JPH065448Y2 - 壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、トイレなど室内に用いられる壁パネルに関す
るものである。

［背景技術］ トイレなどに施工される壁パネルとしては、従来からタ
イルや塩化ビニルクロス張り石膏ボードなどが広く用い
られている。これらの壁パネルは耐水性を考慮して用い
られているのである。しかしトイレなど密閉された室内
空間は湿気がこもり易い傾向があるが、これらの従来の
壁パネルでは湿気を吸収することはできず、湿気の問題
は解決できていないのが現状である。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであり、耐水
性と共に吸湿性をも有し、室内空間の調湿をおこなうこ
とができる壁パネルを提供することを目的とするもので
ある。

［考案の開示］ しかして本考案に係る壁パネルは、独立気泡を含有する
気泡セメント板で基板１を形成すると共に基板１の表面
の気泡２を開口させた状態で露出させ、この基板１の表
面に透湿性の化粧層３を積層して作成されるものであ
り、基板１を独立気泡のセメント板で形成して耐水性を
確保すると共に、基板１の表面の気泡２を開口させて化
粧層３を通して気泡２内に湿気を吸収させることによっ
て吸湿性を付与できるようにしたものであって、以下本
考案を実施例により詳述する。

基板１は独立気泡の気泡２，２…を含有する気泡セメン
ト板によって形成されるものであり、気泡２のうち基板
１の片側表面に位置するものは開口させて露出させてあ
る。このように基板１の表面の気泡２を開口させること
によって、基板１の表面に多数の凹陥部2aを形成するこ
とができる。基板１の表面の気泡２を開口させるにあた
っては、表面層の気泡２を破泡したり、あるいは基板１
の表面層をサンディングなどして研削したりすることに
よっておこなうことができる。そしてこの基板１の表面
に化粧層３を積層して第１図に示すような壁パネルＡと
して仕上げるのである。化粧層３としては、通気性を具
備して透湿性を有する化粧クロスを基板１の表面に貼っ
て形成したり、透湿性を有する塗料を塗布してこの塗料
の塗膜として形成したりすることができる。

上記のようにして形成される壁パネルＡは、例えばトイ
レなどの内装壁材として用いられるものであり、基板１
が独立気泡のセメント板で形成してあるために耐水性に
優れると共に、軽量でもあるという特徴を有する。また
トイレなどの室内の湿気は透湿性の化粧層３を通して凹
陥部2aとして開口する基板１の表面の気泡２内に第２図
の矢印のように吸収されることになり、この吸湿によっ
て室内に気泡がこもることを防止することができる。ま
た逆に室内が乾燥し過ぎると、基板１の表面で開口する
気泡２内から湿気が化粧層３を通過して室内に出てゆ
き、室内の乾燥し過ぎを防止することができる。このよ
うにして壁パネルＡによって室内の調湿をおこなわせる
ことができるものである。また基板１のこの気泡２によ
って壁パネルＡに吸音特性も付与することができる。

尚、基板１の表面で凹陥部2aとして開口する気泡２は、
第２図に示すように開口部が狭く奥が広くなる形態で形
成するのがよい。また、基板１の表面のこの開口する気
泡２に消臭剤や芳香剤をしみ込ませておけば、トイレな
ど室内の消臭や脱臭の機能も付与することができる。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあっては、独立気泡を含有する気
泡セメント板で基板を形成すると共に基板の表面の気泡
を開口させた状態で露出させ、この基板の表面に透湿性
の化粧層を積層したので、基板が独立気泡のセメント板
で形成してあるために耐水性を有すると共に軽量に形成
することができるものであり、しかも湿気は透湿性の化
粧層を通して基板の表面で開口する気泡内に吸収される
と共に逆に気泡内から化粧層を通して放出されたりする
ものであって、室内の調湿性能を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は同上の一
部の拡大断面図である。 １は基板、２は気泡、３は化粧層である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】独立気泡を含有する気泡セメント板で基板
   を形成すると共に基板の表面の気泡を開口させた状態で
   露出させ、この基板の表面に透湿性の化粧層を積層して
   成る壁パネル。