JPH06200772A - 過給機付気体燃料エンジン - Google Patents

過給機付気体燃料エンジン

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JPH06200772A
JPH06200772A JP34836392A JP34836392A JPH06200772A JP H06200772 A JPH06200772 A JP H06200772A JP 34836392 A JP34836392 A JP 34836392A JP 34836392 A JP34836392 A JP 34836392A JP H06200772 A JPH06200772 A JP H06200772A
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JP
Japan
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engine
gas fuel
fuel
air
fuel supply
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Application number
JP34836392A
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English (en)
Inventor
Kenji Morimoto
賢治 森本
Kiyotaka Mamiya
清孝 間宮
Toru Shiraishi
徹 白石
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気体燃料エンジンに過給機を設けて出力を確
保しつつ空燃比をリーン化し、NOxの低減を図るよう
にするとともに、全運転領域にわたって気体燃料および
空気の供給を良好に行ない、かつバックファイアーを確
実に防止することができ、しかも、比較的低圧で気体燃
料を供給することができるようにする。 【構成】 過給機13を備えるとともに、吸気ポート5
からの空気の供給とは別に気体燃料ポート6からシリン
ダ内に気体燃料を供給する気体燃料供給手段を備え、こ
の気体燃料供給手段に、シリンダ内への気体燃料の供給
を圧縮行程初期に行なわせてその燃料供給タイミングを
変更可能とするタイミング弁24を設けるとともに、コ
ントロールユニット30により、吸気ポート5からの空
気供給期間と気体燃料供給期間とのオーバラップ量をエ
ンジンの高速時には低速時と比べて増大させるように、
上記タイミング弁を制御している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体燃料を供給する手
段を備えるとともに過給機を備えたエンジンに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、水素ガスを少なくとも部分的に含
有する気体燃料を使用するエンジンが開発されつつあ
り、このような気体燃料エンジンによると、排気ガス中
の有害成分を大幅に減少させることができる。つまり、
水素ガスの使用によりHC(炭化水素)およびCO(一
酸化炭素)を除去することができるとともに、空燃比の
可燃範囲が広いため、NOx(窒素酸化物)が生じやす
い空燃比よりも大幅にリーンな状態で燃焼を行なわせて
NOxの発生も抑制することができる。ただし、燃料供
給量を少なくすることでリーン化を図るのでは高負荷時
の出力低下を招く。
【0003】そこで、上記のようなNOx抑制等のため
にリーン化を図りつつ、出力低下を避けるために過給機
を用いることは、従来においても考えられている。例え
ば、特開昭51−34308号公報に示されているエン
ジンでは、水素ガスを燃料の一部または全部とし、この
水素ガスを吸気通路に供給するとともに、ターボ過給機
等の過給機を設け、空気を過給することにより、出力は
低下させずに混合気をリーン化するようにしている。
【0004】また、特開昭63−198762号公報に
は、出力向上のために過給機を具備し、かつ、水素ガス
を燃焼室に直接噴射するように水素噴射弁を吸気弁およ
び排気弁とは別に設けるとともに、排気弁の閉鎖後の所
定期間だけ水素噴射弁を開き、その後の一定期間に吸気
弁を開くように設定することにより、吸気行程前半に相
当する期間に水素ガスが燃焼室に供給された後に、上記
過給機により加圧された空気が燃焼室に供給されるよう
にして、水素供給量の確保を図るようにした水素エンジ
ンが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に示されて
いるような従来の過給機付気体燃料エンジンでは、エン
ジンの全運転領域にわたって気体燃料および空気の供給
を良好に行なわせることが難しかった。
【0006】すなわち、一般に過給機の過給性能はエン
ジンの低速側では充分に高められず、従って低速側では
高速側と比べて過給圧が低くなる。また、気体燃料は液
体燃料と比べて容積率が格段に大きい。このため、過給
機付エンジンであっても、例えば特開昭51−3430
8号公報に示されているように水素ガス等が吸気通路に
供給されるものでは、過給圧が低くて燃料供給量の多い
低速高負荷時に、空気の供給が阻害され、リーン化が達
成されないだけでなく空気が不足するという事態を招
く。また、特開昭63−198762号公報に示されて
いるように燃焼室に対して水素ガスを供給してから加圧
空気を供給するようにした場合でも、過給圧が低い低速
時には、燃焼室内の水素ガスによって空気の吸入が妨げ
られてしまう。
【0007】また、気体燃料エンジンにおいて空気の吸
入が妨げられないようにするとともに、吸気通路での水
素ガスのバックファイアーを確実に防止するため、吸気
ポートが閉じた後の圧縮行程前半に、その時の燃焼室内
の圧力よりも高い圧力で気体燃料を燃焼室に直接供給す
るように気体燃料供給手段を構成することは、従来にお
いて知られている。しかし、過給機が具備される場合、
高速高負荷時には、過給により吸気ポート閉時期の圧力
がかなり高くなり、さらに、吸気ポートが閉じてから気
体燃料が供給されるとその燃料供給期間中に圧縮が進行
することにより燃焼室内の圧力がより大きく上昇する。
従ってこのときに、燃料供給圧力が一般的な気体燃料供
給系統おいて得られる程度であれば、燃料供給期間中に
燃焼室内の圧力が燃料供給圧力を上回ってしまって燃料
供給が困難となる。これに対し、燃料供給圧力の調整に
よって気体燃料の供給を可能にしようとすると、燃料供
給圧力を非常に高くしなければならず、そのような高い
圧力を与えることができる燃料供給源を得ることが難し
い。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑み、燃料として
水素ガスを含有する気体燃料を用いるとともに、過給機
を具備するエンジンにおいて、全運転領域にわたって気
体燃料および空気の供給を良好に行なうことができ、し
かも、燃料供給圧力をあまり高くする必要がなくて、気
体燃料の供給源等に著しい制約を受けることがない過給
機付気体燃料エンジンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも部分的に水素ガスを含有する
気体燃料をシリンダに供給する手段を備えるとともに、
吸気を過給する過給機を備えたエンジンにおいて、過給
機が設けられている吸気通路に通じる吸気ポートから所
定の吸気行程の期間にシリンダ内に空気を供給する空気
供給手段と、上記吸気ポートとは別個にシリンダに開口
する気体燃料ポートからシリンダ内に気体燃料を供給す
る気体燃料供給手段と、この気体燃料供給手段に設けら
れて、シリンダ内への気体燃料の供給を圧縮行程初期に
行なわせ、かつその燃料供給タイミングを変更可能とす
るタイミング調節手段と、エンジン回転数を検出する回
転数検出手段と、この回転数検出手段の出力に応じ、上
記吸気ポートからの空気供給の期間と上記気体燃料供給
の期間とのオーバラップ量をエンジンの高速時には低速
時と比べて増大させるように、上記タイミング調節手段
を制御する制御手段とを設けたものである。
【0010】この発明において、上記気体燃料供給手段
の燃料供給源は例えば水素吸蔵合金からなるタンクで形
成しておけばよい。
【0011】また上記発明において、全負荷領域での空
燃比を、エンジンの低速側から高速側にまでわたる回転
数全域で、空気過剰率が1.5以上のリーンに設定して
おくことが望ましい。
【0012】
【作用】上記のような本発明の構成によると、過給圧が
低いエンジンの低速時には、空気の供給がほぼ終了して
から気体燃料が供給されることにより、水素ガスで空気
の吸入が妨げられたり吸気通路へ水素ガスが吹き返した
りすることが避けられる。一方、過給圧が高い高速時に
は、空気供給期間と気体燃料供給期間とのオーバラップ
量が大きくされることにより、オーバラップ中のシリン
ダ内圧力が過給により高められていることで空気充填量
の低下および吸気通路への水素ガスの吹き返しが防止さ
れつつ、圧縮による温度上昇が小さいうちに燃料供給が
行われ、作動室への気体燃料の供給が良好に行われる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例による燃料供給装置を備えた気
体燃料エンジンの全体構造を示しており、当実施例のエ
ンジンはロータリピストンエンジンである。また、当実
施例では、気体燃料として水素ガスが用いられている。
【0014】ロータリピストンエンジンは、トロコイド
状のロータハウジング1とその両側に位置するサイドハ
ウジングとにより構成されたシリンダを有し、その内方
に、3つの作動室2を隔成する略三角形状のロータ3を
備え、このロータ3が偏心軸4に支承されて偏心回転す
ることにより、各作動室2が容積変化し、オットーサイ
クルを行うようになっている。
【0015】吸気行程の作動室2に臨む位置のサイドハ
ウジングには、空気を供給する吸気ポート5が設けられ
ている。また、この吸気ポート5の近傍に、加圧された
水素ガスをシリンダ内に供給するための水素ポート(気
体燃料ポート)6が形成され、この水素ポート6は、吸
気行程途中から圧縮行程途中まで作動室2に開口するよ
うな位置に形成されている。さらに、排気行程の作動室
2に臨む位置のロータハウジング1に排気ポート8が形
成され、爆発行程の作動室に臨む位置では点火プラグ9
がロータハウジング1に取付けられている。上記吸気ポ
ート5には吸気通路11が接続されて、これらにより空
気供給手段が構成されている。また、排気ポート8に
は、排気通路12が接続されている。
【0016】上記吸気通路11の途中にはターボ過給機
13のコンプレッサ13aが介設され、このコンプレッ
サ13aと排気通路12の途中に設けられたタービン1
3bとが連結されている。吸気通路11における上記コ
ンプレッサ13aの下流にはインタークーラ14が設け
られている。また、コンプレッサ13aの上流にはスロ
ットル弁15が設けられている。さらに吸気通路11の
上流側には、エアクリーナ16およびエアフローメータ
17が配設されている。
【0017】上記ターボ過給機13のコンプレッサ13
aを有する吸気通路11および吸気ポート5により、所
定の吸気行程の期間にシリンダ内に空気を供給する空気
供給手段が構成されている。
【0018】また、気体燃料である水素ガスを供給する
気体燃料供給手段は、上記水素ポート6に下流端側が接
続された燃料供給通路21を備え、この燃料供給通路2
1には燃料供給源としてのメタルハイドライドタンク
(以下MHタンクという)20から水素ガスが導かれる
ようになっている。上記MHタンク20は、その内部に
水素を吸蔵、放出することのできる水素吸蔵合金を備え
ており、このMHタンク20に対し、水素充填用の通
路、冷却水通路および加熱水通路(図示省略)が配設さ
れ、エンジンウォータジャケットから供給される冷却水
でMHタンク20の水素吸蔵合金が加熱されることによ
り、水素ガスが燃料供給通路21に放出されるようにな
っている。
【0019】上記燃料供給通路21の上流部には圧力調
整器22が設けられ、この圧力調整器22は、MHタン
ク20から供給される水素ガスを適度の圧力に調圧し、
例えば略10気圧に調圧するようになっている。この圧
力調整機22の下流において燃料供給通路21には、流
量調整弁23と、タイミング調節手段としてのタイミン
グ弁24が配設されている。
【0020】上記流量調整弁23は、デューティソレノ
イドバルブまたは比例ソレノイドバルブ等で形成され、
燃料供給通路21中の水素ガスの流量を無段階に調整す
ることができるようになっている。また、上記タイミン
グ弁24は、エンジンの作動と同期して開閉作動するも
ので、例えば、上記水素ポート6と燃料供給通路21と
の間の連通部分を開閉するポペット弁25を有し、この
ポペット弁25がタイミング弁駆動用カムシャフト26
に設けられたカムにより開閉作動される。上記カムシャ
フト26は、ハウジングに回転可能に支承されるととも
に、その一端側に具備されたプーリ27がタイミングベ
ルト28を介して偏心軸4に連繋されることにより、偏
心軸4と同期回転するようになっている。さらに、上記
プーリ27とカムシャフト26との間には、タイミング
弁24の開閉タイミングを変更可能とするバルブタイミ
ング可変機構29が設けられている。そして、圧縮行程
初期にタイミング弁が開いて気体燃料を供給し、かつそ
の供給タイミングが上記バルブタイミング可変機構29
によって調節されるようになっている。
【0021】30は制御手段を構成するコントロールユ
ニット(ECU)である。このECU30には、エンジ
ン回転数を検出する回転数センサ(回転数検出手段)3
1等からの信号が入力されている。また、このECU3
0から、上記流量調整弁23に燃料供給量を制御する信
号が出力されるとともに、タイミング弁24のバルブタ
イミング可変機構29に、燃料供給タイミングを制御す
る信号が出力されている。
【0022】上記ECU30は、回転数センサ31の出
力に応じて上記タイミング弁24のバルブタイミング可
変機構29を制御することにより、上記吸気ポート5か
らの空気供給の期間と燃料供給期間とのオーバラップ量
をエンジンの高速時には低速時と比べて増大させるよう
にしている。このECU30によるタイミング弁24の
制御を、図2および図3によって説明する。
【0023】図2は、吸気ポート5の開閉タイミング
と、水素ポート6の開閉タイミングと、低速時および高
速時のタイミング弁24の開閉タイミングとを示してい
る。吸気ポート5は、吸気行程の所定期間に開かれるよ
うに、その開閉タイミングIPが設定されている。ま
た、水素ポート6は吸気行程途中から圧縮行程途中まで
開かれるように、その開閉タイミングHPが設定されて
いるが、この水素ポート6が開いている期間のうちで、
上記タイミング弁24が開いている期間だけ作動室2へ
の水素ガスの供給が行われる。このタイミング弁24
は、エンジンの低速時には、吸気ポート5が閉じるのと
略同時に開かれて、開期間が吸気ポート5の開期間とオ
ーバラップしないような基本開閉タイミングTV1とさ
れるが、エンジンの高速時には、開閉タイミングTV2
が上記基本開閉タイミングTV1と比べて進角されるこ
とにより、吸気ポート5の開期間とのオーバラップを生
じるようになっている。
【0024】図3はタイミング弁24の開時期とエンジ
ン回転数との関係を示し、この図のように、所定回転数
以下の低速域では上記オーバラップを生じないタイミン
グに保たれるが、所定回転数を超えると、回転数の上昇
につれ、タイミング弁開時期が次第に進角されることに
より、吸気弁閉時期(破線で示す)とタイミング弁開時
期との間のオーバラップ量OLが大きくされるようにな
っている。
【0025】また、上記ECU30による燃料供給料の
制御としては、運転状態に応じて設定された空燃比が得
られるように吸入空気量に応じて燃料供給量が求められ
るが、その空燃比はNOxを抑制し得る程度に充分リー
ンに設定され、具体的には全負荷領域(アクセル全開の
領域)でも空気過剰率λが1.5以上とされ、部分負荷
領域では全負荷領域と同程度かそれ以上にリーンになる
ように空燃比が設定されている。
【0026】以上のような当実施例のエンジンによる
と、過給圧が低いエンジンの低速時には、タイミング弁
24が上記基本開閉タイミングTV1で開閉作動するよ
うに制御されることにより、吸気ポート5が閉じてから
気体燃料が作動室2に供給される。従って、水素ガスで
空気の吸入が妨げられることがなく、かつ吸気通路11
へ水素ガスが吹き返すことがなくて、バックファイアー
が確実に防止される。
【0027】一方、エンジン回転数が所定回転数を超え
るとタイミング弁24の開閉タイミングが進角され、高
速側ほど大きく進角されて、空気供給期間である吸気ポ
ートの開期間と燃料供給期間であるタイミング弁24の
開弁期間とのオーバラップ量が大きくされる。この状態
では、空気充填量の低下および吸気通路11への水素ガ
スの吹き返しが過給により防止されつつ、過給圧が高く
ても、作動室2への水素ガスの供給が良好に行われる。
【0028】このような作用を図4および図5を参照し
てさらに説明する。図4は吸気ポート閉時期(I.C)
の筒内圧力(作動室内の圧力)とエンジン回転数との関
係を示し、この図のように、上記筒内圧力は、過給機1
3の過給作用に対応して、エンジンの低速時には低く、
エンジン回転数の上昇につれて高くなる。
【0029】また、図5は、水素ポートに作用する燃料
供給圧力の変化の特性(曲線A1,A2)と筒内圧力の
変化の特性(曲線B1,B2)とを示し、A1およびB
1は低速時の特性、A2およびB2は高速時の特性であ
る。この図のように、過給圧の低い低速時は、吸気行程
後に燃料供給を行なっても、筒内圧力が比較的低く(曲
線B1)、燃料供給期間の大部分において燃料供給圧力
(曲線A1)が筒内圧力を上回って、充分に気体燃料が
供給される。一方、高速時は筒内圧力が高くなる(曲線
B2)ので、もし燃料供給タイミングが低速時と同じで
あると燃料供給期間内に筒内圧力が燃料供給圧力よりも
高く上昇してしまうが、この場合に燃料供給のタイミン
グが進角側にずらされ、筒内圧力の圧縮による上昇が小
さいうちに燃料供給が行われることにより、燃料供給期
間の大部分において燃料供給圧力(曲線A2)が筒内圧
力(曲線B2)を上回ることとなり、高速時にも充分に
気体燃料が供給される。
【0030】そして、高速時における燃料供給のタイミ
ングを、吸気ポート閉時期(I.C)に燃料供給圧力と
筒内圧力とが略等しくなる程度に進角させると、吸気ポ
ート閉時期前の上記オーバラップの期間には筒内圧力が
燃料供給圧力よりも高いために、水素ガスが吸気通路側
に吹き返すようなことがない。
【0031】さらに、高速時に燃料供給のタイミングが
早められることは、点火までに燃料と空気とのミキシン
グの時間を稼ぐためにも有利となる。つまり、一定の燃
料供給タイミングでは、高速になるほど、燃料供給から
点火までの時間が短くなって燃料と空気とのミキシング
が悪くなる傾向があるが、高速時に燃料供給のタイミン
グが早められることで上記傾向が是正される。
【0032】また、混合気の空燃比の制御としては全負
荷領域でもλ≧1.5のリーンとされ、これにより、N
Oxが充分に低減される。つまり、水素エンジンのNO
x発生量と空燃比との関係は図6に示すようになり、λ
=1よりわずかにリーン側でNOxが最大となるが、λ
≧1.5ではNOxが大幅に減少する。しかも、このよ
うなリーン状態が、過給により空気の供給量を多くする
ことで実現されているので、高負荷領域で要求される出
力が確保される。なお、空気過剰率λを2.0以上とす
ればNOxが殆どゼロとなってとくに好ましい。
【0033】なお、本発明の装置の具体的構造は上記各
実施例に限定されず、種々変更可能であり、その数例を
次に説明する。
【0034】上記実施例では、低速時に空気供給期間と
燃料供給期間のオーバラップをゼロとしているが、低速
時でも、吸気ポート閉時期に燃料供給圧力が筒内圧力を
超えない程度の範囲で上記オーバラップを多少もたせて
おいてもよい。また、エンジン回転数に応じた燃料供給
タイミングの制御としては、エンジン回転数が高くなる
につれて上記オーバラップが段階的に大きくなっていく
ようにしてもよく、また、所定回転数を境にこれより低
速側ではオーバラップが小(もしくはゼロ)、高回転側
では大となるように切換えてもよい。
【0035】吸気を過給する過給機は機械式過給機であ
ってもよく、この場合でも低速時には過給機出口側と入
口側との間の漏れ量の増大等で過給圧が低く、高速時に
は過給圧が高くなるので、空気供給期間と燃料供給期間
のオーバラップを高速時には低速時に比べて大きくする
ことが有効である。
【0036】また、気体燃料は水素ガスのみからなるも
のに限らず、少なくとも一部に水素ガスを含有するもの
であればよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明は、過給機付気体燃
料エンジンにおいて、気体燃料ポートからシリンダ内に
気体燃料を供給する気体燃料供給手段に、シリンダ内へ
の気体燃料の供給を圧縮行程初期に行なわせてその燃料
供給タイミングを変更可能とするタイミング調節手段を
設けるとともに、吸気ポートからの空気供給期間と気体
燃料供給期間とのオーバラップ量をエンジンの高速時に
は低速時と比べて増大させるように上記タイミング調節
手段を制御しているため、過給圧の低い低速時に空気の
吸入を阻害することなく気体燃料をシリンダ内に供給す
る一方、過給圧の高くになる高速時には、シリンダ内の
圧力の圧縮による上昇分が比較的小さい間に燃料を供給
することができる。従って、全運転領域にわたって気体
燃料および空気の供給を良好に行ない、かつ、吸気通路
への気体燃料の吹き返しを防止することができ、しか
も、燃料供給圧力を比較的低くすることができ、気体燃
料供給源の選択の自由度および燃料制御などに有利とな
る。
【0038】そして、気体燃料供給手段の燃料供給源と
して、取扱い等に便利な水素吸蔵合金からなるいわゆる
MHタンクを用いた場合でも、これによって得られる程
度の燃料供給圧力で充分に燃料供給が可能となる。
【0039】また、この発明において、全負荷領域での
空燃比を空気過剰率が1.5以上のリーンに設定すれ
ば、NOxを大幅に低減することができ、しかも、過給
により空気を多く送り込むことで出力を確保しつつリー
ン化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による過給機付気体燃料エン
ジンの全体概略図である。
【図2】吸気ポート、水素ポートおよびタイミング弁の
各開閉タイミングを示す図である。
【図3】タイミング弁開時期とエンジン回転数との関係
を示す図である。
【図4】吸気ポート閉時点の筒内圧力とエンジン回転数
との関係を示す図である。
【図5】燃料供給圧力および筒内圧力の変化を示す図で
ある。
【図6】空燃比とNOx発生量との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 吸気ポート 6 水素ポート 11 吸気通路 13 ターボ過給機 20 MHタンク 21 燃料供給通路 23 流量調整弁 24 タイミング弁 29 バルブタイミング可変機構 30 コントロールユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも部分的に水素ガスを含有する
    気体燃料をシリンダに供給する手段を備えるとともに、
    吸気を過給する過給機を備えたエンジンにおいて、過給
    機が設けられている吸気通路に通じる吸気ポートから所
    定の吸気行程の期間にシリンダ内に空気を供給する空気
    供給手段と、上記吸気ポートとは別個にシリンダに開口
    する気体燃料ポートからシリンダ内に気体燃料を供給す
    る気体燃料供給手段と、この気体燃料供給手段に設けら
    れて、シリンダ内への気体燃料の供給を圧縮行程初期に
    行なわせ、かつその燃料供給タイミングを変更可能とす
    るタイミング調節手段と、エンジン回転数を検出する回
    転数検出手段と、この回転数検出手段の出力に応じ、上
    記吸気ポートからの空気供給の期間と上記気体燃料供給
    の期間とのオーバラップ量をエンジンの高速時には低速
    時と比べて増大させるように、上記タイミング調節手段
    を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする過給機
    付気体燃料エンジン。
  2. 【請求項2】 上記気体燃料供給手段の燃料供給源を水
    素吸蔵合金からなるタンクで形成したことを特徴とする
    請求項1に記載の過給機付気体燃料エンジン。
  3. 【請求項3】 全負荷領域での空燃比を、エンジンの低
    速側から高速側にまでわたる回転数全域で、空気過剰率
    が1.5以上のリーンに設定したことを特徴とする請求
    項1または2に記載の過給機付気体燃料エンジン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007162633A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Mazda Motor Corp 水素ロータリエンジンの燃料噴射装置
JP2010203364A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd エンジンシステム

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