JPH0654102B2 - 過給機付エンジンの気体燃料供給装置 - Google Patents

過給機付エンジンの気体燃料供給装置

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JPH0654102B2
JPH0654102B2 JP26141085A JP26141085A JPH0654102B2 JP H0654102 B2 JPH0654102 B2 JP H0654102B2 JP 26141085 A JP26141085 A JP 26141085A JP 26141085 A JP26141085 A JP 26141085A JP H0654102 B2 JPH0654102 B2 JP H0654102B2
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保史 松下
健治 岡本
満晴 賀浦
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は気体燃料をエンジンの吸気通路に供給すると共
に過給を行うようにした過給機付エンジンの気体燃料供
給装置に関するものである。
(従来技術) LPG(液化プロパンガス)、LNG(液化天然ガス)
等の液体燃料、特にLPGを使用するエンジンは、タク
シー等の業務用として広く使用されており、このような
液体燃料は、高圧ボンベ内に貯留されて、ベーパライザ
によって減圧、気化された後、気体燃料としてエンジン
の吸気通路に供給されるのが一般的である。
このベーパライザは、一般に、1次室と2次室とを備
え、上記高圧ボンベ内の液体燃料を1次室内で大気圧よ
りも若干高い圧力にまで減圧、膨張(気化)させ、この
1次室内で減圧された気体燃料を2次室でさらにほぼ大
気圧にまで減圧させた後、吸気通路へ供給するようにし
ている。そして、この2次室の圧力を所定のものとする
ため、2次室を画成する2次ダイヤフラムの背面すなわ
ち2次ダイヤフラム室に大気圧を導入して、この2次室
と2次ダイヤフラム室との間の圧力差による2次ダイヤ
フラムの変位に応じて、1次室と2次室との連通口に設
けた2次バルブの開度を調整することにより、当該2次
室内の圧力が所定のものになるように制御している。
ところで、近時は、上述のような気体燃料を用いるエン
ジンの高出力化が望まれており、このため過給を行うこ
とが考えられている。そして、この過給を行うことに伴
う気体燃料の供給を調整するため、ベーパライザの2次
ダイヤフラム室に対して過給圧を供給するようにしたも
のが提案されている(実開昭56−173752号公報
参照)。すなわち、エンジンの吸気通路に過給機および
該過給機の下流においてスロットル弁が配設され、上記
過給機とスロットル弁との間の吸気通路にベーパライザ
からの気体燃料を供給する一方、該ベーパライザの2次
ダイヤフラム室に過給圧を供給するようにして、過給に
伴う吸入空気量の増大に対処して、2次室からの吐出燃
料量を増大させるようにしている(2次ダイヤフラム室
の圧力が2次室の圧力よりも高くなるほど2次室内の燃
圧が高まる)。
(発明が解決しようとする問題点) 上述のように、ベーパライザの2次ダイヤフラム室に過
給圧を供給した場合、過給を行っている時からスロット
ル弁を全閉あるいはほぼ全閉とする急減速時にあって
は、過給機の慣性等により過給圧はスロットル弁の閉作
動に追従してすみやかに低下せず、むしろ一時的に上昇
する傾向すらある。このため、減速時であるにも拘らず
2次ダイヤフラム室には依然としてかなり大きな過給圧
が作用して、2次室の燃圧が大きくなったままとされて
しまい、減速後に再びスロットル弁を開いたときに、多
量の燃料が一度にエンジンに供給されて、空燃比が一時
的にオーバリッチになってしまう、という問題を生じ
る。
したがって、本発明の目的は、気体燃料を使用しかつ過
給を行うことに伴ってベーパライザの2次ダイヤフラム
室に過給圧を供給するようにしたものにおいて、減速後
に再びスロットル弁を開いた直後におけるオーバリッチ
を防止し得るようにした過給機付エンジンの気体燃料供
給装置を提供することにある。
(問題点を解決するための手段、作用) 前述の目的を達成するため、本発明にあっては、減速時
にベーパライザの2次室を大気に解放して、減速中に2
次ダイヤフラムの燃圧増大方向への変位を規制するよう
にしてある。具体的には、 エンジンの吸気通路に過給機および該過給機の下流にお
いてスロットル弁が配設され、上記過給機とスロットル
弁との間の吸気通路にベーパライザの2次室からの気体
燃料を供給する一方、該ベーパライザの2次ダイヤフラ
ム室に過給圧を供給するようにした過給機付エンジンの
気体燃料供給装置において、 減速時に、前記2次ダイヤフラム室を大気に解放する大
気解放手段を備えている、 ような構成としてある。
(実施例) 以下本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明す
る。
図において、エンジン1は、往復動されるピストン2に
よって画成された燃焼室3を有し、該燃焼室3に対し
て、吸気ポート4および排気ポート5が開口されてい
る。この吸気ポート4は吸気弁6により、また排気ポー
ト5は排気弁7により、図示を略すエンジン出力軸と同
期して周知のタイミングで開閉される。
上記吸気ポート4に連なる吸気通路8には、その上流側
より順次、エアクリーナ9、過給機(実施例ではターボ
チャージャ)10のコンプレッサホイール10a、ベン
チュリ(ミキサ)11、スロットル弁12、サージタン
ク13が配設されている。また、前記排気ポート5に連
なる排気通路14には、上記過給機10のタービンホイ
ール10bが配設され、このタービンホイール10bと
上記コンプレッサホイール10aとがシャフト10cに
より連結されている。これにより、排気エネルギによっ
てタービンホイール10bが回転されると、コンプレッ
サホイール10aも回転されて、過給が行われることに
なる。
図中21はベーパライザで、これは仕切壁22aを有す
る本体ケーシング22を備え、仕切壁22aの一方側に
おいて、該仕切壁22aと1次ダイヤフラム23とによ
って1次室24が画成されている。この1次室24に
は、気体燃料とされるLPGを貯留した高圧ボンベ(図
示略)に連なる燃料入口25が開口され、この燃料入口
25の開度が、1次バルブ26によって調整される。す
なわち、1次バルブ26は、支点27を中心に揺動され
る1次バルブレバー28の一端部に保持される一方、1
次バルブレバー28の他端部は、フック29を介して1
次ダイヤフラム23に連係されている。これにより、1
次室24内の圧力に応じた1次ダイヤフラム23の変位
によって、1次バルブ26による燃料入口25の開度が
調整されて、1次室24内は常に所定の圧力に保持され
る。
一方、仕切壁22aの他方側においては、2次ダイヤフ
ラム30によって2次室31が画成され、この2次室3
1と前記1次室24とが、連通口32によって連通され
ている。この連通口32の開度は2次バルブ33によっ
て調整される。すなわち、2次バルブ33は、支点34
中心に揺動される2次バルブレバー35の一端部に保持
される一方、2次バルブレバー35の他端部は2次ダイ
ヤフラム30に連結されている。これにより、2次ダイ
ヤフラム30が2次室31側へ膨出変形したときに、2
次バルブ33による連通口32の開度が大きく、すなわ
ち2次室31内の燃圧が高くされる。
なお、図面ではベーパライザ21を簡略化して示してあ
るが、このベーパライザ21そのものの構造自体は従来
と同じなのでこれ以上詳細な説明は省略する。
前記ベーパライザ21の2次室31と吸気通路8のベン
チュリ11とが、燃料通路(いわゆる低圧燃料通路)4
1を介して接続され、該燃料通路41には、減速時に閉
とされる電磁式の開閉弁42が接続されている。また、
ベーパライザ21における2次ダイヤフラム30の背面
側、すなわち2次ダイヤフラム室36が、配管43を介
して電磁式の三方切換弁44に接続されている。この切
換弁44は、配管45を介して、コンプレッサホイール
10aとベンチュリ11との間の吸気通路8に対して接
続されると共に、配管46を介して、コンプレッサホイ
ール10aとエアクリーナ9の間の吸気通路8に接続さ
れている。
前記開閉弁42は、スロットル弁12が全閉となったと
きに作動するアイドルスイッチ(図示略)と連動され
て、このアイドルスイッチが作動すると共にエンジン回
転数が所定値(アイドル回転数より若干大きい回転数)
以上となったときに閉とされるようになっている。ま
た、前記切換弁44は、開閉弁42と連動されて、この
開閉弁42が開となったときに配管43(2次ダイヤフ
ラム室36)を配管45側に連通させ、逆に開閉弁42
が閉となったとき(減速時)には、配管43(2次ダイ
ヤフラム室36)を配管46すなわち大気側に連通させ
る。
次に上記構成の作用について説明する。いま、スロット
ル弁12が開きかつ過給が行われている運転状態とする
と、過給圧が、配管45、切換弁44、配管43を介し
て2次ダイヤフラム室36に作用しているので、2次室
31の燃圧はこの過給圧に応じた高いものとなる。した
がって、過給運転時には、2次室31から過給圧に応じ
た十分な量の燃料が、燃料通路41から開となっている
開閉弁42を経て、ベンチュリ11より吸気通路8へ供
給される。
上記過給運転状態からスロットル弁12が全閉となった
急減速時には、開閉弁42がすみやかに閉となる。これ
により、減速直後において、2次室31内の燃料が多量
に吸気通路8へ吐出されるのが防止される。また同時
に、この減速時においては、切換弁44が切換えられ
て、配管43が配管46側に連通されるので、2次ダイ
ヤフラム室36は大気圧下に変化され、2次室31の燃
圧上昇方向へ向けての2次ダイヤフラム30の変位が規
制される。この結果、再びスロットル弁12を開いた直
後にあっても、2次室31の燃圧上昇が抑制されている
ので、空燃比がオーバリッチとなることが防止される。
以上実施例について説明したが、本発明はこれに限らず
例えば次のような場合をも含むものである。
過給機10として排気ターボチャージャを用いた場合
を示したが、エンジン出力軸により機械的に駆動される
いわゆるスーパチャージャ式のものにあっても同様に適
用し得るものである。
開閉弁42は、無くとも格別の支障は無いものであ
る。もっともこの開閉弁42を設けておけば、2次ダイ
ヤフラム室36内に大気圧が供給されるまでの応答遅れ
を補償して、オーバリッチ防止上より一層好ましいもの
となる。
2次ダイヤフラム室36に大気圧を導く大気解放手段
は、当該2次ダイヤフラム室36へ過給圧を導くための
通路(配管43、45)とは全く別個独立して設けるよ
うにしてもよい。すなわち、減速時に、配管43を介し
て2次ダイヤフラム室36に過給圧を供給しつつ、大気
解放手段によってこの2次ダイヤフラム室36を大きく
大気へ解放するようにしてもよい。もっとも、実施例の
ように大気圧供給と同時に過給圧供給を停止するように
すれば、2次ダイヤフラム室36内をより早く大気圧下
にする上で有利となる。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、減速時に
再びスロットル弁を開いたときのオーバーリッチを防止
することができる。
特に、上記オーバリッチの防止は、減速時に2次ダイヤ
フラム室を大気に解放するだけでよいので、極めて簡単
な構成ですみ、安価かつ容易に実施化し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例を示す全体系統図である。 1:エンジン 8:吸気通路 10:過給機 11:ベンチュリ 12:スロットル弁 14:排気通路 21:ベーパライザ 24:1次室 25:燃料入口 30:2次ダイヤフラム 31:2次室 32:連通口 33:2次バルブ 36:2次ダイヤフラム室 41:燃料通路 42:開閉弁 43:配管 44:切換弁 45:配管(過給圧供給用) 46:配管(大気圧供給用)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸気通路に過給機および該過給
    機の下流においてスロットル弁が配設され、上記過給機
    とスロットル弁との間の吸気通路にベーパライザの2次
    室からの気体燃料を供給する一方、該ベーパライザの2
    次ダイヤフラム室に過給圧を供給するようにした過給機
    付エンジンの気体燃料供給装置において、 減速時に、前記2次ダイヤフラム室を大気に解放する大
    気解放手段を備えている、 ことを特徴とする過給機付エンジンの気体燃料供給装
    置。
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