JPH065402A - セラミック素子 - Google Patents
セラミック素子Info
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- JPH065402A JPH065402A JP18586892A JP18586892A JPH065402A JP H065402 A JPH065402 A JP H065402A JP 18586892 A JP18586892 A JP 18586892A JP 18586892 A JP18586892 A JP 18586892A JP H065402 A JPH065402 A JP H065402A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電極にNi,Fe,Co等の卑金属を採用し
てセラミックと同時焼成する場合の、セラミックの還元
を防止して電気的特性の悪化を回避できるセラミック素
子を提供する。 【構成】 セラミック層2,6と内部電極3とを一体焼
成してなるPTCサーミスタ1を構成する場合に、上記
セラミック層2,6を構成するチタン酸バリウムのモル
比Baサイト/Tiサイトを1.02〜1.3 の範囲とする。
てセラミックと同時焼成する場合の、セラミックの還元
を防止して電気的特性の悪化を回避できるセラミック素
子を提供する。 【構成】 セラミック層2,6と内部電極3とを一体焼
成してなるPTCサーミスタ1を構成する場合に、上記
セラミック層2,6を構成するチタン酸バリウムのモル
比Baサイト/Tiサイトを1.02〜1.3 の範囲とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンデンサ,PTCサ
ーミスタ,あるいは回路基板等の電子回路部品として採
用されるセラミック素子に関し、詳細には電極にNi,
Fe,Co等の卑金属を採用して焼成,あるいは熱処理
を施す場合の、セラミックの還元を防止して電気的特性
が悪化するのを回避できるようにしたセラミック組成物
の構成に関する。
ーミスタ,あるいは回路基板等の電子回路部品として採
用されるセラミック素子に関し、詳細には電極にNi,
Fe,Co等の卑金属を採用して焼成,あるいは熱処理
を施す場合の、セラミックの還元を防止して電気的特性
が悪化するのを回避できるようにしたセラミック組成物
の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミック素子においては、セラ
ミックが有する誘電性,半導性,絶縁性を利用してコン
デンサ,サーミスタ,フィルタ,あるいは回路基板等の
各種の電子回路部品として使用されている。このセラミ
ック素子に採用される電極には、耐酸化性,耐熱性を向
上させる観点から、従来、PtやPd,及びこれらの合
金からなる貴金属を用いる場合が多い。しかし、これら
の貴金属は高価であることから、部品コストが上昇する
という問題がある。また、PTCサーミスタ等に採用さ
れる半導体セラミックでは、電極にPtやPdを用いる
とオーミック接触が得られなくなる場合があり、その結
果抵抗値が著しく上昇するという問題がある。このた
め、従来、上記電極にCu,Ni,Fe,あるいはCo
等の卑金属を使用し、低コスト化及びオーミック性の向
上を図る試みがなされている。例えば、チタン酸バリウ
ム系セラミック層とNiからなる電極とを交互に積層
し、この積層体を一体焼結してなるセラミック素子を、
積層型コンデンサとして採用したものが提案されている
(例えば、特公昭56-46641号公報参照) 。
ミックが有する誘電性,半導性,絶縁性を利用してコン
デンサ,サーミスタ,フィルタ,あるいは回路基板等の
各種の電子回路部品として使用されている。このセラミ
ック素子に採用される電極には、耐酸化性,耐熱性を向
上させる観点から、従来、PtやPd,及びこれらの合
金からなる貴金属を用いる場合が多い。しかし、これら
の貴金属は高価であることから、部品コストが上昇する
という問題がある。また、PTCサーミスタ等に採用さ
れる半導体セラミックでは、電極にPtやPdを用いる
とオーミック接触が得られなくなる場合があり、その結
果抵抗値が著しく上昇するという問題がある。このた
め、従来、上記電極にCu,Ni,Fe,あるいはCo
等の卑金属を使用し、低コスト化及びオーミック性の向
上を図る試みがなされている。例えば、チタン酸バリウ
ム系セラミック層とNiからなる電極とを交互に積層
し、この積層体を一体焼結してなるセラミック素子を、
積層型コンデンサとして採用したものが提案されている
(例えば、特公昭56-46641号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記Ni等
の卑金属を電極に採用する場合、該電極とセラミックと
を大気中で同時焼成したり,あるいは還元焼成した後,
再酸化処理を施す際に、電極材料が酸化しないように酸
素分圧を下げるようにしている。しかしながら、従来の
セラミック素子では、上記酸素分圧を下げるとセラミッ
クが還元されてしまうという問題が生じる。その結果、
例えばコンデンサ用誘電体セラミックでは絶縁抵抗が低
下したり,サーミスタ用半導体セラミックではキュリー
温度での抵抗値が急激に上昇する,いわゆるPTC特性
が得られなくなる。ここで、上記酸素分圧を高精度に制
御することによってセラミックの還元を回避することが
考えられる。しかし、この酸素分圧を高精度にコントロ
ールすることは困難であり、この点での改善が要請され
ている。
の卑金属を電極に採用する場合、該電極とセラミックと
を大気中で同時焼成したり,あるいは還元焼成した後,
再酸化処理を施す際に、電極材料が酸化しないように酸
素分圧を下げるようにしている。しかしながら、従来の
セラミック素子では、上記酸素分圧を下げるとセラミッ
クが還元されてしまうという問題が生じる。その結果、
例えばコンデンサ用誘電体セラミックでは絶縁抵抗が低
下したり,サーミスタ用半導体セラミックではキュリー
温度での抵抗値が急激に上昇する,いわゆるPTC特性
が得られなくなる。ここで、上記酸素分圧を高精度に制
御することによってセラミックの還元を回避することが
考えられる。しかし、この酸素分圧を高精度にコントロ
ールすることは困難であり、この点での改善が要請され
ている。
【0004】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、電極にNi金属等を採用して焼成,熱処理を施
す際に、酸素分圧を高精度に制御することなくセラミッ
クの還元を防止でき、ひいては電気的特性の悪化を回避
できるセラミック素子を提供することを目的としてい
る。
もので、電極にNi金属等を採用して焼成,熱処理を施
す際に、酸素分圧を高精度に制御することなくセラミッ
クの還元を防止でき、ひいては電気的特性の悪化を回避
できるセラミック素子を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、上述の
目的を達成するために鋭意検討したところ、チタン酸バ
リウムのBaサイト/Tiサイト比を規制することによ
ってセラミック自体の耐還元性を向上できることを見出
した。このような耐還元性に優れたセラミックを採用す
ることにより、還元性雰囲気で焼成してもセラミックの
還元を防止でき、ひいては酸素分圧の制御を不要にでき
ることを見出し、本発明を成したものである。
目的を達成するために鋭意検討したところ、チタン酸バ
リウムのBaサイト/Tiサイト比を規制することによ
ってセラミック自体の耐還元性を向上できることを見出
した。このような耐還元性に優れたセラミックを採用す
ることにより、還元性雰囲気で焼成してもセラミックの
還元を防止でき、ひいては酸素分圧の制御を不要にでき
ることを見出し、本発明を成したものである。
【0006】そこで本発明は、セラミックと電極とから
なるセラミック素子において、該セラミックがチタン酸
バリウムを主成分とし、これのモル比Baサイト/Ti
サイトを1.02〜1.3 の範囲内としたことを特徴としてい
る。
なるセラミック素子において、該セラミックがチタン酸
バリウムを主成分とし、これのモル比Baサイト/Ti
サイトを1.02〜1.3 の範囲内としたことを特徴としてい
る。
【0007】ここで、本発明のセラミック素子には、チ
タン酸バリウムを主成分とするコンデンサ,サーミス
タ,フィルタ,抵抗器,あるいは基板等の電子回路部品
が含まれる。また、上記セラミック素子の構造として
は、セラミックの表面に電極を形成したもの、またこの
電極の一部を焼結体の内部に形成したもの、あるいはセ
ラミック層と電極とを交互に積層し、この積層体内に電
極を埋設してなるものが含まれる。
タン酸バリウムを主成分とするコンデンサ,サーミス
タ,フィルタ,抵抗器,あるいは基板等の電子回路部品
が含まれる。また、上記セラミック素子の構造として
は、セラミックの表面に電極を形成したもの、またこの
電極の一部を焼結体の内部に形成したもの、あるいはセ
ラミック層と電極とを交互に積層し、この積層体内に電
極を埋設してなるものが含まれる。
【0008】
【作用】本発明に係るセラミック素子によれば、チタン
酸バリウムのモル比Baサイト/Tiサイトを1.02〜1.
3 の範囲内としたので、このような組成比とすることに
より耐還元性に優れたセラミックが得られる。従って、
上記セラミックとNi,Fe,Co等の卑金属からなる
電極とを同時焼成したり,あるいは熱処理する場合に、
還元雰囲気で行ってもセラミックが還元されることはな
いから、酸素分圧のコントロールを不要にでき、ひいて
は電気時特性の悪化を回避できる。この結果、コンデン
サ用誘電体セラミックでの絶縁抵抗を向上でき、またサ
ーミスタ用半導体セラミックでのPTC特性を向上でき
る。なお、本発明で用いているモル比Baサイト/Ti
サイトとは、一般にBaサイトに入るといわれているC
a,Sr,Pb,La,Ndなどと、Tiサイトに入る
といわれているTa,W,Nb,Zrなどとの焼成体の
組成比を示す数値である。
酸バリウムのモル比Baサイト/Tiサイトを1.02〜1.
3 の範囲内としたので、このような組成比とすることに
より耐還元性に優れたセラミックが得られる。従って、
上記セラミックとNi,Fe,Co等の卑金属からなる
電極とを同時焼成したり,あるいは熱処理する場合に、
還元雰囲気で行ってもセラミックが還元されることはな
いから、酸素分圧のコントロールを不要にでき、ひいて
は電気時特性の悪化を回避できる。この結果、コンデン
サ用誘電体セラミックでの絶縁抵抗を向上でき、またサ
ーミスタ用半導体セラミックでのPTC特性を向上でき
る。なお、本発明で用いているモル比Baサイト/Ti
サイトとは、一般にBaサイトに入るといわれているC
a,Sr,Pb,La,Ndなどと、Tiサイトに入る
といわれているTa,W,Nb,Zrなどとの焼成体の
組成比を示す数値である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1及び図2は本発明の一実施例によるセラミック
素子を説明するための図である。本実施例では、正の抵
抗温度特性を有する積層型のサーミスタに適用した場合
を例にとって説明する。図において、1は本実施例の正
特性サーミスタであり、これは半導体セラミック層2と
Ni金属からなる内部電極3とを交互に積層するととも
に、これの上面,下面にダミー用セラミック層6を重ね
て積層体を形成し、この積層体を一体焼結して焼結体4
を形成して構成されている。この焼結体4は、上記セラ
ミック層2,6と内部電極3とを同時に還元性雰囲気中
にて高温焼成して形成されたものである。
る。図1及び図2は本発明の一実施例によるセラミック
素子を説明するための図である。本実施例では、正の抵
抗温度特性を有する積層型のサーミスタに適用した場合
を例にとって説明する。図において、1は本実施例の正
特性サーミスタであり、これは半導体セラミック層2と
Ni金属からなる内部電極3とを交互に積層するととも
に、これの上面,下面にダミー用セラミック層6を重ね
て積層体を形成し、この積層体を一体焼結して焼結体4
を形成して構成されている。この焼結体4は、上記セラ
ミック層2,6と内部電極3とを同時に還元性雰囲気中
にて高温焼成して形成されたものである。
【0010】上記焼結体4の左, 右端面4a,4bには
上記各内部電極3の一端面3aのみが交互に露出してお
り、他の端面は焼結体4内に埋設されている。また、上
記焼結体4の左, 右端面4a,4bにはAgからなる外
部電極5が被覆形成されており、この外部電極5は上記
各内部電極3の一端面3aに電気的に接続されている。
上記各内部電極3の一端面3aのみが交互に露出してお
り、他の端面は焼結体4内に埋設されている。また、上
記焼結体4の左, 右端面4a,4bにはAgからなる外
部電極5が被覆形成されており、この外部電極5は上記
各内部電極3の一端面3aに電気的に接続されている。
【0011】そして、上記セラミック層2,6は、チタ
ン酸バリウムを主成分とし、これのモル比Baサイト/
Tiサイトが1.02〜1.3 の範囲内からなる組成物により
構成されている。
ン酸バリウムを主成分とし、これのモル比Baサイト/
Tiサイトが1.02〜1.3 の範囲内からなる組成物により
構成されている。
【0012】次に、上記正特性サーミスタ1の一製造方
法について説明する。まず、原料として、BaCO3 ,
TiO2 ,La2 O3 ,SiO2 を用い、これらの各原
料を以下の組成となるよう調合する。 (Ba0.998 La0.002 )m TiO3 +0.01SiO2 上記原料を、純水及びジルコニアボールとともにポリエ
チレン製ポット内に入れて5時間粉砕混合した後、乾燥
させて1100℃×2時間仮焼成する。
法について説明する。まず、原料として、BaCO3 ,
TiO2 ,La2 O3 ,SiO2 を用い、これらの各原
料を以下の組成となるよう調合する。 (Ba0.998 La0.002 )m TiO3 +0.01SiO2 上記原料を、純水及びジルコニアボールとともにポリエ
チレン製ポット内に入れて5時間粉砕混合した後、乾燥
させて1100℃×2時間仮焼成する。
【0013】次に、上記仮焼結体を再度粉砕して仮焼成
粉を形成し、この粉末に有機バインダー,溶剤,及び分
散剤を混合してスラリーを形成する。このスラリーから
厚さ0.1mm のセラミックグリーンシートを形成する。次
いで、このグリーシートを7.5 ×6.5mm の大きさにカッ
トし、これにより多数の半導体セラミック層2,6を形
成する。
粉を形成し、この粉末に有機バインダー,溶剤,及び分
散剤を混合してスラリーを形成する。このスラリーから
厚さ0.1mm のセラミックグリーンシートを形成する。次
いで、このグリーシートを7.5 ×6.5mm の大きさにカッ
トし、これにより多数の半導体セラミック層2,6を形
成する。
【0014】次に、Ni粉末にワニスを混合して電極ペ
ーストを作成し、このペーストを上記各セラミック層2
の上面に印刷して内部電極3を形成する。この内部電極
3はこれの一端面3aのみがセラミック層2の端縁に位
置し、残りの端面は内側に位置するように形成する。
ーストを作成し、このペーストを上記各セラミック層2
の上面に印刷して内部電極3を形成する。この内部電極
3はこれの一端面3aのみがセラミック層2の端縁に位
置し、残りの端面は内側に位置するように形成する。
【0015】次いで、図2に示すように、上記セラミッ
ク層2と内部電極3とが交互に重なり、かつ各内部電極
3の一端面3aがセラミック層2の左, 右端縁に交互に
露出するよう積層し、これの上面,下面にダミー用セラ
ミック層6を重ねた後、これを圧着して積層体を形成す
る。
ク層2と内部電極3とが交互に重なり、かつ各内部電極
3の一端面3aがセラミック層2の左, 右端縁に交互に
露出するよう積層し、これの上面,下面にダミー用セラ
ミック層6を重ねた後、これを圧着して積層体を形成す
る。
【0016】上記積層体を、大気中で加熱してバインダ
を燃焼させた後、続いてH2/N2 =3%の還元雰囲気中
にて1350℃に昇温し、2 時間焼成して焼結体4を得る。
そして、この焼結体4の左, 右端面4a,4bにAgペ
ーストを塗布した後、650 ℃で焼き付けて外部電極5を
形成し、この外部電極5と各内部電極3とを電気的に接
続する。これにより本実施例の積層型正特性サーミスタ
1が製造される。
を燃焼させた後、続いてH2/N2 =3%の還元雰囲気中
にて1350℃に昇温し、2 時間焼成して焼結体4を得る。
そして、この焼結体4の左, 右端面4a,4bにAgペ
ーストを塗布した後、650 ℃で焼き付けて外部電極5を
形成し、この外部電極5と各内部電極3とを電気的に接
続する。これにより本実施例の積層型正特性サーミスタ
1が製造される。
【0017】
【表1】
【0018】表1は、上記方法により製造された正特性
サーミスタ1の効果を確認するために行った特性試験の
結果を示す。この試験は、表に示すように、Baサイト
/Tiサイト比を1.00〜1.40の範囲で変化させて本実施
例方法により多数の試料を製造し、この各試料の室温で
の抵抗値(Ω),及び抵抗温度係数( %/ ℃) を測定し
た。なお、抵抗温度係数は、次式により算出した。 抵抗温度係数=In(R140/R120)/(140 −120)×100 ここで、R140 は140 ℃における抵抗値、R120 は120
℃における抵抗値である。
サーミスタ1の効果を確認するために行った特性試験の
結果を示す。この試験は、表に示すように、Baサイト
/Tiサイト比を1.00〜1.40の範囲で変化させて本実施
例方法により多数の試料を製造し、この各試料の室温で
の抵抗値(Ω),及び抵抗温度係数( %/ ℃) を測定し
た。なお、抵抗温度係数は、次式により算出した。 抵抗温度係数=In(R140/R120)/(140 −120)×100 ここで、R140 は140 ℃における抵抗値、R120 は120
℃における抵抗値である。
【0019】表1からも明らかなように、Baサイト/
Tiサイト比が1.02未満の場合は、抵抗値は低いもの
の、抵抗温度係数は負のNTC特性となっている。また
Baサイト/Tiサイト比が1.3 を越えると、抵抗値は
5.8 Ωと急激に上昇している。これに対して、Ba/T
i比が1.02〜1.3 の範囲内では、何れの試料も抵抗値は
0.20〜0.42Ωと1Ω以下であり、しかも抵抗温度係数は
2.0 〜5.2 と満足できるPTC特性が得られている。こ
のようにBaサイト/Tiサイト比を1.02〜1.3とする
ことにより、耐還元性に優れたセラミック層が得られる
ことから、還元性雰囲気で焼成を行ってもセラミック層
が還元されることはない。その結果、電気的特性の悪化
を回避でき、ひいてはNi等の卑金属の採用を可能にで
きる。
Tiサイト比が1.02未満の場合は、抵抗値は低いもの
の、抵抗温度係数は負のNTC特性となっている。また
Baサイト/Tiサイト比が1.3 を越えると、抵抗値は
5.8 Ωと急激に上昇している。これに対して、Ba/T
i比が1.02〜1.3 の範囲内では、何れの試料も抵抗値は
0.20〜0.42Ωと1Ω以下であり、しかも抵抗温度係数は
2.0 〜5.2 と満足できるPTC特性が得られている。こ
のようにBaサイト/Tiサイト比を1.02〜1.3とする
ことにより、耐還元性に優れたセラミック層が得られる
ことから、還元性雰囲気で焼成を行ってもセラミック層
が還元されることはない。その結果、電気的特性の悪化
を回避でき、ひいてはNi等の卑金属の採用を可能にで
きる。
【0020】なお、上記実施例ではPTCサーミスタを
例にとって説明したが、本発明のセラミック素子の用途
は勿論これに限られるものではなく、チタン酸バリウム
を主成分とするコンデンサ等の電子部品に採用できる。
例にとって説明したが、本発明のセラミック素子の用途
は勿論これに限られるものではなく、チタン酸バリウム
を主成分とするコンデンサ等の電子部品に採用できる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明に係るセラミック素
子によれば、チタン酸バリウムのモル比Baサイト/T
iサイトを1.02〜1.3 としたので、セラミックの耐還元
性を大幅に向上でき、これによりセラミックとNi,F
e,Co等の卑金属からなる電極とを還元雰囲気で焼成
してもセラミックの還元を防止でき、ひいては電気特性
の悪化を回避できる効果がある。
子によれば、チタン酸バリウムのモル比Baサイト/T
iサイトを1.02〜1.3 としたので、セラミックの耐還元
性を大幅に向上でき、これによりセラミックとNi,F
e,Co等の卑金属からなる電極とを還元雰囲気で焼成
してもセラミックの還元を防止でき、ひいては電気特性
の悪化を回避できる効果がある。
【図1】本発明の一実施例によるセラミック素子を説明
するための断面図である。
するための断面図である。
【図2】上記実施例のセラミック素子の分解斜視図であ
る。
る。
【符号の説明】 1 正特性サーミスタ(セラミック素子) 2,6 セラミック層(セラミック) 3 内部電極(電極)
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミックと電極とからなるセラミック
素子において、該セラミックがチタン酸バリウムを主成
分とし、モル比Baサイト/Tiサイトを1.02〜1.3 の
範囲としたことを特徴とするセラミック素子。 - 【請求項2】 請求項1において、上記電極の少なくと
も一部がセラミック内部に埋設されていることを特徴と
するセラミック素子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、上記セラミッ
クが、正の抵抗温度特性を有する半導体セラミックであ
り、該セラミックと電極とを交互に積層して構成されて
いることを特徴とするセラミック素子。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
上記電極がNi,Fe,Co,W,Ta,Ti,Mo,
Nbのうち少なくとも1種以上の元素を含んでいること
を特徴とするセラミック素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18586892A JPH065402A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | セラミック素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18586892A JPH065402A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | セラミック素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065402A true JPH065402A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=16178287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18586892A Pending JPH065402A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | セラミック素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065402A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6911102B2 (en) * | 1999-08-09 | 2005-06-28 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Laminated type semiconductor ceramic element and production method for the laminated type semiconductor ceramic element |
JP2008205343A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Tdk Corp | 積層型サーミスタの製造方法 |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP18586892A patent/JPH065402A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6911102B2 (en) * | 1999-08-09 | 2005-06-28 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Laminated type semiconductor ceramic element and production method for the laminated type semiconductor ceramic element |
JP2008205343A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Tdk Corp | 積層型サーミスタの製造方法 |
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Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010918 |