房、1975)によると、Pyropolyporus yucatensis Mur
rillは、邦名メシマコブ〔Fomes yucatensis Murrill;P
hellinus linteus(Berk.et Curt.)Aoshima〕の異名であ
るとし、桑樹に生じ傘の表面を除く外はすべて黄色なる
が故に、漢名を「桑黄」と言い、桑臣、桑耳、桑寄生、
などの異名もある、と示されている。
天然のメシマコブが協力な抗腫瘍性を有するとは公知の
事実であるが、自然界には極めてまれにしか繁殖せず、
真正の桑黄と呼ばれる桑の古木に自生するメシマコブ
は、桑木自体の減少とともに入手が極めて困難となっ
た。
そこで人工培養に頼ることとなるが、その培地には桑の
古木の入手難から、一般の担子菌類の培養と同様に、
「ぶな」等の広葉樹の幹木に直接に菌を植えて子実体を
つくらせるか、または、上記広葉樹の鋸屑に適当な添加
物を加えた固形培地を用いる方法が従来から行われてい
た。
(発明が解決しようとする課題) 上記した従来の人工培養において、桑に寄生した子実体
を用いても、培養世代を重るたびに桑から得られたメシ
マコブ本来の持つ性質が、培地が異なるために変化する
可能性があって、真正のメシマコブの培養は極めて困難
なであるといった問題があり、その解決が課題とされて
いた。
この発明は、上記した従来の問題点を解決して、桑樹の
みに寄生する真正のメシマコブからなる、性癌作用のあ
る菌糸体の培養方法を提供することを目的とするもので
ある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達するためのこの発明は、キコブタケ科の
メシマコブ〔Phellinus linteus(Berk.et Curt.)Aoshim
a〕を桑の若木を乾燥・粉砕したものを主体とする培地
により培養して、その菌糸体を得る、性癌作用のある菌
糸体の培養方法である。
また、上記の培地に、通常の添加物の他にグルコースを
添加した、性癌作用のある菌糸体の培養方法である。
(作用) メシマコブの人工培養に当たって、桑の古木は極めて入
手困難であることから、シーズン毎に生じる桑の若木に
着目して、これを乾燥・粉砕したものを主体とする培地
を使用することで、桑に寄生する真正のメシマコブの性
質を変化させることなく培養でき、その菌糸体の抽出物
は、協力な抗腫瘍性を有することが実験によりわかっ
た。
(実施例) 桑の古木に自生したメシマコブ子実体の細片を寒天培地
に移して分離培養した後、その菌糸を次にしめす桑の若
木の乾燥粉砕物を主体とする組成の培地に植えて培養し
た。
培地の組成 桑若木の乾燥粉砕物 80.0g 米糖 10.0g ペプトン 6.0g 硝酸加里 0.8g 炭酸石炭 0.8g グルコース 12.0g 水 150.0g 培養は、温度20゜C〜28゜C,湿度70%〜90%のも
とで約60日間行ってメシマコブ菌糸体が得られた。
このメシマコブ菌糸体の湿重量の2〜3倍の水を加え、
100゜Cにて120分間熱湯で抽出を行い、10層に重
層したカーゼで濾過し、100゜C以下で5〜7倍に減圧
・濃縮した後、凍結乾燥などの手段を用いて粉末とす
る。
以上の手順により1200gの培地より25g〜30g
のメシマコブ菌糸体抽出物粉末を得た。
このメシマコブ菌糸体抽出物粉末の抗腫瘍性を確認する
ために、桑の古木の鋸屑を主体とする培地で培養したメ
シマコブ菌糸体抽出物粉末と比較した、エールリッヒ腹
水癌細胞移植マウスに対する延命試験を行った。その結
果を付表1に示す。
この試験結果によると、本発明方法による桑の若木を主
体とする培地で培養したものは、桑の古木を主体とする
培地により培養したものと、マウスの延命効果において
ほとんど変化のない優れた効果のあることがわかった。
次に、本発明によるメシマコブ菌糸体抽出物粉末の投与
量を変えて比較した、上記エールリッヒ腹水癌細胞移植
マウスに対する延命試験を行った。その結果を、付表2
に示す。
この試験結果によると、投与量5mgは量が多過ぎて延命
効果が減じたが、2.5mg以下では容量依存性に抗腫瘍効
果を発揮することがわかった。
次に、メシマコブ菌糸の生育が極めて遅いことにより、
その促進のために培地にグルコースを添加することで、
この問題を解決した。
グルコースの添加量を変えて菌糸の増殖速度の変化を見
る試験を行った。その結果を付表3に示す。
この試験において、菌糸の増殖速度の測定は、培養瓶の
底部より10cmの高さまで同一条件下で詰めた培地に菌
糸を移植して、20日後の生育度で比較した。その比較
方法は、培養瓶の菌糸の成育到達点に無作為に印をつ
け、その印を起点に瓶円周の90°ずつ隔てた4か所で
菌糸の生育の長さを測定し、培養瓶5本ぶんの平均値を
とって「cm」で示した。
この試験結果によると、菌糸の成育度は、添加するグル
コースの量に対して、濃度依存性に著しい影響をうけ、
1.25g添加したものが最も良い成績であつた。
(発明の効果) 以上説明した、この発明に係わる性癌作用のある菌糸体
の培養方法によれば、人工培養が困難とされていた桑の
古木に生じる真正のメシマコブの培養が、シーズン毎に
生じて大量に得られる桑の若木を培地として使用するこ
とと、培地にグルコースを添加して菌糸の成育速度を促
進することにより、容易に培養できることとなって、メ
シマコブ菌糸体の持つ優れた抗癌効果が、広く利用され
る道を開くことが出来るものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キコブタケ科のメシマコブ〔Phellinus li
    nteus(Berk.et Curt.)Aoshima〕を、桑の若木を乾燥
    ・粉砕したものを主体とする培地により培養して、その
    菌糸体を得ることを特徴とする、制癌作用のある菌糸体
    の培養方法。
  2. 【請求項2】培地に、通常の添加物の他にグルコースを
    添加した、特許請求の範囲第1項記載の、制癌作用のあ
    る菌糸体の培養方法。
JP1313821A 1989-12-01 1989-12-01 制癌作用のある菌糸体の培養方法 Expired - Lifetime JPH0655133B2 (ja)

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KR100455906B1 (ko) * 2001-10-26 2004-11-15 주식회사한국신약 펠리누스 린테우스의 균사체를 추출 정제하여 얻은다당류를 유효성분으로 포함하는 폐암 치료용 약학적 조성물
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CN115362878B (zh) * 2022-08-11 2024-02-02 西南大学 全桑枝人工模拟自然栽培食药用菌桑树桑黄的方法及其应用

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