JPH0653861U - 密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベロー部のめくれ防止を図る。 【構成】 ベロー部６に、部分的に曲げ剛性を高めるた
めの補強部８を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえば各種装置の軸封部に用いられオイルシール等の密封装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の密封装置としては、たとえば図２に示すようなものがある。こ の密封装置１００は、互いに同心的に相対可動自在に組付けられる２部材として のハウジング１０１とハウジング１０１内に挿入されている可動軸１０２間の環 状の隙間をシールするものであり、ハウジング１０１に嵌合される環状の嵌合部 １０３と、可動軸１０２の外周に摺動自在に密封接触するシールリップ１０４と から構成されている。

【０００３】 そして、嵌合部１０３とシールリップ１０４間にベロー部１０５を設け、可動 軸１０２の大きな偏心に対して追随性を得ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術の場合には、図２中矢印方向から可動軸１０ ２をシールリップ１０４内に挿入した時に、ベロー部１０５がめくれてしまい、 戻らなくなるという問題があった。

【０００５】 本考案は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的 とするところは、ベロー部のめくれ防止を図り得る密封装置を提供することにあ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案にあっては、互いに同心的に相対可動自在に 組付けられる２部材間の環状の隙間をシールするもので、 前記２部材の内一方の部材に嵌合される嵌合部と、前記２部材の内他方の部材 に摺動自在に密封接触するシールリップと、該シールリップと前記嵌合部間に設 けられる前記他方の部材の偏心に対して追随させるためのベロー部とから構成さ れる密封装置において、 前記ベロー部に、部分的に曲げ剛性を高めるための補強部を設けたことを特徴 とする。

【０００７】

【作用】

上記構成の密封装置にあっては、ベロー部に曲げ剛性を高めるための補強部を 設けたことにより、シールリップが密封接触する他方の部材を軸方向に挿入する 際、ベロー部に設けられている補強部により曲げ剛性が高められているので、ベ ロー部がめくれることがない。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明する。本考案の一実施例に係る密 封装置を示す図１において、この密封装置１は互いに同心的に相対可動自在に組 付けられた２部材としてのハウジング２とハウジング２内に挿入される可動軸３ 間の環状の隙間をシールするものである。

【０００９】 密封装置１は、概略、ハウジング２内周に嵌合される嵌合部としての金属環４ と、可動軸３の外周面に摺動自在に密封接触するシールリップ５と、金属環４と シールリップ５間に設けられる可動軸３の偏心に対して追随させるためのベロー 部６とから構成されており、密封対象流体側Ｏの流体が大気側Ａに漏れないよう になっている。

【００１０】 上記金属環４の一端には、半径方向外方に伸びる外向きフランジ部４１が設け られ、他端には半径方向内方に伸びる内向きフランジ部４２が設けられており、 外向きフランジ部４１の密封対象流体側Ｏ端面がハウジング２の端面に当接し、 円筒部４３の外周面がハウジング２の内周に嵌合するようになっている。また、 外向きフランジ部４の大気側Ａ端面と円筒部４３の内周面および内向きフランジ 部４２の両端面にはゴム状弾性体７が一体的に焼付けられている。

【００１１】 一方、シールリップ５は、装着時可動軸３に対してほぼ直交するシールリップ ゴム状弾性体５１と、そのシールリップゴム状弾性体５１の内端に設けられるメ インリップ５２および副リップ５３とから構成されている。

【００１２】 シールリップゴム状弾性体５１は、断面略矩形状で厚肉となっている。

【００１３】 メインリップ５２は、上記シールリップゴム状弾性体５１の密封対象流体側Ｏ の内端から軸方向密封流体側Ｏに伸び、径方向内方に傾く断面略矩形状を成して いる。そして、内周面は軸方向に複数の段付きとなっており、その先端が可動軸 ３の外周面に摺動自在に密封接触している。

【００１４】 また副リップ５３は、シールリップゴム状弾性体５１の大気側Ａの内端から軸 方向大気側Ａに伸び、径方向内方に傾く断面略矩形状を成している。この副リッ プ５３の先端が可動軸３の外周面に摺動自在に密封接触し、大気側Ａからのダス ト等の侵入防止を図っている。

【００１５】 そして、シールリップゴム状弾性体５１の大気側Ａの外端と金属環４の内向き フランジ部４２の内端をつなぐベロー部６が設けられている。

【００１６】 このベロー部６はゴム状弾性体製で、断面略コ字状を成し、密封対象流体側Ｏ を開口している。詳しくは、金属環４の内向きフランジ部４２の内端から軸方向 大気側Ａに向かって若干径方向内方に傾き伸び、ほぼ金属環４の外向きフランジ 部４１の位置で装着時可動軸３に対してほぼ直交する直交部６１となっている。 そして、シールリップ５は金属環４の内向きフランジ部４２と軸方向ほぼ同位置 となっていることから、直交部６１とシールリップ５をつなぐべく直交部６１内 端から軸方向密封対象流体側Ｏ、すなわちシールリップ５側に向かって径方向内 方に傾き伸びシールリップ５の大気側Ａの外端につながっており、直交部６１等 より若干厚肉となっている。

【００１７】 そして、このシールリップ５からベロー部６の直交部６１につながるリップベ ロー部６２の外周面の周方向に部分的に、軸方向に伸びる曲げ剛性を高めるため の補強部としてのリブ８が直交部６１寄りに設けられている。このリブ８は、図 １（ｂ）に示すように断面半円形状となっている。

【００１８】 上記構成の密封装置にあっては、密封装置１をハウジング２と可動軸３間に装 着すべく金属環４をハウジング２の内周に嵌合し、可動軸３をシールリップ５の 内周部に挿入する際、ベロー部６のリップベロー部６２にリブ８を設けているの で、ベロー部６の軸方向に対し部分的に曲げ剛性が高められることになり、ベロ ー部６がめくれることはない。したがって、偏心追随性を維持した上で、可動軸 ３の挿入に対するベロー部６の耐めくれ性が確保できる。

【００１９】 尚、リブ８の大きさ、形状、位置、数等については、ベロー部６の大きさやめ くれに対する要求荷重により適宜調整、決定出来る。

【００２０】 また、上記実施例ではベロー部６を断面略コ字状としたものを例にとって説明 したが、特にこの形状に限るものでなく断面略Ｚ字状のようなものでも良く、限 定されるものではない。

【００２１】 さらに、補強部としてリブ８を用いたものを例にとって説明したが、リブでな くベロー部を部分的に材質を硬質なものとして曲げ剛性を高めるようにしても良 い。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成および作用を有するもので、ベロー部に部分的に曲げ剛 性を高めるための補強部を設けたので、シールリップが密封接触する他方の部材 を軸方向に挿入する時、ベロー部に設けられている補強部により曲げ剛性が高め られることになり、ベロー部がめくれることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は本考案の一実施例に係る密封装置
の縦断面図であり、同図（ｂ）は同図（ａ）のＸ−Ｘ線
断面図である。

【図２】図２は従来の密封装置の縦断面図である。

【符号の説明】 １ 密封装置 ２ ハウジング ３ 可動軸 ４ 金属環 ４１ 外向きフランジ部 ４２ 内向きフランジ部 ４３ 円筒部 ５ シールリップ ５１ シールリップゴム状弾性体 ５２ メインリップ ５３ 副リップ ６ ベロー部 ６１ 直交部 ６２ リップベロー部 ７ ゴム状弾性体 ８ リブ（補強部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに同心的に相対可動自在に組付けら
   れる２部材間の環状の隙間をシールするもので、 前記２部材の内一方の部材に嵌合される嵌合部と、前記
   ２部材の内他方の部材に摺動自在に密封接触するシール
   リップと、該シールリップと前記嵌合部間に設けられる
   前記他方の部材の偏心に対して追随させるためのベロー
   部とから構成される密封装置において、 前記ベロー部に、部分的に曲げ剛性を高めるための補強
   部を設けたことを特徴とする密封装置。