JPH0625668U

JPH0625668U - 密封装置

Info

Publication number: JPH0625668U
Application number: JP067560U
Authority: JP
Inventors: 田芳美飯
Original assignee: Nok Corp
Current assignee: Nok Corp
Priority date: 1992-09-02
Filing date: 1992-09-02
Publication date: 1994-04-08

Abstract

(57)【要約】【目的】ハウジングの内径が違うものへの流用化を図
ると共に、着脱容易化を図る。【構成】シール本体４の嵌合部６を、シール手段７
と、前記シール本体４を弾性支持するバネ部材８と、か
ら構成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえば各種装置の軸封部に用いられるオイルシール等の密封装置、特にハウジング内周に嵌合されるシール本体の嵌合部の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の密封装置としては、たとえば図４に示すようなものがある。すなわち、この密封装置１００は、ハウジング１０１とハウジング１０１の中に挿入される軸１０２との間の環状の隙間をシールするもので、ゴム状弾性体のシール本体１０３と、軸１０２の外周に摺動自在に密封接触するシールリップ１０４と、から構成されており、シール本体１０３がハウジング１０１の内周に嵌合固定されて、密封装置１００が装着されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術の場合には、軸１０２の径が同一でも、シール本体１０３と嵌合するハウジング１０１の内径寸法がわずかに違うと使用することができない。

【０００４】また、密封装置１００の固定方法が嵌合のため、シール装着が容易でない。

【０００５】さらに、ハウジング１０１のシール本体１０３との嵌合部の加工精度が必要である。

【０００６】本考案は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ハウジングの内径が違うものへの流用化を図ると共に、着脱容易化を図り得る密封装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本考案にあっては、シール本体をハウジング内周に嵌合して装着する密封装置において、前記シール本体の嵌合部を、シール手段と、前記シール本体を弾性支持するバネ部材と、から構成したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成の密封装置にあっては、シール本体の嵌合部を、シール手段と、シール本体を弾性支持するバネ部材と、から構成したことにより、多少の寸法が違ったハウジング内径であってもバネ部材のバネ力によって、押し付け力の減少も防止でき、安定した嵌合力が得られ固定させる事が可能である。

【０００９】また、嵌合力はバネ部材のバネ力、シール手段の押し付け力のみのため着脱も容易である。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案の一実施例に基づいて説明する。本考案の一実施例に係る密封装置を示す図１乃至図３において、この密封装置１は、ハウジング２とハウジング２内に挿入される軸３との間の環状の隙間をシールするものである。

【００１１】密封装置１は、概略、ハウジング２内周に嵌合されるシール本体４と、軸３の外周面に摺動自在に密封接触するシールリップ５と、シール本体４の嵌合部６を成すシール手段としてのリップ部７とシール本体４を弾性支持するバネ部材としての板バネ８と、から構成されている。

【００１２】シール本体４は、嵌合部６を成すリップ部７およびリップ部７内に埋蔵される板バネ８と、板バネ８の変形を防止するための内環９と、内環９部を被覆するゴム状弾性体１０と、から成っている。

【００１３】リップ部７は、ゴム状弾性体製で、図１に示すように軸方向所定間隔を有して３つのリップ７１を全周的に備えた多段リップとなっている。尚、リップ７１の数は、２つでも４つでも良く、３つに限るものではなく複数あれば良い。

【００１４】また、板バネ８はリップ部７内に全周的に埋蔵されており、形状は、図３に示すようにリップ部７をハウジング２内周側に押し付け弾性支持するバネ部８１は、円周方向に等配に形成され、台形状を成し、根元部分８２は断面Ｌ字状となっている。

【００１５】一方、内環９は、外向きフランジ部９１を有した円筒状部材で、板バネ８の根元部分８２の形状に沿って断面Ｌ字状を成している。そして、内環９の密封対象流体側Ｏ端面に、板バネ８の根元部分８２の大気側Ａ端面が固着されている。また板バネ８は、ハウジング２内周に装着すると板バネ８が変形し、シールリップ５のたおれ込みが生じるため、上記のように板バネ８の根元部分８２を内環９に固着して、板バネ８の変形を防止させている。

【００１６】そして、内環９の大気側Ａにゴム状弾性体１０が、リップ部７と連続して一体的に焼付け固定されている。また、内環９の円筒部９２の密封対象流体Ｏ側端部から、軸方向密封対象流体Ｏ側に伸びるシールリップ５が一体的に焼付け固定されている。このシールリップ５は、ゴム状弾性体製で、リップ先端部５１は断面楔形を成し、軸３の外周面に摺動自在に密封接触している。そして、リップ先端部５１の外周に緊迫力を付与するためのスプリング１１が装着されている。

【００１７】また、内環９の円筒部９２の軸３側周面には、半径方向内側に向って伸び、大気側Ａに傾くダストリップ１２が、軸３の外周面に摺動自在に接触して設けられている。このダストリップ１２は、シールリップ５およびゴム状弾性体１０と連続して内環９に一体的に焼付け固定されている。

【００１８】そして、上記のように構成された密封装置１のハウジング２と軸３間の環状の隙間への装着は、図２に示すように板バネ８のバネ部８１を半径方向内側に撓ませることにより行われる。すなわち、シール本体４を弾性支持する板バネ８によって弾力性をもたせていることから、板バネ８のバネ力によってリップ部７をハウジング２内周に押し付け、密封接触させてシール本体４をハウジング２内周に嵌合される。

【００１９】このとき、板バネ８のバネ部８１がある部分はリップ部７が収縮せず、バネ部８１のない部分にしわよせが来て撓みを吸収しきれず、変形して隙間が発生する可能性があるが、バネ部８１の等配数増加、バネ部８１の先端の幅Ｗ寸法を小さくする事で、円周方向のしわよせを吸収する事が可能となり、外周隙間の発生を抑える事ができるため問題がない。

【００２０】上記構成の密封装置にあっては、シール本体４の嵌合部６を、リップ部７と、シール本体４を弾性支持する板バネ８と、から構成したことにより、多少の寸法が違ったハウジング２の内径であっても板バネ８のバネ力によって、リップ部７のハウジング２内周への押し付け力の減少も防止できるため、安定した嵌合力が得られ固定させる事が可能である。

【００２１】すなわち、多少のハウジング２の内径が違っても追随性があり、安定した嵌合力が維持できるので、軸３の径が同一であればハウジング２の内径の違いがあっても同一の密封装置１の流用性が可能となる。

【００２２】また、嵌合力は板バネ８のバネ力、リップ部７の押し付け力のみのため、嵌合力は従来技術より大幅低減する。そのため、着脱が容易となる。

【００２３】尚、上記実施例では、バネ部材として板バネ８を用いたものを例にとって説明したが、重ね板バネ状でも良く、シール本体を弾性支持する構成であれば良い。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成および作用を有するもので、シール本体の嵌合部を、シール手段と、シール本体を弾性支持するバネ部材と、から構成したので、バネ部材により、多少のハウジングの内径が違っても追随性があり、安定した嵌合力が維持できるので、軸径が同一であれば、ハウジング内径の違いがあっても同一の密封装置の流用化を図ることができる。

【００２５】また、嵌合力はバネ部材のバネ力、シール手段の押し付け力のみのため着脱容易化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例に係る密封装置の要部
縦断面図である。

【図２】図２は図１の密封装置がハウジングと軸間の環
状の隙間に装着されている状態の要部縦断面図である。

【図３】図３は図１の板バネの断面要部斜視図である。

【図４】図４は従来の密封装置の要部縦断面図である。

【符号の説明】

１密封装置２ハウジング３軸４シール本体５シールリップ５１リップ先端部６嵌合部７リップ部（シール手段）７１リップ８板バネ（バネ部材）８１バネ部８２根元部分９内環９１外向きフランジ部９２円筒部１０ゴム状弾性体１１スプリング１２ダストリップ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シール本体をハウジング内周に嵌合して
装着する密封装置において、前記シール本体の嵌合部を、シール手段と、前記シール
本体を弾性支持するバネ部材と、から構成したことを特
徴とする密封装置。